22 / 34
四章 あなざーだんじょん
あなざーだんじょん【三】
しおりを挟む
「ねえ、どこに向かってるの?」
メアがフィンではなく俺に尋ねる。
「さあな」
さっきのやり取りで苦手意識を持ったらしく、フィンとの間に俺を挟む位置を歩いてついてくる。
コンソールブースから一度あの円型の広間に戻ったあと、また別の通路を選んだ。今はずっと階段を下り続けている。俺の記憶が正しければ、城の方に戻る向きに歩いている。進むにつれて、天井のパイプの本数は減り、より太くなっていくことに気付いていた。
何かの中心部に近づいている。
フィンが足を止めた。
円いハンドルが据え付けられた、少し小さめの鉄の扉が行く手を遮っていた。
すぐに扉を開けずに、フィンは脇に備え付けられた制御盤のパネルを開いた。四角いスイッチを順に押すと、上のランプが一つずつ点灯する。空気が漏れる音が聞こえ始めた。
「酸素か」
計器の針が徐々に右に倒れていくのを眺める。
「……意外です」
目を丸く開いたフィンが俺を見る。青く透き通った瞳をしている。
「何だ?」
「あなたのことはダンジョンマスターと聞いていましたので。細かい設備の仕組みは知らないものだと思っていました」
はきはきと失礼なことを言うフィン。
言葉の中身はともかくとして、言葉遣いだけは丁寧なものだった。
「何を勘違いしているかは知らんが、ダンジョンを支配している者がダンジョンマスターじゃない。ダンジョンのすべてを把握し掌握する者をダンジョンマスターと呼ぶんだ」
これだけ地下の、それも長時間密閉されていた空間に入る時は言われなくても気を付けるべきことだ。俺が運営しているダンジョンも、エアフローには細心の注意を払っている。
「この前壊れてたじゃん」
「こら余計なことを言うな。それにあれはメアのメンテナンス不足だろう」
そうこうしている間に、計器の針が十分に右に触れる。
それを確認してから、原始的なやり方でハンドルをひねり、ゆっくりと圧を解いていった。手前に開いた扉は、その厚さが五十センチを超えていた。
フィンが先に奥へ入り、電気を付けて辺りに異常がないことを確認してから俺たちを招き入れる。
くぐった扉の低さとは対照的に、そこには巨大な空間が広がっていた。
「あ、これ!」
見たことある、と叫ぶメア。
視界を圧倒する、重厚な機械設備が鎮座していた。
――魔導動力炉だ。
俺のダンジョンにあるものよりも一回りも二回りも大きい。今は稼働している様子はないが、五機。
その他にもラジエーターや冷却設備、形から熱機関らしいことは分かるが具体的な用途が分からない機械などがいくつも存在していた。
「あなた方の世界のことは、お父様からお聞きしました」
まだ互いの交流の場が設けられた記憶はないが、ルルコットの知り合いだと言うのだから既に情報交換は活発に行われているのだろう。こちら側としても事前に色々と教えておいてもらいたかったのだが、ルルコットの性格の悪いところが出てそれは叶わなかった。
「今はただの居住区に成り下がっていますが、私たちの城は元は立派なダンジョンでした」
「お城って、昨日泊まったあのお城のこと?」
「他に、どの城があると?」
なぜかメアには冷たいフィン。
ただ、フィンの言葉は俺にとってもにわかには信じがたかった。客間もダイニングも浴場も整備されたあの城が、元々は勇者が探索するダンジョンだったと言っている。
探索するには快適すぎる。
「この設備を見れば信じてもらえると思ったのですが」
確かに俺たちのダンジョンの規模を優に凌駕する。ただそれも、設備が動いていればの話だが。
「それが今は稼働していないのはどういうわけなんだ? 城はともかく、『ダンジョンタワー』と呼ばれているあれは、この設備を使わずにどうやって運営されている」
質問が次から次へと湧き上がってくる。
フィンは、それら全てに答えをくれた。
大きな原因は、この世界の魔王がすでに年老いて弱体化してしまっていることにあるという。
魔の力が矮小になり、支配が及ぶ範囲も狭まっていき、人々にとっては身に迫る危機が薄れていく。
それは、国という国が勇者に対する優遇の度合いを下げ、特権の範囲を絞り、資金援助の口すらきつく縛ることに繋がっていく。
そうして、この大陸での勇者の数がみるみる内に減っていってしまったのだった。
ダンジョンの経営者にとっては大打撃だ。
仕入れ在庫と設備稼働の負担は残り、倒れた勇者達の残存装備の売却益や魔王からの討伐報酬は大きく目減りする。
