152 / 157
番外編
騎士様の好きな食べ物が気になります! 4-1
しおりを挟む
「でも、ええと…じゃあ、騎士様は私のことを嫌いになったからじゃなくて、嘘をついたわけでもなくて…思う通りにならなかったの?」
「はい。ですから、どうかオリヴィエ様のことを、お嫌いにならないでいただきたいのです」
「えっ」
ヴィヴィアンヌはそういった後に、昨夜自分がいった言葉を思い出す。彼女は魔法使いだからこそ嘘を嫌い、嘘つきのオリヴィエは嫌いだと思ってその言葉を口にしてしまった。
(私…嫌いって、言っちゃった)
それに対してオリヴィエがどのような反応をしたのか、ヴィヴィアンヌは見ていなかった。ただ寂しくて悲しい気持ちでいっぱいで、オリヴィエの気持ちまで考えられなかった。
「うん。嘘ついてない騎士様は、嫌いじゃないの」
「ヴィヴィアンヌ様…」
「でも、マリー…さっきの話ね、まだよくわからないから…もっと教えてほしいの!」
「…はい、私でよければ」
マリーはその言葉にほっと胸をなでおろすが、対してヴィヴィアンヌは不安に落ち込み、俯く。彼女はオリヴィエに嫌いと言ったことを、後悔していた。
(私…騎士様に嫌なこと、言っちゃった)
無知であることを自覚しているヴィヴィアンヌはオリヴィエを悲しませたかもしれないと落ち込む。だが、落ち込むだけで終わらないヴィヴィアンヌは、無知であることで彼を悲しませないよう勉強しなければと決意した。
そうしてヴィヴィアンヌがマリーから様々なことを学んでいる間、オリヴィエも必死になって働いていた。今日こそは早く帰れるようにと問題を片付け、王妃の温情を頂き明日の休みをもぎ取った彼は、日が暮れ始める前に帰路についた。
(ヴィヴィ、まだ怒っているかな…)
オリヴィエは昨夜のヴィヴィアンヌの様子を思い出し、重い息を吐く。顔すら合わせなかった彼女のことを思い出すだけで、オリヴィエは胸が苦しくなっていた。
(…これで、少しは許してくれると良いんだが…)
オリヴィエは手に持ったバスケットに目を向ける。それは、王妃からの労りの品だ。
オリヴィエは昨夜と今朝のことで酷く落ち込んでいたが、職務に支障をきたしてはならないと自分を律し、表に出さなかった。がだ、長い付き合いである異父姉には気づかれ、彼女に詰め寄られて何があったか白状した。その話を聞いた彼女は、労りという名目で仲直りのためにと葡萄をもたせた。
(ヴィヴィは葡萄が大好きだけど…これでも許してくれなかったら…僕はどうしたら…)
ヴィヴィアンヌの嫌いという言葉は、オリヴィエ本人が思っている以上に相当こたえているようだ。重い溜息をつき、重い足取りで屋敷に戻る彼の背中には哀愁が漂っている。
「はい。ですから、どうかオリヴィエ様のことを、お嫌いにならないでいただきたいのです」
「えっ」
ヴィヴィアンヌはそういった後に、昨夜自分がいった言葉を思い出す。彼女は魔法使いだからこそ嘘を嫌い、嘘つきのオリヴィエは嫌いだと思ってその言葉を口にしてしまった。
(私…嫌いって、言っちゃった)
それに対してオリヴィエがどのような反応をしたのか、ヴィヴィアンヌは見ていなかった。ただ寂しくて悲しい気持ちでいっぱいで、オリヴィエの気持ちまで考えられなかった。
「うん。嘘ついてない騎士様は、嫌いじゃないの」
「ヴィヴィアンヌ様…」
「でも、マリー…さっきの話ね、まだよくわからないから…もっと教えてほしいの!」
「…はい、私でよければ」
マリーはその言葉にほっと胸をなでおろすが、対してヴィヴィアンヌは不安に落ち込み、俯く。彼女はオリヴィエに嫌いと言ったことを、後悔していた。
(私…騎士様に嫌なこと、言っちゃった)
無知であることを自覚しているヴィヴィアンヌはオリヴィエを悲しませたかもしれないと落ち込む。だが、落ち込むだけで終わらないヴィヴィアンヌは、無知であることで彼を悲しませないよう勉強しなければと決意した。
そうしてヴィヴィアンヌがマリーから様々なことを学んでいる間、オリヴィエも必死になって働いていた。今日こそは早く帰れるようにと問題を片付け、王妃の温情を頂き明日の休みをもぎ取った彼は、日が暮れ始める前に帰路についた。
(ヴィヴィ、まだ怒っているかな…)
オリヴィエは昨夜のヴィヴィアンヌの様子を思い出し、重い息を吐く。顔すら合わせなかった彼女のことを思い出すだけで、オリヴィエは胸が苦しくなっていた。
(…これで、少しは許してくれると良いんだが…)
オリヴィエは手に持ったバスケットに目を向ける。それは、王妃からの労りの品だ。
オリヴィエは昨夜と今朝のことで酷く落ち込んでいたが、職務に支障をきたしてはならないと自分を律し、表に出さなかった。がだ、長い付き合いである異父姉には気づかれ、彼女に詰め寄られて何があったか白状した。その話を聞いた彼女は、労りという名目で仲直りのためにと葡萄をもたせた。
(ヴィヴィは葡萄が大好きだけど…これでも許してくれなかったら…僕はどうしたら…)
ヴィヴィアンヌの嫌いという言葉は、オリヴィエ本人が思っている以上に相当こたえているようだ。重い溜息をつき、重い足取りで屋敷に戻る彼の背中には哀愁が漂っている。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
958
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる