19 / 53
第1部 護衛編
湯上り事件②
しおりを挟む
レインフォードの言葉に思わず声が裏返ってしまった。
慌てて後ろを見ると、確かにスカーレットが出て来た大浴場の入口には「女」の文字が書かれていた。
だが当たり前ながらそんなことは肯定できるはずもなく、なんとか平静を装って誤魔化すことにした。
「い、いえ。レインフォード様の見間違えではありませんか?ほら、ちゃんとこっちの男湯から出ましたよ。きっと、入口が隣同士だから見間違えたんですよ!」
「そうか。確かにそうかもしれないな」
「はい!そうですよ!だいたいボクが女風呂から出てくるなんて、ありえないじゃないですか!は…はははは」
「そうだな。もし女風呂から出て来たら痴漢だ。スカーがそんなことするわけがないな」
「で、ですよ!」
スカーレットは首振り人形のようにコクコクと頷いた。せっかくお風呂に入ったと言うのに背中に汗が流れている。
引きつった笑顔でいるとレインフォードは納得したようだ。
「変な事を言って悪かったな」
「いえいえ!」
とりあえず誤魔化せたようで、スカーレットは内心ほっと息をついて、胸を撫でおろした。
しかし次の瞬間、再びその息が止まってしまった。
レインフォードの手が伸びてきて、スカーレットの緋色の髪の先に触れたのだ。
「髪が…」
「えっ?」
「まだ濡れているじゃないか。このままじゃ風邪をひいてしまうぞ」
そう言うとレインフォードはスカーレットが首から掛けていたタオルを流れるように手に取ったかと思うとそのままスカーレットの頭に被せ、わしゃわしゃと髪を拭いた。
「きゃっ!?な、何をされるんですか!」
「何をって拭いてるんだ。きちんと乾かせ」
抵抗する間もなく、まるで犬のように拭かれてしまう。
ひとしきり拭いてようやくレインフォードの手が離れると、スカーレットは思わず恨めしげに上目づかいで睨んでしまった。
「もう!ボクは犬じゃないですよ。でも、ありがとうございます」
一応風邪を引かないように気遣ってくれたことを考えると、レインフォードの行動を一方的に怒るのは悪いだろう。
ちょっと距離が近くて驚いたが、男同士ならばそのくらいの距離感なのかもしれない。
スカーレットが礼を言うと、何故かレインフォードが目を見開いた。そして何故か口元を覆ってしまう。
「…」
「どうしましたか?」
「笑顔がかわ…いや、なんでもない。男に言うセリフじゃないな」
「?」
ふいと視線を外されてしまい、その行動が少々気になって首を傾げた時だった。
レインフォードの肩越しにアルベルトがこちらにやって来る姿が見えた。
「スカー、ここにいたんだ!」
「アルベルト。どうしたの?」
「っ!」
スカーレットを見た瞬間、アルベルトがハッとした表情をしたかと思うと慌てた様子で駆け寄って来た。
そしてアルベルトは自分の上着をスカーレットにばさりとかけた。
突然の行動にスカーレットは驚きつつ、アルベルトに尋ねた。
「アルベルト、どうしたの?」
「湯冷めしちゃうだろ?ほら、これ着て行くよ」
「えー?今上がったばかりだから平気だけど」
「いいから!」
湯上りなのにこのような上着を着せられたら暑い。それに湯冷めをするわけがない。
アルベルトの行動に戸惑っていると、それとはお構いなしにアルベルトはスカーレットを自分の背に隠すように押しやった。
「レインフォード様、すみません。ちょっとスカーに用事があるので失礼しますね」
「あ、あぁ。分かった」
レインフォードもまた突然のアルベルトの行動に戸惑いつつもそう返事をした。
それ聞くやいなや、アルベルトはスカーレットの肩を抱いて、強引にその場を離れた。
「えっ?ちょっと、アル?」
訳が分からず戸惑いの声を上げるスカーレットの言葉を無視したアルベルトに、ぐいぐいと押しやられてしまう。
そして、部屋まで連行されてしまった。
室内に入り、ようやくアルベルトが解放してくれたので、スカーレットはこの行動の意味を尋ねた。
「突然どうしたの?何か急用があった?というか、この上着はなに?」
アルベルトは手を額に置いて深いため息をつくと、薄っすらと顔を赤くしたアルベルトは視線を外してスカーレットの問いに答えた。
「はぁ…胸」
「胸?」
「胸元、開いてる」
「えっ?」
言われて自分の胸元に視線を落とすと、そこには開いた襟元から少しだけ胸が見えそうになっていた。
よく見れば胸が膨らんでいるようにも見える。
「ああっ!」
「義姉さん、気をつけてよ。女だってバレるのもだし、そもそも普通に気を付けて!男が見たらどうするんだよ」
「ごめんなさいね。見られたかしら?」
「見た奴がいたら、そいつの目をくり抜いてやる」
「え?よく聞こえないんだけど…」
詳細は聞こえなかったが、アルベルトはなにやらぶつぶつと文句を言っている様子だ。
だがすぐに小さく咳払いをして、スカーレットに呆れた顔を向けた。
「なんでもない。でもレインフォード殿下の様子からすると気づいた様子はなかったから大丈夫だと思うけど」
「確かに。髪の毛に気を取られていたみたいだから大丈夫かもしれないわね」
「とにかく、気を付けて」
「ええ、分かったわ。今回はありがとう」
今回のことで僅かな気の緩みも女だとバレる危険性があることを痛感したスカーレットは思わず項垂れてしまう。
次回からはもっと気を引き締めて行動しよう。
「まぁ、そのために僕が付いてきたんだからいいんだけどね。義姉さんは抜けてるところがあるから。というか、女だとバレるとか言う前に、あんな露もない姿で歩かないでよ。害虫が寄って来るじゃないか」
「害虫?分かったわ。虫よけを塗っておくわね」
「…そう言う意味じゃないんだけどな。まぁ、義姉さんに言っても仕方ない。僕が目を光らせておくか」
アルベルトはそうため息交じりに言った。
後半部分はよく分からないが、要は気を引き締めて行動しろということだろう。
「じゃあ、そういうことで。」
「うん」
アルベルトはそう言って部屋を出て行った。
不意に先程のレインフォードとの会話が思い浮かんだ。
もっと気軽に話して欲しいと、旅仲間だと言ってくれた。
レインフォードとの距離が少し近くなったようでなんとなく嬉しい。
(そういえばレインフォード様ってゲームでは女嫌いなんて設定なかったし…あれだけ気さくな人なんだから、女の人はちょっと苦手って感じなのかしらね)
現在は、レインフォードが女性嫌いだというから男装して護衛をしているが、もしかして女だと分かってもそこまで拒否されないかもしれない。
だが、父親との約束は絶対だし、レインフォードとしても苦手な女性だと意識して旅を続けるのは精神的に苦痛だろう。
ここはやはり女だとはバレるわけには行かない。
「よし、そろそろ時間ね」
スカーレットは窓に映った自分の姿を見て、再度身だしなみをチェックする。
首元までしっかりボタンは締めているし、体つきを誤魔化すベストもちゃんと来ているので、女には見えない。
問題ない。スカーレットはそうして待ち合わせ場所へと向かった。
慌てて後ろを見ると、確かにスカーレットが出て来た大浴場の入口には「女」の文字が書かれていた。
だが当たり前ながらそんなことは肯定できるはずもなく、なんとか平静を装って誤魔化すことにした。
「い、いえ。レインフォード様の見間違えではありませんか?ほら、ちゃんとこっちの男湯から出ましたよ。きっと、入口が隣同士だから見間違えたんですよ!」
「そうか。確かにそうかもしれないな」
「はい!そうですよ!だいたいボクが女風呂から出てくるなんて、ありえないじゃないですか!は…はははは」
「そうだな。もし女風呂から出て来たら痴漢だ。スカーがそんなことするわけがないな」
「で、ですよ!」
スカーレットは首振り人形のようにコクコクと頷いた。せっかくお風呂に入ったと言うのに背中に汗が流れている。
引きつった笑顔でいるとレインフォードは納得したようだ。
「変な事を言って悪かったな」
「いえいえ!」
とりあえず誤魔化せたようで、スカーレットは内心ほっと息をついて、胸を撫でおろした。
しかし次の瞬間、再びその息が止まってしまった。
レインフォードの手が伸びてきて、スカーレットの緋色の髪の先に触れたのだ。
「髪が…」
「えっ?」
「まだ濡れているじゃないか。このままじゃ風邪をひいてしまうぞ」
そう言うとレインフォードはスカーレットが首から掛けていたタオルを流れるように手に取ったかと思うとそのままスカーレットの頭に被せ、わしゃわしゃと髪を拭いた。
「きゃっ!?な、何をされるんですか!」
「何をって拭いてるんだ。きちんと乾かせ」
抵抗する間もなく、まるで犬のように拭かれてしまう。
ひとしきり拭いてようやくレインフォードの手が離れると、スカーレットは思わず恨めしげに上目づかいで睨んでしまった。
「もう!ボクは犬じゃないですよ。でも、ありがとうございます」
一応風邪を引かないように気遣ってくれたことを考えると、レインフォードの行動を一方的に怒るのは悪いだろう。
ちょっと距離が近くて驚いたが、男同士ならばそのくらいの距離感なのかもしれない。
スカーレットが礼を言うと、何故かレインフォードが目を見開いた。そして何故か口元を覆ってしまう。
「…」
「どうしましたか?」
「笑顔がかわ…いや、なんでもない。男に言うセリフじゃないな」
「?」
ふいと視線を外されてしまい、その行動が少々気になって首を傾げた時だった。
レインフォードの肩越しにアルベルトがこちらにやって来る姿が見えた。
「スカー、ここにいたんだ!」
「アルベルト。どうしたの?」
「っ!」
スカーレットを見た瞬間、アルベルトがハッとした表情をしたかと思うと慌てた様子で駆け寄って来た。
そしてアルベルトは自分の上着をスカーレットにばさりとかけた。
突然の行動にスカーレットは驚きつつ、アルベルトに尋ねた。
「アルベルト、どうしたの?」
「湯冷めしちゃうだろ?ほら、これ着て行くよ」
「えー?今上がったばかりだから平気だけど」
「いいから!」
湯上りなのにこのような上着を着せられたら暑い。それに湯冷めをするわけがない。
アルベルトの行動に戸惑っていると、それとはお構いなしにアルベルトはスカーレットを自分の背に隠すように押しやった。
「レインフォード様、すみません。ちょっとスカーに用事があるので失礼しますね」
「あ、あぁ。分かった」
レインフォードもまた突然のアルベルトの行動に戸惑いつつもそう返事をした。
それ聞くやいなや、アルベルトはスカーレットの肩を抱いて、強引にその場を離れた。
「えっ?ちょっと、アル?」
訳が分からず戸惑いの声を上げるスカーレットの言葉を無視したアルベルトに、ぐいぐいと押しやられてしまう。
そして、部屋まで連行されてしまった。
室内に入り、ようやくアルベルトが解放してくれたので、スカーレットはこの行動の意味を尋ねた。
「突然どうしたの?何か急用があった?というか、この上着はなに?」
アルベルトは手を額に置いて深いため息をつくと、薄っすらと顔を赤くしたアルベルトは視線を外してスカーレットの問いに答えた。
「はぁ…胸」
「胸?」
「胸元、開いてる」
「えっ?」
言われて自分の胸元に視線を落とすと、そこには開いた襟元から少しだけ胸が見えそうになっていた。
よく見れば胸が膨らんでいるようにも見える。
「ああっ!」
「義姉さん、気をつけてよ。女だってバレるのもだし、そもそも普通に気を付けて!男が見たらどうするんだよ」
「ごめんなさいね。見られたかしら?」
「見た奴がいたら、そいつの目をくり抜いてやる」
「え?よく聞こえないんだけど…」
詳細は聞こえなかったが、アルベルトはなにやらぶつぶつと文句を言っている様子だ。
だがすぐに小さく咳払いをして、スカーレットに呆れた顔を向けた。
「なんでもない。でもレインフォード殿下の様子からすると気づいた様子はなかったから大丈夫だと思うけど」
「確かに。髪の毛に気を取られていたみたいだから大丈夫かもしれないわね」
「とにかく、気を付けて」
「ええ、分かったわ。今回はありがとう」
今回のことで僅かな気の緩みも女だとバレる危険性があることを痛感したスカーレットは思わず項垂れてしまう。
次回からはもっと気を引き締めて行動しよう。
「まぁ、そのために僕が付いてきたんだからいいんだけどね。義姉さんは抜けてるところがあるから。というか、女だとバレるとか言う前に、あんな露もない姿で歩かないでよ。害虫が寄って来るじゃないか」
「害虫?分かったわ。虫よけを塗っておくわね」
「…そう言う意味じゃないんだけどな。まぁ、義姉さんに言っても仕方ない。僕が目を光らせておくか」
アルベルトはそうため息交じりに言った。
後半部分はよく分からないが、要は気を引き締めて行動しろということだろう。
「じゃあ、そういうことで。」
「うん」
アルベルトはそう言って部屋を出て行った。
不意に先程のレインフォードとの会話が思い浮かんだ。
もっと気軽に話して欲しいと、旅仲間だと言ってくれた。
レインフォードとの距離が少し近くなったようでなんとなく嬉しい。
(そういえばレインフォード様ってゲームでは女嫌いなんて設定なかったし…あれだけ気さくな人なんだから、女の人はちょっと苦手って感じなのかしらね)
現在は、レインフォードが女性嫌いだというから男装して護衛をしているが、もしかして女だと分かってもそこまで拒否されないかもしれない。
だが、父親との約束は絶対だし、レインフォードとしても苦手な女性だと意識して旅を続けるのは精神的に苦痛だろう。
ここはやはり女だとはバレるわけには行かない。
「よし、そろそろ時間ね」
スカーレットは窓に映った自分の姿を見て、再度身だしなみをチェックする。
首元までしっかりボタンは締めているし、体つきを誤魔化すベストもちゃんと来ているので、女には見えない。
問題ない。スカーレットはそうして待ち合わせ場所へと向かった。
25
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
シテくれない私の彼氏
KUMANOMORI(くまのもり)
恋愛
高校生の村瀬りかは、大学生の彼氏・岸井信(きしい まこと)と何もないことが気になっている。
触れたいし、恋人っぽいことをしてほしいけれど、シテくれないからだ。
りかは年下の高校生・若槻一馬(わかつき かずま)からのアプローチを受けていることを岸井に告げるけれど、反応が薄い。
若槻のアプローチで奪われてしまう前に、岸井と経験したいりかは、作戦を考える。
岸井にはいくつかの秘密があり、彼と経験とするにはいろいろ面倒な手順があるようで……。
岸井を手放すつもりのないりかは、やや強引な手を取るのだけれど……。
岸井がシテくれる日はくるのか?
一皮剝いだらモンスターの二人の、恋愛凸凹バトル。
義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。
あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!?
ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど
ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。
※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。
婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」
そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。
「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」
「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」
「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」
「は?」
さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。
荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります!
第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。
表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。
盲目のラスボス令嬢に転生しましたが幼馴染のヤンデレに溺愛されてるので幸せです
斎藤樹
恋愛
事故で盲目となってしまったローナだったが、その時の衝撃によって自分の前世を思い出した。
思い出してみてわかったのは、自分が転生してしまったここが乙女ゲームの世界だということ。
さらに転生した人物は、"ラスボス令嬢"と呼ばれた性悪な登場人物、ローナ・リーヴェ。
彼女に待ち受けるのは、嫉妬に狂った末に起こる"断罪劇"。
そんなの絶対に嫌!
というかそもそも私は、ローナが性悪になる原因の王太子との婚約破棄なんかどうだっていい!
私が好きなのは、幼馴染の彼なのだから。
ということで、どうやら既にローナの事を悪く思ってない幼馴染と甘酸っぱい青春を始めようと思ったのだけどーー
あ、あれ?なんでまだ王子様との婚約が破棄されてないの?
ゲームじゃ兄との関係って最悪じゃなかったっけ?
この年下男子が出てくるのだいぶ先じゃなかった?
なんかやけにこの人、私に構ってくるような……というか。
なんか……幼馴染、ヤンデる…………?
「カクヨム」様にて同名義で投稿しております。
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
【完結】転生悪役令嬢は婚約破棄を合図にヤンデレの嵐に見舞われる
syarin
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢として転生してしまい、色々足掻くも虚しく卒業パーティーで婚約破棄を宣言されてしまったマリアクリスティナ・シルバーレーク伯爵令嬢。
原作では修道院送りだが、足掻いたせいで色々拗れてしまって……。
初投稿です。
取り敢えず書いてみたものが思ったより長く、書き上がらないので、早く投稿してみたくて、短編ギャグを勢いで書いたハズなのに、何だか長く重くなってしまいました。
話は終わりまで執筆済みで、雑事の合間に改行など整えて投稿してます。
ギャグでも無くなったし、重いもの好きには物足りないかもしれませんが、少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
ざまぁを書きたかったんですが、何だか断罪した方より主人公の方がざまぁされてるかもしれません。
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる