27 / 68
26章
しおりを挟む
エクラトントビジューは名前とは逆に華やかさよりも、シンプルなデザインを中心としたアクセサリーが多かった
田中という名の店長は俺が入ってきた瞬間に安心したような顔をした
顔を見るだけで落ち着くような穏やかな顔をした人だった
「私、お客様を見る目には自信がありましてね」
代金は支払い済みだったようだが、そのまま受け取りに来ない客もたまにいるという
まぁ品物が品物ですし、ね
でもお客様はまたいらっしゃるだろうと思っていましたよ
と微笑む
俺は謝罪と簡単に俺の現状を説明した
と言っても俺は言葉足らずなため、結局ほとんど先輩たちに頼ってしまったけど
ただ、注文した商品は俺には思い出せなかった
田中は悩ましげな顔をしたあと、店の奥から小さなジュエリーボックスを持ってきた
サイズ的には指輪だろうか
俺はなんとなく開けられなくてその箱を見つめた
開けたら後戻り出来ないような気がした
後ろから小笠原先輩が静かに言った
「多分その箱はまだ開けない方がいいと思うわ」
「…」
先輩たちには中身が分かっているのだろう
俺にも、分からないわけじゃなかった
記憶がなかろうと、持っている情報を整理すれば川底の魚の影くらいおぼろげながらも仮説は立てられる
そしてそれは恐らく間違っていない
でも、それなら何故?
田中という名の店長は俺が入ってきた瞬間に安心したような顔をした
顔を見るだけで落ち着くような穏やかな顔をした人だった
「私、お客様を見る目には自信がありましてね」
代金は支払い済みだったようだが、そのまま受け取りに来ない客もたまにいるという
まぁ品物が品物ですし、ね
でもお客様はまたいらっしゃるだろうと思っていましたよ
と微笑む
俺は謝罪と簡単に俺の現状を説明した
と言っても俺は言葉足らずなため、結局ほとんど先輩たちに頼ってしまったけど
ただ、注文した商品は俺には思い出せなかった
田中は悩ましげな顔をしたあと、店の奥から小さなジュエリーボックスを持ってきた
サイズ的には指輪だろうか
俺はなんとなく開けられなくてその箱を見つめた
開けたら後戻り出来ないような気がした
後ろから小笠原先輩が静かに言った
「多分その箱はまだ開けない方がいいと思うわ」
「…」
先輩たちには中身が分かっているのだろう
俺にも、分からないわけじゃなかった
記憶がなかろうと、持っている情報を整理すれば川底の魚の影くらいおぼろげながらも仮説は立てられる
そしてそれは恐らく間違っていない
でも、それなら何故?
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
王太子殿下の執着が怖いので、とりあえず寝ます。【完結】
霙アルカ。
恋愛
王太子殿下がところ構わず愛を囁いてくるので困ってます。
辞めてと言っても辞めてくれないので、とりあえず寝ます。
王太子アスランは愛しいルディリアナに執着し、彼女を部屋に閉じ込めるが、アスランには他の女がいて、ルディリアナの心は壊れていく。
8月4日
完結しました。
【完結】記憶を失くした旦那さま
山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。
目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。
彼は愛しているのはリターナだと言った。
そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。
彼女があなたを思い出したから
MOMO-tank
恋愛
夫である国王エリオット様の元婚約者、フランチェスカ様が馬車の事故に遭った。
フランチェスカ様の夫である侯爵は亡くなり、彼女は記憶を取り戻した。
無くしていたあなたの記憶を・・・・・・。
エリオット様と結婚して三年目の出来事だった。
※設定はゆるいです。
※タグ追加しました。[離婚][ある意味ざまぁ]
※胸糞展開有ります。
ご注意下さい。
※ 作者の想像上のお話となります。
殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。
真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。
そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが…
7万文字くらいのお話です。
よろしくお願いいたしますm(__)m
愛する義兄に憎まれています
ミカン♬
恋愛
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。
義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。
許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。
2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。
ふわっと設定でサクっと終わります。
他サイトにも投稿。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる