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第一章
21.ジョギングで・・・
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翌朝、ジオルドと共に約束の時間に集合箇所に行くと、俺たちはあんぐりと大きな口を開くことになったのだ。
「ナンデコンナコトニナッテシマッタンデショウ、ジオルドデンカ」
「ハッハッハッ・・・・・。スイ、カタコトニナッテイルガ・・・」
「殿下もですよ」
俺たちが何故片言になったかというと、かなり多くの騎士がジョギングに参加するようだからだ。いや、ま、別にいいけど、こんなに多くの騎士が朝市行っても大丈夫なのか?つか、こんな人数俺指導できるわけねーじゃん!
「あ、ジオルドとスイ!すごいことになったな、この人数」
「ジルフォード殿下、これは一体?」
「ああ、兄上たちが時間に余裕がある者は参加するように騎士団全体に通達したんだ」
「「はっ?」」
「ジオルドもスイも反応が似てきたね。さすが未来の夫婦」
「突っ込みどころ満載だが、まあそれは置いといて」
「置かないでくれ、スイ。ジルフォードの最後の言葉が重要なんだから」
五月蠅いジオルドの口を手で塞いで、辺りを見渡すと、女性騎士も参加している。
女性のインナーは緑と青。つまり、第一・第二騎士団以外にあるということだ。
「女性騎士団は、第一王女のナルミアの「風」の騎士団と第二王女のヘルミアの「水」の騎士団だ。それから、第一王子オーガストは「土」、第二王子キュリアスは「火」だからね、スイ。そして、女性騎士の役目は宮廷を護る事。仕える王女だけでなく、宮廷内に住まう全ての命あるモノを護る事だよ。知識を得て満足したかい?」
「俺、顔に出てたか?」
「ああ、女性たちばかりに熱い目を向けていたらな」
「妬いた?」
「ああ、もちろんだろう?」
「なら、いい」
妬いて貰うのって嬉しいもんなんだな。と、暢気なこと考えている時間はない!
「では、スイ団長、貴殿から開始の合図を」
「はっ!」
ジオルドに促され、俺は皆の前に立つ。
「これより、体幹を鍛えるためジョギングを始める!休憩時は、朝市で朝食を摂る!もちろんその間市井の情報も集めるように!休憩は20分!途中で気分が悪くなった者は遠慮なく俺に報告するように!体調が悪いのに走っても良いことはないからな。また、俺の判断で中止させる者がいるかもしれんが、それには絶対に従って貰う!よいな!」
「「「はっ!!!」」」
「では、自分のペースで朝市までジョギングを始めよ!」
ま~うん、結構体力ねーな、騎士団・・・・・・・。
「おい、ジオルド」
「スイ、私たちだけではないのだが?」
「そんなこたぁどうでもいい。なんだ、この屍累々は」
朝市の場所まで約5キロ。たかだか二十分から三十分ほどの距離だ。たったそれだけの距離で、この屍の数の多さ。
「情けない・・・・・・でも、ま、俺の王子様はへばってないから、ちゃんと体力はあるようだな。感心感心」
「ははは、褒められている気がしないのだが?」
「いや、うん、ま、この光景を見て呆れてんだけどな・・・・・とりあえず」
息を吸い込んで、
「もう走るのが無理だと思う者は歩いて戻れ!まだ、余裕がある者は復路も自分のペースで戻れ!各々戻り次第解散して良い!以上!」
この号令後、まだ余力がある者はゆっくりとしたペースだが走り出した。もう走れない者も一応騎士だ、自力で立ち上がりのろのろと歩いて戻る。
続くだろうか、このジョギング・・・・・・。
「スイ、君から昨日8キロ追加されたので私はもう少し先まで走ろうと思うが、君もどうだい?」
そうだった。ジオルドに追加を科したことすっかり忘れていたわ。
「じゃ、4キロ走ろうか。先に行くと何があるんだ?」
「農村があるんだ。人々の暮らしを朝市以外で見られると思うが?」
「お、それいいなっ!じゃ、行くか!」
と、そのジオルドの提案に乗ると、まだ元気の余っている騎士たちも「一緒に行きたい」というので、大人数で行動するのは~と思考し、そして、俺はこの朝市に違和感を覚えたのだ。
「な~、瘴気が発生して浄化が追いついていないって言っていなかったか?」
そうなのだ、朝市に『瘴気』がないのだ。小さいモノは見えるが、それは人の小さな妬みなどの『瘴気』でどこにでも、どこの世界でも存在するモノなので気にする必要のないものばかりだ。
しかし、『浄化が追いつかないほどの瘴気』には出会っていない。
「・・・・・・・昼や夜に多く発生する。あとは・・・・・実はこの先の農村で見せたいモノがあるんだ」
そういうことか。何となく理解してきたぞ。
「朝は空気が澄んでいるから『瘴気が発生しない』。つまり、この街の『瘴気』は自然現象だ。ならその自然現象はどこから発生する?と、考えると、農村だな。そこに行けば何かわかるな」
「済まない、スイ。騙すようなことになって」
「それはいい。・・・・では、残っている騎士よ、この朝市の片付けを手伝ってくれ!片付けの最中に『瘴気』が沸いてくる場所が必ずあるはずだ!人の出入りが多い時刻になると『瘴気』が濃くなってくるのが今回の『瘴気の正体』だ!必ず、多くの人に影響を与える前に全て見つけだせっ!見つけ次第、報告のため一旦戻れ!それと、そこの二人!この事を第一・第二殿下に伝えよっ!暫く殿下たちの騎士を俺が借りるってな」
「「はっ!!」」
俺はジョギングの最中に伝令に特化した二人を見つけたのだ。それが今回指名した二人だ。その二人は疲れているはずなのに『任務』と割り切ると、疲れを一切見せないスピードで駆けだしていった。
俺たちも動かないとっ!
「ジオルド殿下とジルフォード殿下、そして、第一・第二・第三の騎士団長副団長は俺と同行して貰う!農村の方が『瘴気』が強いはずだ。一時精霊を戻す!団長は『瘴気』を広げないように対処してくれ!副団長は農村の方々を避難させろ。ジルフォード殿下には『浄化』を行って貰います。俺の力を貸すので、一緒に一度挑戦してみましょう。その後は、ジオルド殿下とレインに『清浄化』してもらう。『浄化』と『清浄』は異なる。そっちも俺が力を貸すから」
俺は説明しながらジオルドの後に続いて、農村を目指していた。
そして辿り着いた先の農村は俺が想像していたよりも酷かった。
「レイン以外の副団長は民の避難を!団長たちは一箇所に瘴気を集めてくれっ!」
「「「了解っ!」」」
さすが騎士団のトップに立つ者だ。怯まず瘴気に立ち向かい、また、的確な避難を誘導する。連携が素晴らしい。
「ジルフォード殿下は一箇所に集められた『瘴気』に集中してください。手のひらから大きな幕を出し、『瘴気』を包み、それを燃やすイメージをしてください。その後、同じようにジオルド殿下とレインもしてください。それで『瘴気』の浄化は済みます。俺だと一人で行えますが、殿下たちはそれぞれ1種類の加護しかありませんので、『瘴気を消す』作業はこの世界では二人一組で行うようになります。今回はまだ力が未熟な殿下たちなので、俺が加わった四人一組です」
「わかった。スイの力を借りよう。それで私たちは少しでも『瘴気』を消し去れる力を手に入れられるのだな?」
「ええ、俺の力を殿下たちに流すので、少なからず基盤となる力が増しますよ」
「そうか。それなら気合い入れねばな!」
なんとか一箇所に集められた『瘴気』を、ジルフォード殿下の闇の力で『浄化』し、その後ジオルド殿下の光の力とレインの風の力で『清浄』した。その際俺の力の貸し方は、彼らの背中から俺の力を流すだけ。たったそれだけ。
それだけで、成功してしまったのだから、元々の精霊の力を引き出す潜在能力は各自高いのだ。
これで俺は遠慮せず、スパルタで教育できるってもんだっ!
