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「陛下、どうか彼女には寛大な心を……」
オリヴィエはヴィヴィアンヌの礼のない言動に口添えした。それにヴィルジールは笑って返す。
「ああ、もちろんだよ。大事な協力者であり、義弟の大切な人なのだからね」
とはいったものの、それはあくまでこうしてほかの目が無い場に限るだろう。王家の権威を保つためには致し方ない。ただでさえ権威は一度、狂王が原因で壊れているのだから。
いまは権威を少しは取り戻し、なんとか維持できている。だが、一度壊れたものは壊れやすい。それはオリヴィエも重々理解しているため、元々内密の謁見を考えていた彼にとってこの場は急遽ではあるが都合が良かった。
「……おとうと?」
ヴィヴィアンヌはヴィルジールの言葉がひっかかり、首をかしげた。ヴィヴィアンヌに兄弟姉妹はいなかったが、その関係性については祖母から教わっている。ヴィルジールがオリヴィエをおとうとと呼んだ、そこから導き出した答えにヴィヴィアンヌは目を輝かせてオリヴィエを見た。
「騎士さまも、王子さまなの!?」
期待を含んだ眼差しで見られ、オリヴィエはたじろぐ。残念ながら、オリヴィエはその期待に応えられる答えを持ち合わせていなかった。
「いや、違うよ。……でも、ヴィヴィの王子さまになら、僕もなれるかも……」
「ふうん、そっか」
違うと知って興味をなくしたヴィヴィアンヌはオリヴィエの言葉を適当に流す。オリヴィエはがっくりと肩を落とし、そのやり取りを近くで見せられていたヴィルジールは無言で真顔に戻っていた。
「……ヴィヴィアンヌ殿。この場合のおとうととは、配偶者の弟となります」
その空気を変えようとするかの如く、エマニュエルが穏やかにほほ笑みながらヴィヴィアンヌに声をかける。再び興味を持ったヴィヴィアンヌはエマニュエルの言葉を復唱して首をかしげた。
「ハイグウシャ?」
「婚姻関係を結んだ……夫婦関係の相手ですね」
「フウフ……私が騎士さまとケッコンしたら、騎士さまは私のハイグウシャ?」
「ええ、その通りですよ。よくできました」
「……へへっ」
丁寧に説明を受け、理解できたヴィヴィアンヌは笑顔になった。ヴィヴィアンヌは新しく知った情報で再び考え込む。
「じゃあ、騎士さまは王さまのハイグウシャのおとうと?」
「ええ。つまり、オリヴィエは王妃陛下の弟君となります」
オリヴィエの出生は少し複雑だ。王妃であるジャンヌとは異父姉弟の関係にあたる。母が早世し、血のつながらない父から冷遇されていたオリヴィエにとって、優しい姉ジャンヌは唯一家族と思えた存在であり、母のような存在だった。
(そっか。王妃さまって騎士さまのお姉さんだったんだ。だから、あんなに必死だったのかな?)
ヴィヴィアンヌは改めて王妃にかけられた呪いを解かなければと決意する。ヴィルジールは顔を作り直して笑顔を浮かべると、気合の入ったヴィヴィアンヌに声をかけた。
「ヴィヴィアンヌ。早速だけれど、解呪を試みてくれないかい? 一分一秒を争うような状況ではないけれど、早いに越したことはないからね」
「うんっ」
王妃はいまも呪いにより意識を失ったままだ。いますぐにどうにかなってしまうというわけではないが、ずっとこのままではいずれ悪い結果になるだろう。ヴィヴィアンヌはヴィルジールの言葉に笑顔でうなずいたが、そこでエマニュエルが間に入る。
「陛下、お言葉ですが……まずは、彼らの装いを整えたほうがよろしいかと」
ヴィヴィアンヌのそれはお世辞にも質が良いとは言い難く、二人共に服は長旅で汚れ、くたびれていた。衛生的な問題でも、この格好で王妃の寝所に入るのは良くないだろう。
「……ふむ、そうだね」
二人のやり取りに首をかしげたヴィヴィアンヌにオリヴィエがこれから服を着替えるのだと教える。再びいままで着たことのない服が着れると、ヴィヴィアンヌはおおよろこびだ。
「私、騎士さまの服を着てみたい!」
ヴィヴィアンヌの要望にオリヴィエは妄想をふくらませた。ベッドの上で裸の彼女が彼の上着を羽織り、頬を赤らめて彼の名を呼んだところまで妄想し、なかなかいいとうなずく。
「……ヴィヴィ、それはまた今度にね」
「うん? わかった」
ヴィヴィアンヌはただオリヴィエか着ている服と同じ服が着たいだけであって、オリヴィエが着ている服を着たい訳ではないのだが。
「ではエマニュエル、後は頼むよ」
「承知しました。ヴィヴィアンヌ殿、こちらに」
「うん」
エマニュエルに促され、ヴィヴィアンヌは彼のあとに続く。だが扉の前まで進んだところでオリヴィエが一緒にきていないことに気づき、後ろを振り返った。
「あれ? 騎士さま、どうしたの?」
「え? ……ああ、僕も着替えるけれど、ヴィヴィとは別なんだ」
「えっ!?」
驚いたヴィヴィアンヌはオリヴィエとエマニュエルを交互に見たあと、泣きそうに顔を歪めてオリヴィエのもとに駆け寄る。オリヴィエの服の袖をつかむと、不安そうにか細い声を出した。
「私、騎士さまと一緒じゃないと嫌だよ……」
「ヴィヴィ。お城の中なら、大丈夫だ」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエと離れてろくな目に合わなかった。ふらふらと歩きまわって迷子になるヴィヴィアンヌの自業自得でもあるのだが、怖い目にあって反省しているようだ。
「……騎士さま、いなくなったりしない?」
「しないよ」
「本当?」
「本当だよ。僕たち、これからはずっと一緒だろう?」
「……絶対、絶対だよ」
「うん、絶対だ。だから、いっておいで」
ヴィヴィアンヌは不安そうにしながらもうなずき、エマニュエルのもとに向かう。途中何度も振り返り、部屋の外に出て扉が閉まるまでずっとオリヴィエをみつめていた。
(……大丈夫かな、ヴィヴィ……)
オリヴィエもオリヴィエで、ヴィヴィアンヌのことが心配でたまらなかった。そわそわと落ち着かない様子のオリヴィエを眺め、ヴィルジールはくすりと笑う。
「かわいらしいお嬢さんだね」
「はい、本当にかわいいのです」
「ふふ、惚気けちゃって」
ヴィルジールは近くのソファに座ると、およそ王らしくなくだらけてもたれかかり、天井に目を向けた。そんなヴィルジールの様子を眺め、オリヴィエが苦言を呈する。
「陛下、そのような格好を……」
「いいじゃないか。ここには君しかいないのだから。……まあ、外に近衛はいるけれど」
オリヴィエは苦笑いし、天井の模様を眺めるヴィルジールのそばに向かう。ヴィルジールは目を細め、そばにきたオリヴィエを見上げながら笑った。
「……呪い、解けるかな」
「……かならずとは言い切れませんが、ヴィヴィアンヌは尽力してくれるでしょう」
「君のためにね」
「……それは……いえ、そうですね……」
オリヴィエは頬を赤らめつつも少し罪悪感を覚えて目を伏せた。ヴィヴィアンヌの自主的な意志だとしても、どうしても彼女の純粋な好意を自分の利のために利用している、そう思ってしまう。
「オリヴィエ、君が気に病むことはないよ。君をあの森に行かせたのは、私だからね。すべては王である私の責だ」
オリヴィエは命の危険を冒すことになっても、魔女の森にあるわずかしかない希望にかけた。ヴィルジールはオリヴィエがその選択肢以外を選べない状況に追い込み、その選択を許可した。その結果オリヴィエはヴィヴィアンヌと出会い、彼女をここに連れてきた。
「……しかし」
「あの子は、君によろこんでほしいのでしょう? なのに、そうやって君がよろこべなかったら、きっと悲しむよ」
そう言われてしまうとオリヴィエはなにも言えなかった。ヴィヴィアンヌは迷いなく言い切ったように、ただオリヴィエによろこんでほしいという純粋な好意で呪いを解こうとしている。
「君は、うれしいって言葉にしてちゃんと伝えて、いちゃついていればいいんだよ」
「えっ、い、いちゃつく……っ!?」
「できないことはないだろう? 王である私の前でも、君たち、いちゃつけたのだし」
「う……っ」
オリヴィエは顔を赤くして目をそらし、ヴィルジールは目を細めて笑った。笑いながら、ことがうまくいくようにただ祈るしかなかった。祈るしかできない自分が、ヴィルジールは情けなかった。
