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本編
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「……ええっと、騎士さま?」
「はい」
悩んだ結果、ヴィヴィアンヌは姓も名もどちらも避けてオリヴィエを呼んだ。オリヴィエは気にした様子もなく、その呼びかけに応える。
「騎士さま……」
「……はい」
「……へへ、騎士さま!」
「……はい?」
だれかを呼んで返事があることがうれしくて、ヴィヴィアンヌはつい何度もオリヴィエを呼んだ。オリヴィエは戸惑いつつも律儀に返事をする。ヴィヴィアンヌの行動は奇怪に映ったが、あまりにもうれしそうに笑っているため悪い気はしてないようだ。
「……あの、ヴィヴィアンヌ?」
「あっ、ごめんなさい。騎士さま、崖から落ちたんだと思うけど……そもそも、どうしてこんなところにいるの?」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエがこの森にいることが不思議でならなかった。彼女は祖母から、森は魔女の森と呼ばれて恐れられているため人が入ってくることはめったにないと聞いていた。入ってきたとしても、ヴィヴィアンヌが住む小屋のある場所のような奥深くにまで入ってくることはないはずだとも。実際ヴィヴィアンヌの記憶にある限り、いままでこの森に人が現れたことは一度もなかった。
ヴィヴィアンヌがオリヴィエを見つけた崖は、小屋からそう離れていない。つまり、その崖は十分に森の奥深くであった。外の人々が恐れる森に、オリヴィエはなんの目的があって足を踏み入れたのか。
「……崖の上に、洞窟があるのは知っていますか?」
「洞窟……あっ」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエが指す洞窟のことをよく知っていた。そこはヴィヴィアンヌの祖母の母、つまり彼女にとっての曽祖母がすみかとしていた場所だった。
「そこを、調査するためです」
「えっ、どうしてあんなところに? だって、あそこは……」
ヴィヴィアンヌは曽祖母のすみかなのにと言いかけたが、なんとか飲み込んだ。その様子に、オリヴィエはヴィヴィアンヌが彼の知っている情報を知っている上で止めようとしたと勘違いしたようで、静かに首を横に振る。
「……大切な方をお救いするため、どうしても必要なのです」
「大切な?」
「とても、大切な……」
オリヴィエの切実な声音にヴィヴィアンヌは口をつぐんだ。苦しそうな表情から、ヴィヴィアンヌはなにか尋常ではない事情があるのだと察する。
(……見られて困るようなものはないよね、たぶん。ひいおばあちゃんのことだから、ちゃんと侵入者対策しているだろうし……あっ、まさか……)
そこでヴィヴィアンヌはオリヴィエのけがの原因が思い当たった。ヴィヴィアンヌは恐る恐るその考えを口にする。
「……もしかして、崖から落ちたのは……洞窟に入ったから?」
「……そう、ですね」
そのときのことを思い出したのか、苦々しい表情でオリヴィエはうなずく。洞窟には無理に入ろうとした者を吹き飛ばす魔法が仕掛けられていた。オリヴィエのけがの原因が自分の身内の魔法によるものだと知って、ヴィヴィアンヌは気まずくなる。
「……あのう、騎士さま。あそこに入るのは、もう止めたほうが……」
「いえ、そうはいきません。私は、まだなにも得られていない……!」
そう言って身を起こそうとしたオリヴィエをヴィヴィアンヌが慌てて止めた。片足に、さらに両腕に大けがを負った状態で、森の中を思うように歩けるはずがない。仮に洞窟までたどり着けたとしても、こんな状態ではまたひどい目にあうことは目に見えている。ヴィヴィアンヌとしても身内の魔法で人が傷つくことは望ましくなかった。
「でも……うーん。私、この森で生まれ育ったの。だから言うけど……その足と腕で森を歩き回るのはあぶないと思うの」
「それは……」
「それに、そんな状態だとなにもできないんじゃないかなあ」
オリヴィエも自覚があるようで、ヴィヴィアンヌの言葉に口を閉ざした。洞窟にたどり着いた時点で慣れない森の探索や魔物との遭遇で体力を消耗し、万全の状態で臨んだとは言えない。いまはそのときよりは悪い状態だ。一度調査に失敗しているというのに、なんの対策もなくさらに悪い状態で再び挑もうとするのは愚かでしかない。
「……君の、言うとおりです」
オリヴィエは表情を暗くし、ヴィヴィアンヌから顔をそらす。目に見えて落ち込んでしまったオリヴィエの様子にヴィヴィアンヌは慌てた。
「あ、ええっと……あの、騎士さま、一度森を出て、ちゃんとした治療受けたほうがいいかも?」
「……そうでしょうね……」
「だよねっ……あっ」
ヴィヴィアンヌは言ってみたものの、状態からしてオリヴィエ一人では森を出ることすらままならないことに気づく。
(魔法を使うところ、見られるわけにはいかないし……)
ヴィヴィアンヌが手を貸したとしても、非力な彼女が魔法を使わずにオリヴィエの体を支えて森を長時間歩くことは難しい。ヴィヴィアンヌは少し悩んだ後、オリヴィエに一つ提案をした。
「……騎士さま。せめて歩けるようになるまでは、ここで体を休めていかない?」
オリヴィエはヴィヴィアンヌの提案に目を丸くした。願ってもない提案だが、ヴィヴィアンヌにはなんの利もないように思えるからだ。
「……それはありがたいですが……ヴィヴィアンヌの迷惑になりませんか?」
「ええっ、迷惑だと思うなら最初から言わないよ!」
そう言って笑ったヴィヴィアンヌにオリヴィエは戸惑う。ヴィヴィアンヌはオリヴィエがなにを気にしているのかわからずに首をかしげた。その様子からヴィヴィアンヌにはなんの打算もないことが察せられて、オリヴィエはさらに悩む。
「あれ。騎士さま、なにか気になることあるの?」
「いえ……君になにも礼ができずに、負担だけをかけるわけには……」
「礼? ……そうだ、それなら」
ぱっと目を輝かせたヴィヴィアンヌは胸元で両手を合わせた。ヴィヴィアンヌはオリヴィエになにかを求めるつもりはなかったが、それを気にするならばとお願いごとを思いつく。
「私、騎士さまに興味があるの!」
「……私に?」
オリヴィエは僅かに警戒心を強め、眉をひそめた。最近、騎士であることでさまざまな問題に見舞われていたからだ。
騎士はだれでもなれるものでない。剣術に馬術といった身体能力は当然のこと、その上で学も必要だ。困難な道のりを経て騎士となれば、名誉とそれなりの地位が約束されている。そのため騎士を目指すものは多く、また騎士に近づいて甘い汁を吸おうとするものも少なくない。
オリヴィエは騎士になってから、彼の地位を狙って騒ぎ立てられたりだまされたりと、さまざまなことで散々悩まされて続けていた。相手が女性ならば、交際や婚姻を迫られることもあった。
「……言っておきますが、私はだれともおつき合いする気も、結婚するつもりもありません」
オリヴィエは命の恩人であるヴィヴィアンヌであっても、それだけは首を縦に振るつもりはなかった。ヴィヴィアンヌはそれにきょとんとした表情で首をかしげる。
「オツキアイ? ケッコン? なに、それ?」
「えっ」
しかしヴィヴィアンヌから思ってもみない答えが返ってきて、オリヴィエは間抜けな声を漏らし、口をぽかんと開いて固まった。ヴィヴィアンヌはオリヴィエの様子にますます不思議そうに眉をひそめる。
「よくわからないけど……そんなのは、別にいいの!」
「……そんなの」
自分との交際や婚姻がそんなの扱いされて、オリヴィエは呆気に取られて復唱した。ヴィヴィアンヌはオリヴィエの様子などまったく気にせず、楽しそうに話を続ける。
「私、騎士さまのことが知りたいの!」
「へっ、あ……」
多少なりとも傷ついていたオリヴィエだったが、ヴィヴィアンヌのその言葉に単純にも持ち直した。
「そっ……そう、なのか……僕に……」
オリヴィエは騎士になるため、幼少の頃から努力を重ねてきた。重ねた結果、交友関係は狭く、特に女性とは関わり合いがなかった。女性に免疫がなく、だからこそ騙されたりもしたのだが。
「私のお父さんは、騎士さまだったって、おばあちゃんが言っていたの。だから、騎士さまってどんな人なのかなって」
「えっ、そっち!?」
「えっ、そっちって?」
「……っ……いや、なんでもない……です……」
うっかり勘違いしたオリヴィエは自意識過剰だったと、恥ずかしくなって顔を背けた。体が不自由なく動かせたなら、この場を走り去っていたかもしれない。ヴィヴィアンヌはオリヴィエの気持ちがまったくわからず、ただ首をかしげるしかなかった。
「はい」
悩んだ結果、ヴィヴィアンヌは姓も名もどちらも避けてオリヴィエを呼んだ。オリヴィエは気にした様子もなく、その呼びかけに応える。
「騎士さま……」
「……はい」
「……へへ、騎士さま!」
「……はい?」
だれかを呼んで返事があることがうれしくて、ヴィヴィアンヌはつい何度もオリヴィエを呼んだ。オリヴィエは戸惑いつつも律儀に返事をする。ヴィヴィアンヌの行動は奇怪に映ったが、あまりにもうれしそうに笑っているため悪い気はしてないようだ。
「……あの、ヴィヴィアンヌ?」
「あっ、ごめんなさい。騎士さま、崖から落ちたんだと思うけど……そもそも、どうしてこんなところにいるの?」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエがこの森にいることが不思議でならなかった。彼女は祖母から、森は魔女の森と呼ばれて恐れられているため人が入ってくることはめったにないと聞いていた。入ってきたとしても、ヴィヴィアンヌが住む小屋のある場所のような奥深くにまで入ってくることはないはずだとも。実際ヴィヴィアンヌの記憶にある限り、いままでこの森に人が現れたことは一度もなかった。
ヴィヴィアンヌがオリヴィエを見つけた崖は、小屋からそう離れていない。つまり、その崖は十分に森の奥深くであった。外の人々が恐れる森に、オリヴィエはなんの目的があって足を踏み入れたのか。
「……崖の上に、洞窟があるのは知っていますか?」
「洞窟……あっ」
ヴィヴィアンヌはオリヴィエが指す洞窟のことをよく知っていた。そこはヴィヴィアンヌの祖母の母、つまり彼女にとっての曽祖母がすみかとしていた場所だった。
「そこを、調査するためです」
「えっ、どうしてあんなところに? だって、あそこは……」
ヴィヴィアンヌは曽祖母のすみかなのにと言いかけたが、なんとか飲み込んだ。その様子に、オリヴィエはヴィヴィアンヌが彼の知っている情報を知っている上で止めようとしたと勘違いしたようで、静かに首を横に振る。
「……大切な方をお救いするため、どうしても必要なのです」
「大切な?」
「とても、大切な……」
オリヴィエの切実な声音にヴィヴィアンヌは口をつぐんだ。苦しそうな表情から、ヴィヴィアンヌはなにか尋常ではない事情があるのだと察する。
(……見られて困るようなものはないよね、たぶん。ひいおばあちゃんのことだから、ちゃんと侵入者対策しているだろうし……あっ、まさか……)
そこでヴィヴィアンヌはオリヴィエのけがの原因が思い当たった。ヴィヴィアンヌは恐る恐るその考えを口にする。
「……もしかして、崖から落ちたのは……洞窟に入ったから?」
「……そう、ですね」
そのときのことを思い出したのか、苦々しい表情でオリヴィエはうなずく。洞窟には無理に入ろうとした者を吹き飛ばす魔法が仕掛けられていた。オリヴィエのけがの原因が自分の身内の魔法によるものだと知って、ヴィヴィアンヌは気まずくなる。
「……あのう、騎士さま。あそこに入るのは、もう止めたほうが……」
「いえ、そうはいきません。私は、まだなにも得られていない……!」
そう言って身を起こそうとしたオリヴィエをヴィヴィアンヌが慌てて止めた。片足に、さらに両腕に大けがを負った状態で、森の中を思うように歩けるはずがない。仮に洞窟までたどり着けたとしても、こんな状態ではまたひどい目にあうことは目に見えている。ヴィヴィアンヌとしても身内の魔法で人が傷つくことは望ましくなかった。
「でも……うーん。私、この森で生まれ育ったの。だから言うけど……その足と腕で森を歩き回るのはあぶないと思うの」
「それは……」
「それに、そんな状態だとなにもできないんじゃないかなあ」
オリヴィエも自覚があるようで、ヴィヴィアンヌの言葉に口を閉ざした。洞窟にたどり着いた時点で慣れない森の探索や魔物との遭遇で体力を消耗し、万全の状態で臨んだとは言えない。いまはそのときよりは悪い状態だ。一度調査に失敗しているというのに、なんの対策もなくさらに悪い状態で再び挑もうとするのは愚かでしかない。
「……君の、言うとおりです」
