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第一章
47.ジオルド
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「スイ、本当に喉大丈夫かい?」
「ジオルド殿下が治してくださいましたので、大丈夫ですよ!」
「・・・・・・・・うん、やっと私が治してあげられた」
「???殿下??」
俺は口ごもってしまった彼の顔を覗き込む。
「っ!あ、いや・・・・・・本当は私が治したかったんだよ?怒りたかったんだよ?」
「??????」
何を言わんとしているのか、全くわからないし、見当もつかない。
「青龍殿と手合わせしたときのこと覚えてる?君から血が流れ落ちる様、嫌な音をたてる肉体・・・・・私が、俺がっ!何とも思ってなかったと思うかい?」
「え、あ、それは・・・・・」
一人称が俺になっているジオルド。
これは相当俺に対して、怒っているのだろう。
「ごめんなさい」
「何に対して?わかってる、スイは?」
「っ!!」
「君のあんな姿を見て、目の前が真っ暗になって、消え失せようとしている意識と必死に闘った俺の気持ち、本当に理解している?」
「・・・・・・・・」
「ほら、言えないでしょ?あははははは・・・・・・はは・・・」
「ジオルド殿下?」
「・・・・・・・・・・・・」
嫌な笑い声を上げてしまったジオルドは、奇妙な視線を一身に集めている。
この視線から逃れるため、ジオルドの腕を引いて、誰もいないバーミリア城の一室に入った。
そうして、ぎゅっと俺からきつく、強く抱きしめる。
「ごめん、本当にごめん。心配してくれてありがとう。心配かけてごめん」
「うん。本当はね、俺が治癒をしてあげたかった。けど玄武殿にその役目を取られた。本当は俺だってスイを怒りたかった。でも、レインが怒ってくれた。だから、俺は怒れなかった。それに怒ったら、俺はスイを信用していないことになるんじゃないかと思って」
「違うっ!それは違う!!そんなこと言うなよっ!俺をどれだけ大切に思ってくれているのかわかってるから!だから、無茶が出来るんだ!!だから、だからっ!!んっむっ!!」
息を奪われるくらいの激しい口づけ。
ぐちゅくちゅと卑猥な水音が俺たち以外誰もいない一室の隅々まで届く。
「はっ・・・ぁ・・・・・ぅむぅ!」
「はっ足りない!足りないんだっ!スイがっ!」
「んむぅ・・・・・・・・ぁ・・・ん」
意識が朦朧とし出した頃、漸く離され、お互いの口から銀糸が伝い、俺の顎を汚す。
それをペロリと舐めとり、俺の襟ぐりを大きく開けて、首筋に強く噛みつく。
「ぃっ!!」
「はは、ははは。綺麗に付いた、俺の印」
「・・・うん・・・・・嬉しい」
「っ!!あ・・・すまない、スイ・・・俺、あ、いや私は・・・」
「いいって!『俺』で。それが地なんだろう?俺だけの時は『俺』でいてよ。俺のジオルド」
「っ!煽るんじゃない、全く。は~冷静でなかった。すまない」
「ううん」
俺たちは暫くお互いの体温を服越しに感じあったのだ。
「ジオルド殿下が治してくださいましたので、大丈夫ですよ!」
「・・・・・・・・うん、やっと私が治してあげられた」
「???殿下??」
俺は口ごもってしまった彼の顔を覗き込む。
「っ!あ、いや・・・・・・本当は私が治したかったんだよ?怒りたかったんだよ?」
「??????」
何を言わんとしているのか、全くわからないし、見当もつかない。
「青龍殿と手合わせしたときのこと覚えてる?君から血が流れ落ちる様、嫌な音をたてる肉体・・・・・私が、俺がっ!何とも思ってなかったと思うかい?」
「え、あ、それは・・・・・」
一人称が俺になっているジオルド。
これは相当俺に対して、怒っているのだろう。
「ごめんなさい」
「何に対して?わかってる、スイは?」
「っ!!」
「君のあんな姿を見て、目の前が真っ暗になって、消え失せようとしている意識と必死に闘った俺の気持ち、本当に理解している?」
「・・・・・・・・」
「ほら、言えないでしょ?あははははは・・・・・・はは・・・」
「ジオルド殿下?」
「・・・・・・・・・・・・」
嫌な笑い声を上げてしまったジオルドは、奇妙な視線を一身に集めている。
この視線から逃れるため、ジオルドの腕を引いて、誰もいないバーミリア城の一室に入った。
そうして、ぎゅっと俺からきつく、強く抱きしめる。
「ごめん、本当にごめん。心配してくれてありがとう。心配かけてごめん」
「うん。本当はね、俺が治癒をしてあげたかった。けど玄武殿にその役目を取られた。本当は俺だってスイを怒りたかった。でも、レインが怒ってくれた。だから、俺は怒れなかった。それに怒ったら、俺はスイを信用していないことになるんじゃないかと思って」
「違うっ!それは違う!!そんなこと言うなよっ!俺をどれだけ大切に思ってくれているのかわかってるから!だから、無茶が出来るんだ!!だから、だからっ!!んっむっ!!」
息を奪われるくらいの激しい口づけ。
ぐちゅくちゅと卑猥な水音が俺たち以外誰もいない一室の隅々まで届く。
「はっ・・・ぁ・・・・・ぅむぅ!」
「はっ足りない!足りないんだっ!スイがっ!」
「んむぅ・・・・・・・・ぁ・・・ん」
意識が朦朧とし出した頃、漸く離され、お互いの口から銀糸が伝い、俺の顎を汚す。
それをペロリと舐めとり、俺の襟ぐりを大きく開けて、首筋に強く噛みつく。
「ぃっ!!」
「はは、ははは。綺麗に付いた、俺の印」
「・・・うん・・・・・嬉しい」
「っ!!あ・・・すまない、スイ・・・俺、あ、いや私は・・・」
「いいって!『俺』で。それが地なんだろう?俺だけの時は『俺』でいてよ。俺のジオルド」
「っ!煽るんじゃない、全く。は~冷静でなかった。すまない」
「ううん」
俺たちは暫くお互いの体温を服越しに感じあったのだ。
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