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第1部 護衛編
出立、そして…③
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「どう…して…?」
状況が理解できず、スカーレットはそれだけしか言えなかった。
そして反射的にカップを持つリオンへと視線を向けた。
「僕…僕じゃありません!」
「それは、分かっているけど…」
青ざめて泣きそうな顔でリオンが必死に訴える様子を見て、スカーレットはそう答えたものの戸惑ってしまった。
リオンがレインフォードを毒殺しようとするとは思えない。
だが、スープを作ったのはリオンであり、毒を混入できるのはリオンだけになる。
状況から推測すればリオンが犯人だと考えても仕方がない。
たぶん、皆それを思っていたのだろう。
リオンを擁護するような言葉を掛られず、口を閉ざしてしまった。
その考えにリオンも思い至ったようだ。そして次にスカーレットを見ると、動揺して震える声で言った。
「ぼ、僕を疑っているんですよね。でも、食器に毒が塗ってあったのかもしれないじゃないですか?」
「はぁ?それはスカーが犯人だって言いたいわけ?」
リオンの言葉にアルベルトが鋭い声をあげ、睨みつけた。
言葉には苛立ちが含まれていて、リオンはびくりと体を震わせた。
「アルベルト、大丈夫だよ」
スカーレットはアルベルトを宥めたあと、自分の中の考えを整理するようにゆっくりと言った。
「ねぇ、状況を一個ずつ整理しようよ。まずは毒の混入経路だよね。これはスープに含まれているか、リオンが言った通り銀食器に塗布されていた可能性の2つだと考えるとしよう。銀食器は毒に触れたらすぐに変色する。もし銀食器に毒が塗られていたらすぐわかるよね」
「ああ。俺がスカーからカップを受け取ったときには、銀の変色は無かった」
「ということは、銀食器に毒が塗られていて、混入したというのはあり得ない。つまり、ボクは犯人ではない。そして考えられるのはスープに入っている可能性だ」
「スープに入っているのであれば、直接スープに混入させたか、材料に仕込んだかになるな」
スカーレットの言葉にレインフォードがその言葉を補足するように続けた。
「そうです。それで、一個一個調べていくのがいいと思うんです」
「じゃあ、まずは水を調べてみよう」
その時、ランが服の下に着けていたシルバーのネックレスを取り出して、スカーレットに渡した。
「これ、シルバーアクセだから毒に反応すると思う。使ってくれよ」
「ありがとう」
スカーレットはネックレスを受け取ると水筒に残っていた水に漬けた。
するとみるみるうちにネックレスは黒く変色していった。
「毒が混入されていたのは水ってことになるな」
ランの言葉にスカーレットも頷いた。
ただ、この水自体リオンが用意したものだ。
リオンの事は信じているが、まだこの状況ではリオンが犯人ではないと言い切れないのも事実だ。
今度は考え込んでいたレインフォードがリオンに尋ねた。
「この水はどうしたんだ?」
「昨日、ルーダスの井戸から汲みました」
「もし井戸水に毒が入っていたとなれば、町全体に被害が出る。それを考えると袋の水に毒を入れたと考えるべきだろうな」
レインフォードがそう言いながら向けた視線の先には、いつもリオンが使っている水袋があった。
「でも…僕は…僕はやってない…」
俯きか細い声でリオンは言った。
小刻みに肩が震えていて、泣くのを何とかこらえているのが分かる。
「ボクはリオンが犯人だとは思ってないよ。リオンは傷だらけでレインフォード様を追ってここまで来たんだもの。それなのにレインフォード様を殺すわけないよね」
「スカー様…」
「だけど、原因ははっきりさせなきゃいけない。リオンが犯人でないことをしっかり示すことが必要だと思う」
「…はい。僕もそう思います」
「じゃあ、リオンが犯人ではないとすると誰が袋の水に毒を入れたのかってことだよね」
スカーレットは考え込んだ。
水袋はいつもリオンが持っていた。毒を入れるタイミングがあったのだろうか?
「そりゃ、リオンが目を離した隙に誰かが素早く毒を入れたんじゃねーの?」
「ランの言う通りだけど…目を離した隙に、か」
「あ!」
突然アルベルトが大きな声を上げた。
「ねぇスカー。あの時じゃないかな?」
「あの時?」
「ほら、ひったくりに遭ったじゃないか」
「あ!」
確かに、ルーダスの町を歩いている時に、ひったくりに遭い、犯人は水袋の入ったリオンの鞄を持って逃げた。
そして何故かその荷物を、森に捨てていった。
もし、ひったくり犯の目的が鞄の中の水に毒を混入させることだったなら、奪った鞄を捨てて逃げ去ったことにも説明がつく。
(だからあの時、荷物を捨てたのことに違和感を感じたんだわ)
スカーレットの中で全てが繋がった。
レインフォードは状況が呑み込めていないようで、困惑の表情を浮かべているのでスカーレットはひったくりの話を説明した。
「では、そのひったくり犯の目的は毒を混入させることで、奪った水袋に毒を仕込んでスカー達にその荷物を返した。それには気づかずに、今その水でスープが作られたというわけだな」
「はい。ボクはそう考えます」
「なるほどな」
説明を聞いたインフォードは数秒考えるそぶりを見せた。その時一瞬だけ、レインフォードの瞳に剣呑なものが浮かんでいて、スカーレットはゾクリとした。
驚いてもう一度レインフォードの顔を見た時には、もういつものレインフォードの顔で、リオンに向かって小さく微笑んでいた。
(見間違いよね…)
戸惑っているスカーレットをよそに、レインフォードが結論をまとめた。
「リオンが犯人ではないと分かった。それに、みんなが毒入りスープを飲む前に気づけて良かった」
その言葉に、全員が大きく頷いた。
被害がなかったのは不幸中の幸いである。
「スカーがこのカップを用意してくれたお陰で助かった。ありがとう」
「いえ。お役に立ててよかったです」
「これからも道中何が起こるか分からない。王都まであと数日で着く。危険が伴うがよろしく頼む」
レインフォードはそう言って頭を下げたが、その場の全員がこともなげに笑いながら答えた。
「気にしないでください。スカーからたんまり礼を貰うんで」
「俺も楽しいことが色々起こるので問題ないです。な、アルベルト、スカー」
「なんでそこで僕たちの名前を出すんだよ。…まぁ、スカー一人に護衛は任せられないですからね」
3人とも笑いながら言うと、レインフォードは珍しく笑い声をあげた後、呆れたように言った。
「ははは!なんだか俺のためというよりスカーのためみたいに聞こえる。みんな、スカーが好きなんだな」
「え!ちょ、ちょっと!3人とも!任務はレインフォード様を護る事なんだよ!間違えないで!」
スカーレットは慌ててそう言うが、3人は既にスカーの話を聞いておらず、そんなやり取りを見ながらレインフォードも笑っていた。
そんな会話を繰り広げつつ、スカーレットの中では毒事件が解決できたことに安堵していた。
同時に、一つはっきりしたことがある。
(やっぱりイベントの発生場所はゲームとずれていたんだわ)
だが、これでゲームで発生する死亡イベントは終わったはずだ。
あとは王都への旅路を急ぐだけである。
そう思うスカーレットだったが、何か心に引っかかるものがあった。
それはあのひったくりに遭った時に感じた違和感。いや、それ以前から感じているものだ。だが、それが何か分からない。
(考えすぎかしら)
連続して刺客に襲われているので、少し神経が過敏になっているのかもしれない。
スカーレットはその形のない不安を振り切るように頭を振ると、楽しそうに笑うみんなの会話を聞きながら、昼食を楽しむことにしたのだった。
状況が理解できず、スカーレットはそれだけしか言えなかった。
そして反射的にカップを持つリオンへと視線を向けた。
「僕…僕じゃありません!」
「それは、分かっているけど…」
青ざめて泣きそうな顔でリオンが必死に訴える様子を見て、スカーレットはそう答えたものの戸惑ってしまった。
リオンがレインフォードを毒殺しようとするとは思えない。
だが、スープを作ったのはリオンであり、毒を混入できるのはリオンだけになる。
状況から推測すればリオンが犯人だと考えても仕方がない。
たぶん、皆それを思っていたのだろう。
リオンを擁護するような言葉を掛られず、口を閉ざしてしまった。
その考えにリオンも思い至ったようだ。そして次にスカーレットを見ると、動揺して震える声で言った。
「ぼ、僕を疑っているんですよね。でも、食器に毒が塗ってあったのかもしれないじゃないですか?」
「はぁ?それはスカーが犯人だって言いたいわけ?」
リオンの言葉にアルベルトが鋭い声をあげ、睨みつけた。
言葉には苛立ちが含まれていて、リオンはびくりと体を震わせた。
「アルベルト、大丈夫だよ」
スカーレットはアルベルトを宥めたあと、自分の中の考えを整理するようにゆっくりと言った。
「ねぇ、状況を一個ずつ整理しようよ。まずは毒の混入経路だよね。これはスープに含まれているか、リオンが言った通り銀食器に塗布されていた可能性の2つだと考えるとしよう。銀食器は毒に触れたらすぐに変色する。もし銀食器に毒が塗られていたらすぐわかるよね」
「ああ。俺がスカーからカップを受け取ったときには、銀の変色は無かった」
「ということは、銀食器に毒が塗られていて、混入したというのはあり得ない。つまり、ボクは犯人ではない。そして考えられるのはスープに入っている可能性だ」
「スープに入っているのであれば、直接スープに混入させたか、材料に仕込んだかになるな」
スカーレットの言葉にレインフォードがその言葉を補足するように続けた。
「そうです。それで、一個一個調べていくのがいいと思うんです」
「じゃあ、まずは水を調べてみよう」
その時、ランが服の下に着けていたシルバーのネックレスを取り出して、スカーレットに渡した。
「これ、シルバーアクセだから毒に反応すると思う。使ってくれよ」
「ありがとう」
スカーレットはネックレスを受け取ると水筒に残っていた水に漬けた。
するとみるみるうちにネックレスは黒く変色していった。
「毒が混入されていたのは水ってことになるな」
ランの言葉にスカーレットも頷いた。
ただ、この水自体リオンが用意したものだ。
リオンの事は信じているが、まだこの状況ではリオンが犯人ではないと言い切れないのも事実だ。
今度は考え込んでいたレインフォードがリオンに尋ねた。
「この水はどうしたんだ?」
「昨日、ルーダスの井戸から汲みました」
「もし井戸水に毒が入っていたとなれば、町全体に被害が出る。それを考えると袋の水に毒を入れたと考えるべきだろうな」
レインフォードがそう言いながら向けた視線の先には、いつもリオンが使っている水袋があった。
「でも…僕は…僕はやってない…」
俯きか細い声でリオンは言った。
小刻みに肩が震えていて、泣くのを何とかこらえているのが分かる。
「ボクはリオンが犯人だとは思ってないよ。リオンは傷だらけでレインフォード様を追ってここまで来たんだもの。それなのにレインフォード様を殺すわけないよね」
「スカー様…」
「だけど、原因ははっきりさせなきゃいけない。リオンが犯人でないことをしっかり示すことが必要だと思う」
「…はい。僕もそう思います」
「じゃあ、リオンが犯人ではないとすると誰が袋の水に毒を入れたのかってことだよね」
スカーレットは考え込んだ。
水袋はいつもリオンが持っていた。毒を入れるタイミングがあったのだろうか?