オリヴィエはヴィヴィアンヌの礼のない言動に口添えした。それにヴィルジールは笑って返す。
「ああ、もちろんだよ。大事な協力者であり、義弟の大切な人なのだからね」
とはいったものの、それはあくまでこうしてほかの目が無い場に限るだろう。王家の権威を保つためには致し方ない。ただでさえ権威は一度、狂王が原因で壊れているのだから。
いまは権威を少しは取り戻し、なんとか維持できている。だが、一度壊れたものは壊れやすい。それはオリヴィエも重々理解しているため、元々内密の謁見を考えていた彼にとってこの場は急遽ではあるが都合が良かった。
「……おとうと?」
ヴィヴィアンヌはヴィルジールの言葉がひっかかり、首をかしげた。ヴィヴィアンヌに兄弟姉妹はいなかったが、その関係性については祖母から教わっている。ヴィルジールがオリヴィエをおとうとと呼んだ、そこから導き出した答えにヴィヴィアンヌは目を輝かせてオリヴィエを見た。
「騎士さまも、王子さまなの!?」
期待を含んだ眼差しで見られ、オリヴィエはたじろぐ。残念ながら、オリヴィエはその期待に応えられる答えを持ち合わせていなかった。
「いや、違うよ。……でも、ヴィヴィの王子さまになら、僕もなれるかも……」
「ふうん、そっか」
違うと知って興味をなくしたヴィヴィアンヌはオリヴィエの言葉を適当に流す。オリヴィエはがっくりと肩を落とし、そのやり取りを近くで見せられていたヴィルジールは無言で真顔に戻っていた。
「……ヴィヴィアンヌ殿。この場合のおとうととは、配偶者の弟となります」
その空気を変えようとするかの如く、エマニュエルが穏やかにほほ笑みながらヴィヴィアンヌに声をかける。再び興味を持ったヴィヴィアンヌはエマニュエルの言葉を復唱して首をかしげた。
「ハイグウシャ?」
「婚姻関係を結んだ……夫婦関係の相手ですね」
「フウフ……私が騎士さまとケッコンしたら、騎士さまは私のハイグウシャ?」
「ええ、その通りですよ。よくできました」
「……へへっ」
丁寧に説明を受け、理解できたヴィヴィアンヌは笑顔になった。ヴィヴィアンヌは新しく知った情報で再び考え込む。
「じゃあ、騎士さまは王さまのハイグウシャのおとうと?」
「ええ。つまり、オリヴィエは王妃陛下の弟君となります」
オリヴィエの出生は少し複雑だ。王妃であるジャンヌとは異父姉弟の関係にあたる。母が早世し、血のつながらない父から冷遇されていたオリヴィエにとって、優しい姉ジャンヌは唯一家族と思えた存在であり、母のような存在だった。
(そっか。王妃さまって騎士さまのお姉さんだったんだ。だから、あんなに必死だったのかな?)
ヴィヴィアンヌは改めて王妃にかけられた呪いを解かなければと決意する。ヴィルジールは顔を作り直して笑顔を浮かべると、気合の入ったヴィヴィアンヌに声をかけた。
「ヴィヴィアンヌ。早速だけれど、解呪を試みてくれないかい? 一分一秒を争うような状況ではないけれど、早いに越したことはないからね」
「うんっ」
王妃はいまも呪いにより意識を失ったままだ。いますぐにどうにかなってしまうというわけではないが、ずっとこのままではいずれ悪い結果になるだろう。ヴィヴィアンヌはヴィルジールの言葉に笑顔でうなずいたが、そこでエマニュエルが間に入る。
「陛下、お言葉ですが……まずは、彼らの装いを整えたほうがよろしいかと」
ヴィヴィアンヌのそれはお世辞にも質が良いとは言い難く、二人共に服は長旅で汚れ、くたびれていた。衛生的な問題でも、この格好で王妃の寝所に入るのは良くないだろう。
「……ふむ、そうだね」
二人のやり取りに首をかしげたヴィヴィアンヌにオリヴィエがこれから服を着替えるのだと教える。再びいままで着たことのない服が着れると、ヴィヴィアンヌはおおよろこびだ。
「私、騎士さまの服を着てみたい!」
ヴィヴィアンヌの要望にオリヴィエは妄想をふくらませた。ベッドの上で裸の彼女が彼の上着を羽織り、頬を赤らめて彼の名を呼んだところまで妄想し、なかなかいいとうなずく。
「……ヴィヴィ、それはまた今度にね」
「うん? わかった」
ヴィヴィアンヌはただオリヴィエか着ている服と同じ服が着たいだけであって、オリヴィエが着ている服を着たい訳ではないのだが。
「ではエマニュエル、後は頼むよ」
「承知しました。ヴィヴィアンヌ殿、こちらに」
「うん」
エマニュエルに促され、ヴィヴィアンヌは彼のあとに続く。だが扉の前まで進んだところでオリヴィエが一緒にきていないことに気づき、後ろを振り返った。
「あれ? 騎士さま、どうしたの?」
「え? ……ああ、僕も着替えるけれど、ヴィヴィとは別なんだ」
「えっ!?」
驚いたヴィヴィアンヌはオリヴィエとエマニュエルを交互に見たあと、泣きそうに顔を歪めてオリヴィエのもとに駆け寄る。オリヴィエの服の袖をつかむと、不安そうにか細い声を出した。
「私、騎士さまと一緒じゃないと嫌だよ……」
「ヴィヴィ。お城の中なら、大丈夫だ」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエと離れてろくな目に合わなかった。ふらふらと歩きまわって迷子になるヴィヴィアンヌの自業自得でもあるのだが、怖い目にあって反省しているようだ。
「……騎士さま、いなくなったりしない?」
「しないよ」
「本当?」
「本当だよ。僕たち、これからはずっと一緒だろう?」
「……絶対、絶対だよ」
「うん、絶対だ。だから、いっておいで」
ヴィヴィアンヌは不安そうにしながらもうなずき、エマニュエルのもとに向かう。途中何度も振り返り、部屋の外に出て扉が閉まるまでずっとオリヴィエをみつめていた。
(……大丈夫かな、ヴィヴィ……)
オリヴィエもオリヴィエで、ヴィヴィアンヌのことが心配でたまらなかった。そわそわと落ち着かない様子のオリヴィエを眺め、ヴィルジールはくすりと笑う。
「かわいらしいお嬢さんだね」
「はい、本当にかわいいのです」
「ふふ、惚気けちゃって」
ヴィルジールは近くのソファに座ると、およそ王らしくなくだらけてもたれかかり、天井に目を向けた。そんなヴィルジールの様子を眺め、オリヴィエが苦言を呈する。
「陛下、そのような格好を……」
「いいじゃないか。ここには君しかいないのだから。……まあ、外に近衛はいるけれど」
オリヴィエは苦笑いし、天井の模様を眺めるヴィルジールのそばに向かう。ヴィルジールは目を細め、そばにきたオリヴィエを見上げながら笑った。
「……呪い、解けるかな」
「……かならずとは言い切れませんが、ヴィヴィアンヌは尽力してくれるでしょう」
「君のためにね」
「……それは……いえ、そうですね……」
オリヴィエは頬を赤らめつつも少し罪悪感を覚えて目を伏せた。ヴィヴィアンヌの自主的な意志だとしても、どうしても彼女の純粋な好意を自分の利のために利用している、そう思ってしまう。
「オリヴィエ、君が気に病むことはないよ。君をあの森に行かせたのは、私だからね。すべては王である私の責だ」
オリヴィエは命の危険を冒すことになっても、魔女の森にあるわずかしかない希望にかけた。ヴィルジールはオリヴィエがその選択肢以外を選べない状況に追い込み、その選択を許可した。その結果オリヴィエはヴィヴィアンヌと出会い、彼女をここに連れてきた。
「……しかし」
「あの子は、君によろこんでほしいのでしょう? なのに、そうやって君がよろこべなかったら、きっと悲しむよ」
そう言われてしまうとオリヴィエはなにも言えなかった。ヴィヴィアンヌは迷いなく言い切ったように、ただオリヴィエによろこんでほしいという純粋な好意で呪いを解こうとしている。
「君は、うれしいって言葉にしてちゃんと伝えて、いちゃついていればいいんだよ」
「えっ、い、いちゃつく……っ!?」
「できないことはないだろう? 王である私の前でも、君たち、いちゃつけたのだし」
「う……っ」
オリヴィエは顔を赤くして目をそらし、ヴィルジールは目を細めて笑った。笑いながら、ことがうまくいくようにただ祈るしかなかった。祈るしかできない自分が、ヴィルジールは情けなかった。
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