ダンジョンによっては例えば神殿からのキックバックや国王からの裏金、村々の襲撃益など収入源は他にいくつもあるだろうが、いずれも魔王の力の弱体化と勇者の減少に際してしまっては十分に得られる見込みはなかった。
配下を抱えておくのも、ただではない。
そうして辿り着いたのが『ブランシュタイン・キャッスル・パーク』だった。
ダンジョンという形を保つために、もはや勇者だけをあてにするわけにはいかなくなった彼らは収益の源を『一般人』に求めた。何の能力も持たない、ただの『人』に。
「銃剣『ツインギア』とモンスターの代わりとなった『ブランケットエネミー』は、どちらもお父様が開発しました。たとえ子供であっても、勇者になれるような仕組みを作ったのです」
開発されたそれらは、ごく微量の魔力で、それも市場で買うことのできる一番安価な回復薬から抽出した魔力でも動くような仕組みだった。
ただそれも、最初からダンジョンタワーとして成り立たせることを目的としてつくられたものではなかった。
始まりは近くの村に作った、小屋めいた小さな娯楽施設だったという。例えるなら街の観劇場が役割としては近いかもしれない。勇者の数こそ減ったが、ゼロになったわけではない。人が集まればそれだけ勇者が集う割合が増える。そして、子供の頃から勇者のまねごとをしていれば、大人になった時にも勇者を職業として選択する割合も増えるのではないか、と。
そんな淡い期待を持ちながら、アルワイズが身分を偽って、つまり魔族であることを隠して、村に無償で提供した施設だった。
そして評判は広まり、村に人が集まっていく。
「そうやって当初の目的から外れて拡大していった結果がこれというわけか」
ここまで話を聞けば、結末は想像に難くない。
「村の人達は、お父様に施設の拡大を願い入れました――決して少なくはない金貨をもって」
そこから目指す先は変わってしまった。
ルルコットは城のリニューアルという言い方をしていたが、それはこれまでのダンジョンを完全に廃して、娯楽施設としてダンジョンタワーを経営していくことを決めたアルワイズの決心を意味していたのだろう。
「いい話じゃん」
ちゃんと話を聞いていたのかいなかったのか、メアがそんなふうに言った。
「パパが頑張って立て直したんでしょ?」
なるほど、そう取れなくもない。
無論、本懐ではないだろうが。
「こんなの、私にとっては壊されたのと同じ」
感情を精一杯噛み殺して、フィンは言う。
「私たちはここでこうして施設を運営することを見逃してもらうために、かつてブランシュタイン家が仕えた主に対してお金を払っているの――これが私にとってどれだけの屈辱か、あなたに分かる?」
仕えていたのは、魔王かその眷属か。いずれにしても、昔と同じ関係というわけにはいかないだろう。
「メア、やめておけ」
わ、の形に開いたメアの口を物理的に塞いだ。喧嘩になるのは目に見えていた。
「言いたいことがあるなら聞きますけど」
メアの性格を知ってか知らずか、フィンが煽る。
もごもごと、唇が俺の手の中で暴れる。鼻までは塞いでいないので呼吸に不便はないはずだ。俺は手を離さずに言う。
「じゃあ、俺から一つだけいいか」
「なんですか?」
「アルワイズの口から、彼自身がどういう思いでタワーを作り上げたかは聞いたことがあるのか?」
フィンは質問の意図を図りかねる顔をした。
「――ないですけど」
「その答えなら、もう一つ聞きたい。アルワイズに、フィン自身がどうしたいかを伝えたことはあるのか」
少しの沈黙。
メアはいつの間にかおとなしくなっていた。
「……さっき一つだけと言いました」
フィンはそう言って俺の問いには答えてくれなかった。
「そろそろ、時間」
さっきまで静かにしていたセリナが場の空気を変えた。時間はというと、ちょうど正午になろうというところだった。アルワイズが一度戻ると言っていた時間だ。
「そうですね。様子を見てきます」
俺たちは一度この場を離れた。
メアがフィンではなく俺に尋ねる。
「さあな」
さっきのやり取りで苦手意識を持ったらしく、フィンとの間に俺を挟む位置を歩いてついてくる。
コンソールブースから一度あの円型の広間に戻ったあと、また別の通路を選んだ。今はずっと階段を下り続けている。俺の記憶が正しければ、城の方に戻る向きに歩いている。進むにつれて、天井のパイプの本数は減り、より太くなっていくことに気付いていた。
何かの中心部に近づいている。
フィンが足を止めた。
円いハンドルが据え付けられた、少し小さめの鉄の扉が行く手を遮っていた。
