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本編
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エスガは顔を上げてレアケを見つめ、ゆっくりと口を開く。
「六年……俺には、長かったんだ」
「……エスガ」
「長くて……長くて、おかしくなりそうだった」
その目はまるで捨てられた子犬のように見えて、レアケはたまらない愛しさと憐憫を感じた。
六年前、エスガは涙を流しながら別れを拒み、けれどもレアケのためだと涙をのんで別れを受け入れた。彼が少年から青年へと成長する六年、それはレアケとともに過ごした時間よりも長い。望んでいなかった別れだからこそ辛く、苦しい六年だっただろう。
「魔女さま……レアケ……」
エスガは涙を一筋流す。別れの日の悲しみにあふれ出した涙ではなく、よろこびにあふれた涙を。レアケがその涙を拭うと、エスガはその手を取り唇を寄せた。
「好きだ。いままでずっと……これからも、ずっと。もう二度と離れない。どんなことがあっても、絶対に」
別れを受け入れた当時のエスガには力がなかった。魔女を救い出す力も、守る力も、抗う力も。あの日の悔しさを糧にして、この六年でエスガは力を得たのだろう。
きっと、力を得たエスガは二度と別れを受け入れることはない。この先、王がどのような決断を下したとしても。
「……ええ。離れないわ」
レアケがほほ笑んでうなずくと、エスガは奪うように口づける。そのまま深く口づけながら、ゆるゆると腰を動かし始めた。
「あ、ぁ……っ」
エスガに深く求められ、レアケは彼の背に手を這わせた。舌を絡ませ、体を揺さぶられ、全身に快感が響く。レアケはこれ以上ないほどの甘い幸福感に満たされていた。
「レアケ……っ」
エスガは上体を起こし、もっと奥深くまでつながろうとレアケの腰をつかむ。奥深くを穿たれ、レアケは背を反らして喘いだ。
「ぁん……っ」
エスガは腰をぐいぐいと押しつけ、剛直を最奥に擦りつける。レアケは両脚でエスガの腰を挟み込むと、体を震わせながら中を締めつけた。
「うあ……っ」
エスガは小さく喘ぎながらレアケの体を掻き抱く。レアケもエスガの背に腕を回し、二人はぴったりと体を寄せてしっかりと抱き合った。
「んっ、エスガ……あ、ぁ……っ」
「レアケ……っ」
レアケはそのまま絶頂を迎える。彼女の中は震え、果てを促すようにうねり、エスガを誘った。エスガはそれに逆らうことなく絶頂を迎えると、レアケの最奥に精を吐き出す。
「エスガ……あっ、……はぁ……っ」
「っ、レアケ……」
抱き合ったまま、絶頂の余韻にともにひたる。離れ離れになった時間を埋めようとするかのように、エスガはレアケを抱きしめたまま離さなかった。
窓の外はすっかり暗くなり、月明かりが部屋に差し込んでいる。レアケはエスガの腕に抱かれながら、彼の後ろに見える窓を眺めた。
「……レアケ、なにを見ているんだ?」
「外よ。夜もずいぶん更けたなって」
「ああ、えっと……ごめん」
あのまま盛り上がり、何度も体を重ねている内に深夜と言える時間となった。六年間積もりに積もったエスガの恋慕は歯止めを狂わせ、レアケが音を上げたことでようやく止まった。
「悪いと思うのなら、次からは加減してちょうだい」
「次……そうか、次があるのか……」
「エスガ……あのね……」
次があることを認識したエスガはにやけ、レアケはあきれたように目を細めてため息をつく。エスガは慌ててうなずき、次からは加減すると約束した。
「……まあいいわ。お陰で、今日はなにも考えずに眠れそうだし……ふあぁ……」
「うん。今日はもう、なにも考えずに眠ろう」
「人から言われると、なんだか考えちゃう」
「レアケ……」
「ふふ、ひねくれちゃっていてごめんね」
この夜が明けた後、どうなるのか。レアケの処遇は早々に下されるのかもしれないし、もっと後になるのかもしれない。どのような罰がくだされるのか、考えれば考えるほど不安になった。
「俺はこのまま、二人で逃げてもいい」
「……いいえ。地獄に堕ちる前に、償わないと」
契約の制限がなくなったレアケはその気になればいつでもここから逃れられる。この場に残っているのは、償いをしたいと望んでいるからだ。
「地獄に堕ちるときは、俺も一緒だ」
「なにを言っているの。エスガが地獄に堕ちることなんてないわ」
レアケは小さく笑うったが、エスガは不満そうな目を向けた。
「なんでレアケは自分が地獄に堕ちて、俺が堕ちないと思っているんだよ」