オリヴィエは表情を暗くし、ヴィヴィアンヌから顔をそらす。目に見えて落ち込んでしまったオリヴィエの様子にヴィヴィアンヌは慌てた。
「あ、ええっと……あの、騎士さま、一度森を出て、ちゃんとした治療受けたほうがいいかも?」
「……そうでしょうね……」
「だよねっ……あっ」
ヴィヴィアンヌは言ってみたものの、状態からしてオリヴィエ一人では森を出ることすらままならないことに気づく。
(魔法を使うところ、見られるわけにはいかないし……)
ヴィヴィアンヌが手を貸したとしても、非力な彼女が魔法を使わずにオリヴィエの体を支えて森を長時間歩くことは難しい。ヴィヴィアンヌは少し悩んだ後、オリヴィエに一つ提案をした。
「……騎士さま。せめて歩けるようになるまでは、ここで体を休めていかない?」
オリヴィエはヴィヴィアンヌの提案に目を丸くした。願ってもない提案だが、ヴィヴィアンヌにはなんの利もないように思えるからだ。
「……それはありがたいですが……ヴィヴィアンヌの迷惑になりませんか?」
「ええっ、迷惑だと思うなら最初から言わないよ!」
そう言って笑ったヴィヴィアンヌにオリヴィエは戸惑う。ヴィヴィアンヌはオリヴィエがなにを気にしているのかわからずに首をかしげた。その様子からヴィヴィアンヌにはなんの打算もないことが察せられて、オリヴィエはさらに悩む。
「あれ。騎士さま、なにか気になることあるの?」
「いえ……君になにも礼ができずに、負担だけをかけるわけには……」
「礼? ……そうだ、それなら」
ぱっと目を輝かせたヴィヴィアンヌは胸元で両手を合わせた。ヴィヴィアンヌはオリヴィエになにかを求めるつもりはなかったが、それを気にするならばとお願いごとを思いつく。
「私、騎士さまに興味があるの!」
「……私に?」
オリヴィエは僅かに警戒心を強め、眉をひそめた。最近、騎士であることでさまざまな問題に見舞われていたからだ。
騎士はだれでもなれるものでない。剣術に馬術といった身体能力は当然のこと、その上で学も必要だ。困難な道のりを経て騎士となれば、名誉とそれなりの地位が約束されている。そのため騎士を目指すものは多く、また騎士に近づいて甘い汁を吸おうとするものも少なくない。
オリヴィエは騎士になってから、彼の地位を狙って騒ぎ立てられたりだまされたりと、さまざまなことで散々悩まされて続けていた。相手が女性ならば、交際や婚姻を迫られることもあった。
「……言っておきますが、私はだれともおつき合いする気も、結婚するつもりもありません」
オリヴィエは命の恩人であるヴィヴィアンヌであっても、それだけは首を縦に振るつもりはなかった。ヴィヴィアンヌはそれにきょとんとした表情で首をかしげる。
「オツキアイ? ケッコン? なに、それ?」
「えっ」
しかしヴィヴィアンヌから思ってもみない答えが返ってきて、オリヴィエは間抜けな声を漏らし、口をぽかんと開いて固まった。ヴィヴィアンヌはオリヴィエの様子にますます不思議そうに眉をひそめる。
「よくわからないけど……そんなのは、別にいいの!」
「……そんなの」
自分との交際や婚姻がそんなの扱いされて、オリヴィエは呆気に取られて復唱した。ヴィヴィアンヌはオリヴィエの様子などまったく気にせず、楽しそうに話を続ける。
「私、騎士さまのことが知りたいの!」
「へっ、あ……」
多少なりとも傷ついていたオリヴィエだったが、ヴィヴィアンヌのその言葉に単純にも持ち直した。
「そっ……そう、なのか……僕に……」
オリヴィエは騎士になるため、幼少の頃から努力を重ねてきた。重ねた結果、交友関係は狭く、特に女性とは関わり合いがなかった。女性に免疫がなく、だからこそ騙されたりもしたのだが。
「私のお父さんは、騎士さまだったって、おばあちゃんが言っていたの。だから、騎士さまってどんな人なのかなって」
「えっ、そっち!?」
「えっ、そっちって?」
「……っ……いや、なんでもない……です……」
うっかり勘違いしたオリヴィエは自意識過剰だったと、恥ずかしくなって顔を背けた。体が不自由なく動かせたなら、この場を走り去っていたかもしれない。ヴィヴィアンヌはオリヴィエの気持ちがまったくわからず、ただ首をかしげるしかなかった。
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