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あれは私が六歳で、エルーシアが五歳くらいの頃だろうか。
お母様に買ってもらった髪飾りは、ピンク色の花がかわいらしくとても気に入っていた。
うれしくて、うれしくて、どこに行くときも付けて出掛けた。
「お姉様の髪飾り素敵ね。私にちょうだい」
「嫌よ、気に入っているだから」
「お姉様のいじわる。少しくらい貸してくれたっていいじゃない。かして! かして! かして!」
エルーシアの声は、どんどん大きくなっていく。
そこにお母様がやってきて、エルーシアを落ち着かせながら言った。
「まあまあ、リリアーナは優しいお姉ちゃんだものね。きっと、貸してくれるわ」
どうして、この髪飾りは私のお気に入りなのに。私のなのに。
私は、無言で立ち尽くす。
「お願いリリアーナ。エルーシアに貸してあげて、ね」と笑顔で言ってきた。
本当は渡したくなかった。しかし、私は無言で髪飾りを渡したのであった。
エルーシアは嬉しそうだったが、私は全然嬉しくない。
それからすぐに、髪飾りは私のもとに帰ってくることはなく、しばらくしてから、エルーシアが「ごめんなさい。木の枝に引っ掛かってお花が外れてしまったの」と持って来た。
私は悔しくてしょうがなかったが、表情に出さずに「そう」とだけ答えた。
お母様に買ってもらった髪飾りは、ピンク色の花がかわいらしくとても気に入っていた。
うれしくて、うれしくて、どこに行くときも付けて出掛けた。
「お姉様の髪飾り素敵ね。私にちょうだい」
「嫌よ、気に入っているだから」
「お姉様のいじわる。少しくらい貸してくれたっていいじゃない。かして! かして! かして!」
エルーシアの声は、どんどん大きくなっていく。
そこにお母様がやってきて、エルーシアを落ち着かせながら言った。
「まあまあ、リリアーナは優しいお姉ちゃんだものね。きっと、貸してくれるわ」
どうして、この髪飾りは私のお気に入りなのに。私のなのに。
私は、無言で立ち尽くす。
「お願いリリアーナ。エルーシアに貸してあげて、ね」と笑顔で言ってきた。
本当は渡したくなかった。しかし、私は無言で髪飾りを渡したのであった。
エルーシアは嬉しそうだったが、私は全然嬉しくない。
それからすぐに、髪飾りは私のもとに帰ってくることはなく、しばらくしてから、エルーシアが「ごめんなさい。木の枝に引っ掛かってお花が外れてしまったの」と持って来た。
私は悔しくてしょうがなかったが、表情に出さずに「そう」とだけ答えた。
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