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第一章

9.酔っ払い※

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「犯人を捕まえ次第、お前たちの国に行く。弟公の状況は余り芳しくないことはわかった。それより王妃様だ。城に戻り次第、王妃様に・・・・・・・・。失礼だけど、本当に申し訳ないのだが、本当は裸がよいのだが、装飾や模様の一切ない白い薄手のシンプルな服を着て、弟公の部屋に来て貰ってくれ。侍女には何でもよいのだが、ハーブの入った浴場を用意して貰っておいてくれ。施術が終わり次第王妃様にはそれに入浴して貰い、悪いものを全て浄化させる。後は、弟公の縛りを解き次第、ジオルド殿下自らがハーブティーを煎れて、弟公に飲ませてくれ。ただし、その過程で、レイフォードの癒しの力が入った水をアルバートの力強い炎で湧かしてもらう。「光・水・火」の加護が入った茶を飲むことで、身体や心の疲弊が取れるだろう」
「それでよいのですか?私の水がそのように利用できるなんて」
「ああ、俺も信じられん。俺の炎が癒しに利用できるなんて」
「私もだ。私が注ぐだけで、回復するなど」
「何を驚いている?三人とも加護持ちで、しかも、さっき言っただろう?『強くなる方法はいくらでもある』って。君たちは精霊にとても愛されているよ。だけど、彼らの声を聞こうとしないから強くなれないんだ。わかったよ、この世界の力の法則が。加護は使えるけど、精霊と絆を結べないからその先にたどり着けていないんだ。だから、「闇」を「悪」に仕立てるような愚かな行為ができる。人間は自分たちより優れたモノなどいないと勝手に決めつけ、精霊たちの存在を否定している。だから、今以上に強くなれないんだよ。加護は精霊や神が与えてくださるモノ。無償の慈悲に報いないモノには必要以上の力は不要だろう?精霊は常に等しく「優しい」んだよ。だから火の力にも「癒やし」を与えられる。それを知ろうとせず、何々が正しい、何々は悪だと罵るのはいただけないだけ。だから、本当の力を貰えないんだ。だから殿下が典型的な支援型だとわかっていない。そうだろう?ただレイフォードと同じ「治癒」だが、その能力は凄いね!レイフォードは単体だけど、殿下は広範囲に展開できる。城に行ったら訓練を始めようか。君たちの覚悟を見たから、そのくらいは手伝ってあげるよ」
「スイ、話し方が変わってますが・・・・・・」
「っ!ん~、要素や加護についての説明とかするときどうしても優しい教師口調になんだよな~~。子供に怖がられないよう指導してきたからかな?」
「俺たちは子供か?」
「似たようなもんだろう、実際。加護、力の有り様を理解していないんだから」
「痛いところを突くね。もっと我々は精霊たちと関わらなければならなかったんだね」
「おう!だが、誰しもができることじゃない。君たち三人が俺に出会ったからできるんだ。その部分ははき違えるなよ。精霊たちに失礼だ」
「「「???????」」」
「『?』じゃなくてだな、精霊の声が聞こえるって、それだけその人間が『優しい』ってことだぞ?あ、でもまだ聞こえないんだっけ?ただ俺に出会ったから君たちは精霊と言葉を交わせることを知った。それに偽善でもなんでもない純粋な『優しさ』が君たちにあるってことを俺が認めてるんだから、そこは誇れよ」
「そうなんですね、私たちにそんな心があるんですね」
「俺なんて攻撃魔法しか使えないから、更に驚きだ」
「私だって攻撃系だと思っていたのに、支援型だったのだからアルバートよりも驚きは大きいぞ!」
と、三者三様の感想だけど、表情はどことなく嬉しそうで、満足で。
俺も理解してくれたことが嬉しい。
俺はズッキーニをチーズにディップして、口に運ぶ前にワインを一口。
「美味いな、このワイン。俺、重口が好きなんだけど、これは飲みやすいな。辛みもあって脂っこい食事には適しているな」
「おおっ!わかるか、スイ!俺の大好きなワインの一つだ!それと、こっちのワインもいけるぜ!チーズとの相性が抜群でさ!肉料理にも合うんだ!」
「アルバートが酒好き何はよ~~くわかったから、その悔しい程の胸筋を俺の目の前で露わにしないでくれ。てか、上着着ろよ!羨ましくて触りたくなるだろうがっ!」
「ほ~、別に触るくらいなら構わんが?」
「・・・・・・・・レイ、そんな目で俺を見ないでくれ。殿下も・・・・・・・・。大丈夫、アルを取ったりしないから」
レイには冷たい眼差しを、ジオルドには怒りの眼差しを向けられ、マジで居心地が悪いです。
「ははは、冗談だスイ。別にアルの胸筋を触ったところで下心などないことわかっているからな」
「そうですよ、団長を取られたからって気にしませんから」
「おいっ!そこは気にしろよ!てか、妬いてくれてもいいんじゃないのか?」
「いえいえ、スイなら構いませんよ。私なんて、スイに触りたくて仕方ありませんから。エイッ!」
ビクッ!!
