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本編
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ヴィヴィアンヌは水浴びを終え、体を拭いて服を着た。この数日は体を拭くだけで済ませていたため、久しぶりの水浴びでさっぱりできてずいぶんとご機嫌のようだ。
(騎士さま、終わったかな?)
ヴィヴィアンヌが後ろを振り返ると、川に顔を沈めていたオリヴィエはすでに水浴びを済ませて川辺に座り込んでいた。ヴィヴィアンヌがそっと近づくも、上半身裸のまま頭から布を被って微動だにしていない。オリヴィエの髪はぬれたまま、ほとんど水気が拭えていないようでぽたぽたと水を滴らせていた。
「……騎士さま?」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエの頭の布に手をかけ、彼の髪を拭う。声をかけられたオリヴィエは視線を上げたが、すぐに顔を真っ赤にして目をそらした。ヴィヴィアンヌの顔を見るだけで、しっかり目に焼きつけた彼女の裸体を思い出してしまうようだ。
「騎士さま、すっきりした?」
「……え?」
「さっき、暗い顔していたから。水浴びして、ちょっとはすっきりしたかなって」
オリヴィエは驚き、目を見開く。暗い顔をしたつもりはなかったが、心当たりはおおいにあった。
(……気遣ってもらってばかりだ)
オリヴィエはヴィヴィアンヌと目を合わせられなかったものの、ふと笑って感謝する。
「……そうですね。ありがとう、ヴィヴィアンヌ。君は……本当に、優しいですね」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエの言葉に目をぱちぱちとまばたかせた。優しいという言葉自体は知っていたが、それがどういったものなのかを理解できていない。
「……私、優しいの?」
「はい。少なくとも、私にとってはとても優しい」
「……へへ、そっか。うれしいな」
ヴィヴィアンヌは心からうれしそうに笑う。祖母から人や生き物には優しくしなさいと言い聞かされ、それができればいい子だと言われていた。ただ人と接する機会がなかったため、人に対してはどうすることが優しいのか知る機会もなかった。
(私、知らないことがいっぱいあるんだ)
ヴィヴィアンヌはこの数日、オリヴィエと話しているうちに自分がどれほど無知なのかがよくわかった。男がどういった存在なのかを知らなかったし、女のこともよく知らなかった。森の外にどんな光景が広がるのか知らず、自分以外の人々がどんな生活を送っているのか知らなかった。
(……騎士さまと一緒だと、いろんなことが知れる)
ヴィヴィアンヌはオリヴィエと出会わなければ、それを知らないままこの森でひとり、一生を終えていたかもしれない。
(騎士さまに、もっと色んなことを教えてもらいたいなあ)
ヴィヴィアンヌはさまざまなことをオリヴィエから教わっていく中で僅かしかなかった興味が膨れ上がり、もっと多くのことが知りたいと欲が湧いていた。
「……騎士さま、帰ろっか。帰ったら治癒魔法かけるね」
しかし、ヴィヴィアンヌはオリヴィエはいつかここを去ることを理解している。オリヴィエは目的があってこの森にやってきて、その目的は大けがを負っても諦められないほど重要なものだとも。
(……治癒魔法、使いたくないな)
ヴィヴィアンヌの中にぽたりと落ちた黒い染みはじわじわと彼女の中に広がっていた。それがどういったものなのか、いいものなのか悪いものなのか、いまのヴィヴィアンヌにはわからない。
「ありがとうございます」
オリヴィエはヴィヴィアンヌから目をそらしながらうなずいて答えた。ヴィヴィアンヌはオリヴィエが自分から目をそらしていることにはまったく気づく様子はなく、魔法を使って彼を浮かせ、行きとおなじように運ぶ。二度目になると多少は慣れたのか、オリヴィエは顔をしかめなかった。
小屋に戻り、ヴィヴィアンヌは早速治癒魔法を使ってオリヴィエの足を治療した。ずいぶんと慣れたようで、ヴィヴィアンヌの魔法は目覚ましい効果を上げる。
「……騎士さま、どう?」
「かなり、いいですね。……これなら、ゆっくりであれば歩けそうだ。ありがとうございます」
「わあ。やったね、騎士さま!」
ヴィヴィアンヌはよろこび、オリヴィエに笑顔を向けた。しかしオリヴィエはその笑顔を直視できず、顔を赤くしてうつむく。
(……騎士さま?)
さすがのヴィヴィアンヌもオリヴィエの様子がおかしいことに気づき、首をかしげる。オリヴィエはどうしてもヴィヴィアンヌを直視できなかった。
(……っあー! だめだ! 思い出すな! 僕のばか!)
オリヴィエはヴィヴィアンヌの顔を見ると、彼女の裸体を思い出してしまう。思い出せば自然と股間に熱が集中してしまい、それを避けるためにできるだけ見ないように心がけていた。だがそれがヴィヴィアンヌにどう受け取られるのかまでは、オリヴィエには考えが至らなかった。
(……騎士さま、怒っているのかな。私があんなこと考えたから……)
ヴィヴィアンヌはオリヴィエが一刻も早く洞窟を調査したいことを知っている。故に自分がそれに反するようなことを考え、それを察したオリヴィエが怒っているのではないかと考えていた。自分のことでいっぱいいっぱいなオリヴィエはヴィヴィアンヌが悲しそうな表情を浮かべたことに気づかなかった。
「……騎士さま、ごめんね」
「え?」
「……私、ちょっと疲れたから、少し眠っちゃうね」
「大丈夫ですか?」
ヴィヴィアンヌはベッドに寝転がると、そのままそっと目を閉じる。オリヴィエは慌ててベッドのそばに近づき、やっとヴィヴィアンヌの顔を見た。眉尻を下げてつらそうな表情を浮べるヴィヴィアンヌに胸が痛くなる。
「うん。治療魔法って結構魔力使うから……疲れちゃうの」
「そう、だったんですね……」
オリヴィエは魔法使いではないため、魔法の知識はさほどない。治癒魔法が扱いにくい魔法だとは知っていたが、ほかの魔法とは比べものにならないくらいに魔力を使うものとは知らなかった。
「……すみません、君に無理をさせて」
「ううん」
ヴィヴィアンヌは目を開けずに笑った。その様子が健気に見えて、オリヴィエはますます胸を痛める。
(……僕は、ヴィヴィアンヌに負担をかけてばかり)
他人に魔法が使えることを知られる危険を冒させ、治癒魔法を使わせて魔力を大量に消費し疲労させ、貴重な食料を消費させた。それら以外にも多くの負担をかけているが、それでもヴィヴィアンヌは嫌がることもなくオリヴィエに笑いかける。
(……ああ、どうしよう。僕、ヴィヴィアンヌが……)
成すべきことがあるのだからよそ見をしている場合ではない。そう思っていても、オリヴィエはヴィヴィアンヌに心惹かれることを止められなかった。一度認識してしまえば想いは膨れ上がるばかり。
「……ヴィヴィアンヌ」
「どうしたの、騎士さま?」
「すべて終わったら、君の望みをなんでも聞きます」
いまのオリヴィエにはヴィヴィアンヌのためにできることはこれくらいしかなかった。オリヴィエには命に代えてでも果たしたいことがあった。それが果たせるまで、ヴィヴィアンヌに負担をかけているとわかっていても止めるわけにはいかなかった。
「……なんでも?」
「なんでもです」
「本当に?」
「はい。騎士に二言はありません」
二人のはじめの頃と似た会話にヴィヴィアンヌはくすくすと笑った。オリヴィエもつられて笑い、小屋に二人の楽しげな笑い声が響く。
(なんでもなら、私……ううん、だめ……)
ヴィヴィアンヌは一番に思いついた望みをすぐに打ち消した。それはヴィヴィアンヌにとって、禁忌のような望みだからだ。
「……へへ。じゃあ、考えておく、ね、騎士さま……」
ヴィヴィアンヌはほほ笑んだまま、睡魔に身を任せて眠りにつく。オリヴィエは寝息を聞きながら赤い髪を一房手に取り、そっと口づけた。
(騎士さま、終わったかな?)
ヴィヴィアンヌが後ろを振り返ると、川に顔を沈めていたオリヴィエはすでに水浴びを済ませて川辺に座り込んでいた。ヴィヴィアンヌがそっと近づくも、上半身裸のまま頭から布を被って微動だにしていない。オリヴィエの髪はぬれたまま、ほとんど水気が拭えていないようでぽたぽたと水を滴らせていた。
「……騎士さま?」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエの頭の布に手をかけ、彼の髪を拭う。声をかけられたオリヴィエは視線を上げたが、すぐに顔を真っ赤にして目をそらした。ヴィヴィアンヌの顔を見るだけで、しっかり目に焼きつけた彼女の裸体を思い出してしまうようだ。
「騎士さま、すっきりした?」
「……え?」
「さっき、暗い顔していたから。水浴びして、ちょっとはすっきりしたかなって」
オリヴィエは驚き、目を見開く。暗い顔をしたつもりはなかったが、心当たりはおおいにあった。
(……気遣ってもらってばかりだ)
オリヴィエはヴィヴィアンヌと目を合わせられなかったものの、ふと笑って感謝する。
「……そうですね。ありがとう、ヴィヴィアンヌ。君は……本当に、優しいですね」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエの言葉に目をぱちぱちとまばたかせた。優しいという言葉自体は知っていたが、それがどういったものなのかを理解できていない。
「……私、優しいの?」
「はい。少なくとも、私にとってはとても優しい」
「……へへ、そっか。うれしいな」
ヴィヴィアンヌは心からうれしそうに笑う。祖母から人や生き物には優しくしなさいと言い聞かされ、それができればいい子だと言われていた。ただ人と接する機会がなかったため、人に対してはどうすることが優しいのか知る機会もなかった。
(私、知らないことがいっぱいあるんだ)
ヴィヴィアンヌはこの数日、オリヴィエと話しているうちに自分がどれほど無知なのかがよくわかった。男がどういった存在なのかを知らなかったし、女のこともよく知らなかった。森の外にどんな光景が広がるのか知らず、自分以外の人々がどんな生活を送っているのか知らなかった。
(……騎士さまと一緒だと、いろんなことが知れる)
ヴィヴィアンヌはオリヴィエと出会わなければ、それを知らないままこの森でひとり、一生を終えていたかもしれない。
(騎士さまに、もっと色んなことを教えてもらいたいなあ)
ヴィヴィアンヌはさまざまなことをオリヴィエから教わっていく中で僅かしかなかった興味が膨れ上がり、もっと多くのことが知りたいと欲が湧いていた。
「……騎士さま、帰ろっか。帰ったら治癒魔法かけるね」
しかし、ヴィヴィアンヌはオリヴィエはいつかここを去ることを理解している。オリヴィエは目的があってこの森にやってきて、その目的は大けがを負っても諦められないほど重要なものだとも。
(……治癒魔法、使いたくないな)
ヴィヴィアンヌの中にぽたりと落ちた黒い染みはじわじわと彼女の中に広がっていた。それがどういったものなのか、いいものなのか悪いものなのか、いまのヴィヴィアンヌにはわからない。
「ありがとうございます」
オリヴィエはヴィヴィアンヌから目をそらしながらうなずいて答えた。ヴィヴィアンヌはオリヴィエが自分から目をそらしていることにはまったく気づく様子はなく、魔法を使って彼を浮かせ、行きとおなじように運ぶ。二度目になると多少は慣れたのか、オリヴィエは顔をしかめなかった。
小屋に戻り、ヴィヴィアンヌは早速治癒魔法を使ってオリヴィエの足を治療した。ずいぶんと慣れたようで、ヴィヴィアンヌの魔法は目覚ましい効果を上げる。
「……騎士さま、どう?」
「かなり、いいですね。……これなら、ゆっくりであれば歩けそうだ。ありがとうございます」
「わあ。やったね、騎士さま!」
ヴィヴィアンヌはよろこび、オリヴィエに笑顔を向けた。しかしオリヴィエはその笑顔を直視できず、顔を赤くしてうつむく。
(……騎士さま?)
さすがのヴィヴィアンヌもオリヴィエの様子がおかしいことに気づき、首をかしげる。オリヴィエはどうしてもヴィヴィアンヌを直視できなかった。
(……っあー! だめだ! 思い出すな! 僕のばか!)
オリヴィエはヴィヴィアンヌの顔を見ると、彼女の裸体を思い出してしまう。思い出せば自然と股間に熱が集中してしまい、それを避けるためにできるだけ見ないように心がけていた。だがそれがヴィヴィアンヌにどう受け取られるのかまでは、オリヴィエには考えが至らなかった。
(……騎士さま、怒っているのかな。私があんなこと考えたから……)
ヴィヴィアンヌはオリヴィエが一刻も早く洞窟を調査したいことを知っている。故に自分がそれに反するようなことを考え、それを察したオリヴィエが怒っているのではないかと考えていた。自分のことでいっぱいいっぱいなオリヴィエはヴィヴィアンヌが悲しそうな表情を浮かべたことに気づかなかった。
「……騎士さま、ごめんね」
「え?」
「……私、ちょっと疲れたから、少し眠っちゃうね」
「大丈夫ですか?」
ヴィヴィアンヌはベッドに寝転がると、そのままそっと目を閉じる。オリヴィエは慌ててベッドのそばに近づき、やっとヴィヴィアンヌの顔を見た。眉尻を下げてつらそうな表情を浮べるヴィヴィアンヌに胸が痛くなる。
「うん。治療魔法って結構魔力使うから……疲れちゃうの」
「そう、だったんですね……」
オリヴィエは魔法使いではないため、魔法の知識はさほどない。治癒魔法が扱いにくい魔法だとは知っていたが、ほかの魔法とは比べものにならないくらいに魔力を使うものとは知らなかった。
「……すみません、君に無理をさせて」
「ううん」
ヴィヴィアンヌは目を開けずに笑った。その様子が健気に見えて、オリヴィエはますます胸を痛める。
(……僕は、ヴィヴィアンヌに負担をかけてばかり)
他人に魔法が使えることを知られる危険を冒させ、治癒魔法を使わせて魔力を大量に消費し疲労させ、貴重な食料を消費させた。それら以外にも多くの負担をかけているが、それでもヴィヴィアンヌは嫌がることもなくオリヴィエに笑いかける。
(……ああ、どうしよう。僕、ヴィヴィアンヌが……)
成すべきことがあるのだからよそ見をしている場合ではない。そう思っていても、オリヴィエはヴィヴィアンヌに心惹かれることを止められなかった。一度認識してしまえば想いは膨れ上がるばかり。
「……ヴィヴィアンヌ」
「どうしたの、騎士さま?」
「すべて終わったら、君の望みをなんでも聞きます」
いまのオリヴィエにはヴィヴィアンヌのためにできることはこれくらいしかなかった。オリヴィエには命に代えてでも果たしたいことがあった。それが果たせるまで、ヴィヴィアンヌに負担をかけているとわかっていても止めるわけにはいかなかった。
「……なんでも?」
「なんでもです」
「本当に?」
「はい。騎士に二言はありません」
二人のはじめの頃と似た会話にヴィヴィアンヌはくすくすと笑った。オリヴィエもつられて笑い、小屋に二人の楽しげな笑い声が響く。
(なんでもなら、私……ううん、だめ……)
ヴィヴィアンヌは一番に思いついた望みをすぐに打ち消した。それはヴィヴィアンヌにとって、禁忌のような望みだからだ。
「……へへ。じゃあ、考えておく、ね、騎士さま……」
ヴィヴィアンヌはほほ笑んだまま、睡魔に身を任せて眠りにつく。オリヴィエは寝息を聞きながら赤い髪を一房手に取り、そっと口づけた。
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