すぐに扉を開けずに、フィンは脇に備え付けられた制御盤のパネルを開いた。四角いスイッチを順に押すと、上のランプが一つずつ点灯する。空気が漏れる音が聞こえ始めた。
「酸素か」
計器の針が徐々に右に倒れていくのを眺める。
「……意外です」
目を丸く開いたフィンが俺を見る。青く透き通った瞳をしている。
「何だ?」
「あなたのことはダンジョンマスターと聞いていましたので。細かい設備の仕組みは知らないものだと思っていました」
はきはきと失礼なことを言うフィン。
言葉の中身はともかくとして、言葉遣いだけは丁寧なものだった。
「何を勘違いしているかは知らんが、ダンジョンを支配している者がダンジョンマスターじゃない。ダンジョンのすべてを把握し掌握する者をダンジョンマスターと呼ぶんだ」
これだけ地下の、それも長時間密閉されていた空間に入る時は言われなくても気を付けるべきことだ。俺が運営しているダンジョンも、エアフローには細心の注意を払っている。
「この前壊れてたじゃん」
「こら余計なことを言うな。それにあれはメアのメンテナンス不足だろう」
そうこうしている間に、計器の針が十分に右に触れる。
それを確認してから、原始的なやり方でハンドルをひねり、ゆっくりと圧を解いていった。手前に開いた扉は、その厚さが五十センチを超えていた。
フィンが先に奥へ入り、電気を付けて辺りに異常がないことを確認してから俺たちを招き入れる。
くぐった扉の低さとは対照的に、そこには巨大な空間が広がっていた。
「あ、これ!」
見たことある、と叫ぶメア。
視界を圧倒する、重厚な機械設備が鎮座していた。
――魔導動力炉だ。
俺のダンジョンにあるものよりも一回りも二回りも大きい。今は稼働している様子はないが、五機。
その他にもラジエーターや冷却設備、形から熱機関らしいことは分かるが具体的な用途が分からない機械などがいくつも存在していた。
「あなた方の世界のことは、お父様からお聞きしました」
まだ互いの交流の場が設けられた記憶はないが、ルルコットの知り合いだと言うのだから既に情報交換は活発に行われているのだろう。こちら側としても事前に色々と教えておいてもらいたかったのだが、ルルコットの性格の悪いところが出てそれは叶わなかった。
「今はただの居住区に成り下がっていますが、私たちの城は元は立派なダンジョンでした」
「お城って、昨日泊まったあのお城のこと?」
「他に、どの城があると?」
なぜかメアには冷たいフィン。
ただ、フィンの言葉は俺にとってもにわかには信じがたかった。客間もダイニングも浴場も整備されたあの城が、元々は勇者が探索するダンジョンだったと言っている。
探索するには快適すぎる。
「この設備を見れば信じてもらえると思ったのですが」
確かに俺たちのダンジョンの規模を優に凌駕する。ただそれも、設備が動いていればの話だが。
「それが今は稼働していないのはどういうわけなんだ? 城はともかく、『ダンジョンタワー』と呼ばれているあれは、この設備を使わずにどうやって運営されている」
質問が次から次へと湧き上がってくる。
フィンは、それら全てに答えをくれた。
大きな原因は、この世界の魔王がすでに年老いて弱体化してしまっていることにあるという。
魔の力が矮小になり、支配が及ぶ範囲も狭まっていき、人々にとっては身に迫る危機が薄れていく。
それは、国という国が勇者に対する優遇の度合いを下げ、特権の範囲を絞り、資金援助の口すらきつく縛ることに繋がっていく。
そうして、この大陸での勇者の数がみるみる内に減っていってしまったのだった。
ダンジョンの経営者にとっては大打撃だ。
仕入れ在庫と設備稼働の負担は残り、倒れた勇者達の残存装備の売却益や魔王からの討伐報酬は大きく目減りする。
ダンジョンによっては例えば神殿からのキックバックや国王からの裏金、村々の襲撃益など収入源は他にいくつもあるだろうが、いずれも魔王の力の弱体化と勇者の減少に際してしまっては十分に得られる見込みはなかった。
配下を抱えておくのも、ただではない。
そうして辿り着いたのが『ブランシュタイン・キャッスル・パーク』だった。
ダンジョンという形を保つために、もはや勇者だけをあてにするわけにはいかなくなった彼らは収益の源を『一般人』に求めた。何の能力も持たない、ただの『人』に。
「銃剣『ツインギア』とモンスターの代わりとなった『ブランケットエネミー』は、どちらもお父様が開発しました。たとえ子供であっても、勇者になれるような仕組みを作ったのです」
