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第一章

49.鎮魂

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再び殿下たちと皆の元に戻ると、既に解散され、各々が役目を全うしていた。
「スイ団長っ!!」
「レイン、どうだ、スラムは?」
「はっ!あまり芳しくはありません。孤児が多く見受けられ、孤児院に預けられる余裕などバーミリアにはなく、手を拱いている所存です」
「そっか・・・・・・・。それは俺に考えがあるから、暫くどうにか対処してくれないか?」
「はい、了解いたしました。その考えは教えてくださらないのですか?」
「いや、まだなんとも言えないんだよ。協力者を見つけることからだからな~」
「?????ま、いつかは話してくださいね」
「ああ、わかっていると言いたいが、事が終わり次第取りかかるから、ま、忙しくなるぞ?」
「了解しました。私は貴方の命に従います、団長」
レインは綺麗な敬礼をやってのけたのだった。

一箇所に集められた死体安置所に向かう。
多くの遺体が所狭しと並べられ、安らかな眠りより窮屈な眠りだろうことがわかる。
「レイン、レイフォード」
「「はっ!」」
「前に死者を送る際に歌ってくれた歌を頼めるか?俺はこの方々を神の下にお送りする『鎮魂の炎』を灯す。アルバじゃなかったシュタイン団長は手のひらに炎の塊を作ってください」
「アルバートでいい。皆の前だが、言い直すことの方が面倒だろう。炎か?俺の力が役に立つのか?」
「ええ、その炎をジオルド殿下が光の力で包んでください。それを彼らに灯してください。それが『鎮魂』となりましょう」
「わかった。他の者たちはアシュレイ兄弟たちと共に歌ってくれ」
「「「はっ!!!」」」
そうして罪なき人々の魂を天へと宗主国の一員として送り届けた。
何にも犯されない力強い炎と優しく心を癒す歌声と共に。
ここから、バーミリアの復興が始るのだ。
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