まずは抱いてください

茜菫

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本編

まずは抱いてください(7)*

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「っ、旦那様」

 自分でも見た事のない場所を暴かれ、じっと見られている。アデリナが恥ずかしさのあまり顔を逸らすと、ヴァルターは指でゆっくりと割れ目をなぞってから、そこを割り開いた。

「旦那様、…あっ」

 ふしくれだった指がゆっくりと中に入ってきて、彼女は息を吐いた。解すように指が中をかきまわすが、それはまだ快感には繋がらない。

「気持ちよくはないか」

「…はい、あまり」

「そうか」

 ヴァルターは続けて指を動かしているが、気持ちよさには程遠い。それでも、良くさせようと懸命に弄っているさまが、アデリナには可愛く思えた。

「…旦那様…」

「なんだ」

「中ではなく、外の…上にあるところを、触ってくださいませんか…」
 ヴァルターは中を弄る指は止めず、言われた通りに割れ目の上にある小さな突起を、愛液を絡めた親指で擦った。それにたまらない快感が走って、びくりと腰を浮かせ声を漏らす。

「あっ」

「中が指を締め付けてくる」

「あっ…ん、そんなこと…あぁ、おっしゃらなくて、いいですから…あぁ…っ」

 ヴァルターはぐりぐりとそこを擦りながら、中を解すように指を動かし続ける。アデリナが快感に喘いでいる内に指を増やしていき、彼女が気づく頃には三本の指を咥えこませていた。

「もう、大丈夫か」

「わかりません…っあ…」

アデリナは指が引き抜かれ、中が物足りなさを訴えてくるのを感じた。ヴァルターの指は彼女の中から溢れ出た愛液でどろどろになり、それが手首にまで滴っている。彼がそれを舐めとったのが見えて、アデリナは恥ずかしさに悲鳴をあげそうになった。

「旦那様…!」

「アデリナ、いいか」

 ヴァルターの陰茎は先走りで濡れ、彼はもう限界なのか、息を荒くしている。少し迷ったが、アデリナは直ぐに短いその言葉に頷き、微笑んで受け入れる意思を表した。

「旦那様…どうぞ、きてくださいませ…」

 その言葉を受け、ヴァルターは先端を彼女の割れ目に押し当てた。彼は入れようと先端を擦り付けているが、上手くいかずに手こずっているらしい。アデリナが少し腰を動かすと先端が少し入り込んで、彼はそのままずるずると中へと押し入った。

(いっ…痛いっ!)

 アデリナは奥へと突き入ってくる痛みに、顔を顰めてしまった。だが、直後に耳に届いたヴァルターの声に、一瞬その痛みを忘れる。

「う、あぁ…」

 聞いたことの無いヴァルターの声に、アデリナは胸が高鳴った。大きく息を吐いて必死で堪えているさまが、なんともいじらしく思え、胸がきゅんとする。

「旦那様…っ」

 自分より大柄の男性を表現するのには不適切かもしれないが、アデリナにはヴァルターが可愛く見えた。

「っはぁ、アデリナ…っ、大丈夫か」

「…っ、はい…構いません、お好きになさって…」

 ヴァルターは彼女の腰をぐっと掴むと、抽挿しはじめた。ぎりぎり残っていた理性があったのか、初めは彼女を気遣ってゆっくりとした動きだったが、次第に速くなっていく。

「あ、あっ」

 アデリナは体を揺さぶられながら、熱くて硬い剛直に中を擦られ、奥をとんとんと突かれて、次第に痛みが快感へと変化していくのを感じていた。

 肌がぶつかり、繋がった所から淫靡な音が漏れている。互いの声が部屋に響き、耳から浸食されていくような心地だ。アデリナは身悶えながら声を漏らし、高みへと昇りつめていく。

「旦那様っ…んんっ…あぁっ」

「アデリナ、ぁっ…」

 頭の中が真っ白になって、彼女が中を締め付けると、小さく呻いたヴァルターが最奥に吐精する。中に注がれるのを感じながら、身体もこれで彼の妻となったのだと、アデリナは満たされた気持ちになっていた。
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