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本編
次は学んでください(8)
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ヴァルターは用意してあった布でアデリナの体を清めると、そのまま彼女の隣に寝転がる。行為が終われば自室に戻る夫が殆どだと聞いていたアデリナは、昨夜も今夜も、ヴァルターがこうして自分の隣で眠るのが少し意外だった。
「旦那様、ありがとうございます。気をつかっていただいて…」
「アデリナの体が一番大切だ」
アデリナは、確かに子を産むためには体は大切だが、子種を注いでもらう事も大切だと思う。
「旦那様…私、明日こそは…」
「いや、暫くは控えよう」
アデリナは思ってもいなかった言葉に、違った意味でどきりとした。夫婦の不仲は、性の不一致が多いと聞く。アデリナは痛がって怖気付いてしまったのは不味かっただろうかと不安になるが、そんな彼女の内心を知ってか知らずか、ヴァルターは眉間に皺を寄せながら彼女の顔を覗き込む。
「ただ…明日も、今夜と同じことをしていいか」
どうやら、アデリナの早とちりだったらしい。夫婦の交わりを控えるとの意味ではなく、入れることを控える、という意味だったようだ。彼女がそれにほっとしながら微笑んで頷くと、ヴァルターの眉間の皺が緩む。おそらく、喜んでいるのだろう。
(…痛くなくて、気持ちよかったわ)
アデリナはこうして触れ合って慣らせば、次の交わりに痛みを感じなくなるかもしれないという期待があった。それに、ヴァルターに触れられるのは心地よい。その心地よさを覚えて恐れを感じなくなれば、交わりも順調に行えるだろう。
「旦那様、お心遣いありがとうございます。私、妻としての務めを果たして、必ず旦那様の子を産みますわ」
「務め、か…」
アデリナの言葉にぽつりとそう呟いたヴァルターは、じっと彼女を見つめた。彼の眉間に再び皺が寄ってしまい、アデリナはどうしたのかと首を傾げる。
「旦那様?」
「アデリナ、口付けていいか」
「え?…はい」
アデリナが目を閉じると、ヴァルターは直ぐに唇を重ねた。彼女は一度だと思っていたが、そのまま何度も口付けられて少し驚く。
「…舌を」
アデリナが言われた通りに口を開いて舌を差し出すと、ヴァルターは舌が絡ませる。もう覚えたのかと感心するくらい甘くて気持ちのいい交わりに、彼女は息を吐いた。
「ん…っ」
惚けてしまうくらいに気持ちがよく、舌が離れ、思わず追いそうになったところで、アデリナははっとした。
「あ…旦那様…」
「おやすみ、アデリナ」
「…はい、おやすみなさいませ」
そう言って、ヴァルターはアデリナの体を抱き寄せる。逞しい胸と腕に包まれてどきりとするが、眠りにくそうな体勢だと少し悩ましく思った。
(旦那様、どうなさったのかしら?)
ヴァルターの様子が少し変だと思ったが、何がどう変なのかがわかるほど、アデリナはまだヴァルターのことを理解できていなかった。
「旦那様、ありがとうございます。気をつかっていただいて…」
「アデリナの体が一番大切だ」
アデリナは、確かに子を産むためには体は大切だが、子種を注いでもらう事も大切だと思う。
「旦那様…私、明日こそは…」
「いや、暫くは控えよう」
アデリナは思ってもいなかった言葉に、違った意味でどきりとした。夫婦の不仲は、性の不一致が多いと聞く。アデリナは痛がって怖気付いてしまったのは不味かっただろうかと不安になるが、そんな彼女の内心を知ってか知らずか、ヴァルターは眉間に皺を寄せながら彼女の顔を覗き込む。
「ただ…明日も、今夜と同じことをしていいか」
どうやら、アデリナの早とちりだったらしい。夫婦の交わりを控えるとの意味ではなく、入れることを控える、という意味だったようだ。彼女がそれにほっとしながら微笑んで頷くと、ヴァルターの眉間の皺が緩む。おそらく、喜んでいるのだろう。
(…痛くなくて、気持ちよかったわ)
アデリナはこうして触れ合って慣らせば、次の交わりに痛みを感じなくなるかもしれないという期待があった。それに、ヴァルターに触れられるのは心地よい。その心地よさを覚えて恐れを感じなくなれば、交わりも順調に行えるだろう。
「旦那様、お心遣いありがとうございます。私、妻としての務めを果たして、必ず旦那様の子を産みますわ」
「務め、か…」
アデリナの言葉にぽつりとそう呟いたヴァルターは、じっと彼女を見つめた。彼の眉間に再び皺が寄ってしまい、アデリナはどうしたのかと首を傾げる。
「旦那様?」
「アデリナ、口付けていいか」
「え?…はい」
アデリナが目を閉じると、ヴァルターは直ぐに唇を重ねた。彼女は一度だと思っていたが、そのまま何度も口付けられて少し驚く。
「…舌を」
アデリナが言われた通りに口を開いて舌を差し出すと、ヴァルターは舌が絡ませる。もう覚えたのかと感心するくらい甘くて気持ちのいい交わりに、彼女は息を吐いた。
「ん…っ」
惚けてしまうくらいに気持ちがよく、舌が離れ、思わず追いそうになったところで、アデリナははっとした。
「あ…旦那様…」
「おやすみ、アデリナ」
「…はい、おやすみなさいませ」
そう言って、ヴァルターはアデリナの体を抱き寄せる。逞しい胸と腕に包まれてどきりとするが、眠りにくそうな体勢だと少し悩ましく思った。
(旦那様、どうなさったのかしら?)
ヴァルターの様子が少し変だと思ったが、何がどう変なのかがわかるほど、アデリナはまだヴァルターのことを理解できていなかった。
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