41 / 52
本編
41
しおりを挟む
ヴィヴィアンヌとオリヴィエは別れ、それぞれ身嗜みを整えることになった。先に支度を終えたオリヴィエが指定の部屋で待っていると、ヴィヴィアンヌがエマニュエルとともに戻ってくる。ヴィヴィアンヌはどこか疲れた様子でうつむき、眉尻を下げて元気がなかった。
「ヴィヴィ」
オリヴィエが声をかけると、ヴィヴィアンヌは彼を見るなり頬をふくらませる。予想外の反応にオリヴィエが戸惑っていると、ヴィヴィアンヌはふいと顔を背けてぽつりとつぶやいた。
「お城の中は大丈夫って言っていたのに……騎士さまの嘘つき……」
「えっ!?」
ヴィヴィアンヌはエマニュエルに連れて行かれた先で、本人としては散々な目にあった。体を洗われたり採寸されたり着つけられたりと、知らない人間に囲まれてあれこれとされて、恐怖でしかなかったようだ。
「……女性の支度は、ヴィヴィアンヌ殿には少しおつらかったようです」
「そうでしたか……ヴィヴィ」
オリヴィエがもう一度呼ぶと、ヴィヴィアンヌは大人しく彼の元へ向かう。ふくらました頬を元に戻し、不安そうな表情で彼の裾をつかんだ。
「……騎士さま、もう離れるのは嫌だよ」
「うん、もう大丈夫だから」
その言葉に安心したのか、ヴィヴィアンヌはほっと息を吐いて体の力を抜いた。機嫌がなおったヴィヴィアンヌはオリヴィエの前に立つと、くるりとまわって自分の姿を見せる。
「みてみて、騎士さま。服、すごくきれいなの」
花の刺繍が施された緑のドレスはヴィヴィアンヌの赤い髪によく似合っていた。華美すぎず、けれども地味すぎず、形は胸下からすとんと広がっている。オリヴィエはどこから出してきたのだろうと不思議に思いながらも、ヴィヴィアンヌがよろこんでいるのならいいかと気にしないことにした。
「へへ。私、初めてシタギも穿いたんだよ。見てみる?」
「へえ、どんな…………あっ、じゃなくて!」
オリヴィエは近くにエマニュエルがいることを思い出し、ごまかすように大きな声を出した。裾を持ち上げようとしたヴィヴィアンヌの手をおさえ、慌てて辺りを見回す。エマニュエルはすでに冷ややかな目になっていて、気づいたオリヴィエは冷や汗をかいた。
「っ……ヴィヴィ。そういうことはあまり、人前では言わないように」
「えっ? ……うん、わかった」
ヴィヴィアンヌは不思議そうに首をかしげたが、オリヴィエの言葉にうなずいた。そこでエマニュエルがわざとらしく咳払いをし、ヴィヴィアンヌも彼へと目を向ける。
「それではお二方、こちらに」
エマニュエルの案内で二人は王妃の元へと向かう。ヴィヴィアンヌはオリヴィエの腕をつかみ、エスコートされるような形で城内を歩いた。道中きょろきょろとあたりを見回したヴィヴィアンヌは窓の外に豊かに花が咲き誇る中庭が見つけて感嘆の息を吐く。
「わあ。あそこ、すごくきれいだね」
「……ああ、中庭か。そうだな、王妃陛下もお好きで、よく歩かれていたよ」
「へえ、そうなんだ」
そのときのことを思い出したのか、オリヴィエが少し懐かしむように中庭に目を向けた。
(……騎士さま、なんだか悲しそう。がんばらなきゃ!)
ヴィヴィアンヌはオリヴィエが笑顔になるようにと気合を入れる。そのまましばらく歩いた後、三人は城の奥にある王妃の部屋の前にたどり着いた。
「私は、ここで待っています」
エマニュエルは外で待っていると言い、扉のそばに控える。二人が部屋の中に入ると、扉近くには王妃の侍女が、奥にある天幕つきのベッドのそばにはヴィルジールが座っていた。
「さあ、こちらに」
ヴィルジールに声をかけられ、二人は部屋の奥へと向かう。侍女はすれ違いざまに二人に頭を下げると、部屋の外へと出ていった。
(……きれい!)
ヴィヴィアンヌは歩きながら、きょろきょろと部屋の中を見回す。天井も壁紙も調度品も、いままで見たことのないようなものばかり。窓からは日が差し込み、ベッドを照らしていた。
(すごい、大きなベッド!)
