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番外編
ルシアン視点:まさかの正体判明
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偽装婚約の契約を結んでから即日ラングレン家には婚約の申し込みをした。
そしてその数日後、今日はリディとデート(仮)をすることになっている。
男女が出掛けるということでデートになるかと言うと、互いに恋愛感情はないので単にお出かけではあるが、一応婚約者となる間柄だし…と言うことで「デート(仮)」と命名して外出することになったのだ。
一応デート(仮)ではあるのだが、それなりの恰好をしなくては申し訳ないという思いでルシアンは服を選んだのだが、リディはいつもの落ち着いたグレーのワンピースで待ち合わせにやって来た。
「いた!」
「やあ」
リディは少し駆け足でやってきたせいで長いストレートの黒髪が乱れてしまっている。
ずれてしまった大きな眼鏡を直しながら、リディは遅刻の謝罪をしてきた。
時間的に大した遅刻ではないのに90度に腰を折って深々と頭を下げるところに、リディの律義さを改めて感じる。
(本当、真面目というか律義と言うか…)
そんなところも人間として好ましいと思う。
まずは予約していたレストランに向かうことになり、そのまま並んで歩き出したのだがルシアンは正直その距離感を掴めずにいた。
2人の間には友人と言う間柄としては問題ない距離を開けて歩いているが、果たして(偽装だが)婚約している2人がこの微妙な距離でいいのか疑問だ。
だが、この間まで友人関係だったのに、いきなりべったりくっついて腕を絡ませて歩くのも心情的にハードルが高かった。
(婚約者の雰囲気を出すためのデート(仮)だからここは腕を組むべきか…?)
リディはと言うと、さほど気にした様子でもなく歩いているので、ルシアンはそのまま肩が触れるか触れないか程度の距離のまま歩くことにした。
そもそもリディとこうして外出して並んで歩くことは初めてであることに気づいた。
「そういえば、君とこうして歩くのは初めてだな」
「そうですね。いつもはお店で紅茶を飲むだけでしたし」
「なかなか新鮮だ。君はお酒は飲めるのかい?」
「ほとんど飲んだことがないので…飲めるとは思いますが強いかは分かりません」
リディの家庭環境を考えると、確かに酒を飲むような環境にあったとは思えない。
お茶をする中でリディが義母と義妹に虐待されており、それが嫌で家を出る資金を稼ぐため秘密裏に自分一人で店を出して稼いでいるということを聞いていた。
(ボルドーの瞳の少女も事情があって自分の店を出す必要があると言っていたな)
そのことを思い出すと、もしかして彼女もまたリディのような家庭環境に置かれていたのかもしれない。
あの時もっと詳しく聞いていれば力になれたのかもしれないと思うと、再び後悔がルシアンの胸に広がった。
(そう言えばリディの店はあの子が店を出すと言っていた場所と同じエリアだな。案外少女の店は近くにあって実は知り合いだというオチがあるかもな)
そんな都合のよいことを微かに思って苦笑した。
考えてみるとリディにはあの少女の特徴や出会った時のことなどの詳細を伝えていなかった。
以前占った貰った時に「友人や身近な人が教えてくれるようなので、思い切ってもう少し周囲の人の話をして聞いてみるのがいいかもしれません」と言っていたが、リディには詳細を伝えていない。
ならばリディに尋ねてみよう。
もしかして意外な情報が貰えるかもしれない。
そんなことを考えながらルシアンはリディと会話をしつつ、レストランへと向かったのだが、そこでひったくりに遭遇した。
リディはその犯人を追いかけて必死の形相で走って行き、最終的には捕まえることができて無事解決となった。
ひったくり犯を捕まえたところまでは良かったのだが、その際の格闘でリディの服は泥だらけになり、髪の毛にも泥がくっついてべとべとになっていた。
その上捻挫をしていた。
(まったく赤の他人の荷物を取り返すためにこんなになって。無茶苦茶な子だな)
お人好しにも程がある。
この事件のせいでデート(仮)の続行は難しくなり、ルシアンは予定を変えてリディを連れ、急遽バークレー邸へと帰ることにした。
屋敷に帰れば妹のエリスが居たので、妹にリディの事を任せることにした。
時間的にもディナーになるので、このままリディにもバークレー邸でディナーを食べてもらうことにしようとルシアンは考え、料理の追加を厨房へと伝えた後に再び客間へと向かった。
「俺だ」
客間をノックしてそう言うと、中からリディが入室を許可する返事をしたので、ルシアンは何の気持ちもなく普通にドアを開けた。
だが、リディの姿を見て絶句してしまった。
「!?」
衝撃のあまり息が止まり、そのまま硬直して立ち尽くしてしまう。
ルシアンの目の前にずっと逢いたくて懸想していたボルドーの瞳の少女が立っていたからだ。
(リディ…?え?どういうことだ?なんで彼女がここに?)
