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番外編
ルシアン視点:衝動的なキス
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馬鹿王子のせいで相変わらず多忙を極めているルシアンだったが、リディとなんだかんだデートは重ねている。
リディが占いをして「東方に出かけると良いって出ました」「緑にあるところに行くと良いって出ました!」と言って共に外出するからだ。
どうやらルシアンの探している少女の所在を占った結果らしいのだが、不思議なことにルシアンがデートに行きたいと思っているところが、リディの占いで出る結果と一致するのだ。
例えばコンサートのチケットを取ってデートの誘いをしようとするタイミングで「たくさんの音楽の鳴る場所に行くと良い」と出て、一緒にコンサートに行く…と言った感じだ。
よって、リディと共に様々なところにデートに出かけることが出来ているのだ。
それだけがルシアンが激務に耐える心の支えだった。
(一緒に暮らしているのに、顔も見れない日が続くなんて…拷問だ。リディに会いたい…)
今日もまた激務が待っているかと思うと、心の底からげんなりしてしまう。
だがその日は珍しくリディとエントランスで会うことができた。
「おはよう、リディ」
「おはようございます、ルシアン様。もうお仕事に行かれるのですか?」
花が綻ぶように笑うリディの笑顔に激務で疲れた体が癒される気がする。
やはり今日見てもリディは可愛い。
数日振りにその姿を見て、ルシアンは駆けだして抱きしめたいのをぐっと我慢した。
ここが家と言うこともあって人の目もあるからだ。
(はぁ…ここが家じゃなかったら抱きしめてたな)
だが逆に家で良かったのかもしれない。
ルシアンのリディへの溺愛振りは家人一同周知の事実なので抱きしめることなど不自然ではないのだが、内情としてはリディにとってルシアンはあくまで契約者同士なのだ。
だからルシアンはリディを好きであるが、リディはルシアンの事をあくまで偽装婚約相手としか見ていないのは明白だった。
好きでもない男に抱きつかれては、迷惑だし気持ち悪いだろう。
べたべたして嫌われたくはない。
ルシアンがそんな葛藤をしていると、リディがそそくさと近づいてきて小声で声を掛けてくる。
リディが身を寄せてくると甘い花の香りがふわりと漂ってきた。
「その…ルシアン様。あのですね。私、偽装婚約については承知していますので、何も気に病まないでくださいね」
どうやらルシアンがリディにプレゼントを送っているのは恋人設定のための演出だと思われているらしい。
ルシアンとしては好きな女性に贈っているつもりなのだが、自分の気持ちが通じていないことに若干のショックを受けてしまう。
「でも…プレゼントをもらう理由が見当たらなくて」
そんなのは当然、リディが好きだからに決まっている。
好きな女性に喜んで欲しい。
ルシアンがいない間にも、リディには自分の事を考えて欲しい。
そんな思いから毎日贈り物をしてしまう。
だから理由を問われた時、こう答えようと口を開いた。
『そんなの俺が君を好きだからに決まっているだろう?』
そして口にその言葉を出そうとしてハッと気づく。
好きと告げたらその時点で契約違反になり、二度とリディには会えないのだ。
だから慌てて誤魔化した。
「す?」
「…すまないと思っているからだ」
その言葉を文脈からリディは”ルシアンが偽装婚約を持ちかけたことを気に病んでプレゼントを贈っている”と捉えたらしい。
「偽装婚約の事は気にしないでください。むしろ私のタロットが当たらなくてご迷惑をおかけしてしまい…先日だって演奏会に行くといいって出たのに、”あの方”に会えずじまいで無駄足になってしまいました」
「それに関しては問題ない。俺はリディと出かけるのが楽しいしな。…それに案外外れでもない」
そう、外れではないのだ。
リディは「ルシアンの想い人がどこにいるか」を占っている。つまりリディがどこにいるかという占いになるのだ。
結果、前述の内容になるのは当然と言えば当然かもしれない。
占いが外れていると思っているリディには申し訳ないが、今ネタバレして婚約解消にされたくない。
だから曖昧に笑って、リディの手を取り、口づけた。
「じゃあ、行ってくるよ」
「あ、はい。いってらっしゃいませ」
新婚のようなやり取りに、ルシアンは幸せを噛み締めながら城へと向かった。
少しではあるがリディに会えた。
それだけで頑張れるというものだ。
このリディ効果もあって、その日のルシアンは驚異的なスピードで仕事をこなし、久しぶりに早く帰宅できたのだった。
※ ※
そして迎えたリディとの婚約披露パーティ。
薄い桜色のドレスを身に纏ったリディは妖精のように愛らしい。
この美しき婚約者を皆に自慢したい反面、自分だけのものにしておきたい気持ちもある。
そんな複雑な思いを抱えながらも、ルシアンは招待客に婚約者であるリディを紹介していった。
それを繰り返して、そろそろパーティも終盤と言う時になってそれは起った。
「ルシアン様―――!あっ!」
鼻にかけたような甲高い声でルシアンの名を呼ぶものが現れた。
何事かと思って振り向いたルシアンの胸に、突然何かがタックルしてきたのだ。
思わず抱き留める形になってしまい、よく見るとそれはあのバカ女―シャルロッテだった。その後ろにラングレン伯爵が現れた。
そしてルシアンとリディの婚約を「偽りの婚約」と言い始めた。
これにはルシアンの背中に冷や汗が流れた。
(どうしてだ?何故偽装婚約を知っているんだ?)
偽装婚約がバレるのはともかく、それによってリディと契約が終了して会えなくなるという恐怖の方が大きかった。
だがシャルロッテの話を聞いて行くと、結局は今までの「セレントキス」イベントを曲解されて、シャルロッテこそがルシアンの恋人であり婚約者だと主張し始めた。
それを聞いていた参列者の中には、以前流れていた恋人がシャルロッテだという噂を持ち出すものもいる始末だ。
そしてトドメの一言はリディとの婚約は「愛のない婚約」であると言ってきた。
確かに愛のない婚約だ。
だが、ルシアンにとっては愛のないものなどではない。
自分の想いを偽りだと言われたような気がして無性に腹が立った。
不愉快だとも思った。
だからせめて、自分にとっては愛があることを主張したかった。
「リディ…悪い」
一言リディに断りを入れるが、有無を言わさずにその唇を奪った。
リディが息を呑み、驚きの表情を浮かべている気配がしたが、ルシアンはそれに構わず唇を強く押し当て、リディの柔らかい唇を堪能するように口づけた。
「改めて言う。俺の婚約者はリディ・ラングレンのみ。彼女を選んだのは俺だ。彼女の代わりはいない。今後リディに言いがかりをつけたり、彼女を貶める行為があれば、それは我がバークレー侯爵家への物と取り、然るべき対応をさせてもらう」
女性達が突然婚約者となったリディを目の敵にして、裏で口さがないことを言っていることはルシアンも耳にしていた。
実際先程も令嬢たちに絡まれているところも見た。
だから、宣言したのだ。
リディをそう言った悪意から守るために。
だがその言葉に偽りはない。
リディだけを求め、リディだけを愛し、これからもリディを愛し続ける。
その後シャルロッテとラングレン伯爵に怒りの鉄槌を下し、パーティはお開きになると、冷静になったルシアンは頭を抱えた。
(やってしまった…)
談話室でリディと2人きりになってから、ルシアンはリディに申し訳ない気持ちでいっぱいになり、心が沈んでいくのが分かった。
シャルロッテの言葉や周囲の反応に腹を立て、怒りに任せた結果、リディの唇を衝動的に奪ってしまった。
(好きでもない男に口づけられるなんて…気持ち悪かっただろうな。…というか、嫌われたよな。絶対…)
なのにリディの反応はルシアンの考えとは真逆で、むしろ自分が悪いのだと謝る始末である。
予想外の反応に驚きつつ、ルシアンはリディに尋ねた。
「それより…その…、あんたは嫌じゃなかったか?」
「そうですね、驚きはしましたが嫌ではなかったです」
嫌ではなかった。
リディの言葉にルシアンは驚いてしまった。
嫌ではない…それは、リディは自分を嫌っているわけではないということだ。
だからと言って、ルシアンとのキスが嬉しかったというわけではないので、リディがルシアンを好きというわけではないのだが、今回の事で少なくことも変わらず友人として好意を持ってくれているのだと解釈できる。
(良かった…)
安堵と共に、リディとの関係に「もしかして」という可能性が出て来た気がした。
だがその希望は直ぐに打ち砕かれる。
「好きになっちゃいました、とかも無いですのでご安心くださいね」
残念ながら、キスを受け入れたからと言って友達以上の感情は持ってもらえなさそうだ。
だがこれから偽装婚約を続けられるだけ御の字だろう。
ルシアンは複雑な思いを抱えつつ、自室へ戻るリディの後姿を見送った。
「そろそろ俺も部屋に戻るか」
ドアへと向かおうとしたとき、不意にリディの甘い香りがした。
触れた唇を思い出す。
柔らかく、温かかった。
そしてリディの全てを感じて、吐息まで飲み込むようにもっと深く口づけたいという欲望が生まれるのが分かった。
(また、したい…リディにも俺を求めてもらって、そして…)
息も絶え絶えなキスをして、かすれた声で自分の名前を呼ばせたい。
リディの唇の感触が生々しく思い出されてそんなこと想像してしまう。
正直、このまま寝れる気がしない。
(ったく、思春期のガキかよ)
自虐的にそう独り言ちして、ルシアンは足を止めた。
そして自室に戻ることを止め、気持を落ち着かせるためそのまま棚にあるワインを取り出すのだった。
リディが占いをして「東方に出かけると良いって出ました」「緑にあるところに行くと良いって出ました!」と言って共に外出するからだ。
どうやらルシアンの探している少女の所在を占った結果らしいのだが、不思議なことにルシアンがデートに行きたいと思っているところが、リディの占いで出る結果と一致するのだ。
例えばコンサートのチケットを取ってデートの誘いをしようとするタイミングで「たくさんの音楽の鳴る場所に行くと良い」と出て、一緒にコンサートに行く…と言った感じだ。
よって、リディと共に様々なところにデートに出かけることが出来ているのだ。
それだけがルシアンが激務に耐える心の支えだった。
(一緒に暮らしているのに、顔も見れない日が続くなんて…拷問だ。リディに会いたい…)
今日もまた激務が待っているかと思うと、心の底からげんなりしてしまう。
だがその日は珍しくリディとエントランスで会うことができた。
「おはよう、リディ」
「おはようございます、ルシアン様。もうお仕事に行かれるのですか?」
花が綻ぶように笑うリディの笑顔に激務で疲れた体が癒される気がする。
やはり今日見てもリディは可愛い。
数日振りにその姿を見て、ルシアンは駆けだして抱きしめたいのをぐっと我慢した。
ここが家と言うこともあって人の目もあるからだ。
(はぁ…ここが家じゃなかったら抱きしめてたな)
だが逆に家で良かったのかもしれない。
ルシアンのリディへの溺愛振りは家人一同周知の事実なので抱きしめることなど不自然ではないのだが、内情としてはリディにとってルシアンはあくまで契約者同士なのだ。
だからルシアンはリディを好きであるが、リディはルシアンの事をあくまで偽装婚約相手としか見ていないのは明白だった。
好きでもない男に抱きつかれては、迷惑だし気持ち悪いだろう。
べたべたして嫌われたくはない。
ルシアンがそんな葛藤をしていると、リディがそそくさと近づいてきて小声で声を掛けてくる。
リディが身を寄せてくると甘い花の香りがふわりと漂ってきた。
「その…ルシアン様。あのですね。私、偽装婚約については承知していますので、何も気に病まないでくださいね」
どうやらルシアンがリディにプレゼントを送っているのは恋人設定のための演出だと思われているらしい。
ルシアンとしては好きな女性に贈っているつもりなのだが、自分の気持ちが通じていないことに若干のショックを受けてしまう。
「でも…プレゼントをもらう理由が見当たらなくて」
そんなのは当然、リディが好きだからに決まっている。
好きな女性に喜んで欲しい。
ルシアンがいない間にも、リディには自分の事を考えて欲しい。
そんな思いから毎日贈り物をしてしまう。
だから理由を問われた時、こう答えようと口を開いた。
『そんなの俺が君を好きだからに決まっているだろう?』
そして口にその言葉を出そうとしてハッと気づく。
好きと告げたらその時点で契約違反になり、二度とリディには会えないのだ。
だから慌てて誤魔化した。
「す?」
「…すまないと思っているからだ」
その言葉を文脈からリディは”ルシアンが偽装婚約を持ちかけたことを気に病んでプレゼントを贈っている”と捉えたらしい。
「偽装婚約の事は気にしないでください。むしろ私のタロットが当たらなくてご迷惑をおかけしてしまい…先日だって演奏会に行くといいって出たのに、”あの方”に会えずじまいで無駄足になってしまいました」
「それに関しては問題ない。俺はリディと出かけるのが楽しいしな。…それに案外外れでもない」
そう、外れではないのだ。
リディは「ルシアンの想い人がどこにいるか」を占っている。つまりリディがどこにいるかという占いになるのだ。
結果、前述の内容になるのは当然と言えば当然かもしれない。
占いが外れていると思っているリディには申し訳ないが、今ネタバレして婚約解消にされたくない。
だから曖昧に笑って、リディの手を取り、口づけた。
「じゃあ、行ってくるよ」
「あ、はい。いってらっしゃいませ」
新婚のようなやり取りに、ルシアンは幸せを噛み締めながら城へと向かった。
少しではあるがリディに会えた。
それだけで頑張れるというものだ。
このリディ効果もあって、その日のルシアンは驚異的なスピードで仕事をこなし、久しぶりに早く帰宅できたのだった。
※ ※
そして迎えたリディとの婚約披露パーティ。
薄い桜色のドレスを身に纏ったリディは妖精のように愛らしい。
この美しき婚約者を皆に自慢したい反面、自分だけのものにしておきたい気持ちもある。
そんな複雑な思いを抱えながらも、ルシアンは招待客に婚約者であるリディを紹介していった。
それを繰り返して、そろそろパーティも終盤と言う時になってそれは起った。
「ルシアン様―――!あっ!」
鼻にかけたような甲高い声でルシアンの名を呼ぶものが現れた。
何事かと思って振り向いたルシアンの胸に、突然何かがタックルしてきたのだ。
思わず抱き留める形になってしまい、よく見るとそれはあのバカ女―シャルロッテだった。その後ろにラングレン伯爵が現れた。
そしてルシアンとリディの婚約を「偽りの婚約」と言い始めた。
これにはルシアンの背中に冷や汗が流れた。
(どうしてだ?何故偽装婚約を知っているんだ?)