ヴィヴィアンヌは小屋にあったベッドとは比べものにならない大きなベッドに目を輝かせたが、そこで眠る王妃の姿をひと目見て息をのんだ。
戦乙女と呼ばれた王妃ジャンヌは自ら剣を手に取り、戦場を駆けたという。いまの彼女にその面影はなく、目は窪み、頬はこけ、オリヴィエと同じ色だった髪は真っ白だ。腕も筋肉が落ちて細くなり、全体的に痩せこけている。
「……ジャンヌ、どうして……」
オリヴィエは力なく名を呼んだ。魔女の森に向かう前、最後に見た姿よりもずいぶんと衰弱した様子に顔面が蒼白になる。ヴィヴィアンヌはヴィルジールへと目を向け、問いかけた。
「この人が、王妃さま?」
「うん、そうだよ。呪いが発動してから、一度も意識が戻っていないんだ」
ヴィルジールはそう言ってから、ベッド近くにある水晶を指し示す。その下には魔法陣が描かれた布が敷かれていて、毎日これを経由して王妃に魔力を注ぎ、呪いに対抗する彼女に力を分けていると説明した。意識がなくとも、王妃は呪いに抗い続けているのだ。
「陛下……これはいったい……」
オリヴィエは思っていた以上に悪い状態に顔色悪くヴィルジールに問いかけた。ヴィルジールは眉尻を下げてため息をついたあと、表情を作り直して答える。
「五日ほど前に、急激に衰弱してしまったんだ。いまは落ち着いているけれど……」
ヴィヴィアンヌは二人を交互に見つめたあと、王妃へと目を向けた。王妃は長く呪いに抗い続けているが、少しずつ抵抗は弱くなっている。五日前はそれが顕著に現れてしまったのだろう。
「騎士さま、王さま。私、やってみるね」
ヴィヴィアンヌの言葉に二人は顔を上げて彼女に目を向ける。ヴィルジールを含め、国中の魔法使いがありとあらゆる手を尽くしたものの、未だに王妃を目覚めさせることはできなかった。そしていま、その呪いをかけた魔女の血縁であるヴィヴィアンヌが、呪いを解こうとしている。彼女が最後の頼みの綱であると言っても過言ではなかった。
「……頼むよ」
ヴィルジールはうなずき、ゆっくりとベッドから離れた。オリヴィエも一歩後ろに下がり、ヴィヴィアンヌと王妃を見守る。
(ひいおばあちゃん……)
ヴィヴィアンヌはそっと王妃の手を取り、目を閉じた。集中し、王妃の体に魔力を注ぎ込んで呪いを探る。怨嗟の念が王妃の体の隅々まで真っ黒な蔦のように這い回っているのを感じ取り、ヴィヴィアンヌはぞっとした。そこから感じ取れるのは、憎しみ、怒り、そして深い悲しみだ。
(……もう、やめようよ)
ヴィヴィアンヌは強く念じたが、呪いはただの呪いだ。魔女本人はすでに亡く、それは魔女が遺した影のようなもの。ヴィヴィアンヌの想いが伝わるはずもなく、その怨嗟は彼女へと襲いかかる。ヴィヴィアンヌはそれを受け止めると、自身の魔力をぶつけてかき消した。
真っ黒な蔦が覆う中、奥へと入ろうとするヴィヴィアンヌを押し出そうとするかのように魔女の怨念が襲ってくる。ヴィヴィアンヌはそれを無効化しながら進んでいたが、そのうちにどちらに進めばよいのかわからなくなってしまった。
(あれ? どっちだろう……)
ヴィヴィアンヌは向かうべき場所を探した。王妃の中は怨嗟の念で真っ黒に塗りつぶされていたが、ヴィヴィアンヌは小さな黒以外の色を見つけて手を伸ばすかのように魔力を進める。その色は、森の中一人きりだったヴィヴィアンヌが初めて見た色だ。
(すごくきれいな色)
その色に届くと、ヴィヴィアンヌは彼女と目があった。彼女の目は澄んだ空のように青く、金の髪はきらきらと輝いている。
(あぁ、騎士さまと同じ色だ)
ヴィヴィアンヌがその色を見つけて笑うと、彼女も同じように笑った。真っ黒だった世界がぱっと輝き、ヴィヴィアンヌは身を強ばらせる。光が消え去り、ヴィヴィアンヌがゆっくりと目を開くと日が落ちて暗くなった王妃の部屋が目に映った。
「ヴィヴィ」
オリヴィエが声をかけると、ヴィヴィアンヌは彼を見るなり頬をふくらませる。予想外の反応にオリヴィエが戸惑っていると、ヴィヴィアンヌはふいと顔を背けてぽつりとつぶやいた。
「お城の中は大丈夫って言っていたのに……騎士さまの嘘つき……」
「えっ!?」
ヴィヴィアンヌはエマニュエルに連れて行かれた先で、本人としては散々な目にあった。体を洗われたり採寸されたり着つけられたりと、知らない人間に囲まれてあれこれとされて、恐怖でしかなかったようだ。
「……女性の支度は、ヴィヴィアンヌ殿には少しおつらかったようです」
「そうでしたか……ヴィヴィ」
オリヴィエがもう一度呼ぶと、ヴィヴィアンヌは大人しく彼の元へ向かう。ふくらました頬を元に戻し、不安そうな表情で彼の裾をつかんだ。
「……騎士さま、もう離れるのは嫌だよ」
「うん、もう大丈夫だから」
その言葉に安心したのか、ヴィヴィアンヌはほっと息を吐いて体の力を抜いた。機嫌がなおったヴィヴィアンヌはオリヴィエの前に立つと、くるりとまわって自分の姿を見せる。
「みてみて、騎士さま。服、すごくきれいなの」
花の刺繍が施された緑のドレスはヴィヴィアンヌの赤い髪によく似合っていた。華美すぎず、けれども地味すぎず、形は胸下からすとんと広がっている。オリヴィエはどこから出してきたのだろうと不思議に思いながらも、ヴィヴィアンヌがよろこんでいるのならいいかと気にしないことにした。
「へへ。私、初めてシタギも穿いたんだよ。見てみる?」
「へえ、どんな…………あっ、じゃなくて!」
オリヴィエは近くにエマニュエルがいることを思い出し、ごまかすように大きな声を出した。裾を持ち上げようとしたヴィヴィアンヌの手をおさえ、慌てて辺りを見回す。エマニュエルはすでに冷ややかな目になっていて、気づいたオリヴィエは冷や汗をかいた。
「っ……ヴィヴィ。そういうことはあまり、人前では言わないように」
「えっ? ……うん、わかった」
ヴィヴィアンヌは不思議そうに首をかしげたが、オリヴィエの言葉にうなずいた。そこでエマニュエルがわざとらしく咳払いをし、ヴィヴィアンヌも彼へと目を向ける。
「それではお二方、こちらに」
エマニュエルの案内で二人は王妃の元へと向かう。ヴィヴィアンヌはオリヴィエの腕をつかみ、エスコートされるような形で城内を歩いた。道中きょろきょろとあたりを見回したヴィヴィアンヌは窓の外に豊かに花が咲き誇る中庭が見つけて感嘆の息を吐く。
「わあ。あそこ、すごくきれいだね」
「……ああ、中庭か。そうだな、王妃陛下もお好きで、よく歩かれていたよ」
「へえ、そうなんだ」
そのときのことを思い出したのか、オリヴィエが少し懐かしむように中庭に目を向けた。
(……騎士さま、なんだか悲しそう。がんばらなきゃ!)
ヴィヴィアンヌはオリヴィエが笑顔になるようにと気合を入れる。そのまましばらく歩いた後、三人は城の奥にある王妃の部屋の前にたどり着いた。
「私は、ここで待っています」
エマニュエルは外で待っていると言い、扉のそばに控える。二人が部屋の中に入ると、扉近くには王妃の侍女が、奥にある天幕つきのベッドのそばにはヴィルジールが座っていた。
「さあ、こちらに」
ヴィルジールに声をかけられ、二人は部屋の奥へと向かう。侍女はすれ違いざまに二人に頭を下げると、部屋の外へと出ていった。
(……きれい!)
ヴィヴィアンヌは歩きながら、きょろきょろと部屋の中を見回す。天井も壁紙も調度品も、いままで見たことのないようなものばかり。窓からは日が差し込み、ベッドを照らしていた。
(すごい、大きなベッド!)
ヴィヴィアンヌは小屋にあったベッドとは比べものにならない大きなベッドに目を輝かせたが、そこで眠る王妃の姿をひと目見て息をのんだ。
戦乙女と呼ばれた王妃ジャンヌは自ら剣を手に取り、戦場を駆けたという。いまの彼女にその面影はなく、目は窪み、頬はこけ、オリヴィエと同じ色だった髪は真っ白だ。腕も筋肉が落ちて細くなり、全体的に痩せこけている。
「……ジャンヌ、どうして……」
オリヴィエは力なく名を呼んだ。魔女の森に向かう前、最後に見た姿よりもずいぶんと衰弱した様子に顔面が蒼白になる。ヴィヴィアンヌはヴィルジールへと目を向け、問いかけた。
「この人が、王妃さま?」
「うん、そうだよ。呪いが発動してから、一度も意識が戻っていないんだ」
ヴィルジールはそう言ってから、ベッド近くにある水晶を指し示す。その下には魔法陣が描かれた布が敷かれていて、毎日これを経由して王妃に魔力を注ぎ、呪いに対抗する彼女に力を分けていると説明した。意識がなくとも、王妃は呪いに抗い続けているのだ。
「陛下……これはいったい……」
オリヴィエは思っていた以上に悪い状態に顔色悪くヴィルジールに問いかけた。ヴィルジールは眉尻を下げてため息をついたあと、表情を作り直して答える。
「五日ほど前に、急激に衰弱してしまったんだ。いまは落ち着いているけれど……」
ヴィヴィアンヌは二人を交互に見つめたあと、王妃へと目を向けた。王妃は長く呪いに抗い続けているが、少しずつ抵抗は弱くなっている。五日前はそれが顕著に現れてしまったのだろう。
「騎士さま、王さま。私、やってみるね」
ヴィヴィアンヌの言葉に二人は顔を上げて彼女に目を向ける。ヴィルジールを含め、国中の魔法使いがありとあらゆる手を尽くしたものの、未だに王妃を目覚めさせることはできなかった。そしていま、その呪いをかけた魔女の血縁であるヴィヴィアンヌが、呪いを解こうとしている。彼女が最後の頼みの綱であると言っても過言ではなかった。
「……頼むよ」
ヴィルジールはうなずき、ゆっくりとベッドから離れた。オリヴィエも一歩後ろに下がり、ヴィヴィアンヌと王妃を見守る。
(ひいおばあちゃん……)
ヴィヴィアンヌはそっと王妃の手を取り、目を閉じた。集中し、王妃の体に魔力を注ぎ込んで呪いを探る。怨嗟の念が王妃の体の隅々まで真っ黒な蔦のように這い回っているのを感じ取り、ヴィヴィアンヌはぞっとした。そこから感じ取れるのは、憎しみ、怒り、そして深い悲しみだ。
(……もう、やめようよ)
ヴィヴィアンヌは強く念じたが、呪いはただの呪いだ。魔女本人はすでに亡く、それは魔女が遺した影のようなもの。ヴィヴィアンヌの想いが伝わるはずもなく、その怨嗟は彼女へと襲いかかる。ヴィヴィアンヌはそれを受け止めると、自身の魔力をぶつけてかき消した。
真っ黒な蔦が覆う中、奥へと入ろうとするヴィヴィアンヌを押し出そうとするかのように魔女の怨念が襲ってくる。ヴィヴィアンヌはそれを無効化しながら進んでいたが、そのうちにどちらに進めばよいのかわからなくなってしまった。
(あれ? どっちだろう……)
ヴィヴィアンヌは向かうべき場所を探した。王妃の中は怨嗟の念で真っ黒に塗りつぶされていたが、ヴィヴィアンヌは小さな黒以外の色を見つけて手を伸ばすかのように魔力を進める。その色は、森の中一人きりだったヴィヴィアンヌが初めて見た色だ。
(すごくきれいな色)
その色に届くと、ヴィヴィアンヌは彼女と目があった。彼女の目は澄んだ空のように青く、金の髪はきらきらと輝いている。
(あぁ、騎士さまと同じ色だ)
ヴィヴィアンヌがその色を見つけて笑うと、彼女も同じように笑った。真っ黒だった世界がぱっと輝き、ヴィヴィアンヌは身を強ばらせる。光が消え去り、ヴィヴィアンヌがゆっくりと目を開くと日が落ちて暗くなった王妃の部屋が目に映った。
7
お気に入りに追加
964
あなたにおすすめの小説
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
不器用騎士様は記憶喪失の婚約者を逃がさない
かべうち右近
恋愛
「あなたみたいな人と、婚約したくなかった……!」
婚約者ヴィルヘルミーナにそう言われたルドガー。しかし、ツンツンなヴィルヘルミーナはそれからすぐに事故で記憶を失い、それまでとは打って変わって素直な可愛らしい令嬢に生まれ変わっていたーー。
もともとルドガーとヴィルヘルミーナは、顔を合わせればたびたび口喧嘩をする幼馴染同士だった。
ずっと好きな女などいないと思い込んでいたルドガーは、女性に人気で付き合いも広い。そんな彼は、悪友に指摘されて、ヴィルヘルミーナが好きなのだとやっと気付いた。
想いに気づいたとたんに、何の幸運か、親の意向によりとんとん拍子にヴィルヘルミーナとルドガーの婚約がまとまったものの、女たらしのルドガーに対してヴィルヘルミーナはツンツンだったのだ。
記憶を失ったヴィルヘルミーナには悪いが、今度こそ彼女を口説き落して円満結婚を目指し、ルドガーは彼女にアプローチを始める。しかし、元女誑しの不器用騎士は息を吸うようにステップをすっ飛ばしたアプローチばかりしてしまい…?
不器用騎士×元ツンデレ・今素直令嬢のラブコメです。
12/11追記
書籍版の配信に伴い、WEB連載版は取り下げております。
たくさんお読みいただきありがとうございました!
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる