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本編
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ヴィヴィアンヌはオリヴィエのすべてを信じきっている。祖母と二人きり、祖母がなくなってからは一人きりだったヴィヴィアンヌは他人の悪意に晒されたことなどなく、疑いを抱いたことなど一度もなかったのだ。
もちろん、オリヴィエはヴィヴィアンヌを騙そうとも、彼女に害をなそうとも思っていない。けれどもこれからしようとしていることはヴィヴィアンヌを利用しようとしているかのようで、オリヴィエは後ろめたかった。
「……ヴィヴィアンヌは、治癒魔法を使えますか?」
「えっ!?」
問いかけてはいるものの、すでにオリヴィエは確信していた。なにせ昨夜、狸寝入りをしてヴィヴィアンヌが魔法を使っていることを感じていたのだから。
「……右腕の治りが早いですから、ヴィヴィアンヌが魔法を使ったのかと」
ヴィヴィアンヌは気まずそうに目をそらす。それは肯定しているのも同じだった。オリヴィエは指を絡ませ、うつむいて黙り込むヴィヴィアンヌの答えをじっと待った。
「……ばれちゃった……」
しばしの沈黙が流れたが、ヴィヴィアンヌは観念したように小さく息を吐いて肯定する。
上目遣いでそうつぶやいたヴィヴィアンヌが、オリヴィエにはたまらなくかわいく見えていた。オリヴィエは不安そうに両手を握りしめるヴィヴィアンヌに優しくほほ笑む。
「うん、そうだよ。ごめんね、騎士さま。私、勝手に魔法を使っていたの。……怒ってる?」
「いえ……むしろ、ありがとう。ヴィヴィアンヌ」
ヴィヴィアンヌには知り合いでもない、無謀にも魔女の森に入り負傷した男を介抱する義務はない。ましてや魔法が使えることがばれてしまう危険を冒してまで、疲れる治癒魔法を使う必要などなかった。
それでも、ヴィヴィアンヌはオリヴィエのけがを癒やした。オリヴィエはその心に感謝し、ヴィヴィアンヌに惹かれる心を抑えられなかった。
「……厚かましいと承知の上で、ヴィヴィアンヌにお願いがあるのです」
「アツカマシ?」
「えっと……あー……ともかく、お願いがあるのです」
だからこそ余計に、オリヴィエはいまからヴィヴィアンヌに頼もうとしていることが後ろめたかった。
「……このまま、ここで治癒魔法を使って治療してもらえませんか」
「え?」
「私は、どうしても……あの場所を調査しなければならないのです。できるだけ、早く」
一度森を出て治療を受けて再び魔女の洞窟の調査にやってくる、それがもっとも堅実だが時間がかかる。かと言ってこのまま手負いの状態で再び洞窟に向かったところで、死期が早まるだけだ。
ヴィヴィアンヌは治癒魔法を扱えるが、正しい知識を持ち合わせているわけではない。医師や治癒師から受ける治療とは違うため、後遺症が残る可能性もあるだろう。だがオリヴィエはここで目的が果たせるのならば、二度と剣を握れなくなっても、まともに歩けなくなくなっても構わなかった。
「えっと……そうしたら、騎士さまはもっとここにいるの?」
「……許してもらえるのなら、しばらくここを拠点にさせていただきたい」
「キョテン?」
「……活動の足場というか……つまり、私が洞窟の調査を終えるまで、ずっといさせてほしいというか……」
「えっ、ずっと?」
ヴィヴィアンヌは拠点の意味はわからなかったが、そうすればオリヴィエが曾祖母の洞窟を調べ終えるまでずっとここにいるということだけはわかった。ヴィヴィアンヌは胸にじわじわと広がるよろこびに、顔をにやけさせる。
「ヴィヴィアンヌ?」
「……へへ。そうしたら騎士さま、ずっとここにいてくれるの?」
ヴィヴィアンヌのにやけ顔とその言葉にオリヴィエは胸を抑えた。他人から見れば締まりのないにやけた表情だが、オリヴィエの目には花が舞っているかのような錯覚すらする可憐な表情だ。オリヴィエは顔を赤らめ、小さくうなずく。
「……っ、ヴィヴィアンヌが、許してくれるのなら」
「うん、いいよ! ……うれしいな。騎士さま、いてくれるんだ」
ヴィヴィアンヌは純粋にまだ一緒にいられることをよろこんでいた。ヴィヴィアンヌの素直なその言葉はオリヴィエの心に染み入る。
(かわいい……つ)
ヴィヴィアンヌの純粋な好意は、以前女性に騙されてやさぐれたオリヴィエにはあまりにも感動的なものだった。
「よしっ、今日のごはんはもっと豪華にしよう」
「……いえ、食料は貴重ですから……気にしないでください」
オリヴィエはここでの食事はおいしいかおいしくないか問われると、正直、まったくおいしくない。だが、外界との関わりが絶たれたこの場所にはヴィヴィアンヌが自ら世話をしている小さな畑で育てた作物と、森の自然の恵みのみ。そんな貴重な食料を彼女の厚意でわけてもらっているのだから、口が裂けてもそんなことは言えなかった。
ヴィヴィアンヌはつぼを火にかけ、うれしそうに鼻歌を歌いながら火のそばに座り込み、煮えるのを待つ。オリヴィエも隣に座り込み、二人で火を囲った。
「あっ、そうだ騎士さま。今日は川に行く?」
「川に?」
「うん、水浴びに」
その提案はオリヴィエには魅力的だった。毎日ヴィヴィアンヌに体を拭いてもらっているが、水浴びの爽快感とは比ぶべくもない。
「行きたいのは山々ですが、この状態では……」
オリヴィエは片腕片足が不自由なままで整備などされているはずもない森の中を歩き回れるとは到底思えなった。ここまで出てこれたのも壁があったからで、支えなしには難しい。ヴィヴィアンヌの細く小さな体ではオリヴィエの体は支えられないだろう。
「大丈夫。私、魔法で浮かせて連れていけるから」
「浮かして? ……ああ、なるほど」
オリヴィエはようやくヴィヴィアンヌが彼を小屋まで運んだ手段を知った。同時に人を浮かせて運べる魔法を扱えることに感心する。
(想像以上に、ヴィヴィアンヌは魔法が使えるんだな)
軽いものを数秒浮かせる程度なら、オリヴィエにもできるだろう。だが、成人男性を、しかもいま見えない距離にある崖からここまで運ぶとなると、高度な技術と多量の魔力が必要になり、オリヴィエでは不可能だ。
「……ヴィヴィアンヌは、すごい魔法使いなのですね」
「えっ、そうなの? でも、騎士さまも魔法が使えるよね?」
「私はせいぜい火を熾したり、水を凍らせたり、少し凪ぐ程度の風を吹かせたり……それくらいのものです。大抵の人もそうで、ヴィヴィアンヌほど魔法を扱える人はあまりいません」
ヴィヴィアンヌにとっては大したことではなく、すごいことだとも思っていなかった。ヴィヴィアンヌの中に比較対象が存在しないのだから、それも当然だろう。
「魔法を使えることを隠す必要はないですが……色々な魔法を使えることは、人には隠しておいたほうがいいですね」
「そっかぁ。あ、でも……騎士さまには知られちゃったね」
「……ヴィヴィアンヌのことは、だれにも話しません。秘密にしておきます」
オリヴィエの言葉にヴィヴィアンヌは目をまばたかせ、少ししてうれしそうに笑った。その笑顔にオリヴィエは打ちのめされ、胸を抑えてうつむく。
「騎士さま、具合悪いの?」
「いえ。……むしろ、いいです」
「そう? ……あ、できたかな」
火にかけたつぼの蓋の隙間から泡がぐつぐつとあふれている。ヴィヴィアンヌはつぼを火からあげると、中の芋と木の実を器に移した。ヴィヴィアンヌはほくほくと湯気の立つ芋をスプーンで割り、一口程度の大きさに崩す。
「騎士さま、はい。あーん」
ヴィヴィアンヌはそれをすくい上げ、オリヴィエの口元へと運んだ。オリヴィエはもう右手を自由に使えるため、左手はまだ動かせないため多少は手こずるが、その気になれば自分で食べられるだろう。
だが、オリヴィエはまったくその気にならなかった。ヴィヴィアンヌから差し出された芋を一口で口に含み、よく噛んで飲み込む。
「騎士さま、どう?」
「……素材の味が活きています」
雛鳥が親鳥から餌を待つように、オリヴィエは口を開いて次をせがんだ。笑顔でヴィヴィアンヌはスプーンを動かし、オリヴィエに餌づけを続ける。どれほどそれがまずかろうと、オリヴィエはこの食事の時間は幸せそうだった。
もちろん、オリヴィエはヴィヴィアンヌを騙そうとも、彼女に害をなそうとも思っていない。けれどもこれからしようとしていることはヴィヴィアンヌを利用しようとしているかのようで、オリヴィエは後ろめたかった。
「……ヴィヴィアンヌは、治癒魔法を使えますか?」
「えっ!?」
問いかけてはいるものの、すでにオリヴィエは確信していた。なにせ昨夜、狸寝入りをしてヴィヴィアンヌが魔法を使っていることを感じていたのだから。
「……右腕の治りが早いですから、ヴィヴィアンヌが魔法を使ったのかと」
ヴィヴィアンヌは気まずそうに目をそらす。それは肯定しているのも同じだった。オリヴィエは指を絡ませ、うつむいて黙り込むヴィヴィアンヌの答えをじっと待った。
「……ばれちゃった……」
しばしの沈黙が流れたが、ヴィヴィアンヌは観念したように小さく息を吐いて肯定する。
上目遣いでそうつぶやいたヴィヴィアンヌが、オリヴィエにはたまらなくかわいく見えていた。オリヴィエは不安そうに両手を握りしめるヴィヴィアンヌに優しくほほ笑む。
「うん、そうだよ。ごめんね、騎士さま。私、勝手に魔法を使っていたの。……怒ってる?」
「いえ……むしろ、ありがとう。ヴィヴィアンヌ」
ヴィヴィアンヌには知り合いでもない、無謀にも魔女の森に入り負傷した男を介抱する義務はない。ましてや魔法が使えることがばれてしまう危険を冒してまで、疲れる治癒魔法を使う必要などなかった。
それでも、ヴィヴィアンヌはオリヴィエのけがを癒やした。オリヴィエはその心に感謝し、ヴィヴィアンヌに惹かれる心を抑えられなかった。
「……厚かましいと承知の上で、ヴィヴィアンヌにお願いがあるのです」
「アツカマシ?」
「えっと……あー……ともかく、お願いがあるのです」
だからこそ余計に、オリヴィエはいまからヴィヴィアンヌに頼もうとしていることが後ろめたかった。
「……このまま、ここで治癒魔法を使って治療してもらえませんか」
「え?」
「私は、どうしても……あの場所を調査しなければならないのです。できるだけ、早く」
一度森を出て治療を受けて再び魔女の洞窟の調査にやってくる、それがもっとも堅実だが時間がかかる。かと言ってこのまま手負いの状態で再び洞窟に向かったところで、死期が早まるだけだ。
ヴィヴィアンヌは治癒魔法を扱えるが、正しい知識を持ち合わせているわけではない。医師や治癒師から受ける治療とは違うため、後遺症が残る可能性もあるだろう。だがオリヴィエはここで目的が果たせるのならば、二度と剣を握れなくなっても、まともに歩けなくなくなっても構わなかった。
「えっと……そうしたら、騎士さまはもっとここにいるの?」
「……許してもらえるのなら、しばらくここを拠点にさせていただきたい」
「キョテン?」
「……活動の足場というか……つまり、私が洞窟の調査を終えるまで、ずっといさせてほしいというか……」
「えっ、ずっと?」
ヴィヴィアンヌは拠点の意味はわからなかったが、そうすればオリヴィエが曾祖母の洞窟を調べ終えるまでずっとここにいるということだけはわかった。ヴィヴィアンヌは胸にじわじわと広がるよろこびに、顔をにやけさせる。
「ヴィヴィアンヌ?」
「……へへ。そうしたら騎士さま、ずっとここにいてくれるの?」
ヴィヴィアンヌのにやけ顔とその言葉にオリヴィエは胸を抑えた。他人から見れば締まりのないにやけた表情だが、オリヴィエの目には花が舞っているかのような錯覚すらする可憐な表情だ。オリヴィエは顔を赤らめ、小さくうなずく。
「……っ、ヴィヴィアンヌが、許してくれるのなら」
「うん、いいよ! ……うれしいな。騎士さま、いてくれるんだ」
ヴィヴィアンヌは純粋にまだ一緒にいられることをよろこんでいた。ヴィヴィアンヌの素直なその言葉はオリヴィエの心に染み入る。
(かわいい……つ)
ヴィヴィアンヌの純粋な好意は、以前女性に騙されてやさぐれたオリヴィエにはあまりにも感動的なものだった。
「よしっ、今日のごはんはもっと豪華にしよう」
「……いえ、食料は貴重ですから……気にしないでください」
オリヴィエはここでの食事はおいしいかおいしくないか問われると、正直、まったくおいしくない。だが、外界との関わりが絶たれたこの場所にはヴィヴィアンヌが自ら世話をしている小さな畑で育てた作物と、森の自然の恵みのみ。そんな貴重な食料を彼女の厚意でわけてもらっているのだから、口が裂けてもそんなことは言えなかった。
ヴィヴィアンヌはつぼを火にかけ、うれしそうに鼻歌を歌いながら火のそばに座り込み、煮えるのを待つ。オリヴィエも隣に座り込み、二人で火を囲った。
「あっ、そうだ騎士さま。今日は川に行く?」
「川に?」
「うん、水浴びに」
その提案はオリヴィエには魅力的だった。毎日ヴィヴィアンヌに体を拭いてもらっているが、水浴びの爽快感とは比ぶべくもない。
「行きたいのは山々ですが、この状態では……」
オリヴィエは片腕片足が不自由なままで整備などされているはずもない森の中を歩き回れるとは到底思えなった。ここまで出てこれたのも壁があったからで、支えなしには難しい。ヴィヴィアンヌの細く小さな体ではオリヴィエの体は支えられないだろう。
「大丈夫。私、魔法で浮かせて連れていけるから」
「浮かして? ……ああ、なるほど」
オリヴィエはようやくヴィヴィアンヌが彼を小屋まで運んだ手段を知った。同時に人を浮かせて運べる魔法を扱えることに感心する。
(想像以上に、ヴィヴィアンヌは魔法が使えるんだな)
軽いものを数秒浮かせる程度なら、オリヴィエにもできるだろう。だが、成人男性を、しかもいま見えない距離にある崖からここまで運ぶとなると、高度な技術と多量の魔力が必要になり、オリヴィエでは不可能だ。
「……ヴィヴィアンヌは、すごい魔法使いなのですね」
「えっ、そうなの? でも、騎士さまも魔法が使えるよね?」
「私はせいぜい火を熾したり、水を凍らせたり、少し凪ぐ程度の風を吹かせたり……それくらいのものです。大抵の人もそうで、ヴィヴィアンヌほど魔法を扱える人はあまりいません」
ヴィヴィアンヌにとっては大したことではなく、すごいことだとも思っていなかった。ヴィヴィアンヌの中に比較対象が存在しないのだから、それも当然だろう。
「魔法を使えることを隠す必要はないですが……色々な魔法を使えることは、人には隠しておいたほうがいいですね」
「そっかぁ。あ、でも……騎士さまには知られちゃったね」
「……ヴィヴィアンヌのことは、だれにも話しません。秘密にしておきます」
オリヴィエの言葉にヴィヴィアンヌは目をまばたかせ、少ししてうれしそうに笑った。その笑顔にオリヴィエは打ちのめされ、胸を抑えてうつむく。
「騎士さま、具合悪いの?」
「いえ。……むしろ、いいです」
「そう? ……あ、できたかな」
火にかけたつぼの蓋の隙間から泡がぐつぐつとあふれている。ヴィヴィアンヌはつぼを火からあげると、中の芋と木の実を器に移した。ヴィヴィアンヌはほくほくと湯気の立つ芋をスプーンで割り、一口程度の大きさに崩す。
「騎士さま、はい。あーん」
ヴィヴィアンヌはそれをすくい上げ、オリヴィエの口元へと運んだ。オリヴィエはもう右手を自由に使えるため、左手はまだ動かせないため多少は手こずるが、その気になれば自分で食べられるだろう。
だが、オリヴィエはまったくその気にならなかった。ヴィヴィアンヌから差し出された芋を一口で口に含み、よく噛んで飲み込む。
「騎士さま、どう?」
「……素材の味が活きています」
雛鳥が親鳥から餌を待つように、オリヴィエは口を開いて次をせがんだ。笑顔でヴィヴィアンヌはスプーンを動かし、オリヴィエに餌づけを続ける。どれほどそれがまずかろうと、オリヴィエはこの食事の時間は幸せそうだった。
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