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本編
次は学んでください(4)
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アデリナは入浴を済ませ、ハーブティーを飲みながら、寝室でヴァルターの訪れを待った。今日も侍女たちに入念に手入れされた上に、ネグリジェの下に隠されている下着も、昨夜程ではないが扇情的なものだ。
(…皆、気合が入っているわ…)
妻もなく婚約者もなく、昨夜まで経験がなかったことからして女の影も無かったヴァルターが、漸く迎えた妻だ。随分と期待されているのだろう。
(血を繋げなければならないものね)
今、彼の跡を継げる血縁者がいないためか、皆も必死だ。このような状況に陥っているのには、少し複雑な事情がある。
ヴァルターは前ヴランゲル侯爵の次男だ。元はその爵位を継ぐのは彼の兄の予定であったため、彼は軍人として身を立てた。
しかし、その予定はヴァルターが二十二歳の頃に狂った。彼が戦場に向かう直前、前侯爵夫婦と嫡男である兄が乗った馬車が事故にあい、命を落とす不幸があったからだ。ヴァルターは慌ただしく爵位を継承してそのまま戦場に向かい、それから五年もの間、戻ることはなかった。
周りからすれば、跡継ぎがいない状況が続いて不安に思う中、当主が戦場から戻り、目出度く妻を迎え、漸く跡継が望める状況になったのだ。アデリナが大いに歓迎されているのはこういった事情があるからだろう。その分、彼女への期待と重圧は大きい。
だが、アデリナはそれに怖気付いてはいなかった。ヴァルターの子を産む、そのつもりでここに嫁いできたのだから。
(でも、今夜は…いえ、怖気付いてはだめよ…!)
けれど、彼女は違う理由で怖気付いてはいる。その理由は、ヴァルターの下半身のあれだ。
アデリナはあんな大きいものがよく入ったと思いながら、無意識に下腹部をさすっていた。入ってきた時は、内心悲鳴をあげそうになるくらい痛かった。途中からは興奮して痛みを頭から追いやれ、最後の方は少し気持ちよさを感じていたものの、やはり痛かった。血が出ていたものが昨日の今日で治りはしないだろう。今、冷静な頭で考えてしまうと怖気付いてしまうのは、仕方がない。
(旦那様…)
アデリナはちらりと、視界の端に映った白い花に目を向ける。今朝は彼女の体を気遣ってくれ、慣れていないだろうに、花を贈ってくれた彼の優しさが思い出された。悩んで眉間に皺を寄せ、店員に圧をかけながら花を買っているヴァルターを思い浮かべて、アデリナは少し笑ってしまう。
(…旦那様のため、ヴランゲル侯爵家のため、生家のためにも…私は、役目を果たさなければ…!)
決意を新たにし、いつでもかかってきなさいと気を大きくしたところで、寝室の扉をノックする音が部屋に響いた。彼女がどうぞと返事をすると直ぐに扉が開かれ、ヴァルターが中へと入ってくる。連日で訪れがあるという、喜ばしい事態ではある。
(…皆、気合が入っているわ…)
妻もなく婚約者もなく、昨夜まで経験がなかったことからして女の影も無かったヴァルターが、漸く迎えた妻だ。随分と期待されているのだろう。
(血を繋げなければならないものね)
今、彼の跡を継げる血縁者がいないためか、皆も必死だ。このような状況に陥っているのには、少し複雑な事情がある。
ヴァルターは前ヴランゲル侯爵の次男だ。元はその爵位を継ぐのは彼の兄の予定であったため、彼は軍人として身を立てた。
しかし、その予定はヴァルターが二十二歳の頃に狂った。彼が戦場に向かう直前、前侯爵夫婦と嫡男である兄が乗った馬車が事故にあい、命を落とす不幸があったからだ。ヴァルターは慌ただしく爵位を継承してそのまま戦場に向かい、それから五年もの間、戻ることはなかった。
周りからすれば、跡継ぎがいない状況が続いて不安に思う中、当主が戦場から戻り、目出度く妻を迎え、漸く跡継が望める状況になったのだ。アデリナが大いに歓迎されているのはこういった事情があるからだろう。その分、彼女への期待と重圧は大きい。
だが、アデリナはそれに怖気付いてはいなかった。ヴァルターの子を産む、そのつもりでここに嫁いできたのだから。
(でも、今夜は…いえ、怖気付いてはだめよ…!)
けれど、彼女は違う理由で怖気付いてはいる。その理由は、ヴァルターの下半身のあれだ。
アデリナはあんな大きいものがよく入ったと思いながら、無意識に下腹部をさすっていた。入ってきた時は、内心悲鳴をあげそうになるくらい痛かった。途中からは興奮して痛みを頭から追いやれ、最後の方は少し気持ちよさを感じていたものの、やはり痛かった。血が出ていたものが昨日の今日で治りはしないだろう。今、冷静な頭で考えてしまうと怖気付いてしまうのは、仕方がない。
(旦那様…)
アデリナはちらりと、視界の端に映った白い花に目を向ける。今朝は彼女の体を気遣ってくれ、慣れていないだろうに、花を贈ってくれた彼の優しさが思い出された。悩んで眉間に皺を寄せ、店員に圧をかけながら花を買っているヴァルターを思い浮かべて、アデリナは少し笑ってしまう。
(…旦那様のため、ヴランゲル侯爵家のため、生家のためにも…私は、役目を果たさなければ…!)
決意を新たにし、いつでもかかってきなさいと気を大きくしたところで、寝室の扉をノックする音が部屋に響いた。彼女がどうぞと返事をすると直ぐに扉が開かれ、ヴァルターが中へと入ってくる。連日で訪れがあるという、喜ばしい事態ではある。
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