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本編
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「……ヴィヴィアンヌ、君はなにを望んでいるのかな?」
ヴィルジールは笑顔を浮かべながらヴィヴィアンヌに問う。笑ってはいるものの、答え次第でそれは崩れてしまうだろう。王妃の呪いを解くことができるなら、ヴィルジールは可能な限り要求をのむつもりだ。けれども、けっしてのめない要求はある。それはヴィルジール自身の命や王位に関わることだ。
ヴィルジールは狂王の息子といえども長く続いてきた王家の血を引いているため、王として認められている。跡継ぎがいないいま、王家の血を引くのは遠縁ばかり。ヴィルジールがその座を退けば王位をめぐってひどい争いになるのは必然だ。
ヴィルジール個人としては命を差し出すことも厭わない。それで王妃を救い、魔女の血縁であるヴィヴィアンヌや狂王に殺されたものたちへの償いになるというのならば、ヴィルジールは自らの命をよろこんで差し出すだろう。
しかし、ヴィルジールは王だ。ヴィルジールの命も意思も、すでに彼個人だけのものではない。民を守るため、易々と命も王位も差し出せないのだ。
「陛下、彼女はただ……」
オリヴィエが口を挟もうとしたが、ヴィルジールはそれを手で制す。王に止められてしまえば、一介の騎士でしかないオリヴィエはそれに逆らうことなどできなかった。
(ヴィヴィ……)
オリヴィエははらはらしながらヴィヴィアンヌを見守る。オリヴィエの心配は、ヴィヴィアンヌが王の反感を買うかどうかではない。
(……ヴィヴィは……ちゃんと答えられるだろうか……!)
ヴィヴィアンヌがちゃんと答えられるかどうか、それだけが心配だった。明後日の方向の答えが飛ばされてしまわないか、心配で心配で仕方がない。
(えっ、望み? ……どういうことだろう?)
問いの答えではなく問いの意味を理解できていなかったヴィヴィアンヌは目をまばたかせて考え込む。悩みに悩み、なぜ王妃の呪いを解こうとしているのか問われたとようやく理解すると、ヴィヴィアンヌはすぐさま笑顔で答えた。
「騎士さまが、よろこんでくれたらいいなって思ったの」
ヴィルジールがどれほど複雑に考えていようとも、ヴィヴィアンヌは王のことも、魔女のことも一切考えていなかった。いまのヴィヴィアンヌの頭の中にあるのは、王妃の呪いを解いてオリヴィエによろこんでもらうこと、そして葡萄のことが少しだけだ。
「え?」
ヴィルジールは予想外の答えに戸惑い、オリヴィエに目を向けた。さきほどは手でオリヴィエの言葉を制したが、いまは目でオリヴィエの言葉を催促している。
「……彼女はただ、呪いを解く方法を探しに森に入った私が呪いが解ければよろこぶだろうからと……善意で協力を申し出てくれたのです」
「善意、と?」
「はい。……本当、かわいいなあ」
「え?」
ついうっかりこぼしたオリヴィエの心の声になるはずだった言葉にヴィルジールが目を見開いて彼を見返す。オリヴィエは慌てて口を噤み、頭を下げた。
「……そう、そうか、なるほど……そうなんだね。では、ヴィヴィアンヌ。ほかに……そうだなあ、したいことや、して欲しいことなどはあるのかな?」
「あっ、私、騎士さまとケッコンしたい!」
「……」
ヴィルジールは笑顔をすっと消し、無言でオリヴィエに目を向けた。後ろに控えていたエマニュエルも無言でオリヴィエに目を向け、つられたヴィヴィアンヌも目を向ける。三人からの視線を受けて顔を赤くしたオリヴィエは軽く咳き込み、少し間を空けて口を開いた。
「……私とヴィヴィアンヌは、いずれ夫婦になろうと誓い合った仲です」
「……へへ、だよね、騎士さまっ」
満更でも無い様子で答えるオリヴィエとうれしそうに笑うヴィヴィアンヌ。その様子から二人が想いを通じ合わせていることは明白だ。
ヴィヴィアンヌの望みはオリヴィエがよろこぶこと、彼とずっと一緒にいること、ただそれだけだ。なんの裏もなく、あまりにも純粋な願いだった。
「……よもや、このようなことになるとは思ってもみなかったよ」
ヴィルジールは頭を片手でおさえ、眉尻を下げて笑う。呪いを解くために呪いの主である魔女の血縁が現れたこと。その者が王妃の大切な騎士と恋仲になり、結婚まで約束する仲になっていること。あまりにも想定外の状況だ。
しかし、ヴィルジールは手段を選んではいられなかった。自分が窮地に陥らせて死に追いやった魔女、その血縁の純粋な善意を利用する。そんな汚い手段でも、王は選ぶしかない。
「……ヴィヴィアンヌ、君の協力に感謝するよ」
「うん。私、がんばるね!」
ヴィルジールは屈託のない笑顔のヴィヴィアンヌに僅かに心を痛めた。ヴィヴィアンヌをここまで連れてきたオリヴィエもまた、後ろめたさを感じているのだろう。
「……ほかに、したいことや欲しいものはないのかな?」
「ううん。私、騎士さまとずっと一緒にいられたらいいよ」
「ヴィヴィ……!」
ヴィヴィアンヌの答えに胸をときめかされたオリヴィエは抱きしめたい気持ちでいっぱいになった。しかし、いまは王が目の前にいる。その衝動を堪えたオリヴィエは顔がにやけそうになるのを歯を食いしばって阻止し、自分の胸に手を当てた。ヴィルジールはオリヴィエの様子を眺めながら、つい最近まで女性に騙され、もう女性はだれも信じられないと嘆いて泣きそうになっていた彼の姿を思い出した。
(……まさか惚気を見せつけられるなんて……人間、変われるものだな……)
オリヴィエは王妃の大切な騎士だが、ヴィルジールにとっても大切な存在だ。つらい経験から軽く女性不審となっていたオリヴィエがこうして王の前で惚気けるほどになったのだから、よろこぶことなのかもしれない。
「君にお礼がしたいんだ。なにか、ないかな?」
「えっ? うーん……」
ヴィヴィアンヌはうなりながら頭を悩ませる。困りながら辺りを見回し、そこにあるものを目に映して声を上げた。
「あっ! ……王さま、欲しいものあったよ」
「なにかな?」
「私、ブドウがいっぱい欲しいな」
「えっ、葡萄?」
ヴィルジールがヴィヴィアンヌの視線の方向へと目を向けると、そこには粒がすべてむしり取られた葡萄の穂軸が残されていた。本当にそれだけなのかと半信半疑のヴィルジールにオリヴィエがそっと声をかける。
「……陛下、ヴィヴィアンヌは魔女の森に一人で暮らし、私と出会うまで祖母以外の人と接したことがなかったそうです」
「それは……とても寂しく、つらかっただろうね」
ヴィルジールは自身の幼少期を思い出してつぶやく。彼を産んだ母は産後の肥立ちが悪く亡くなり、父王は彼に興味を持たず、正妃には疎まれた。ヴィルジールは優しかった乳母が亡くなると、一人暗い部屋に押し込められて捨て置かれた。いまになって思えば、父王から興味を持たれなかったからこそ生き延びられたのだろう。だが寒く暗い部屋で一人過ごした日々はヴィルジールにとっては寂しく、つらいものだった。
「えっ、なにが?」
しかし、ヴィヴィアンヌはあっけらかんと言って首をかしげる。ヴィヴィアンヌの世界には最初から祖母しかいなかった。祖母の死を悲しんだことはあれども、一人であることがヴィヴィアンヌの常であった。故に寂しさも、つらさも感じることはなかった。
「……いや、なんでもないよ」
ヴィルジールはヴィヴィアンヌの反応に少なからず衝撃を受けたが、曖昧に笑ってごまかした。不幸だと感じるのは比較できる環境があるからだろう。ヴィヴィアンヌを比べる環境などない境遇に追いやったのは父王であり、なにもしなかった自分でもある。ヴィルジールはそれを悲しむことも、ヴィヴィアンヌを憐れむことも資格はないと思っていた。