「☆▽□○△☆」
レイが抱きついてきて、俺の耳元でスンスンと鼻を鳴らす。
「ひっ!ちょ、匂い嗅ぐな!ちょ、やだって・・・ぅあっ!!」
ベロンと耳の後ろを分厚い舌で舐められて、背筋がびくつく。
熱を持つ舌でねっとりと舐められれば、腰にも来るわけで・・・・・・・。
「やぁ・・・・・・レイ、やめっ!ぁあっ!」
耳の中に侵入してきた舌は、奥に入り込もうとグリグリと内耳を抉る。
「ふぁ・・・・・ぃあ・・・・・」
ヤバい!下腹部痛い!
俺は知らず股をモジモジとさせていたようで、ギュッとジオルドに服の上から握られた。
「ああっ!さわらな・・・・・・・で、出るか・・らぁ」
ジオルドは俺の言葉に気をよくしたのか、俺の服を寛げて直に抜き出したのだ。
「ああああ・・・・・やぁ」
「可愛い、スイ」
「おいおい、殿下もレイも楽しみすぎだろ?俺は、じゃ~胸をいただくか」
と、殿下が寛げた服を更に脱がせて、俺の左胸に吸い付いてきたのだ。
「くぁん・・・・・・・・も、さんに・・んとも・・・・・・・やぁ」
「イッてください、スイ」
「ああ、お前のイキ顔見せてくれ」
「遠慮せず出せばいんだよ」
ジオルドの最後の言葉が決定打となり、俺は身体を大きく震わせ、ビュクリと精液を殿下の手に吐き出したのだった。
荒い息を吐き出す中、俺は考える。
どうしてこうなった?
ただ俺たちは食べていただけだよな?
つか、レイって受けじゃねーのかよっ!
「すみません、スイ。あまりにも貴方が可愛らしいから少し食べさせて貰いました」
「何処が少し!?」
「ああ、レイも可愛いがスイの可愛さも見れて、俺は明日の仕事頑張れるわ」
「可愛い!?」
「うんうん、スイの身体は甘いね。は~早く君と一つになりたいよ」
「・・・・・・・・・・俺の身体はあくまで殿下に預けただけなのですが?なのに、なんで今三人に犯されたんでしょう?」
俺は微かにヒクツク身体を叱咤し、ジロリと彼らを睨む。
「スイぃ~こちらの腸詰めもぉ~おいちいでしゅよぉ~」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「完全に酔っ払ってんじゃん、レイフォードッ!」
呂律だけではなくて、手も覚束ない。
誰がどう見ても、酔っ払いのできあがりです。
「そんなことはないぞ?多分・・・・・・レイはそんなに飲んでないだろう?」
と、殿下は言いつつ、俺の下半身をムニムニと握ってくる。
「いい加減にしてくれませんかね、殿下?つか、酒くさっ!貴方も大概酔っ払いかっ!」
二人の暴挙は酔っ払った勢いだったのか?しかし、それで片付けられるのも癪だけどな!!
「すまん、スイ。二人とも弱くはないのだが、この本数を見るとな・・・・・・・」
アルバートが指さす方を見ると、一体何本あるんだという本数のアルコール瓶がゴロゴロと転がっている。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スイ、お前本当に酒に強いな」
「その前にこの二人どうにかしてくれ」
殿下を俺から引きはがし、レイフォードと並べて寝かそうと思ったが、アルバートが殿下の持ち物であろう『圧縮袋』から四角いモノを取り出して、
ビュンッ!!!
「????!!!!!!!!!!!!!!!!」
小さな家が飛び出してきました。
驚きすぎて、心臓が口から出るかと思いました!!
「寝るためだけのテントだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・テントの域を超えてません?」
中に入るとベッドが2台と小さなテーブルを備え付けているこじんまりとした室内だった。
「見張りがいないといけないからな。だから、ベッドが2台なんだ」
「あ~~~なるほど、なるほど。じゃあ、俺はこいつら運んだらアルバートと見張りしながら、酒盛りだな!」
「お前、まだ飲むのか?チーズフォンデュもあと少しだぞ?」
「材料あんなら簡単に何か作るけど?火もおこしてくれてるし」
「そうか、ならあっちのレイの『圧縮袋』を探ってくれ。3日分の食料を持ってきているはずだ」
「了解!じゃ、俺が殿下を運ぶから「いや、お前はいい。つまみの用意をお願いする」
「ははは。了解。簡単な物でも文句言うなよ?」
そして、俺たち二人は見張りをしながら酒を飲み、夜を明かしたのだった。
「っ!!!来たっ!」
「っ!!!犯人がか?」
「ああ、そうみたいだ」
殿下とレイフォードはまだ起きてこない。さっき覗いたら気持ちよさそうに寝ていたから起こすのも忍びない。
「アルバート、これに簡易結界を張るから俺の後ろにいてくれ」
「ああ」
俺はこの小さな家の四方にクナイを刺して、簡易結界を張った。
「これで大丈夫だ。行くぞ、アルバート。俺が闘うけど、もし交渉の余地があれば頼めるか?俺はこちらの世界にはまだまだ疎いからな」
「そのくらいはさせてくれ」
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