状況が掴めず、脳内で様々な疑問が駆け巡った。
客間にはボルドーの瞳の少女とエリスがいるだけだ。
と言うことはリディが探していた少女だったのか?
色々な意味で現実を受け入れられなくて、その考えに至った時には、口元を覆ってずるずるとその場に崩れ落ちてしまった。
だが、そもそもリディの髪は黒だったはずだ。
「その髪…どういうことだ!?それに眼鏡!?え?」
ルシアンがそう聞くと、非常に申し訳なさそうにリディは答えた。
話を聞くと自分がラングレン家の人間であることを隠すためと、神秘的な雰囲気づくりのためにウィッグを被り、伊達メガネを付けていたという。
リディの正体を知って、ルシアンは鈍器で頭を殴られた気がした。
リディ=探していた少女であったことは衝撃だったが、リディは自分がルシアンの探している少女だと気づいてなかったのだろうか?
自分の事を覚えていないのだろうか?
リディの肩を掴んで祈るような気持ちで尋ねたが、リディ自身は首を捻るばかりで、その様子からルシアンの事を覚えていないのは明白だった。
だけど、ようやく会えた。
あれだけ焦がれていた女性がこうして目の前に立っている。
なんという奇跡だろうか。
ルシアンは嬉しさのあまりに泣きそうになるのを耐えた。
喜びと感動とで胸がいっぱいになる。
今度こそ告げよう。
リディこそがルシアンが探し求めていた女性であること、そして心から想っていることを。
それを伝えようとルシアンは口を開こうとしてふと契約の内容が頭を過ぎった。
ルシアンとリディが結んだ契約は4つ。
一つ:お互い好きな人ができた時点で契約解消
一つ:婚約解消後は連絡を取らない
一つ:契約解消後に占いの店舗を提供すること
一つ:お互いに恋愛感情は抱かない
まず思い浮かんだのは「お互いに恋愛感情は抱かない」という契約だ。
もしルシアンのリディに対する想いを伝えればこの契約を違反したことになり、婚約は解消となる。
そうなると、「婚約解消後は連絡を取らない」となり、リディとは連絡を取れなくなり、結果一生会えなくなってしまうのだ。
つまり、「告白したいが、告白すると契約違反になるり、もう二度と会えない」という状況に陥ってしまうことに気づいた。
「待てよ…言うのは不味いってことか?」
なんてことだ。
どうすればいいのか。
まさかリディが探していた女性であるとは思わず、あのような契約を結んでしまった。
確かに契約を結んだ時にはリディは親友だったのだ。
あの状況で、どうしてこんなことになると予想できるだろうか?
だが考えれば確かに片鱗はあったのだ。
心地よい声に優しい雰囲気。
自我についての質問に対する回答。
店を一人で出すという話や店の場所…。
考え出すと類似点は沢山あったのだ。
なのに髪色と眼鏡のせいで全く気付かなかった。
そんな自分が情けない。
だが落ち込んでも仕方ないのだ。
ルシアンは素早く今後について考えることにした。
(そうだ。とりあえず今のところ偽装婚約の契約は続けられる。偽装婚約を続けられれば結婚することも可能だよな。その間にリディに俺の事を好きになってもらえれば、ずっと一緒に居られる…)
そう算段を付けたルシアンは気を取り直してリディへと向き直った。
そしてディナーの誘いと屋敷に泊まってもらうようにとお願いする。
このままリディを虐待するような家族のいる屋敷に返したくなかったからだ。
ディナーには両親も同席することになる。
両親へと会わせるのは先の予定だったが、もともと王命で婚約しなくてはならないことや、恋人がいるので今度会って欲しいという旨は両親には伝えていたし、こうなれば善は急げというものだ。
突然このような提案をされたリディは、戸惑いながらも了承してくれた。
「じゃあ案内する」
エスコートするためにさりげなくリディの腰を抱いて歩き出し、隣に並ぶリディの顔を盗み見た。
プラチナブロンドの豊かな髪に深いボルドーの美しい瞳。あの頃よりも大人びて、少女というより女性という表現がしっくりくる。
(やっと会えた…)
ルシアンの胸は再び会えた奇跡に震え、もう二度と離さないという決意の火がと灯ったのだった。
そしてその数日後、今日はリディとデート(仮)をすることになっている。
男女が出掛けるということでデートになるかと言うと、互いに恋愛感情はないので単にお出かけではあるが、一応婚約者となる間柄だし…と言うことで「デート(仮)」と命名して外出することになったのだ。
一応デート(仮)ではあるのだが、それなりの恰好をしなくては申し訳ないという思いでルシアンは服を選んだのだが、リディはいつもの落ち着いたグレーのワンピースで待ち合わせにやって来た。
「いた!」
「やあ」
リディは少し駆け足でやってきたせいで長いストレートの黒髪が乱れてしまっている。
ずれてしまった大きな眼鏡を直しながら、リディは遅刻の謝罪をしてきた。
時間的に大した遅刻ではないのに90度に腰を折って深々と頭を下げるところに、リディの律義さを改めて感じる。
(本当、真面目というか律義と言うか…)
そんなところも人間として好ましいと思う。
まずは予約していたレストランに向かうことになり、そのまま並んで歩き出したのだがルシアンは正直その距離感を掴めずにいた。
2人の間には友人と言う間柄としては問題ない距離を開けて歩いているが、果たして(偽装だが)婚約している2人がこの微妙な距離でいいのか疑問だ。
だが、この間まで友人関係だったのに、いきなりべったりくっついて腕を絡ませて歩くのも心情的にハードルが高かった。
(婚約者の雰囲気を出すためのデート(仮)だからここは腕を組むべきか…?)
リディはと言うと、さほど気にした様子でもなく歩いているので、ルシアンはそのまま肩が触れるか触れないか程度の距離のまま歩くことにした。
そもそもリディとこうして外出して並んで歩くことは初めてであることに気づいた。
「そういえば、君とこうして歩くのは初めてだな」
「そうですね。いつもはお店で紅茶を飲むだけでしたし」
「なかなか新鮮だ。君はお酒は飲めるのかい?」
「ほとんど飲んだことがないので…飲めるとは思いますが強いかは分かりません」
リディの家庭環境を考えると、確かに酒を飲むような環境にあったとは思えない。
お茶をする中でリディが義母と義妹に虐待されており、それが嫌で家を出る資金を稼ぐため秘密裏に自分一人で店を出して稼いでいるということを聞いていた。
(ボルドーの瞳の少女も事情があって自分の店を出す必要があると言っていたな)
そのことを思い出すと、もしかして彼女もまたリディのような家庭環境に置かれていたのかもしれない。
あの時もっと詳しく聞いていれば力になれたのかもしれないと思うと、再び後悔がルシアンの胸に広がった。
(そう言えばリディの店はあの子が店を出すと言っていた場所と同じエリアだな。案外少女の店は近くにあって実は知り合いだというオチがあるかもな)
そんな都合のよいことを微かに思って苦笑した。
考えてみるとリディにはあの少女の特徴や出会った時のことなどの詳細を伝えていなかった。
以前占った貰った時に「友人や身近な人が教えてくれるようなので、思い切ってもう少し周囲の人の話をして聞いてみるのがいいかもしれません」と言っていたが、リディには詳細を伝えていない。
ならばリディに尋ねてみよう。
もしかして意外な情報が貰えるかもしれない。
そんなことを考えながらルシアンはリディと会話をしつつ、レストランへと向かったのだが、そこでひったくりに遭遇した。
リディはその犯人を追いかけて必死の形相で走って行き、最終的には捕まえることができて無事解決となった。
ひったくり犯を捕まえたところまでは良かったのだが、その際の格闘でリディの服は泥だらけになり、髪の毛にも泥がくっついてべとべとになっていた。
その上捻挫をしていた。
(まったく赤の他人の荷物を取り返すためにこんなになって。無茶苦茶な子だな)
お人好しにも程がある。
この事件のせいでデート(仮)の続行は難しくなり、ルシアンは予定を変えてリディを連れ、急遽バークレー邸へと帰ることにした。
屋敷に帰れば妹のエリスが居たので、妹にリディの事を任せることにした。
時間的にもディナーになるので、このままリディにもバークレー邸でディナーを食べてもらうことにしようとルシアンは考え、料理の追加を厨房へと伝えた後に再び客間へと向かった。
「俺だ」
客間をノックしてそう言うと、中からリディが入室を許可する返事をしたので、ルシアンは何の気持ちもなく普通にドアを開けた。
だが、リディの姿を見て絶句してしまった。
「!?」
衝撃のあまり息が止まり、そのまま硬直して立ち尽くしてしまう。
ルシアンの目の前にずっと逢いたくて懸想していたボルドーの瞳の少女が立っていたからだ。
(リディ…?え?どういうことだ?なんで彼女がここに?)
状況が掴めず、脳内で様々な疑問が駆け巡った。
客間にはボルドーの瞳の少女とエリスがいるだけだ。
と言うことはリディが探していた少女だったのか?
色々な意味で現実を受け入れられなくて、その考えに至った時には、口元を覆ってずるずるとその場に崩れ落ちてしまった。
だが、そもそもリディの髪は黒だったはずだ。
「その髪…どういうことだ!?それに眼鏡!?え?」
ルシアンがそう聞くと、非常に申し訳なさそうにリディは答えた。
話を聞くと自分がラングレン家の人間であることを隠すためと、神秘的な雰囲気づくりのためにウィッグを被り、伊達メガネを付けていたという。
リディの正体を知って、ルシアンは鈍器で頭を殴られた気がした。
リディ=探していた少女であったことは衝撃だったが、リディは自分がルシアンの探している少女だと気づいてなかったのだろうか?
自分の事を覚えていないのだろうか?
リディの肩を掴んで祈るような気持ちで尋ねたが、リディ自身は首を捻るばかりで、その様子からルシアンの事を覚えていないのは明白だった。
だけど、ようやく会えた。
あれだけ焦がれていた女性がこうして目の前に立っている。
なんという奇跡だろうか。
ルシアンは嬉しさのあまりに泣きそうになるのを耐えた。
喜びと感動とで胸がいっぱいになる。
今度こそ告げよう。
リディこそがルシアンが探し求めていた女性であること、そして心から想っていることを。
それを伝えようとルシアンは口を開こうとしてふと契約の内容が頭を過ぎった。
ルシアンとリディが結んだ契約は4つ。
一つ:お互い好きな人ができた時点で契約解消
一つ:婚約解消後は連絡を取らない
一つ:契約解消後に占いの店舗を提供すること
一つ:お互いに恋愛感情は抱かない
まず思い浮かんだのは「お互いに恋愛感情は抱かない」という契約だ。
もしルシアンのリディに対する想いを伝えればこの契約を違反したことになり、婚約は解消となる。
そうなると、「婚約解消後は連絡を取らない」となり、リディとは連絡を取れなくなり、結果一生会えなくなってしまうのだ。
つまり、「告白したいが、告白すると契約違反になるり、もう二度と会えない」という状況に陥ってしまうことに気づいた。
「待てよ…言うのは不味いってことか?」
なんてことだ。
どうすればいいのか。
まさかリディが探していた女性であるとは思わず、あのような契約を結んでしまった。
確かに契約を結んだ時にはリディは親友だったのだ。
あの状況で、どうしてこんなことになると予想できるだろうか?
だが考えれば確かに片鱗はあったのだ。
心地よい声に優しい雰囲気。
自我についての質問に対する回答。
店を一人で出すという話や店の場所…。
考え出すと類似点は沢山あったのだ。
なのに髪色と眼鏡のせいで全く気付かなかった。
そんな自分が情けない。
だが落ち込んでも仕方ないのだ。
ルシアンは素早く今後について考えることにした。
(そうだ。とりあえず今のところ偽装婚約の契約は続けられる。偽装婚約を続けられれば結婚することも可能だよな。その間にリディに俺の事を好きになってもらえれば、ずっと一緒に居られる…)
そう算段を付けたルシアンは気を取り直してリディへと向き直った。
そしてディナーの誘いと屋敷に泊まってもらうようにとお願いする。
このままリディを虐待するような家族のいる屋敷に返したくなかったからだ。
ディナーには両親も同席することになる。
両親へと会わせるのは先の予定だったが、もともと王命で婚約しなくてはならないことや、恋人がいるので今度会って欲しいという旨は両親には伝えていたし、こうなれば善は急げというものだ。
突然このような提案をされたリディは、戸惑いながらも了承してくれた。
「じゃあ案内する」
エスコートするためにさりげなくリディの腰を抱いて歩き出し、隣に並ぶリディの顔を盗み見た。
プラチナブロンドの豊かな髪に深いボルドーの美しい瞳。あの頃よりも大人びて、少女というより女性という表現がしっくりくる。
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