【完結】転生モブ令嬢は転生侯爵様(攻略対象)と偽装婚約することになりましたーなのに、あれ?溺愛されてます?―

イトカワジンカイ

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少女漫画的展開②

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見ればルシアンが少し慌てた様子でこちらにやって来ている。

「リディ、ここにいたのか。遅くなってすまない。…あぁ、ソフィアナも一緒だったのか」
「ルシアン、この度はご婚約おめでとうございます」

「ありがとう。もう自己紹介は終わったかもしれないが、改めて紹介する。婚約者のリディだ」
「リディ・ラングレンと申します。よろしくお願いいたします」

「ソフィアナ・ロッテンハイムですわ。こちらこそよろしくお願いしますわ」

お互い挨拶を交わすが、ソフィアナは再びじっとリディをじっと見つめる。
リディが戸惑っていると、それを察したルシアンがソフィアナに尋ねてくれた。

「ソフィアナ、どうかしたか?」

「あ、失礼しましたわ。そろそろ戻りますわ。リディさん、今度、ぜひお話出来たら嬉しいわ。良かったら我が屋敷においでくださいませ」

「ありがとうございます」
「では、わたくしはこれで」

ソフィアナは優雅に礼をするとそのまま去って行ってしまった。
少しだけソフィアナの態度が気になったものの、すぐにルシアンの声が頭上から聞こえたのでそちらを向いた。

「エリスに言われて慌てて来たんだが…大丈夫か?」
「と言いますと?」
「ご令嬢達に言いがかりをつけられているから助けてあげてほしいと」

「ふふふ、お約束の少女漫画展開でしたね。ちょっと仕返ししてしまったので…ご迷惑かけたらすみません」
「いや、そんなこと気にやむ必要はない。むしろ、守れなくて悪かった」
「いえ。大丈夫です」

「そろそろ私達も部屋へと戻ろうか。疲れただろう?」
「はい。あ、でもちょっと聞きたいことがあったんです。ソフィアナ様なんでけど…」

そのリディの言葉を遮るように甘ったるい大きな声が会場に響いた。

「ルシアン様―――!あっ!」

そうやって息を切らせてやって来たのはシャルロッテだ。
シャルロッテはルシアンの手前で蹴躓き、そのままルシアンの胸に飛び込んだ。

それを反射的に受け止めたルシアンと、まるで抱き合うように見えた。
その後ろからやって来たのはリディの父ダーシーだ。

「伯爵、シャルロッテ嬢…」
「まぁ、シャルロッテ嬢なんて他人行儀ですわ。ルシアン様と婚約するのは私ですのに」

シャルロッテはルシアンの顔を覗き込んで笑った。
小悪魔というような悪戯っぽくも艶めかしい笑みだった。

「あれはリディ様の妹のシャルロッテ嬢じゃないか?」
「相変わらず可愛いな」
「でもどういうことだ?婚約はシャルロッテ様となのか?」

事態が分からず夜会の参加者達もこちらを注目し、戸惑っている。

「…失礼ながら、お二人を招待した覚えはありませんが」

「娘が婚約するのですから…その…ご挨拶をしなくては…と。それに、シャルロッテの話を聞きまして、このような偽りの婚約は避けるべきかと思い…参りました」

「偽りの婚約?」

ダーシーの言葉にリディはぎくりとした。

(まさか、偽装婚約がバレた?)

だがルシアンは眉間に皺をよせダーシーを静かに見据えている。
夜会参加者の注目が一気に集まると、皆ひそひそと耳打ちを始めている。

「やっぱりこの婚約には嘘があったのでは?」
「邪魔されている?そう言えばあのリディっていう女、なんか悪い噂を聞いたことがあった」

ルシアンにもその声は耳に入ったようでそう囁いた客を一瞥した後、シャルロッテに説明を求めた。

「偽りの婚約とは何を指しているのか理解できないが」

「…知ってます。本当はルシアン様が私の事を想っていたのに…私を庇うために好きでもないお義姉様とご婚約されることになったのですよね」

「全く意味が理解できないが…」

「私がルシアン様と親しくしているのをリディお義姉様が嫉妬して私を虐めていたじゃないですか。それを止めるために好きでもないリディお義姉様と婚約して、庇ってくださったのですよね。デートの時に私がお義姉様の事を相談したから…」

「俺の記憶には君とデートをした記憶はない。そもそも貴女とはそう言う仲ではないが」

「そんな嘘をつかなくてもいいですわ。ぶつかってハンカチを落としたのをルシアン様が拾ってくださった。あれが運命の始まりです。その後はほほ笑んで屋敷までエスコートしてくだっさったじゃないですか」

潤んだ瞳でシャルロッテはルシアンを見た。
続いて頬を赤らめて恋する乙女といった体で話を続けた。

「図書館でお会いした時だって…手の届かない本を取ってくれて…私が勉強で悩んでいるところを教えてくださって二人きりで過ごしました。一緒にピクニックに行った時。ほら急に馬が暴れたところを庇ってくださり、震える私を抱きしめてくださった…。皆さんも見てらっしゃるはずです」

シャルロッテがチラリと聴衆を見れば、皆もそう言えばという話を口にし始めた。

「そう言えば二人で歩いているところを見ましたわ。あれはやっぱりデートでしたのね」
「確かに…私も見ましたわ」
「オレも見たことあるな」

聴衆の同意を得て、シャルロッテは更に悲劇のヒロインの如くに涙ながらに訴えた。

「お義姉様が私を嫉妬して私の物を奪うのは我慢できます。ですが婚約者のルシアン様を奪うなどあまりにも酷すぎます…」

そう言いながらシャルロッテは泣き崩れた。

シャルロッテの可憐でいじらしい態度に、聴衆の男性陣が同情の声を上げていた。

「確かに、ラングレン家のご令嬢と婚約したと聞いたが…姉だとは聞いてなかったな」
「そうか…あの姉に奪われたんだ」
「なるほどな。可哀想だなシャルロッテ嬢は」

ここで黙っていたダーシーが汗をハンカチで拭いながら一歩前に出て言った。

「僭越ながら…そのような娘がルシアン様と婚約するのは…バークレー家の格を落とすと思います。ですが想い合っているシャルロッテであれば…」

その言葉にルシアンが少しだけ沈黙すると、地の底を這うような低い声で言った。

「こうやってリディの婚約者も奪ったのか?」

「奪ったなんて…人聞きが悪いです…あ、お義姉様がそんな嘘を…。ジル伯爵とは親しくさせていただいています。でも…私が愛しているのはルシアン様なんです。お義姉様との愛のない婚約はやはりいけません。私、お義姉様の虐めも我慢します。だから私と婚約しましょう、ルシアン様」

「愛のない?…なるほど。君にはそう見えるのか」

そう言うと、ルシアンはぐいとリディを引き寄せた。
そして耳元で囁いた。

「リディ…悪い」
「ん?」

何が悪いなのかが理解できずにいた瞬間だった。
唇に柔らかいものが押しつけられている。
それがキスであると気づいた瞬間、リディの頭がフリーズした。

(い、いくらなんでも契約外!)

ゆっくりと唇が離されたかと思うと、ルシアンが淡々と言った。

「これでも愛がないと君は言えるのか?」
「な…」

突然のルシアンの行動に会場にいた全員が呆気に取られている。

「まず、誤解があるようだから言っておく。ぶつかってハンカチを落としたのを拾うのは紳士なら当然だ。だがこちらが急いでいるのに道に迷ったなどと言い訳して俺を屋敷まで送るように迫ったから送ったまでだ」

「迫ってきただなんて、そんな」

「あの時、俺が道案内する間もなく、君はすいすいと屋敷まで進んで行った。次に図書館で会った時も、君は何時間もジル伯爵と話していたと司書が言っていた。なのに俺が図書館に入ると、突然ジル伯爵に『用事があるから』と別れた。そして俺の前に来て手の届かない本を必死に取ろうとしていたから手伝ったまで。しかもそれは測量の本でそのまま読みもせずに、君は机に置いた。勉強を悩んでいるだと?掛け算程度の初歩的計算が分からないなど…笑いが出てしまったよ。悪いが掛け算もできない女性には興味がない」

その言葉にシャルロッテの顔が別の意味で朱に染まった。
貴族令嬢とて算数くらいはできるのは当然だ。

なのにそれすらできないことを暴露された上に、鼻で笑われたからだ。

ルシアンの話を聞いていた出席者も「掛け算もできない…」「いくら女性でもその程度もできないなんて」と唖然とも嘲笑ともとれる反応をしている。

「最後に一緒にピクニックに行った時と君は言ったが、一緒には行っていない。旧友に誘われて気晴らしに散歩に行ったとき偶然に会っただけだろう。確かに馬が暴れたがその馬も、君が大声を出して怯えさせた。故意に暴れさせたのでは…と邪推してしまうタイミングだ。俺が君を抱きしめたのではなく、君が今日みたいにしがみついてきたのだ。記憶の改ざんもいい加減にして欲しい」

ルシアンは明言はしていないがシャルロッテが色々と手回しをしてルシアンと接触したのだと主張していた。
聴衆も堂々とシャルロッテとの関係を否定するルシアンを信じたようだ。

「そういうことだったのね」
「確かに二人きりじゃなかったかもな」
「シャルロッテ嬢の自作自演ってこと?」

聴衆たちが口々に言い、逆にシャルロッテを胡散臭いものを見るような目になっていった。
ルシアンはダーシーに向き直って薄く笑ったがその目は笑っていない。
そして怒気を含んだ声で二人に言い放った。

「伯爵。リディどの婚約を認めてもらって感謝はしている。そしてシャルロッテ嬢。君がジル伯爵とリディの婚約を破棄させてくれたことを感謝する。彼女と婚約できるのだからな」

そしてルシアンは周囲を見ながら、宣言するように声高に言った。

「改めて言う。俺の婚約者はリディ・ラングレンのみ。彼女を選んだのは俺だ。彼女の代わりはいない。今後リディに言いがかりをつけたり、彼女を貶める行為があれば、それは我がバークレー侯爵家への物と取り、然るべき対応をさせてもらう」

今度はターナーに向き合って、ルシアンは一瞥した。

「一応リディの実家ということで今まで金の融通もしてきたが、もう我慢ならない。招待もしていない婚約パーティーに押しかけるなど厚顔無恥も甚だしい上、このようなでたらめな事を言って、俺とリディの名誉を傷つけた。貴殿の自慢の妹を差し出した方が俺から融資を引き出せると思ったかもしれないが…逆効果だったな。今後融資は打ち切らせていただく」

ルシアンはそう言い放つと、リディをエスコートするようにその腰を抱いて会場を出ていこうとした。
その後ろからは、紳士淑女達がさまざまな反応が聞こえてくる。

「あんなルシアン様、見たことないぜ」
「いつも冷静な方ですのに」
「女性に対しても物腰も柔らかい方で怒られた表情見たことなかったわ」
「あの…完全無欠侯爵が?!」
「怒鳴ったお声なんて初めて聞いたわ…」
「あぁ…私もあんな風に愛されたいわ」

そんな聴衆の驚きの眼差しと騒めきも、もはやリディの耳には届かなかった。

ただ、混乱だけがリディの脳内を占め、ルシアンに連れられて会場を後にすることになった。
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