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兄ルイス視点 1
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リリアーナとエルーシアがまだ小さかった頃、僕たち家族は幸せだった。
いや、母だけは父に不満を抱えていたのかもしれない……
仕事ばかりの父に母は、寂しそうな顔をすることもあった。母の悲しみは、娘達に依存するようになっていったように思う。「お母様大好き!」と、言われる度に母の心は満たされていったように、僕は思えた。
僕にとって、リリアーナとエルーシアは、どちらも同じくらいかわいい妹だ。
二人とも小さい頃は「お兄様と結婚するー」と、僕を取り合っていた。
あの頃の二人は、たまらなくかわいい……本当に、本当に可愛かったんだ。
きっかけは、なんだったろうか……
ある日を境に、リリアーナが笑わなくなっていった。僕達家族とも距離をおくようになった。
僕が話し掛けても、避けるように会話をすぐに終わらせてしまう。
僕は、ジャックに相談した。
ジャックには、年頃の女の子はみんなそうだよ。と言われ、笑われた。
僕もジャックの言葉に、年頃だから仕方ない……か、と目を瞑ることにした。
しかし、夕食の時間は僕達家族の異様な形が明らかだった。
会話に入らず目線も合わないリリアーナ。
家族の中心で楽しそうに話すエルーシア。
エルーシアだけを可愛がる母。
僕も返事が返ってくるエルーシアとばかり話をしていた。
まあ、父だけは相変わらずの無関心……この状況を見て何もしない父は、僕には家族の事に対して無関心に見えた。
僕は、心に違和感を感じたが気づかない振りをした。
そして、定期的に家から逃げるようにジャックに会いに行くようになった。
リリアーナがルシアンと婚約してからは、良い方向に変わっていった。
リリアーナが、家族とも少しずつだが、話すようになってきた。
僕はルシアンに感謝をしたし、ルシアンを実の弟のように可愛がっていた。
それは、悪い形で突然裏切られることとなる。
いきなりの婚約解消とエルーシアとの婚約だ。
母は自分の愛に素直に答えてくれるエルーシアをとても可愛がっていて、エルーシアが何をしても注意することなど無かったが、この時だけは、顔を青くて「なんてことを……」と、呟いていた。
僕たち家族は、ずっと前から壊れていた。でも、みんな見て見ぬ振りをした。リリアーナ一人を犠牲にして……
父が考えていることは、僕には分からないが……
僕と母は、婚約解消事件が起こってはじめて気づいた。
自分達が犯した過ちに……
僕は、リリアーナに謝罪をした。
リリアーナは、優しい。その場で許してくれた。
僕には勿体ないくらい素敵な妹だ。
だから、それから僕は毎日リリアーナの部屋に遊びに行った。
今までの、リリアーナとの時間を取り戻すように。
少しでも、リリアーナに笑顔が戻るように。
母はエルーシアを過剰に可愛がることは、無くなった。
しかし、リリアーナとは昔のようには戻れていない。
それから、リリアーナはクラウス様と婚約をした。
最初は僕は反対だった。
リリアーナの心は、ボロボロだ。
また、リリアーナを傷つけるやつなら許さない。
しかし、リリアーナは僕が思うよりずっと強かった。
そして、クラウス様と過ごすうちに明るくなった。
僕がリリアーナにこれからしてあげられるのは、伯爵家にいる間にリリアーナを傷つける人達から守ること。
ルシアンから。そして……これは、考えたくないが、エルーシアから。
ルシアンが軽い男でたまたま近くにいたエルーシアに心変わりしただけ。僕は、自分に言い聞かせる。
しかし、それもそろそろ限界だ。
エルーシアは、意図的にリリアーナを傷つけている。
理由はいったい?
もしエルーシアがリリアーナに、意地悪をしていたとしても、僕はエルーシアの事を嫌いになれないだろう。
だって僕達は、血の繋がった兄妹だから……
いや、母だけは父に不満を抱えていたのかもしれない……
仕事ばかりの父に母は、寂しそうな顔をすることもあった。母の悲しみは、娘達に依存するようになっていったように思う。「お母様大好き!」と、言われる度に母の心は満たされていったように、僕は思えた。
僕にとって、リリアーナとエルーシアは、どちらも同じくらいかわいい妹だ。
二人とも小さい頃は「お兄様と結婚するー」と、僕を取り合っていた。
あの頃の二人は、たまらなくかわいい……本当に、本当に可愛かったんだ。
きっかけは、なんだったろうか……
ある日を境に、リリアーナが笑わなくなっていった。僕達家族とも距離をおくようになった。
僕が話し掛けても、避けるように会話をすぐに終わらせてしまう。
僕は、ジャックに相談した。
ジャックには、年頃の女の子はみんなそうだよ。と言われ、笑われた。
僕もジャックの言葉に、年頃だから仕方ない……か、と目を瞑ることにした。
しかし、夕食の時間は僕達家族の異様な形が明らかだった。
会話に入らず目線も合わないリリアーナ。
家族の中心で楽しそうに話すエルーシア。
エルーシアだけを可愛がる母。
僕も返事が返ってくるエルーシアとばかり話をしていた。
まあ、父だけは相変わらずの無関心……この状況を見て何もしない父は、僕には家族の事に対して無関心に見えた。
僕は、心に違和感を感じたが気づかない振りをした。
そして、定期的に家から逃げるようにジャックに会いに行くようになった。
リリアーナがルシアンと婚約してからは、良い方向に変わっていった。
リリアーナが、家族とも少しずつだが、話すようになってきた。
僕はルシアンに感謝をしたし、ルシアンを実の弟のように可愛がっていた。
それは、悪い形で突然裏切られることとなる。
いきなりの婚約解消とエルーシアとの婚約だ。
母は自分の愛に素直に答えてくれるエルーシアをとても可愛がっていて、エルーシアが何をしても注意することなど無かったが、この時だけは、顔を青くて「なんてことを……」と、呟いていた。
僕たち家族は、ずっと前から壊れていた。でも、みんな見て見ぬ振りをした。リリアーナ一人を犠牲にして……
父が考えていることは、僕には分からないが……
僕と母は、婚約解消事件が起こってはじめて気づいた。
自分達が犯した過ちに……
僕は、リリアーナに謝罪をした。
リリアーナは、優しい。その場で許してくれた。
僕には勿体ないくらい素敵な妹だ。
だから、それから僕は毎日リリアーナの部屋に遊びに行った。
今までの、リリアーナとの時間を取り戻すように。
少しでも、リリアーナに笑顔が戻るように。
母はエルーシアを過剰に可愛がることは、無くなった。
しかし、リリアーナとは昔のようには戻れていない。
それから、リリアーナはクラウス様と婚約をした。
最初は僕は反対だった。
リリアーナの心は、ボロボロだ。
また、リリアーナを傷つけるやつなら許さない。
しかし、リリアーナは僕が思うよりずっと強かった。
そして、クラウス様と過ごすうちに明るくなった。
僕がリリアーナにこれからしてあげられるのは、伯爵家にいる間にリリアーナを傷つける人達から守ること。
ルシアンから。そして……これは、考えたくないが、エルーシアから。
ルシアンが軽い男でたまたま近くにいたエルーシアに心変わりしただけ。僕は、自分に言い聞かせる。
しかし、それもそろそろ限界だ。
エルーシアは、意図的にリリアーナを傷つけている。
理由はいったい?
もしエルーシアがリリアーナに、意地悪をしていたとしても、僕はエルーシアの事を嫌いになれないだろう。
だって僕達は、血の繋がった兄妹だから……
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