「ナンデコンナコトニナッテシマッタンデショウ、ジオルドデンカ」
「ハッハッハッ・・・・・。スイ、カタコトニナッテイルガ・・・」
「殿下もですよ」
俺たちが何故片言になったかというと、かなり多くの騎士がジョギングに参加するようだからだ。いや、ま、別にいいけど、こんなに多くの騎士が朝市行っても大丈夫なのか?つか、こんな人数俺指導できるわけねーじゃん!
「あ、ジオルドとスイ!すごいことになったな、この人数」
「ジルフォード殿下、これは一体?」
「ああ、兄上たちが時間に余裕がある者は参加するように騎士団全体に通達したんだ」
「「はっ?」」
「ジオルドもスイも反応が似てきたね。さすが未来の夫婦」
「突っ込みどころ満載だが、まあそれは置いといて」
「置かないでくれ、スイ。ジルフォードの最後の言葉が重要なんだから」
五月蠅いジオルドの口を手で塞いで、辺りを見渡すと、女性騎士も参加している。
女性のインナーは緑と青。つまり、第一・第二騎士団以外にあるということだ。
「女性騎士団は、第一王女のナルミアの「風」の騎士団と第二王女のヘルミアの「水」の騎士団だ。それから、第一王子オーガストは「土」、第二王子キュリアスは「火」だからね、スイ。そして、女性騎士の役目は宮廷を護る事。仕える王女だけでなく、宮廷内に住まう全ての命あるモノを護る事だよ。知識を得て満足したかい?」
「俺、顔に出てたか?」
「ああ、女性たちばかりに熱い目を向けていたらな」
「妬いた?」
「ああ、もちろんだろう?」
「なら、いい」
妬いて貰うのって嬉しいもんなんだな。と、暢気なこと考えている時間はない!
「では、スイ団長、貴殿から開始の合図を」
「はっ!」
ジオルドに促され、俺は皆の前に立つ。
「これより、体幹を鍛えるためジョギングを始める!休憩時は、朝市で朝食を摂る!もちろんその間市井の情報も集めるように!休憩は20分!途中で気分が悪くなった者は遠慮なく俺に報告するように!体調が悪いのに走っても良いことはないからな。また、俺の判断で中止させる者がいるかもしれんが、それには絶対に従って貰う!よいな!」
「「「はっ!!!」」」
「では、自分のペースで朝市までジョギングを始めよ!」
ま~うん、結構体力ねーな、騎士団・・・・・・・。
「おい、ジオルド」
「スイ、私たちだけではないのだが?」
「そんなこたぁどうでもいい。なんだ、この屍累々は」
朝市の場所まで約5キロ。たかだか二十分から三十分ほどの距離だ。たったそれだけの距離で、この屍の数の多さ。
「情けない・・・・・・でも、ま、俺の王子様はへばってないから、ちゃんと体力はあるようだな。感心感心」
「ははは、褒められている気がしないのだが?」
「いや、うん、ま、この光景を見て呆れてんだけどな・・・・・とりあえず」
息を吸い込んで、
「もう走るのが無理だと思う者は歩いて戻れ!まだ、余裕がある者は復路も自分のペースで戻れ!各々戻り次第解散して良い!以上!」
この号令後、まだ余力がある者はゆっくりとしたペースだが走り出した。もう走れない者も一応騎士だ、自力で立ち上がりのろのろと歩いて戻る。
続くだろうか、このジョギング・・・・・・。
「スイ、君から昨日8キロ追加されたので私はもう少し先まで走ろうと思うが、君もどうだい?」
そうだった。ジオルドに追加を科したことすっかり忘れていたわ。
「じゃ、4キロ走ろうか。先に行くと何があるんだ?」
「農村があるんだ。人々の暮らしを朝市以外で見られると思うが?」
「お、それいいなっ!じゃ、行くか!」
と、そのジオルドの提案に乗ると、まだ元気の余っている騎士たちも「一緒に行きたい」というので、大人数で行動するのは~と思考し、そして、俺はこの朝市に違和感を覚えたのだ。