「そりゃ、リオンが目を離した隙に誰かが素早く毒を入れたんじゃねーの?」
「ランの言う通りだけど…目を離した隙に、か」
「あ!」
突然アルベルトが大きな声を上げた。
「ねぇスカー。あの時じゃないかな?」
「あの時?」
「ほら、ひったくりに遭ったじゃないか」
「あ!」
確かに、ルーダスの町を歩いている時に、ひったくりに遭い、犯人は水袋の入ったリオンの鞄を持って逃げた。
そして何故かその荷物を、森に捨てていった。
もし、ひったくり犯の目的が鞄の中の水に毒を混入させることだったなら、奪った鞄を捨てて逃げ去ったことにも説明がつく。
(だからあの時、荷物を捨てたのことに違和感を感じたんだわ)
スカーレットの中で全てが繋がった。
レインフォードは状況が呑み込めていないようで、困惑の表情を浮かべているのでスカーレットはひったくりの話を説明した。
「では、そのひったくり犯の目的は毒を混入させることで、奪った水袋に毒を仕込んでスカー達にその荷物を返した。それには気づかずに、今その水でスープが作られたというわけだな」
「はい。ボクはそう考えます」
「なるほどな」
説明を聞いたインフォードは数秒考えるそぶりを見せた。その時一瞬だけ、レインフォードの瞳に剣呑なものが浮かんでいて、スカーレットはゾクリとした。
驚いてもう一度レインフォードの顔を見た時には、もういつものレインフォードの顔で、リオンに向かって小さく微笑んでいた。
(見間違いよね…)
戸惑っているスカーレットをよそに、レインフォードが結論をまとめた。
「リオンが犯人ではないと分かった。それに、みんなが毒入りスープを飲む前に気づけて良かった」
その言葉に、全員が大きく頷いた。
被害がなかったのは不幸中の幸いである。
「スカーがこのカップを用意してくれたお陰で助かった。ありがとう」
「いえ。お役に立ててよかったです」
「これからも道中何が起こるか分からない。王都まであと数日で着く。危険が伴うがよろしく頼む」
レインフォードはそう言って頭を下げたが、その場の全員がこともなげに笑いながら答えた。
「気にしないでください。スカーからたんまり礼を貰うんで」
「俺も楽しいことが色々起こるので問題ないです。な、アルベルト、スカー」
「なんでそこで僕たちの名前を出すんだよ。…まぁ、スカー一人に護衛は任せられないですからね」
3人とも笑いながら言うと、レインフォードは珍しく笑い声をあげた後、呆れたように言った。
「ははは!なんだか俺のためというよりスカーのためみたいに聞こえる。みんな、スカーが好きなんだな」
「え!ちょ、ちょっと!3人とも!任務はレインフォード様を護る事なんだよ!間違えないで!」
スカーレットは慌ててそう言うが、3人は既にスカーの話を聞いておらず、そんなやり取りを見ながらレインフォードも笑っていた。
そんな会話を繰り広げつつ、スカーレットの中では毒事件が解決できたことに安堵していた。
同時に、一つはっきりしたことがある。
(やっぱりイベントの発生場所はゲームとずれていたんだわ)
だが、これでゲームで発生する死亡イベントは終わったはずだ。
あとは王都への旅路を急ぐだけである。
そう思うスカーレットだったが、何か心に引っかかるものがあった。
それはあのひったくりに遭った時に感じた違和感。いや、それ以前から感じているものだ。だが、それが何か分からない。
(考えすぎかしら)
連続して刺客に襲われているので、少し神経が過敏になっているのかもしれない。
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