「私は直接的でなくとも間接的に多くの人を苦しめたし……きっと、命も奪ったわ」
レアケが力を利用された結果、悪政は続き、多くの人々が苦しみ、命が奪われた。それは地獄に堕ちるに値する罪だと思っている。
「俺だって……反乱勢力に加担して王族や腐った貴族どもを苦しめたし、死に追いやったやつもいた」
「それは……悪い人、でしょう?」
「善悪なんて、結局はだれかの主観じゃないか。相手からしたら、俺のほうが悪い人なんじゃないか」
「……私は、罪のない人を」
「さっきのレアケの言い分なら、命を奪うことは罪ってことなんだよな? まず、罪の定義が人間に対しての行いだけってことがおかしい。だれだって、生きるために動物なり植物なり、ほかの生物の命を奪っている。生きている限りほかの命を奪っているんだから、罪のない人なんていない。みんな等しく、地獄に堕ちるんだ」
「……エスガは、お口がとってもうまくなったのう」
「ふふん」
レアケはけっしてほめているわけではない。エスガもそれはわかっているだろうが、してやったといったように笑った。
「エスガったら……」
なにを言っても、エスガは地獄に堕ちる理由を見つけてくるだろう。レアケはおかしくなって笑った。
「ふふ……わかったわ。エスガ、一緒に地獄に堕ちましょう」
「ああ。俺のほうが早いだろうけど、レアケをずっと待っているからさ」
エスガは魔女ではなく、魔力量からしてこれからも魔女になる可能性も低い。故にエスガは老いて、いつか死ぬ。魔女とて不死ではないが、老いによる衰弱がないため、レアケは長く生きる。なにごともなければ、二人の死は遠く離れることになるだろう。
「エスガ、そのことなんだけれど……」
レアケは言葉を続けようとしたが、エスガの手が唇に押し当てられ、言葉を遮られた。エスガの眉根は寄せられ、表情はどこか苦しげに見える。
「レアケ。今日はこれ以上なにも考えず、眠ってしまおう」
エスガは彼だけが老い、レアケより先に死ぬことを理解している。理解しているからこそ、この話は苦しいのだろう。レアケはその苦しみを和らげたかったが、いまのエスガは聞く耳を持たないようだ。
「……おやすみ、レアケ」
エスガはレアケの唇に手を押し当てたまま、まぶたを落として拒絶する。レアケはエスガをじっと見つめたが、ややあって同じようにまぶたを落とし、眠りについた。
「六年……俺には、長かったんだ」
「……エスガ」
「長くて……長くて、おかしくなりそうだった」
その目はまるで捨てられた子犬のように見えて、レアケはたまらない愛しさと憐憫を感じた。
六年前、エスガは涙を流しながら別れを拒み、けれどもレアケのためだと涙をのんで別れを受け入れた。彼が少年から青年へと成長する六年、それはレアケとともに過ごした時間よりも長い。望んでいなかった別れだからこそ辛く、苦しい六年だっただろう。
「魔女さま……レアケ……」
エスガは涙を一筋流す。別れの日の悲しみにあふれ出した涙ではなく、よろこびにあふれた涙を。レアケがその涙を拭うと、エスガはその手を取り唇を寄せた。
「好きだ。いままでずっと……これからも、ずっと。もう二度と離れない。どんなことがあっても、絶対に」
別れを受け入れた当時のエスガには力がなかった。魔女を救い出す力も、守る力も、抗う力も。あの日の悔しさを糧にして、この六年でエスガは力を得たのだろう。
きっと、力を得たエスガは二度と別れを受け入れることはない。この先、王がどのような決断を下したとしても。
「……ええ。離れないわ」
レアケがほほ笑んでうなずくと、エスガは奪うように口づける。そのまま深く口づけながら、ゆるゆると腰を動かし始めた。
「あ、ぁ……っ」
エスガに深く求められ、レアケは彼の背に手を這わせた。舌を絡ませ、体を揺さぶられ、全身に快感が響く。レアケはこれ以上ないほどの甘い幸福感に満たされていた。
「レアケ……っ」
エスガは上体を起こし、もっと奥深くまでつながろうとレアケの腰をつかむ。奥深くを穿たれ、レアケは背を反らして喘いだ。
「ぁん……っ」
エスガは腰をぐいぐいと押しつけ、剛直を最奥に擦りつける。レアケは両脚でエスガの腰を挟み込むと、体を震わせながら中を締めつけた。
「うあ……っ」
エスガは小さく喘ぎながらレアケの体を掻き抱く。レアケもエスガの背に腕を回し、二人はぴったりと体を寄せてしっかりと抱き合った。
「んっ、エスガ……あ、ぁ……っ」
「レアケ……っ」
レアケはそのまま絶頂を迎える。彼女の中は震え、果てを促すようにうねり、エスガを誘った。エスガはそれに逆らうことなく絶頂を迎えると、レアケの最奥に精を吐き出す。
「エスガ……あっ、……はぁ……っ」
「っ、レアケ……」
抱き合ったまま、絶頂の余韻にともにひたる。離れ離れになった時間を埋めようとするかのように、エスガはレアケを抱きしめたまま離さなかった。
窓の外はすっかり暗くなり、月明かりが部屋に差し込んでいる。レアケはエスガの腕に抱かれながら、彼の後ろに見える窓を眺めた。
「……レアケ、なにを見ているんだ?」
「外よ。夜もずいぶん更けたなって」
「ああ、えっと……ごめん」
あのまま盛り上がり、何度も体を重ねている内に深夜と言える時間となった。六年間積もりに積もったエスガの恋慕は歯止めを狂わせ、レアケが音を上げたことでようやく止まった。
「悪いと思うのなら、次からは加減してちょうだい」
「次……そうか、次があるのか……」
「エスガ……あのね……」
次があることを認識したエスガはにやけ、レアケはあきれたように目を細めてため息をつく。エスガは慌ててうなずき、次からは加減すると約束した。
「……まあいいわ。お陰で、今日はなにも考えずに眠れそうだし……ふあぁ……」
「うん。今日はもう、なにも考えずに眠ろう」
「人から言われると、なんだか考えちゃう」
「レアケ……」
「ふふ、ひねくれちゃっていてごめんね」
この夜が明けた後、どうなるのか。レアケの処遇は早々に下されるのかもしれないし、もっと後になるのかもしれない。どのような罰がくだされるのか、考えれば考えるほど不安になった。
「俺はこのまま、二人で逃げてもいい」
「……いいえ。地獄に堕ちる前に、償わないと」
契約の制限がなくなったレアケはその気になればいつでもここから逃れられる。この場に残っているのは、償いをしたいと望んでいるからだ。
「地獄に堕ちるときは、俺も一緒だ」
「なにを言っているの。エスガが地獄に堕ちることなんてないわ」
レアケは小さく笑うったが、エスガは不満そうな目を向けた。
「なんでレアケは自分が地獄に堕ちて、俺が堕ちないと思っているんだよ」
「私は直接的でなくとも間接的に多くの人を苦しめたし……きっと、命も奪ったわ」
レアケが力を利用された結果、悪政は続き、多くの人々が苦しみ、命が奪われた。それは地獄に堕ちるに値する罪だと思っている。
「俺だって……反乱勢力に加担して王族や腐った貴族どもを苦しめたし、死に追いやったやつもいた」
「それは……悪い人、でしょう?」
「善悪なんて、結局はだれかの主観じゃないか。相手からしたら、俺のほうが悪い人なんじゃないか」
「……私は、罪のない人を」
「さっきのレアケの言い分なら、命を奪うことは罪ってことなんだよな? まず、罪の定義が人間に対しての行いだけってことがおかしい。だれだって、生きるために動物なり植物なり、ほかの生物の命を奪っている。生きている限りほかの命を奪っているんだから、罪のない人なんていない。みんな等しく、地獄に堕ちるんだ」
「……エスガは、お口がとってもうまくなったのう」
「ふふん」
レアケはけっしてほめているわけではない。エスガもそれはわかっているだろうが、してやったといったように笑った。
「エスガったら……」
なにを言っても、エスガは地獄に堕ちる理由を見つけてくるだろう。レアケはおかしくなって笑った。
「ふふ……わかったわ。エスガ、一緒に地獄に堕ちましょう」
「ああ。俺のほうが早いだろうけど、レアケをずっと待っているからさ」
エスガは魔女ではなく、魔力量からしてこれからも魔女になる可能性も低い。故にエスガは老いて、いつか死ぬ。魔女とて不死ではないが、老いによる衰弱がないため、レアケは長く生きる。なにごともなければ、二人の死は遠く離れることになるだろう。
「エスガ、そのことなんだけれど……」
レアケは言葉を続けようとしたが、エスガの手が唇に押し当てられ、言葉を遮られた。エスガの眉根は寄せられ、表情はどこか苦しげに見える。
「レアケ。今日はこれ以上なにも考えず、眠ってしまおう」
エスガは彼だけが老い、レアケより先に死ぬことを理解している。理解しているからこそ、この話は苦しいのだろう。レアケはその苦しみを和らげたかったが、いまのエスガは聞く耳を持たないようだ。
「……おやすみ、レアケ」
エスガはレアケの唇に手を押し当てたまま、まぶたを落として拒絶する。レアケはエスガをじっと見つめたが、ややあって同じようにまぶたを落とし、眠りについた。
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