ヴィルジールは笑顔を浮かべながらヴィヴィアンヌに問う。笑ってはいるものの、答え次第でそれは崩れてしまうだろう。王妃の呪いを解くことができるなら、ヴィルジールは可能な限り要求をのむつもりだ。けれども、けっしてのめない要求はある。それはヴィルジール自身の命や王位に関わることだ。
ヴィルジールは狂王の息子といえども長く続いてきた王家の血を引いているため、王として認められている。跡継ぎがいないいま、王家の血を引くのは遠縁ばかり。ヴィルジールがその座を退けば王位をめぐってひどい争いになるのは必然だ。
ヴィルジール個人としては命を差し出すことも厭わない。それで王妃を救い、魔女の血縁であるヴィヴィアンヌや狂王に殺されたものたちへの償いになるというのならば、ヴィルジールは自らの命をよろこんで差し出すだろう。
しかし、ヴィルジールは王だ。ヴィルジールの命も意思も、すでに彼個人だけのものではない。民を守るため、易々と命も王位も差し出せないのだ。
「陛下、彼女はただ……」
オリヴィエが口を挟もうとしたが、ヴィルジールはそれを手で制す。王に止められてしまえば、一介の騎士でしかないオリヴィエはそれに逆らうことなどできなかった。
(ヴィヴィ……)
オリヴィエははらはらしながらヴィヴィアンヌを見守る。オリヴィエの心配は、ヴィヴィアンヌが王の反感を買うかどうかではない。
(……ヴィヴィは……ちゃんと答えられるだろうか……!)
ヴィヴィアンヌがちゃんと答えられるかどうか、それだけが心配だった。明後日の方向の答えが飛ばされてしまわないか、心配で心配で仕方がない。
(えっ、望み? ……どういうことだろう?)
問いの答えではなく問いの意味を理解できていなかったヴィヴィアンヌは目をまばたかせて考え込む。悩みに悩み、なぜ王妃の呪いを解こうとしているのか問われたとようやく理解すると、ヴィヴィアンヌはすぐさま笑顔で答えた。
「騎士さまが、よろこんでくれたらいいなって思ったの」
ヴィルジールがどれほど複雑に考えていようとも、ヴィヴィアンヌは王のことも、魔女のことも一切考えていなかった。いまのヴィヴィアンヌの頭の中にあるのは、王妃の呪いを解いてオリヴィエによろこんでもらうこと、そして葡萄のことが少しだけだ。
「え?」
ヴィルジールは予想外の答えに戸惑い、オリヴィエに目を向けた。さきほどは手でオリヴィエの言葉を制したが、いまは目でオリヴィエの言葉を催促している。
「……彼女はただ、呪いを解く方法を探しに森に入った私が呪いが解ければよろこぶだろうからと……善意で協力を申し出てくれたのです」
「善意、と?」
「はい。……本当、かわいいなあ」
「え?」
ついうっかりこぼしたオリヴィエの心の声になるはずだった言葉にヴィルジールが目を見開いて彼を見返す。オリヴィエは慌てて口を噤み、頭を下げた。
「……そう、そうか、なるほど……そうなんだね。では、ヴィヴィアンヌ。ほかに……そうだなあ、したいことや、して欲しいことなどはあるのかな?」
「あっ、私、騎士さまとケッコンしたい!」
「……」
ヴィルジールは笑顔をすっと消し、無言でオリヴィエに目を向けた。後ろに控えていたエマニュエルも無言でオリヴィエに目を向け、つられたヴィヴィアンヌも目を向ける。三人からの視線を受けて顔を赤くしたオリヴィエは軽く咳き込み、少し間を空けて口を開いた。
「……私とヴィヴィアンヌは、いずれ夫婦になろうと誓い合った仲です」
「……へへ、だよね、騎士さまっ」
満更でも無い様子で答えるオリヴィエとうれしそうに笑うヴィヴィアンヌ。その様子から二人が想いを通じ合わせていることは明白だ。
ヴィヴィアンヌの望みはオリヴィエがよろこぶこと、彼とずっと一緒にいること、ただそれだけだ。なんの裏もなく、あまりにも純粋な願いだった。
「……よもや、このようなことになるとは思ってもみなかったよ」
ヴィルジールは頭を片手でおさえ、眉尻を下げて笑う。呪いを解くために呪いの主である魔女の血縁が現れたこと。その者が王妃の大切な騎士と恋仲になり、結婚まで約束する仲になっていること。あまりにも想定外の状況だ。
しかし、ヴィルジールは手段を選んではいられなかった。自分が窮地に陥らせて死に追いやった魔女、その血縁の純粋な善意を利用する。そんな汚い手段でも、王は選ぶしかない。
「……ヴィヴィアンヌ、君の協力に感謝するよ」
「うん。私、がんばるね!」
ヴィルジールは屈託のない笑顔のヴィヴィアンヌに僅かに心を痛めた。ヴィヴィアンヌをここまで連れてきたオリヴィエもまた、後ろめたさを感じているのだろう。
「……ほかに、したいことや欲しいものはないのかな?」
「ううん。私、騎士さまとずっと一緒にいられたらいいよ」
「ヴィヴィ……!」
ヴィヴィアンヌの答えに胸をときめかされたオリヴィエは抱きしめたい気持ちでいっぱいになった。しかし、いまは王が目の前にいる。その衝動を堪えたオリヴィエは顔がにやけそうになるのを歯を食いしばって阻止し、自分の胸に手を当てた。ヴィルジールはオリヴィエの様子を眺めながら、つい最近まで女性に騙され、もう女性はだれも信じられないと嘆いて泣きそうになっていた彼の姿を思い出した。
(……まさか惚気を見せつけられるなんて……人間、変われるものだな……)
オリヴィエは王妃の大切な騎士だが、ヴィルジールにとっても大切な存在だ。つらい経験から軽く女性不審となっていたオリヴィエがこうして王の前で惚気けるほどになったのだから、よろこぶことなのかもしれない。
「君にお礼がしたいんだ。なにか、ないかな?」
「えっ? うーん……」
ヴィヴィアンヌはうなりながら頭を悩ませる。困りながら辺りを見回し、そこにあるものを目に映して声を上げた。
「あっ! ……王さま、欲しいものあったよ」
「なにかな?」
「私、ブドウがいっぱい欲しいな」
「えっ、葡萄?」
ヴィルジールがヴィヴィアンヌの視線の方向へと目を向けると、そこには粒がすべてむしり取られた葡萄の穂軸が残されていた。本当にそれだけなのかと半信半疑のヴィルジールにオリヴィエがそっと声をかける。
「……陛下、ヴィヴィアンヌは魔女の森に一人で暮らし、私と出会うまで祖母以外の人と接したことがなかったそうです」
「それは……とても寂しく、つらかっただろうね」
ヴィルジールは自身の幼少期を思い出してつぶやく。彼を産んだ母は産後の肥立ちが悪く亡くなり、父王は彼に興味を持たず、正妃には疎まれた。ヴィルジールは優しかった乳母が亡くなると、一人暗い部屋に押し込められて捨て置かれた。いまになって思えば、父王から興味を持たれなかったからこそ生き延びられたのだろう。だが寒く暗い部屋で一人過ごした日々はヴィルジールにとっては寂しく、つらいものだった。
「えっ、なにが?」
しかし、ヴィヴィアンヌはあっけらかんと言って首をかしげる。ヴィヴィアンヌの世界には最初から祖母しかいなかった。祖母の死を悲しんだことはあれども、一人であることがヴィヴィアンヌの常であった。故に寂しさも、つらさも感じることはなかった。
「……いや、なんでもないよ」
ヴィルジールはヴィヴィアンヌの反応に少なからず衝撃を受けたが、曖昧に笑ってごまかした。不幸だと感じるのは比較できる環境があるからだろう。ヴィヴィアンヌを比べる環境などない境遇に追いやったのは父王であり、なにもしなかった自分でもある。ヴィルジールはそれを悲しむことも、ヴィヴィアンヌを憐れむことも資格はないと思っていた。
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