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第一章
28.可愛い寝顔
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「ん・・・・・・・」
鳥の囀りが聞こえる・・・・・
光が入ってきている・・・・・・・・・・・
「んん??」
俺はばっちり目が覚めました!
既に気持ちの良い朝でした!
風呂場で気絶したんだろう、二人が俺をベッドに運んでくれていた。
その二人は俺を挟んで、スヤスヤともう三十路前か?と思えるほど、あどけない顔で眠っている。
とっても、
「可愛い!!」
頬をプニプニしたいが、起こしてしまうと可哀想だ。
ただ、日に日に濃くなっていったジオルドの目の下の隈はなくなっているし、ジルフォードもあの光景を見た後なのに、穏やかに寝ているので一安心だ。
起こさずに、俺はベッドから抜け出すと、とりあえず、
もう一度、風呂だ!!
中にまだ二人のモノが入っている感覚があり、歩きにくいが、それでも愛された証が残っていて嬉しく思う。
風呂から出ても、二人は相当疲れていたのだろう、まだ寝息を立てている。
それも、
兄弟が裸で抱き合って!!
これ、サーシャ様が見たら、発狂するな。
と、噂をすればサーシャ様の足音がするぞ?
ノックで二人が起きてしまうのは可哀想だから、先に俺が扉を開けて、迎い入れる。
「スイ、あの二人は?」
「寝室で寝ておりますよ?それもとびっきり可愛くね」
「まぁっ!それは見なければっ!」
「あっ!起こさないようにお願いします。相当疲れているみたいですから」
「それもそうね。では、抜き足差し足で突撃しましょうか?」
いや、抜き足差し足なのに「突撃」したら駄目でしょうに。
しかも抜き足差し足って言ってたわりには、スキップだし。
二人が起きないことを祈るしかない。
サーシャ様の小さな突撃にも起きず、母親に寝顔を見られる双子。
「か、可愛い!!しかも、抱き合っているなんて!裸ってのがポイントね!ああ、小さい頃の可愛さのままだわ!陛下を呼んできましょう!」
と、俺の制止の声も待たず、侍女を遣わし、そして数分後には陛下がすっ飛んできた。
しかも、第一・二殿下、そして王女二人も連れて。
「うわ~~可愛い!この子たち、こんなに可愛かったかしら?」
「うんうん、私たちにとっては可愛い弟たちだろう」
「それもそうね~~。しかし、幸せそうに寝てるわね~」
「スイがいないのにな」
と、そこで俺を見ないでください。というか、ジオルドとジルフォードが気の毒です。
つか、いい加減起きろよ、この双子!
「子供の成長は早いものだね、サーシャ」
「ええ、本当ですわね、陛下。この歳になって息子たちのこの姿を見れたこと、本当に嬉しいですわ」
と、親の言葉としては当然なのだが、サーシャ様の口元は違う意味での笑みがあって、怖い。
頭の中でどんな妄想が繰り広げられているんだろう?
「さ、隣の部屋に朝食を用意させたから、皆で食べよう!スイもだよ?」
「え、いや、ご家族の団欒を邪魔するわけにはいかないので、私は少し「いや、君にも話しておくことがあるから、食べなさい」
「あ、はい・・・・・・・」
凄い威圧感です。逆らえません。
そして、勝手にジルフォードの部屋で朝食を摂らないでください。
「で、話というのが食事の席ですることではないのだが、スイが『精霊の住まう森』で捕えた二人組が漸く「バーミリアの王から依頼を受けた」と自供した。しかも、家族を人質に捕られているらしい」
「そうですか。・・・・・少し、人選を考え直さなければならないかもしれません。というのも、第三・第四殿下には城下で浄化作業に徹して貰おうと思っているのです。しかし、バーミリアの城内には、フィルハートの王族が誰も残らないことになってしまいます。しかし、こちらの国の兵力を減らすわけにはいかない。バーミリアに進行中に、他の国が仕掛けてくる可能性だってあるのですから」
俺が言いたいのはつまり、
「つまり、スイが言いたいのは、『バーミリア城にいる王侯貴族以外の人間を保護し、浄化はできなくても回復ができ、且つそれを見届けるフィルハートの王族が必要』ということね?」
「はい、その通りです、ナルミア様。此度の件については、フィルハートの王族の証言があってこそ、成り立つ事柄であると判断しております。そして、城内に冤罪や何かしらの理由で捕えられている方々もいるはずです。私が召喚された間には女性の姿がありませんでした。つまり、どこかに王妃も監禁されている可能性もあるのです。その方々を救援するのも王族の職だと考えます」
「その通りね。帝国の王族たる私たちの証言は『真実』だから。だから、私たちが必要なのよね、理屈や常識が通用しないあの様な国には。あと、バーミリアには第二王子もいたはず。では、私、第二王女ヘルミアが行きましょう。私は少しではありますが浄化できるのですよ」
ふふふふふ、と笑う姿は天女様!
ああ、俺って向こうの世界では華美でなく、質素で慎ましい『大和撫子』系の女性が好きだったんだよな。
どこでどう間違ったのか、超美形で清涼感溢れるキラキラした男のあの殿下たちに好意を寄せられて、俺も・・・・・。言葉は貰ってないけど。
ちゃんと女性が好きだったはずなんだけど、あの二人は何か違うんだよな。元々身体が一つだったような感じがするの!
ま、これが所謂、
「夫婦ね!」
と、サーシャ様が俺をキラキラの目で見つめております。
ということは、
「声に出てました?」
「ええ、ばっちり!!」
「ああ、孫が楽しみだわ~~~!オーガストもキュリアスも子供が今年産まれてね~~~。もう、超ベッタベタに甘やかしているのよ」
「気持ち悪いくらいにね。お兄様たちがあんな表情するとは思ってもおりませんでしたわ」
「ええ、全く。あのお顔、世間にはお見せできないですわ!」
「「ええっ!!そこまで??」」
仲良く兄弟げんかが始りましたが、
「あの~孫って?」
ここで問いかけるの間違ってないよな?
「あら、スイ、こちらの国では・・・・・・・」
サーシャ様が説明をされようとしたのに、寝室から
「「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」」
という、殿下たちの叫び声がこちらにまで響き渡ったのだ。
鳥の囀りが聞こえる・・・・・
光が入ってきている・・・・・・・・・・・
「んん??」
俺はばっちり目が覚めました!
既に気持ちの良い朝でした!
風呂場で気絶したんだろう、二人が俺をベッドに運んでくれていた。
その二人は俺を挟んで、スヤスヤともう三十路前か?と思えるほど、あどけない顔で眠っている。
とっても、
「可愛い!!」
頬をプニプニしたいが、起こしてしまうと可哀想だ。
ただ、日に日に濃くなっていったジオルドの目の下の隈はなくなっているし、ジルフォードもあの光景を見た後なのに、穏やかに寝ているので一安心だ。
起こさずに、俺はベッドから抜け出すと、とりあえず、
もう一度、風呂だ!!
中にまだ二人のモノが入っている感覚があり、歩きにくいが、それでも愛された証が残っていて嬉しく思う。
風呂から出ても、二人は相当疲れていたのだろう、まだ寝息を立てている。
それも、
兄弟が裸で抱き合って!!
これ、サーシャ様が見たら、発狂するな。
と、噂をすればサーシャ様の足音がするぞ?
ノックで二人が起きてしまうのは可哀想だから、先に俺が扉を開けて、迎い入れる。
「スイ、あの二人は?」
「寝室で寝ておりますよ?それもとびっきり可愛くね」
「まぁっ!それは見なければっ!」
「あっ!起こさないようにお願いします。相当疲れているみたいですから」
「それもそうね。では、抜き足差し足で突撃しましょうか?」
いや、抜き足差し足なのに「突撃」したら駄目でしょうに。
しかも抜き足差し足って言ってたわりには、スキップだし。
二人が起きないことを祈るしかない。
サーシャ様の小さな突撃にも起きず、母親に寝顔を見られる双子。
「か、可愛い!!しかも、抱き合っているなんて!裸ってのがポイントね!ああ、小さい頃の可愛さのままだわ!陛下を呼んできましょう!」
と、俺の制止の声も待たず、侍女を遣わし、そして数分後には陛下がすっ飛んできた。
しかも、第一・二殿下、そして王女二人も連れて。
「うわ~~可愛い!この子たち、こんなに可愛かったかしら?」
「うんうん、私たちにとっては可愛い弟たちだろう」
「それもそうね~~。しかし、幸せそうに寝てるわね~」
「スイがいないのにな」
と、そこで俺を見ないでください。というか、ジオルドとジルフォードが気の毒です。
つか、いい加減起きろよ、この双子!
「子供の成長は早いものだね、サーシャ」
「ええ、本当ですわね、陛下。この歳になって息子たちのこの姿を見れたこと、本当に嬉しいですわ」
と、親の言葉としては当然なのだが、サーシャ様の口元は違う意味での笑みがあって、怖い。
頭の中でどんな妄想が繰り広げられているんだろう?
「さ、隣の部屋に朝食を用意させたから、皆で食べよう!スイもだよ?」
「え、いや、ご家族の団欒を邪魔するわけにはいかないので、私は少し「いや、君にも話しておくことがあるから、食べなさい」
「あ、はい・・・・・・・」
凄い威圧感です。逆らえません。
そして、勝手にジルフォードの部屋で朝食を摂らないでください。
「で、話というのが食事の席ですることではないのだが、スイが『精霊の住まう森』で捕えた二人組が漸く「バーミリアの王から依頼を受けた」と自供した。しかも、家族を人質に捕られているらしい」
「そうですか。・・・・・少し、人選を考え直さなければならないかもしれません。というのも、第三・第四殿下には城下で浄化作業に徹して貰おうと思っているのです。しかし、バーミリアの城内には、フィルハートの王族が誰も残らないことになってしまいます。しかし、こちらの国の兵力を減らすわけにはいかない。バーミリアに進行中に、他の国が仕掛けてくる可能性だってあるのですから」
俺が言いたいのはつまり、
「つまり、スイが言いたいのは、『バーミリア城にいる王侯貴族以外の人間を保護し、浄化はできなくても回復ができ、且つそれを見届けるフィルハートの王族が必要』ということね?」
「はい、その通りです、ナルミア様。此度の件については、フィルハートの王族の証言があってこそ、成り立つ事柄であると判断しております。そして、城内に冤罪や何かしらの理由で捕えられている方々もいるはずです。私が召喚された間には女性の姿がありませんでした。つまり、どこかに王妃も監禁されている可能性もあるのです。その方々を救援するのも王族の職だと考えます」
「その通りね。帝国の王族たる私たちの証言は『真実』だから。だから、私たちが必要なのよね、理屈や常識が通用しないあの様な国には。あと、バーミリアには第二王子もいたはず。では、私、第二王女ヘルミアが行きましょう。私は少しではありますが浄化できるのですよ」
ふふふふふ、と笑う姿は天女様!
ああ、俺って向こうの世界では華美でなく、質素で慎ましい『大和撫子』系の女性が好きだったんだよな。
どこでどう間違ったのか、超美形で清涼感溢れるキラキラした男のあの殿下たちに好意を寄せられて、俺も・・・・・。言葉は貰ってないけど。
ちゃんと女性が好きだったはずなんだけど、あの二人は何か違うんだよな。元々身体が一つだったような感じがするの!
ま、これが所謂、
「夫婦ね!」
と、サーシャ様が俺をキラキラの目で見つめております。
ということは、
「声に出てました?」
「ええ、ばっちり!!」
「ああ、孫が楽しみだわ~~~!オーガストもキュリアスも子供が今年産まれてね~~~。もう、超ベッタベタに甘やかしているのよ」
「気持ち悪いくらいにね。お兄様たちがあんな表情するとは思ってもおりませんでしたわ」
「ええ、全く。あのお顔、世間にはお見せできないですわ!」
「「ええっ!!そこまで??」」
仲良く兄弟げんかが始りましたが、
「あの~孫って?」
ここで問いかけるの間違ってないよな?
「あら、スイ、こちらの国では・・・・・・・」
サーシャ様が説明をされようとしたのに、寝室から
「「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」」
という、殿下たちの叫び声がこちらにまで響き渡ったのだ。
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