偽装婚約がバレるのはともかく、それによってリディと契約が終了して会えなくなるという恐怖の方が大きかった。
だがシャルロッテの話を聞いて行くと、結局は今までの「セレントキス」イベントを曲解されて、シャルロッテこそがルシアンの恋人であり婚約者だと主張し始めた。
それを聞いていた参列者の中には、以前流れていた恋人がシャルロッテだという噂を持ち出すものもいる始末だ。
そしてトドメの一言はリディとの婚約は「愛のない婚約」であると言ってきた。
確かに愛のない婚約だ。
だが、ルシアンにとっては愛のないものなどではない。
自分の想いを偽りだと言われたような気がして無性に腹が立った。
不愉快だとも思った。
だからせめて、自分にとっては愛があることを主張したかった。
「リディ…悪い」
一言リディに断りを入れるが、有無を言わさずにその唇を奪った。
リディが息を呑み、驚きの表情を浮かべている気配がしたが、ルシアンはそれに構わず唇を強く押し当て、リディの柔らかい唇を堪能するように口づけた。
「改めて言う。俺の婚約者はリディ・ラングレンのみ。彼女を選んだのは俺だ。彼女の代わりはいない。今後リディに言いがかりをつけたり、彼女を貶める行為があれば、それは我がバークレー侯爵家への物と取り、然るべき対応をさせてもらう」
女性達が突然婚約者となったリディを目の敵にして、裏で口さがないことを言っていることはルシアンも耳にしていた。
実際先程も令嬢たちに絡まれているところも見た。
だから、宣言したのだ。
リディをそう言った悪意から守るために。
だがその言葉に偽りはない。
リディだけを求め、リディだけを愛し、これからもリディを愛し続ける。
その後シャルロッテとラングレン伯爵に怒りの鉄槌を下し、パーティはお開きになると、冷静になったルシアンは頭を抱えた。
(やってしまった…)
談話室でリディと2人きりになってから、ルシアンはリディに申し訳ない気持ちでいっぱいになり、心が沈んでいくのが分かった。
シャルロッテの言葉や周囲の反応に腹を立て、怒りに任せた結果、リディの唇を衝動的に奪ってしまった。
(好きでもない男に口づけられるなんて…気持ち悪かっただろうな。…というか、嫌われたよな。絶対…)
なのにリディの反応はルシアンの考えとは真逆で、むしろ自分が悪いのだと謝る始末である。
予想外の反応に驚きつつ、ルシアンはリディに尋ねた。
「それより…その…、あんたは嫌じゃなかったか?」
「そうですね、驚きはしましたが嫌ではなかったです」
嫌ではなかった。
リディの言葉にルシアンは驚いてしまった。
嫌ではない…それは、リディは自分を嫌っているわけではないということだ。
だからと言って、ルシアンとのキスが嬉しかったというわけではないので、リディがルシアンを好きというわけではないのだが、今回の事で少なくことも変わらず友人として好意を持ってくれているのだと解釈できる。
(良かった…)
安堵と共に、リディとの関係に「もしかして」という可能性が出て来た気がした。
だがその希望は直ぐに打ち砕かれる。
「好きになっちゃいました、とかも無いですのでご安心くださいね」
残念ながら、キスを受け入れたからと言って友達以上の感情は持ってもらえなさそうだ。
だがこれから偽装婚約を続けられるだけ御の字だろう。
ルシアンは複雑な思いを抱えつつ、自室へ戻るリディの後姿を見送った。
「そろそろ俺も部屋に戻るか」
ドアへと向かおうとしたとき、不意にリディの甘い香りがした。
触れた唇を思い出す。
柔らかく、温かかった。
そしてリディの全てを感じて、吐息まで飲み込むようにもっと深く口づけたいという欲望が生まれるのが分かった。
(また、したい…リディにも俺を求めてもらって、そして…)
息も絶え絶えなキスをして、かすれた声で自分の名前を呼ばせたい。
リディの唇の感触が生々しく思い出されてそんなこと想像してしまう。
正直、このまま寝れる気がしない。
(ったく、思春期のガキかよ)
自虐的にそう独り言ちして、ルシアンは足を止めた。
そして自室に戻ることを止め、気持を落ち着かせるためそのまま棚にあるワインを取り出すのだった。
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