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本編
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四十年。ずっと塔に閉じ込められ、望まぬことを強いられ続けた魔女はようやくその枷を解かれて自由になれた。レアケはエスガの胸に顔をうずめると、震える声で感謝を伝える。
「ありがとう、エスガ……あなたは、私の恩人だわ」
その言葉にエスガは少しうれしそうな表情を浮かべた。しかしはっとしたように口を開く。
「俺、恩人じゃなくて……魔女さまの生涯の伴侶になりたい」
レアケは顔を上げ、涙にぬれた目をしばたたかせた。しばらくしてくすりと笑うと、エスガへと手を伸ばしてその頬に触れる。
「……ふふ、大きく出たわね」
「俺はずっと、魔女さまとそうなりたいって思っていたんだから」
長い時間を生きるレアケにとってはたった数年でも、エスガにとっては長い数年だったのだろう。
「これだけじゃ……足りない」
一度体を繋げただけでは到底足りない。もう二度と離れることのないように、結びつきが欲しい。その言葉の意味を読み取り、レアケはほほ笑む。
「エスガ。私、あなたと結婚するわ」
「えっ!?」
「なに驚いているの? エスガが先に言ったんじゃない」
「そっ、そうだけどさ……!」
エスガはすぐに了承されるとは思っていなかったのだろう。レアケは彼の慌てる様子にくすくすと笑いながら、以前の言葉を口にした。
「すてきな紳士が迎えにきたら、よろこんでお嫁にいっちゃうかもって言っていたでしょう? ……いまのエスガは、紳士かどうかわからないけれどね」
「……魔女さまのお望みとあらば、それらしく振る舞いましょう」
「ふふ、そなたは切り替えうまいのう!」
「魔女さまも」
エスガは目が潤み、ごまかすように片手で顔を覆った。自分との結婚が泣くほどうれしいのかと思うと、レアケは悪い気はしなかった。
「魔女さま、本当にいいんだよな? やっぱり、なしだなんて言わないよな?」
「私は魔女よ、言葉を違えないわ。それに……私はあなたのこと、エスタのころから大好きだもの」
レアケは口が悪くて少し生意気な、かわいいエスタをずっとそばにおいておきたいと考えていたこともあった。一人の人間として、エスガに好意を抱いている。
「男としてはこれからだけれど……エスガが男だってことは……その、よくわかったから」
体を重ねたことで、レアケのエスガへの意識も多少変化していた。エスガはけっしてかわいい少女ではなく立派な男なのだと、しっかりと体で理解したのだから。
(あれって……あんなに好いものだったのね……)
レアケは顔を赤らめ、目をそらした。エスガはその言葉の意味がわからなかったようだが、ややあって理解できた彼は同じように顔を赤らめる。口元を片手で覆い、しばらく黙り込んでいたエスガは、ゆっくりと口を開いた。
「……もっと、ちゃんと男だとわかってもらうために、がんばるよ」
「えっ、あれ以上がんばることがあるの?」
「いや、俺……初めてだったから、その……未熟だろうし」
「……あれで?」
少なくとも、レアケには未熟だとは到底思えなかった。苦痛に塗れた記憶が塗りつぶされ、価値観が変わるほどのひとときだった。
「魔女さま、結構……好かった?」
「…………すごく、好かった……」
両頬を手で覆い、レアケは正直に答えた。契約に縛られた抵抗がなければ、より好いひとときが過ごせたかもしれないとすら思う。
「そっか……よかった」
「とっ、ところで、さっきだれと連絡をとっていたの?」
「え? ああ……」
レアケは尋ねてみたものの、だいたいの予想はついていた。並大抵の魔法使いでは及ばないほど立派な魔法使いになったエスガだが、自力だけでこの塔に忍びこむのは難しいだろう。警護がゆるいように思えるが、塔の周りには宮廷魔法使いの監視があった。
エスガは転移魔法を使ってここまでやってきたが、その魔力の動きを宮廷魔法使いに気づかれないはずがない。だというのにだれもやってこないことから、内通者がいると考えられた。
「連絡していたのは、反乱勢力の一人、エルフレズだ」
「エルフレズ? ……知らないわね」
