騎士様のアレが気になります!

茜菫

文字の大きさ
上 下
45 / 52
本編

45*

しおりを挟む
 ヴィヴィアンヌは少し不服だったが、渋々ながらも体を洗うために浴槽から手を伸ばして石鹸をとる。見事つかめたヴィヴィアンヌは浴槽から出ようとするが、その前にオリヴィエの手が伸びて石鹸を奪った。

「僕が洗うよ」

「えっ、騎士さまが?」

 だれかに洗われるのはもう懲り懲りのヴィヴィアンヌだが、相手がオリヴィエなら話は別だ。少し機嫌を直したヴィヴィアンヌはオリヴィエが石鹸を泡立てるのを楽しそうに眺める。

「ほら、ヴィヴィ。頭から洗うよ」

「うん!」

 ヴィヴィアンヌは湯船に浸かったまま頭だけを浴槽から外に出した。オリヴィエはヴィヴィアンヌの頭を優しくなで、泡をなじませながら長い髪を丁寧に洗い始める。

「……へへ。騎士さまの手、気持ちいい」

 ヴィヴィアンヌは城内では怖いという感情が強すぎて心地よさをまったく感じなかったが、身も心もすべてを許しているオリヴィエの手は安心できて心地よかった。その心地よさにうとうとしているうちに、オリヴィエは髪を洗い終える。

「ヴィヴィ、寝ちゃだめだからな」

「うん……」

 オリヴィエは眠ってしまいそうなヴィヴィアンヌに声をかけると、浴槽から連れ出した。

「ほら、次はこっち」

「はぁい……」

 オリヴィエは生返事のヴィヴィアンヌに苦笑しながら小さな椅子に座らせた。後ろから泡立てた石鹸で首元を、背を洗い、肩から腕に手を這わせ、掌を握って指を絡ませる。

「……ん……」

 ヴィヴィアンヌは眠たげな目を薄っすらと開き、肩越しに振り返った。オリヴィエは笑いながら後ろから身を乗り出し、ヴィヴィアンヌの唇に口づけて握った手を離す。

「……あ……騎士さま……」

 オリヴィエは泡にまみれた手を後ろから回し、ヴィヴィアンヌの肌にゆっくりと這わせた。ヴィヴィアンヌは柔らかな二つのふくらみを両手でやわやわともまれ、息を吐く。その頂きを指で弾かれ、軽く摘まれて弄られて小さく喘いだ。

「は、うう……っ」

 ヴィヴィアンヌは内股を擦りあわせ、もどかしさに自身の下腹部に手を当てる。オリヴィエはそれを眺めながら前に回り、その場に跪いた。

「……あ……」

 ヴィヴィアンヌの気になる彼の大事なものはすでに雄々しく反り勃っていた。オリヴィエの目は情欲に塗れ、その目に映されてヴィヴィアンヌは息をのむ。

「騎士さま……」

 オリヴィエの手がぴったりと閉じられた腿に伸ばされる。ゆっくりと足を開かされ、ヴィヴィアンヌは触れられることを期待して息を吐いた。

 しかし残念ながら、ヴィヴィアンヌの期待通りにはならなかった。オリヴィエは足のつけ根から腿、脛、足へと手を這わせ、足の指のつけ根までを丁寧に洗う。もどかしく焦らされたヴィヴィアンヌは両足とも洗われると、椅子を倒してオリヴィエにすがりついた。

「騎士さまぁ……」

 オリヴィエは無言でヴィヴィアンヌの尻に手を伸ばした。ヴィヴィアンヌがなにを求めているのかわかっていながらそれを無視し、泡をまとわせた手で尻をなでるように洗う。ヴィヴィアンヌはもどかしさに腰を揺らし、眉根を寄せてオリヴィエをにらみつけた。

「騎士さま……っ、オリヴィエ、ひどい!」

「……ごめん、ごめん」

 オリヴィエは笑いながらヴィヴィアンヌの体を湯で流して泡を落とす。ぺたんとその場に座り込み、後ろに手をついたヴィヴィアンヌの両足を開かせると、ようやく彼女の秘部に触れた。

「んん……」

 ヴィヴィアンヌは割れ目をなぞられ、ゆっくりと指が入り込んでくるのを感じながら息を吐いた。そこは十分にぬれて指をすんなりと迎え入れる。中を擦られながら外の小さな蕾を指で弾かれ、ヴィヴィアンヌは力が抜けて背を床に預けた。

「はぁ……あぁ……っ」

 とろんと惚けた表情で気持ちよさそうに声を漏らすヴィヴィアンヌを眺め、オリヴィエも滾る。もっと快楽に蕩けさせようと、オリヴィエはヴィヴィアンヌの両脚を抱えて押し開き、そこに舌を這わせた。

「あっ……あ、うう、あ……っ」

 オリヴィエは舌で割れ目をなぞり、小さな突起を唇で食んだ。そのまま吸いつくとヴィヴィアンヌは体を震わせ、腰を浮かして艶めかしく身をよじる。

「ふっ……あ、ん、……っ」

 ヴィヴィアンヌの嬌声を聞きながら、オリヴィエは割れ目を左右に開かせ、舌を中へと差し入れた。舌を動かしながら割れ目に吸いつき、あふれる愛液を絡ませて淫靡な水音をたてる。浴室に響くその音とヴィヴィアンヌの嬌声が、二人をさらに興奮させていた。

「あぁ、うう……っ、騎士さま、オリヴィエ……もう、ほしいよぉ……っ」

 喘ぎながらヴィヴィアンヌが懇願すると、オリヴィエは唇を離して上体を起こした。浴室の床に蕩けて背を預けているヴィヴィアンヌを見て少しだけ熱を冷ましたようだ。

「ご、ごめんヴィヴィ……背中、痛いよな……」

「もう、そんなこといいのっ」

「いや……」

 オリヴィエはそのまま欲に流されそうになったが、堪えて用意された布でヴィヴィアンヌの体を拭く。自分の体も雑に拭いた後、ヴィヴィアンヌの体を布でくるんで隠し、抱き上げて浴室を出た。オリヴィエは急ぎ足でヴィヴィアンヌを寝室に連れ込むと、彼女をベッドに寝かして扉の鍵を締めた。

「んん……」

 ヴィヴィアンヌは巻かれた布から抜け出すと、それをベッドの外に放り出した。身を起こしたヴィヴィアンヌは戻ってきたオリヴィエの腕をつかみ、ベッドに引きこもうとする。昂らされたまま放り出された体はただオリヴィエを求めていた。

「ヴィヴィ」

「もう、早く……っ」

 ベッドに乗り上げて座り込んだオリヴィエにヴィヴィアンヌは跨った。オリヴィエがヴィヴィアンヌの腰を支えて引き、先端を割れ目に押し当てる。

「あ……っ」

 ヴィヴィアンヌはゆっくりと腰を落とし、オリヴィエの陰茎を咥え込んだ、恍惚とした声を漏らしながらようやく望んでいたものを受け入れ、満たされた心地でオリヴィエの胸に顔を擦り寄せる。陰茎を根元まで咥え込むと、中が離さないというようにうねり、締めつけた。

「……っ、は……っ」

 オリヴィエは熱い息を吐き、ヴィヴィアンヌの腰をつかんで下からゆっくりと突き上げる。惚けた表情でオリヴィエを見上げたヴィヴィアンヌはその動きに合わせて腰を揺らし、中を締めつけた。

「あっ、うぅ……あぁん……っ」

 ヴィヴィアンヌは快楽によがり、喘ぎながらオリヴィエを見上げた。口づけ合い、どちらからともなく舌を差し出し、絡めて深く交わらせる。

「ん、ふ……っ」

 二人は夢中になって口づけ合い、腰を揺らした。荒い息を交えながら深く舌を交わらせ、体をすり合わせて深く体を交わる。やがて限界が近づいてきたヴィヴィアンヌは唇を離し、オリヴィエの肩に顔を埋めた。

「あぁ、う……っ、はぁ、騎士さまぁ、オリヴィエ……もうっ、……っ」

「……っは、……っヴィヴィ……」

 オリヴィエはヴィヴィアンヌの体をベッドに押し倒すと、両脚をかかえて深く腰を打ちつけた。ヴィヴィアンヌは最奥を穿たれて体をびくりと震わせ、背を反らして喘ぐ。そのまま中を搾り取るかのようにうねらせながら絶頂を迎えた。小さくうめいたオリヴィエはそれに逆らわずに最奥で果て、吐精する。中に注がれるのを感じながら、ヴィヴィアンヌは恍惚としながらベッドに沈み込んだ。

「……はぁ、……ヴィヴィ、大丈夫?」

 息を整えたオリヴィエは呆然としているヴィヴィアンヌに声をかける。ヴィヴィアンヌは目をまばたかせたあと、下腹部をなでてうっとりとした表情を浮かべる。

「……騎士さまってやっぱり、すごくて、すごいの……」

「……んんっ」

 少し滾ったオリヴィエはそれが自身にも表れていた。ヴィヴィアンヌは中で彼の大事なものが少し硬さを取り戻したのを感じ、手を伸ばしてオリヴィエを誘う。

「騎士さま、オリヴィエ、もっとしたいな」

「……っ、ヴィヴィ……知らないからな……」

 まんまとのせられたオリヴィエは腰を引いて中から抜け出すと、ヴィヴィアンヌの体を抱き上げた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

不器用騎士様は記憶喪失の婚約者を逃がさない

かべうち右近
恋愛
「あなたみたいな人と、婚約したくなかった……!」 婚約者ヴィルヘルミーナにそう言われたルドガー。しかし、ツンツンなヴィルヘルミーナはそれからすぐに事故で記憶を失い、それまでとは打って変わって素直な可愛らしい令嬢に生まれ変わっていたーー。 もともとルドガーとヴィルヘルミーナは、顔を合わせればたびたび口喧嘩をする幼馴染同士だった。 ずっと好きな女などいないと思い込んでいたルドガーは、女性に人気で付き合いも広い。そんな彼は、悪友に指摘されて、ヴィルヘルミーナが好きなのだとやっと気付いた。 想いに気づいたとたんに、何の幸運か、親の意向によりとんとん拍子にヴィルヘルミーナとルドガーの婚約がまとまったものの、女たらしのルドガーに対してヴィルヘルミーナはツンツンだったのだ。 記憶を失ったヴィルヘルミーナには悪いが、今度こそ彼女を口説き落して円満結婚を目指し、ルドガーは彼女にアプローチを始める。しかし、元女誑しの不器用騎士は息を吸うようにステップをすっ飛ばしたアプローチばかりしてしまい…? 不器用騎士×元ツンデレ・今素直令嬢のラブコメです。 12/11追記 書籍版の配信に伴い、WEB連載版は取り下げております。 たくさんお読みいただきありがとうございました!

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる

マチバリ
恋愛
 貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。  数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。 書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~

柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。 家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。 そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。 というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。 けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。 そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。 ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。 それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。 そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。 一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。 これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。 他サイトでも掲載中。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...