73 / 107
66
しおりを挟む
ドレスを仕立てに公爵家に行ってから、十五日程経った。
今日は、クラウスと公爵領でデートをする。私は、黄緑色のワンピースを着て馬車に乗っていた。
くまさんの刺繍のハンカチ喜んでくれるかしら。
「おはよう、クラウス」
「おはよう、リリアーナ」
公爵家に着いたので挨拶をしてから、一緒の馬車に乗って町に向かう。
町は人で賑わっていた。
クラウスが私に話し掛けてきた。
「今日は、久しぶりに食べ歩きをしないか?」
「ええ、いいわ。何から食べる?」
「そうだな、魚の塩焼きはどうだ」
「いいわね」
串に刺さった魚にかぶり付いて食べた。クラウスは、二匹も食べていた。
「美味しかったわね」
「次は、肉を食べよう」
クラウスは、食べ歩きが好きなようだ。いつもよりも、生き生きしていた。
いくつか食べてお腹が満たされた私達は、噴水公園の中を手を繋いで散歩をする。
クラウスが、私に話し掛けてきた。
「そういえば、この間久しぶりにジャック様が遊びに来たよ」
「ジャック様が?」
「そう。ユリアスに会いにね。騎士になってからは、忙しいみたいだけど。時々ユリアスに会いに来てくれるんだよ」
「ジャック様は、優しいわね」
私は、ジャックの近況が聞けて嬉しくなった。
「そうだな。それから、オリヴィアさんとまだ続いているらしくてね、幸せそうに語って帰られたよ」
「ジャック様は、騎士になってもジャック様ね」
二人で顔を見合わせて笑い合った。
「リリアーナ姫、そろそろ食後のデザートはいかがでしょうか?」
いきなりふざけ出したクラウスに乗ってあげた。
「まあ! クラウス王子、ぜひ食べたいわ」
「では、私の腕におつかまり下さい」
私は少し笑ってから、クラウスの腕に手を添えた。
クラウスのエスコートで、噴水公園の近くのしゃれたカフェに向かう。
中に入るとトーマスじいさんが案内をしてくれた。
「クラウスお坊っちゃま、お待ちしておりました。いつもの部屋に案内致しますので、ごゆっくりお過ごし下さい」
私は噴水公園が窓から見える部屋に通された。
クラウスが紅茶とケーキを注文してから人払いをする。
「ここのカフェ店に来たのは、久しぶりね」
「そうだな。プラメル領に行ったり湖に行ったりしていたからな」
ノックがありトーマスじいさんが入室した。みかんぽいものが乗ったケーキが出てきた。
トーマスじいさんが退出してから食べ始める。
「やっぱり、いつ食べても美味しいわね。ここのケーキは」
私の言葉にクラウスは笑顔で答えてくれた。
「リリアーナが喜んでくれて、良かったよ。甘いものが好きだね」
「甘いものは、大好きよ!」
クラウスは、優しい笑顔を見せてくれた。クラウスの柔らかい笑みを見て、久しぶりに胸がときめいた。
クラウスって、こんなに格好良かったかしら……?
今日は、クラウスと公爵領でデートをする。私は、黄緑色のワンピースを着て馬車に乗っていた。
くまさんの刺繍のハンカチ喜んでくれるかしら。
「おはよう、クラウス」
「おはよう、リリアーナ」
公爵家に着いたので挨拶をしてから、一緒の馬車に乗って町に向かう。
町は人で賑わっていた。
クラウスが私に話し掛けてきた。
「今日は、久しぶりに食べ歩きをしないか?」
「ええ、いいわ。何から食べる?」
「そうだな、魚の塩焼きはどうだ」
「いいわね」
串に刺さった魚にかぶり付いて食べた。クラウスは、二匹も食べていた。
「美味しかったわね」
「次は、肉を食べよう」
クラウスは、食べ歩きが好きなようだ。いつもよりも、生き生きしていた。
いくつか食べてお腹が満たされた私達は、噴水公園の中を手を繋いで散歩をする。
クラウスが、私に話し掛けてきた。
「そういえば、この間久しぶりにジャック様が遊びに来たよ」
「ジャック様が?」
「そう。ユリアスに会いにね。騎士になってからは、忙しいみたいだけど。時々ユリアスに会いに来てくれるんだよ」
「ジャック様は、優しいわね」
私は、ジャックの近況が聞けて嬉しくなった。
「そうだな。それから、オリヴィアさんとまだ続いているらしくてね、幸せそうに語って帰られたよ」
「ジャック様は、騎士になってもジャック様ね」
二人で顔を見合わせて笑い合った。
「リリアーナ姫、そろそろ食後のデザートはいかがでしょうか?」
いきなりふざけ出したクラウスに乗ってあげた。
「まあ! クラウス王子、ぜひ食べたいわ」
「では、私の腕におつかまり下さい」
私は少し笑ってから、クラウスの腕に手を添えた。
クラウスのエスコートで、噴水公園の近くのしゃれたカフェに向かう。
中に入るとトーマスじいさんが案内をしてくれた。
「クラウスお坊っちゃま、お待ちしておりました。いつもの部屋に案内致しますので、ごゆっくりお過ごし下さい」
私は噴水公園が窓から見える部屋に通された。
クラウスが紅茶とケーキを注文してから人払いをする。
「ここのカフェ店に来たのは、久しぶりね」
「そうだな。プラメル領に行ったり湖に行ったりしていたからな」
ノックがありトーマスじいさんが入室した。みかんぽいものが乗ったケーキが出てきた。
トーマスじいさんが退出してから食べ始める。
「やっぱり、いつ食べても美味しいわね。ここのケーキは」
私の言葉にクラウスは笑顔で答えてくれた。
「リリアーナが喜んでくれて、良かったよ。甘いものが好きだね」
「甘いものは、大好きよ!」
クラウスは、優しい笑顔を見せてくれた。クラウスの柔らかい笑みを見て、久しぶりに胸がときめいた。
クラウスって、こんなに格好良かったかしら……?
31
お気に入りに追加
5,076
あなたにおすすめの小説
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った
冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。
「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。
※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる