リアル

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残像

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真っ青な空の下、新緑の若葉に守られるように、それはいた。

明らかに、腰の位置が違い違いたがいちがいになっている。

上半身は天を仰ぎながら、両手を広げ、見開いた目は、何処か分からないが一点を見つめている。

長い茶色い髪は、テラテラと太陽の光を反射し、白い肌を余計に際立たせている。

その割に、薄いブラウスに染み込みきれず緑を濡らす赤黒い血液は少なく感じた。

年齢は20代前半といったところだろうか。

「お前がやったのか?」

不意に左腕を掴まれ、ビクンと俺の体が震えた。

驚きと恐怖で口元が硬直する。

「おい!お前なのか!」

何か言わなきゃと思う俺の体内が、ジワジワと冷たくなっていく。

その反動を受けたように、ひんやりしたものが背中を伝って落ちていった。

「聞いているのか?」

目の前に黒い点が無数に現れる。

「おい!名前は?」

やがてそれは視界の全てを覆い尽くし、同時に全身の力がガクンと抜けた。





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