「な~、瘴気が発生して浄化が追いついていないって言っていなかったか?」
そうなのだ、朝市に『瘴気』がないのだ。小さいモノは見えるが、それは人の小さな妬みなどの『瘴気』でどこにでも、どこの世界でも存在するモノなので気にする必要のないものばかりだ。
しかし、『浄化が追いつかないほどの瘴気』には出会っていない。
「・・・・・・・昼や夜に多く発生する。あとは・・・・・実はこの先の農村で見せたいモノがあるんだ」
そういうことか。何となく理解してきたぞ。
「朝は空気が澄んでいるから『瘴気が発生しない』。つまり、この街の『瘴気』は自然現象だ。ならその自然現象はどこから発生する?と、考えると、農村だな。そこに行けば何かわかるな」
「済まない、スイ。騙すようなことになって」
「それはいい。・・・・では、残っている騎士よ、この朝市の片付けを手伝ってくれ!片付けの最中に『瘴気』が沸いてくる場所が必ずあるはずだ!人の出入りが多い時刻になると『瘴気』が濃くなってくるのが今回の『瘴気の正体』だ!必ず、多くの人に影響を与える前に全て見つけだせっ!見つけ次第、報告のため一旦戻れ!それと、そこの二人!この事を第一・第二殿下に伝えよっ!暫く殿下たちの騎士を俺が借りるってな」
「「はっ!!」」
俺はジョギングの最中に伝令に特化した二人を見つけたのだ。それが今回指名した二人だ。その二人は疲れているはずなのに『任務』と割り切ると、疲れを一切見せないスピードで駆けだしていった。
俺たちも動かないとっ!
「ジオルド殿下とジルフォード殿下、そして、第一・第二・第三の騎士団長副団長は俺と同行して貰う!農村の方が『瘴気』が強いはずだ。一時精霊を戻す!団長は『瘴気』を広げないように対処してくれ!副団長は農村の方々を避難させろ。ジルフォード殿下には『浄化』を行って貰います。俺の力を貸すので、一緒に一度挑戦してみましょう。その後は、ジオルド殿下とレインに『清浄化』してもらう。『浄化』と『清浄』は異なる。そっちも俺が力を貸すから」
俺は説明しながらジオルドの後に続いて、農村を目指していた。
そして辿り着いた先の農村は俺が想像していたよりも酷かった。
「レイン以外の副団長は民の避難を!団長たちは一箇所に瘴気を集めてくれっ!」
「「「了解っ!」」」
さすが騎士団のトップに立つ者だ。怯まず瘴気に立ち向かい、また、的確な避難を誘導する。連携が素晴らしい。
「ジルフォード殿下は一箇所に集められた『瘴気』に集中してください。手のひらから大きな幕を出し、『瘴気』を包み、それを燃やすイメージをしてください。その後、同じようにジオルド殿下とレインもしてください。それで『瘴気』の浄化は済みます。俺だと一人で行えますが、殿下たちはそれぞれ1種類の加護しかありませんので、『瘴気を消す』作業はこの世界では二人一組で行うようになります。今回はまだ力が未熟な殿下たちなので、俺が加わった四人一組です」
「わかった。スイの力を借りよう。それで私たちは少しでも『瘴気』を消し去れる力を手に入れられるのだな?」
「ええ、俺の力を殿下たちに流すので、少なからず基盤となる力が増しますよ」
「そうか。それなら気合い入れねばな!」
なんとか一箇所に集められた『瘴気』を、ジルフォード殿下の闇の力で『浄化』し、その後ジオルド殿下の光の力とレインの風の力で『清浄』した。その際俺の力の貸し方は、彼らの背中から俺の力を流すだけ。たったそれだけ。
それだけで、成功してしまったのだから、元々の精霊の力を引き出す潜在能力は各自高いのだ。
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