「魔女さまは会ったことがないんじゃないかな。あっちは、魔女さまを知りたくて仕方がなかったみたいだけど」
エスガは一つため息をつくと、レアケにレゼの修道院へと逃された後のことを話す。あまりいい思い出ではないからか、その表情は暗かった。
あの日、エスガは修道院につくなりアニカを連れ出して逃げようとした。しかしアニカはそれを拒み、エスガに真実を話した。エルフレズはいつかエスガがアニカを迎えにくることを予想してすべてを仕組んでいたのだと。
エルフレズは王を守る魔女の情報を得るためにエスガを侍女として送り込んだ。不審に思われないために、エスガには情報を一切与えずに。
エスガはなにも知らぬまま侍女として勤め、エルフレズの予想通りに魔女に逃された。そして絶対に見捨てることはないだろうと踏んでいたアニカの元に、エスガが魔女の情報をもってやってきた、というわけだ。
「そりゃあそうかって感じだけど……俺、エルフレズに利用されていたんだ」
「ひどいわ、私のエスガを」
「なんだよ、それ。……ともかく、俺も色々考えて、エルフレズたちに条件つけて協力することにしたんだ」
エルフレズが属しているのは、いまの王権を覆そうと目論む反乱勢力だ。現王の兄、権力争いに敗れて姿を消した第一王子の第一子を抱えているらしい。
「俺は魔女さまの力を無力化し、王の護りを崩す。その後の魔女さまの身は俺がすべて預かるってことで話をつけた」
「……よく、話がついたわね」
「魔女さまに教わった魔法見せたら、俺の実力を信じてうなずいてくれたさ」
「いったい、なにを使ったの」
「ふふん、秘密」
彼らの最終目標は悪政を敷くいまの王から政権を奪取することだ。しかし、王を守る魔女の存在が最大の障害だった。だれもその存在を排する計略もなければ力もなく、打つ手なしで四十年の時が過ぎていた。
エスガは魔女が認める魔法使いの才と魔力を持ち、魔女から直接教えを受け、魔女を直接見聞きし知っている。そんな逸材が今後再び現れる可能性はきわめて低く、いま、その逸材を逃すわけにはいかない。エスガが多少無茶なことを言い出したとしても、彼らは受け入れざるを得ないだろう。
だが、エスガが求めるものは魔女の身柄のみ。それ以外のことは金も、地位も、名誉もなにも望まない。その程度のわがままなど、かわいいものだろう。
「ありがとう、エスガ……あなたは、私の恩人だわ」
その言葉にエスガは少しうれしそうな表情を浮かべた。しかしはっとしたように口を開く。
「俺、恩人じゃなくて……魔女さまの生涯の伴侶になりたい」
レアケは顔を上げ、涙にぬれた目をしばたたかせた。しばらくしてくすりと笑うと、エスガへと手を伸ばしてその頬に触れる。
「……ふふ、大きく出たわね」
「俺はずっと、魔女さまとそうなりたいって思っていたんだから」
長い時間を生きるレアケにとってはたった数年でも、エスガにとっては長い数年だったのだろう。
「これだけじゃ……足りない」
一度体を繋げただけでは到底足りない。もう二度と離れることのないように、結びつきが欲しい。その言葉の意味を読み取り、レアケはほほ笑む。
「エスガ。私、あなたと結婚するわ」
「えっ!?」
「なに驚いているの? エスガが先に言ったんじゃない」
「そっ、そうだけどさ……!」
エスガはすぐに了承されるとは思っていなかったのだろう。レアケは彼の慌てる様子にくすくすと笑いながら、以前の言葉を口にした。
「すてきな紳士が迎えにきたら、よろこんでお嫁にいっちゃうかもって言っていたでしょう? ……いまのエスガは、紳士かどうかわからないけれどね」
「……魔女さまのお望みとあらば、それらしく振る舞いましょう」
「ふふ、そなたは切り替えうまいのう!」
「魔女さまも」
エスガは目が潤み、ごまかすように片手で顔を覆った。自分との結婚が泣くほどうれしいのかと思うと、レアケは悪い気はしなかった。
「魔女さま、本当にいいんだよな? やっぱり、なしだなんて言わないよな?」
「私は魔女よ、言葉を違えないわ。それに……私はあなたのこと、エスタのころから大好きだもの」
レアケは口が悪くて少し生意気な、かわいいエスタをずっとそばにおいておきたいと考えていたこともあった。一人の人間として、エスガに好意を抱いている。
「男としてはこれからだけれど……エスガが男だってことは……その、よくわかったから」
体を重ねたことで、レアケのエスガへの意識も多少変化していた。エスガはけっしてかわいい少女ではなく立派な男なのだと、しっかりと体で理解したのだから。
(あれって……あんなに好いものだったのね……)
レアケは顔を赤らめ、目をそらした。エスガはその言葉の意味がわからなかったようだが、ややあって理解できた彼は同じように顔を赤らめる。口元を片手で覆い、しばらく黙り込んでいたエスガは、ゆっくりと口を開いた。
「……もっと、ちゃんと男だとわかってもらうために、がんばるよ」
「えっ、あれ以上がんばることがあるの?」
「いや、俺……初めてだったから、その……未熟だろうし」
「……あれで?」
少なくとも、レアケには未熟だとは到底思えなかった。苦痛に塗れた記憶が塗りつぶされ、価値観が変わるほどのひとときだった。
「魔女さま、結構……好かった?」
「…………すごく、好かった……」
両頬を手で覆い、レアケは正直に答えた。契約に縛られた抵抗がなければ、より好いひとときが過ごせたかもしれないとすら思う。
「そっか……よかった」
「とっ、ところで、さっきだれと連絡をとっていたの?」
「え? ああ……」
レアケは尋ねてみたものの、だいたいの予想はついていた。並大抵の魔法使いでは及ばないほど立派な魔法使いになったエスガだが、自力だけでこの塔に忍びこむのは難しいだろう。警護がゆるいように思えるが、塔の周りには宮廷魔法使いの監視があった。
エスガは転移魔法を使ってここまでやってきたが、その魔力の動きを宮廷魔法使いに気づかれないはずがない。だというのにだれもやってこないことから、内通者がいると考えられた。
「連絡していたのは、反乱勢力の一人、エルフレズだ」
「エルフレズ? ……知らないわね」
「魔女さまは会ったことがないんじゃないかな。あっちは、魔女さまを知りたくて仕方がなかったみたいだけど」
エスガは一つため息をつくと、レアケにレゼの修道院へと逃された後のことを話す。あまりいい思い出ではないからか、その表情は暗かった。
あの日、エスガは修道院につくなりアニカを連れ出して逃げようとした。しかしアニカはそれを拒み、エスガに真実を話した。エルフレズはいつかエスガがアニカを迎えにくることを予想してすべてを仕組んでいたのだと。
エルフレズは王を守る魔女の情報を得るためにエスガを侍女として送り込んだ。不審に思われないために、エスガには情報を一切与えずに。
エスガはなにも知らぬまま侍女として勤め、エルフレズの予想通りに魔女に逃された。そして絶対に見捨てることはないだろうと踏んでいたアニカの元に、エスガが魔女の情報をもってやってきた、というわけだ。
「そりゃあそうかって感じだけど……俺、エルフレズに利用されていたんだ」
「ひどいわ、私のエスガを」
「なんだよ、それ。……ともかく、俺も色々考えて、エルフレズたちに条件つけて協力することにしたんだ」
エルフレズが属しているのは、いまの王権を覆そうと目論む反乱勢力だ。現王の兄、権力争いに敗れて姿を消した第一王子の第一子を抱えているらしい。
「俺は魔女さまの力を無力化し、王の護りを崩す。その後の魔女さまの身は俺がすべて預かるってことで話をつけた」
「……よく、話がついたわね」
「魔女さまに教わった魔法見せたら、俺の実力を信じてうなずいてくれたさ」
「いったい、なにを使ったの」
「ふふん、秘密」
彼らの最終目標は悪政を敷くいまの王から政権を奪取することだ。しかし、王を守る魔女の存在が最大の障害だった。だれもその存在を排する計略もなければ力もなく、打つ手なしで四十年の時が過ぎていた。
エスガは魔女が認める魔法使いの才と魔力を持ち、魔女から直接教えを受け、魔女を直接見聞きし知っている。そんな逸材が今後再び現れる可能性はきわめて低く、いま、その逸材を逃すわけにはいかない。エスガが多少無茶なことを言い出したとしても、彼らは受け入れざるを得ないだろう。
だが、エスガが求めるものは魔女の身柄のみ。それ以外のことは金も、地位も、名誉もなにも望まない。その程度のわがままなど、かわいいものだろう。
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