開発されたそれらは、ごく微量の魔力で、それも市場で買うことのできる一番安価な回復薬から抽出した魔力でも動くような仕組みだった。
ただそれも、最初からダンジョンタワーとして成り立たせることを目的としてつくられたものではなかった。
始まりは近くの村に作った、小屋めいた小さな娯楽施設だったという。例えるなら街の観劇場が役割としては近いかもしれない。勇者の数こそ減ったが、ゼロになったわけではない。人が集まればそれだけ勇者が集う割合が増える。そして、子供の頃から勇者のまねごとをしていれば、大人になった時にも勇者を職業として選択する割合も増えるのではないか、と。
そんな淡い期待を持ちながら、アルワイズが身分を偽って、つまり魔族であることを隠して、村に無償で提供した施設だった。
そして評判は広まり、村に人が集まっていく。
「そうやって当初の目的から外れて拡大していった結果がこれというわけか」
ここまで話を聞けば、結末は想像に難くない。
「村の人達は、お父様に施設の拡大を願い入れました――決して少なくはない金貨をもって」
そこから目指す先は変わってしまった。
ルルコットは城のリニューアルという言い方をしていたが、それはこれまでのダンジョンを完全に廃して、娯楽施設としてダンジョンタワーを経営していくことを決めたアルワイズの決心を意味していたのだろう。
「いい話じゃん」
ちゃんと話を聞いていたのかいなかったのか、メアがそんなふうに言った。
「パパが頑張って立て直したんでしょ?」
なるほど、そう取れなくもない。
無論、本懐ではないだろうが。
「こんなの、私にとっては壊されたのと同じ」
感情を精一杯噛み殺して、フィンは言う。
「私たちはここでこうして施設を運営することを見逃してもらうために、かつてブランシュタイン家が仕えた主に対してお金を払っているの――これが私にとってどれだけの屈辱か、あなたに分かる?」
仕えていたのは、魔王かその眷属か。いずれにしても、昔と同じ関係というわけにはいかないだろう。
「メア、やめておけ」
わ、の形に開いたメアの口を物理的に塞いだ。喧嘩になるのは目に見えていた。
「言いたいことがあるなら聞きますけど」
メアの性格を知ってか知らずか、フィンが煽る。
もごもごと、唇が俺の手の中で暴れる。鼻までは塞いでいないので呼吸に不便はないはずだ。俺は手を離さずに言う。
「じゃあ、俺から一つだけいいか」
「なんですか?」
「アルワイズの口から、彼自身がどういう思いでタワーを作り上げたかは聞いたことがあるのか?」
フィンは質問の意図を図りかねる顔をした。
「――ないですけど」
「その答えなら、もう一つ聞きたい。アルワイズに、フィン自身がどうしたいかを伝えたことはあるのか」
少しの沈黙。
メアはいつの間にかおとなしくなっていた。
「……さっき一つだけと言いました」
フィンはそう言って俺の問いには答えてくれなかった。
「そろそろ、時間」
さっきまで静かにしていたセリナが場の空気を変えた。時間はというと、ちょうど正午になろうというところだった。アルワイズが一度戻ると言っていた時間だ。
「そうですね。様子を見てきます」
俺たちは一度この場を離れた。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
【完結】ダンジョンマスターは魔王の夢を見る〜ダンジョンマスターが最強のダンジョンを作るまで〜
及川ゴン之助
ファンタジー
「……これって上手く使えば魔王になれるんじゃね?」
現代社会で生きていた彼の夢は『魔王』になることだった。幼い頃から持つその夢は今も昔も変わらない。
そして彼はある日、なぜか異世界でダンジョンマスターになってしまう。
そのダンジョンマスターとは、DPと呼ばれるポイントを使いダンジョンを改装し、魔物を召喚するという存在。
そして彼の考える魔王とは、配下を統べ、人間と敵対しているカッコいい存在である。
「完璧じゃねえか……」
考えに考えた結果、彼はこの異世界で『魔王』になれる可能性は100%
大した根拠のないその考えに絶対的な自信を持ち、どこか頭のネジが一本外れている彼は今日も己の信じる『魔王』を目指してダンジョンを改造していく。
最強で、四天王がいて、魔王になれるダンジョンを作るために。
※敵は男女関係なくお亡くなりになります。
※他サイトでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる