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第一部
そばにいるから(4)
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マシューは魔法の檻に囲まれているものの、眠っているだけのようだ。魔法の檻を解除し、縄を解いてマシューを解放する。服はどこへいったのかわからないが、二人からぱっと見える位置にはなかった。
マシューの服を探すより、まだ見つかっていないアグネスを探す方が優先だろう。かわいそうだがマシューは全裸のまま、上に連れて行くことにした。せめてと、レイモンドは羽織っていたマントをマシューにかける。
「よし、この部屋にはもう魔法の仕掛けはないわ。行きましょう」
「ああ」
レイモンドがマシューを抱え、二人は一度外に出た。マシューは魔法がかけられているからか、まったく起きる気配がない。待機していたポールと兵にマシューとぬいぐるみを預ける。アグネスの私物を届けてもらうように連絡してあったが、それを待つより捜索を続けた方が良いと判断し、再び地下に下りた。
(アグネスさん、無事だといいけれど……)
アグネスがどういった状況に置かれているのかわからない以上、早く見つけ出さなければならない。また、最終的にはこの廃墟にかけられた魔法をすべて解除する必要もある。
エレノーラは先ほどの扉を除いた四つの扉を一つずつ調べていく。うち二つが本物の扉で、残り二つが幻だった。
「幻の解除は後回しにするとして……」
エレノーラが本物の扉を念入りに調べると、先ほどの扉とは違い、二つとも魔法がかけられ封じられていることがわかった。どちらかの扉の先にアグネスがいてくれればよいが、そこまではわからない。
「右の扉から解除するわ」
「わかった。近くで控えておく」
レイモンドは少し申し訳なさそうに眉尻を下げた。レイモンドは剣に絡む魔法を多少使えるが、それ以外の魔法はまったく使えず、魔法自体あまり詳しくはない。そばに控えていることしかできないことを少し気にしているようだ。
適材適所、役割分担というものがある。レイモンドの本来の役割はエレノーラを監視しながら護ることだ。作業中になにか魔物が現れれば、エレノーラは戦いは専門外のためレイモンドを頼るしかない。
「レイモンド」
気にしなくていいと声をかけようとしたが、思い直して代わりに名前を呼んだ。それに応え、レイモンドはエレノーラに向き直る。
「私、享楽の魔女のこと、死んだいまでも怖くて……嫌いだわ」
「エレノーラ……」
エレノーラはあの男に骨の髄まで覚えさせられた恐怖を、未だに忘れられない。そんな男の生前の跡が残るこの場所は、エレノーラにとっては恐ろしくて嫌気がする場所だ。
「だから、ここにいるのは本っ当に嫌だし……少し、怖いの。でも、レイモンドがそばにいるから……私、いまがんばれるのよ」
怖くても、その恐怖だけにとらわれずにいられるのは、エレノーラをあの男から救い出した、彼女だけの王子さまがそばにいるからだ。
「だから、ちゃんとそばにいてね」
「……ああ!」
レイモンドは力強くうなずいた。エレノーラは気を取り直して扉に向かい合い、解除を始める。表にあった魔法よりは簡単なものだが、解除に五分ほどかかった。
先ほどと同じようにレイモンドが先に中に入り、すぐ後にエレノーラが続く。中は薄暗く、魔法で明かりを灯したが、二人の見える範囲にはアグネスはいなかった。部屋には本棚が並べられていて、その合間に扉が見える。強い魔法がその奥から感じとれて、エレノーラは顔をしかめた。
「レイモンド、ちょっとこっちに……」
エレノーラが振り返って声をかけた瞬間、なにかに足を取られてバランスを崩した。そのままなにかに引き寄せられて反射的に目をつむると体に絡みつくような不快感が襲い、顔をしかめる。
「エレノーラ!」
レイモンドの声に目を開くと、彼の慌てた表情と伸ばされた手が見えて手を伸ばした。しかしその手は届かず、エレノーラはそのまま引きずられてしまう。再び視界が暗闇に覆われ、ちょっとした高さから床に落とされた。
「いたっ」
エレノーラは痛みに体をさすりつつ、両手をついて上体を起こす。辺りは真っ暗で、なにも見えなかった。
「なに……」
エレノーラは魔法で明かりを灯し、辺りを見回した。どうやら先ほどの部屋とは別の場所にいるようだ。中にはエレノーラのほかにもう一人、探していたアグネスが気を失って横たわっている。
「アグネスさん!」
エレノーラは立ち上がろうとしたが、右足首に痛みを覚えて留まった。はいつくばってアグネスの元に近づき、肩を揺すって声をかける。するとエレノーラの声に反応したアグネスが小さくうめいた。
(よかった、無事ね)
エレノーラがほっと胸をなで下ろすと、突然、扉が開かれる音がした。驚いて顔を上げ、音の方を見る。開かれた扉を背にレイモンドが慌てた様子で二人にかけ寄った。どうやら、ここは先ほど見つけた扉の先のようだ。
「大丈夫か!?」
レイモンドは真っ先にエレノーラの元、ではなくアグネスの元へかけ寄った。倒れているアグネスの前にしゃがみこみ、上体を大切そうに抱き上げる。エレノーラはそれを目の当たりにして衝撃を受けたが、見えていないだけかもしれないと思い直して声をかけた。
「レイモンド……?」
「あなたも無事でしたか。よかった」
レイモンドはエレノーラを一瞥し、声をかけた。普通の反応だが、アグネスの元にかけ寄った様子とはあまりに違い、エレノーラは衝撃を受けてしまう。
(どういうこと?)
あまりの衝撃に頭が回らず、体を強ばらせた。なにかを話そうと口を開くもままならず、アグネスがうめいて意識を取り戻したことでレイモンドの目がエレノーラからアグネスへと移った。
(なにこれ……かなり、つらいわ)
エレノーラは胸が傷んで手を当て、見ていたくなくて床に視線を落とす。
「うう……っ」
「エレノーラ、大丈夫か?」
レイモンドがアグネスにかけた言葉で、エレノーラはようやく理解する。恐らく、ここにかけられている魔法は認識を変える幻覚魔法だ。レイモンドにはエレノーラがアグネスに、アグネスがエレノーラに見えているのだろう。
(わかっても、これは……きついわ……)
レイモンドのエレノーラへの反応は特別冷たいわけではなかった。無事を安心したのだから、やさしいものともとれる。しかし、レイモンドのアグネスへの反応とはあまりにも差がありすぎた。
(ちょっとだけ、アグネスさんが私のことが嫌いな理由……わかっちゃった)
エレノーラも同じ立場に立って、アグネスがとても妬ましく思えていた。
(早くこの魔法を解かないと……)
エレノーラはこれ以上、二人を見ていたくなかった。早く解きたい、そう思ってもうまく頭が回らず、なにもできないでいる。
「う……ん……なに……?」
「エレノーラ!」
「レイモンド? え……?」
はっきりと意識を取り戻したアグネスがエレノーラと呼ばれてなにごとかと目を丸くした。アグネスも優秀な魔道士、すぐに状況が飲み込めたらしい。
(アグネスさんは、この状況をどうするのかしら……)
片思いしている相手が、まるで恋人のように接してくる。それが一時のことであっても、自分が別人に、相手の恋人に見えているからだとしても。
アグネスがレイモンドの胸元をつかんだのが見えて、エレノーラは思わず目を背けた。アグネスがしようとしていることに最悪の想定をして、目をきつくつむる。
「私は、アグネスよ! エレノーラなんか、見ないで! ちゃんと私を見てよ!」
アグネスが張り上げた声にばちんとなにかが弾けるような音がした。エレノーラはこの場所にかけられていた魔法が霧散していくのを感じて唖然としてしまう。恐る恐る二人の方を見ると、レイモンドは胸元をつかまれて目を丸くし、アグネスは彼をきつくにらみつけていた。
(こんなことって、あるの? アグネスさん、強い想いだけで魔法を制して解いちゃった。すごい……)
アグネスは迷いなく、この状況を利用せずに自分がアグネスだと主張した。偽りの想いなど必要なく、レイモンドに自身へ振り向いてほしいのだと。恋敵のはずのアグネスのその姿に、エレノーラは少しときめいた。
「えっ……あ、アグネス?」
「そうよ! ……うれしい、レイモンド、助けに来てくれたのね!」
だが、すぐにアグネスがレイモンドへ抱きついた姿を見てそのときめきは終わった。レイモンドも自分で抱き起こした以上邪険にできず、戸惑い、されるがままになっている。
(仕方がない、魔法のせいだもの。仕方がないわ)
エレノーラは何度も仕方がないと、自分に言い聞かせた。
マシューの服を探すより、まだ見つかっていないアグネスを探す方が優先だろう。かわいそうだがマシューは全裸のまま、上に連れて行くことにした。せめてと、レイモンドは羽織っていたマントをマシューにかける。
「よし、この部屋にはもう魔法の仕掛けはないわ。行きましょう」
「ああ」
レイモンドがマシューを抱え、二人は一度外に出た。マシューは魔法がかけられているからか、まったく起きる気配がない。待機していたポールと兵にマシューとぬいぐるみを預ける。アグネスの私物を届けてもらうように連絡してあったが、それを待つより捜索を続けた方が良いと判断し、再び地下に下りた。
(アグネスさん、無事だといいけれど……)
アグネスがどういった状況に置かれているのかわからない以上、早く見つけ出さなければならない。また、最終的にはこの廃墟にかけられた魔法をすべて解除する必要もある。
エレノーラは先ほどの扉を除いた四つの扉を一つずつ調べていく。うち二つが本物の扉で、残り二つが幻だった。
「幻の解除は後回しにするとして……」
エレノーラが本物の扉を念入りに調べると、先ほどの扉とは違い、二つとも魔法がかけられ封じられていることがわかった。どちらかの扉の先にアグネスがいてくれればよいが、そこまではわからない。
「右の扉から解除するわ」
「わかった。近くで控えておく」
レイモンドは少し申し訳なさそうに眉尻を下げた。レイモンドは剣に絡む魔法を多少使えるが、それ以外の魔法はまったく使えず、魔法自体あまり詳しくはない。そばに控えていることしかできないことを少し気にしているようだ。
適材適所、役割分担というものがある。レイモンドの本来の役割はエレノーラを監視しながら護ることだ。作業中になにか魔物が現れれば、エレノーラは戦いは専門外のためレイモンドを頼るしかない。
「レイモンド」
気にしなくていいと声をかけようとしたが、思い直して代わりに名前を呼んだ。それに応え、レイモンドはエレノーラに向き直る。
「私、享楽の魔女のこと、死んだいまでも怖くて……嫌いだわ」
「エレノーラ……」
エレノーラはあの男に骨の髄まで覚えさせられた恐怖を、未だに忘れられない。そんな男の生前の跡が残るこの場所は、エレノーラにとっては恐ろしくて嫌気がする場所だ。
「だから、ここにいるのは本っ当に嫌だし……少し、怖いの。でも、レイモンドがそばにいるから……私、いまがんばれるのよ」
怖くても、その恐怖だけにとらわれずにいられるのは、エレノーラをあの男から救い出した、彼女だけの王子さまがそばにいるからだ。
「だから、ちゃんとそばにいてね」
「……ああ!」
レイモンドは力強くうなずいた。エレノーラは気を取り直して扉に向かい合い、解除を始める。表にあった魔法よりは簡単なものだが、解除に五分ほどかかった。
先ほどと同じようにレイモンドが先に中に入り、すぐ後にエレノーラが続く。中は薄暗く、魔法で明かりを灯したが、二人の見える範囲にはアグネスはいなかった。部屋には本棚が並べられていて、その合間に扉が見える。強い魔法がその奥から感じとれて、エレノーラは顔をしかめた。
「レイモンド、ちょっとこっちに……」
エレノーラが振り返って声をかけた瞬間、なにかに足を取られてバランスを崩した。そのままなにかに引き寄せられて反射的に目をつむると体に絡みつくような不快感が襲い、顔をしかめる。
「エレノーラ!」
レイモンドの声に目を開くと、彼の慌てた表情と伸ばされた手が見えて手を伸ばした。しかしその手は届かず、エレノーラはそのまま引きずられてしまう。再び視界が暗闇に覆われ、ちょっとした高さから床に落とされた。
「いたっ」
エレノーラは痛みに体をさすりつつ、両手をついて上体を起こす。辺りは真っ暗で、なにも見えなかった。
「なに……」
エレノーラは魔法で明かりを灯し、辺りを見回した。どうやら先ほどの部屋とは別の場所にいるようだ。中にはエレノーラのほかにもう一人、探していたアグネスが気を失って横たわっている。
「アグネスさん!」
エレノーラは立ち上がろうとしたが、右足首に痛みを覚えて留まった。はいつくばってアグネスの元に近づき、肩を揺すって声をかける。するとエレノーラの声に反応したアグネスが小さくうめいた。
(よかった、無事ね)
エレノーラがほっと胸をなで下ろすと、突然、扉が開かれる音がした。驚いて顔を上げ、音の方を見る。開かれた扉を背にレイモンドが慌てた様子で二人にかけ寄った。どうやら、ここは先ほど見つけた扉の先のようだ。
「大丈夫か!?」
レイモンドは真っ先にエレノーラの元、ではなくアグネスの元へかけ寄った。倒れているアグネスの前にしゃがみこみ、上体を大切そうに抱き上げる。エレノーラはそれを目の当たりにして衝撃を受けたが、見えていないだけかもしれないと思い直して声をかけた。
「レイモンド……?」
「あなたも無事でしたか。よかった」
レイモンドはエレノーラを一瞥し、声をかけた。普通の反応だが、アグネスの元にかけ寄った様子とはあまりに違い、エレノーラは衝撃を受けてしまう。
(どういうこと?)
あまりの衝撃に頭が回らず、体を強ばらせた。なにかを話そうと口を開くもままならず、アグネスがうめいて意識を取り戻したことでレイモンドの目がエレノーラからアグネスへと移った。
(なにこれ……かなり、つらいわ)
エレノーラは胸が傷んで手を当て、見ていたくなくて床に視線を落とす。
「うう……っ」
「エレノーラ、大丈夫か?」
レイモンドがアグネスにかけた言葉で、エレノーラはようやく理解する。恐らく、ここにかけられている魔法は認識を変える幻覚魔法だ。レイモンドにはエレノーラがアグネスに、アグネスがエレノーラに見えているのだろう。
(わかっても、これは……きついわ……)
レイモンドのエレノーラへの反応は特別冷たいわけではなかった。無事を安心したのだから、やさしいものともとれる。しかし、レイモンドのアグネスへの反応とはあまりにも差がありすぎた。
(ちょっとだけ、アグネスさんが私のことが嫌いな理由……わかっちゃった)
エレノーラも同じ立場に立って、アグネスがとても妬ましく思えていた。
(早くこの魔法を解かないと……)
エレノーラはこれ以上、二人を見ていたくなかった。早く解きたい、そう思ってもうまく頭が回らず、なにもできないでいる。
「う……ん……なに……?」
「エレノーラ!」
「レイモンド? え……?」
はっきりと意識を取り戻したアグネスがエレノーラと呼ばれてなにごとかと目を丸くした。アグネスも優秀な魔道士、すぐに状況が飲み込めたらしい。
(アグネスさんは、この状況をどうするのかしら……)
片思いしている相手が、まるで恋人のように接してくる。それが一時のことであっても、自分が別人に、相手の恋人に見えているからだとしても。
アグネスがレイモンドの胸元をつかんだのが見えて、エレノーラは思わず目を背けた。アグネスがしようとしていることに最悪の想定をして、目をきつくつむる。
「私は、アグネスよ! エレノーラなんか、見ないで! ちゃんと私を見てよ!」
アグネスが張り上げた声にばちんとなにかが弾けるような音がした。エレノーラはこの場所にかけられていた魔法が霧散していくのを感じて唖然としてしまう。恐る恐る二人の方を見ると、レイモンドは胸元をつかまれて目を丸くし、アグネスは彼をきつくにらみつけていた。
(こんなことって、あるの? アグネスさん、強い想いだけで魔法を制して解いちゃった。すごい……)
アグネスは迷いなく、この状況を利用せずに自分がアグネスだと主張した。偽りの想いなど必要なく、レイモンドに自身へ振り向いてほしいのだと。恋敵のはずのアグネスのその姿に、エレノーラは少しときめいた。
「えっ……あ、アグネス?」
「そうよ! ……うれしい、レイモンド、助けに来てくれたのね!」
だが、すぐにアグネスがレイモンドへ抱きついた姿を見てそのときめきは終わった。レイモンドも自分で抱き起こした以上邪険にできず、戸惑い、されるがままになっている。
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