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さらわれたミル
*中央水路*〈ショコラ〉2
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目が覚めると、そこはクルーザーのキャビンだった。
ただ、さっきまでとは違って涼しい空気が満ちている。
エアコンが動いているんだ。
魚の焼ける匂いが、鼻腔をくすぐる。あたしは、おもむろにベッドから起き上がった。半開きの扉を開けて調理場に入る。
「タルト」
調理場にいたのは、タルトだけだった。
「やあ。気が付いたかい。心配したんだよ」
「うん……ねえ、タルト。あれからどうなったの?ミルは……」
タルトは、しばらく言葉に詰まった。
「ねえ、タルト」
「連れて行かれた。あいつらに」
「そんな」
それからタルトは、ポツリポツリと経緯を話し出した。
岸辺で途方にくれているところへ、修理屋の船が通り掛かり、クルーザーまで乗せて行ってもらったこと。
クルーザーに戻るとミルがいなくなっていたこと。
そして、衛星軌道上にいる〈ネフェリット〉に、レイピア王女からの脅迫状が届いた事。それによれば、ミルを返して欲しければ〈天使の像〉を持って、明日の正午までに例の森に来いという事になっていた。
「でも、〈天使の像〉は〈ネフェリット〉に置いたままだよ」
「今夜、〈ネフェリット〉がこの真上を通った時に、大気圏突入カプセルで中央水路に落とす事になっている。もう自治政府と管理公社の許可も取った」
「でも、許可を取るにはカプセルの中身を言わないとならないんじゃないの?」
「大丈夫だよ。考古学調査のための、器材だって言ってあるから。もっとも、あの森の方へ行くと言ったら、ついでに調査してくれって頼まれたけどね」
「なんで?」
「あの森。地元の人達からは『帰らずの森』と言われて恐れられているらしい。入った者は二度と出てこない。自治政府は半年前に調査団を送り込んだけど、やはり誰も帰ってこなかった」
「ちょっと、大丈夫なの? あたし達だけで、そんな所に行って」
「そのための専門家に来てもらう」
「専門家って?」
「いいかい、あの場所で何かおかしな現象が起きているとしたら、こりゃあもうCFC船の積み荷以外に原因は有り得ない。と、なるとその大元の関係者って誰だ?」
「モル!!」
「そうだよ。だからあいつも〈天使の像〉と一緒にこっちに来てもらうことにした」
「でも、モルだって知らないみたいだったし……」
「いや。あいつ何か知ってるよ。知っててとぼけているんだ」
「そうかな……タ……タルト」
「なに?」
「お魚、焦げてる」
「わー!!」
夕食は甲板の上で取ることにした。昼とは打って変わって涼しくなっている。これが夜になると氷点下にまで下がるらしい。
「六時半には、カプセルが投下される」
ニジマスの塩焼きを、つつきながらタルトは言った。
「それを拾ったら、全力疾走して七時半にはアイデスの町に着けるはずだ。うまくすれば今夜はホテルで寝られる」
「明日はどうするの?」
「レンタカーを借りて森へ向かう。途中で道がなくなるから少し時間が掛かるが、一時間ほどで着くだろう」
「どうでもいいけど、故障しない車にしてよ。砂漠で立ち往生なんてヤダかんね」
「大丈夫だよ。今度は僕でも直せる車にしておく」
「だからあ! 最初から、直す必要のない車にするの!!」
食器を片付けた後、タルトは甲板でカプセルが投下されるのを待っていた。
「ねえタルト」
あたしは、パイプ椅子に腰掛けていたタルトの背後から声を掛けた。
「冷えるよ。中に入ってな」
そっけなく言い返されたにも関わらず、あたしはタルトの両肩に手を掛けた。
「あたしに、何か言うことない?」
「え? なにかあったっけ?」
「例えば、あたしのファーストキスの事」
言ったとたん、タルトは大いにうろたえた。
「い……いや、あれは……そんなつもりじゃ! ……その……あれはショコラを助けようと思ってやったことで……けっして、いやらしいつもりで……」
そこまで言ってタルトは気が付いた。
「なんで、知ってるんだ?」
「だって、一度溺れたあたしが生きてるって事は、当然誰かが人工呼吸したって事でしょ。時間的にみてタルトしかありえないもん」
本当は幽体離脱して全部見ていたんだけど、それは言わないでおく。
「すまん。あれしか方法なかったんだ」
「なんで、謝るの? タルトはあたしを助けようとしたんでしょ?」
「怒ってないの? 大事なファーストキスなのに」
「うん」タルトだからいい……とは言えなかった。「タルトの方こそ、こんな事をミルに知られたくないんじゃないの?」
タルトは、怒濤の如く汗をかきまくった。
「な……なんの……ことかな?」
「タルト……まさかと思うけど、バレてない思ってたの? ミルを好きな事」
「ひょっとして………バレバレだった?」
「かなり……あたしもモンブランも知ってた。気が付いてないのはミルぐらいだよ」
実際、タルトってミルの事が絡むと、冷静じゃなくなる事があるからね。
「しっかしさあ、前から聞きたかったんだけど、ミルなんかのどこに惚れたの? そりゃあ、人並み以上の美人だというのは認めるけど、タルトより十も年上だよ。タルトなら、もっと若くて綺麗な娘と付き合った方が、お似合いだと思うけど」
「言って置くけど、僕はミルさんが美人だから惚れたんじゃなくて、僕が惚れたミルさんが、たまたま美人だったってだけだよ」
「だから、なんで惚れたわけ? 始めて会った女に」
「ああ! ショコラには話してなかったっけ。ミルさんが、僕の親父の教え子だって事は知ってるよね」
「うん」
「ミルさんが学生の頃、よく僕の家へ来たんだよ。なんか、親父の研究を手伝いに来てたらしいけど、手の開いてる時に、僕と遊んでくれたり、勉強教えてもらったり、喧嘩の仕方を教えてもらったりしていたんだ」
「ひょっとして、初恋だった?」
「そうかもしれない。とにかくあの頃はミルさんが来るのが楽しみだったんだ。ところが、ある日を境にミルさんは来なくなった」
「つまり、大学を卒業した日ね。ミルは飛び級だったから、卒業した時は二十歳だったわね。タルトはその頃十才じゃない。その頃から、ずっと思い続けてたわけ?」
「というか、その頃は憧れみたいなものだったんだよなあ。それが、一年前にたまたま再会して改めて惚れ直したってところかな。実を言うと、大学を休学しているのも『講義が面白くない』というのは建て前で、本当はミルさんの近くにいたかったからなんだ」
「もったいないなあ。せっかく、大学に入ったのに」
「なあに、来年には通学制から通信制に切り替えて復学するさ」
「でもさ、そうまでして近付いたのに、なんで告白しないの?」
「なんでかなあ。臆病というのもあるけど、なんか今のまま状態を、壊したくないって思いもあるからかな。実の言うと今の生活がけっこう気に入ってるんだよ。告白したら、それが壊れてしまうような気がしてさ」
「それって、ふられるのが怖いって事?」
「それもあるけど、逆にラブラブになったとしても、今まで通りには、いかないような気がするんだよ」
「そんなものかな? あ! 流れ星」
あたしが指差した先に、長く尾を引く流れ星があった。
「いかん! 願い事を、ミルさんとラブラブ。ミルさんとラブラブ。ミルさんとラブラブ」
とかなんとか言って、結局望みはそれかあい! と、内心叫びつつ、あたしもタルトとラブラブを三回唱えてたりして……
それにしても、しつこい流れ星ね。
これなら、消える前もう一つぐらい願い事が……これって、流れ星じゃなくて……
「タルト! 今何時!?」
「六時半。……しまった! あれは大気圏突入カプセルだ」
タルトはブリッジに上がり舵を握った。
「ショコラ! 落下予想地点は?」
「待って!」
あたしはパソコンに必要なデータを入力した。
「現地点から東へ七キロ行ったところよ。時間は三十秒後」
「ラジャー」
ただ、さっきまでとは違って涼しい空気が満ちている。
エアコンが動いているんだ。
魚の焼ける匂いが、鼻腔をくすぐる。あたしは、おもむろにベッドから起き上がった。半開きの扉を開けて調理場に入る。
「タルト」
調理場にいたのは、タルトだけだった。
「やあ。気が付いたかい。心配したんだよ」
「うん……ねえ、タルト。あれからどうなったの?ミルは……」
タルトは、しばらく言葉に詰まった。
「ねえ、タルト」
「連れて行かれた。あいつらに」
「そんな」
それからタルトは、ポツリポツリと経緯を話し出した。
岸辺で途方にくれているところへ、修理屋の船が通り掛かり、クルーザーまで乗せて行ってもらったこと。
クルーザーに戻るとミルがいなくなっていたこと。
そして、衛星軌道上にいる〈ネフェリット〉に、レイピア王女からの脅迫状が届いた事。それによれば、ミルを返して欲しければ〈天使の像〉を持って、明日の正午までに例の森に来いという事になっていた。
「でも、〈天使の像〉は〈ネフェリット〉に置いたままだよ」
「今夜、〈ネフェリット〉がこの真上を通った時に、大気圏突入カプセルで中央水路に落とす事になっている。もう自治政府と管理公社の許可も取った」
「でも、許可を取るにはカプセルの中身を言わないとならないんじゃないの?」
「大丈夫だよ。考古学調査のための、器材だって言ってあるから。もっとも、あの森の方へ行くと言ったら、ついでに調査してくれって頼まれたけどね」
「なんで?」
「あの森。地元の人達からは『帰らずの森』と言われて恐れられているらしい。入った者は二度と出てこない。自治政府は半年前に調査団を送り込んだけど、やはり誰も帰ってこなかった」
「ちょっと、大丈夫なの? あたし達だけで、そんな所に行って」
「そのための専門家に来てもらう」
「専門家って?」
「いいかい、あの場所で何かおかしな現象が起きているとしたら、こりゃあもうCFC船の積み荷以外に原因は有り得ない。と、なるとその大元の関係者って誰だ?」
「モル!!」
「そうだよ。だからあいつも〈天使の像〉と一緒にこっちに来てもらうことにした」
「でも、モルだって知らないみたいだったし……」
「いや。あいつ何か知ってるよ。知っててとぼけているんだ」
「そうかな……タ……タルト」
「なに?」
「お魚、焦げてる」
「わー!!」
夕食は甲板の上で取ることにした。昼とは打って変わって涼しくなっている。これが夜になると氷点下にまで下がるらしい。
「六時半には、カプセルが投下される」
ニジマスの塩焼きを、つつきながらタルトは言った。
「それを拾ったら、全力疾走して七時半にはアイデスの町に着けるはずだ。うまくすれば今夜はホテルで寝られる」
「明日はどうするの?」
「レンタカーを借りて森へ向かう。途中で道がなくなるから少し時間が掛かるが、一時間ほどで着くだろう」
「どうでもいいけど、故障しない車にしてよ。砂漠で立ち往生なんてヤダかんね」
「大丈夫だよ。今度は僕でも直せる車にしておく」
「だからあ! 最初から、直す必要のない車にするの!!」
食器を片付けた後、タルトは甲板でカプセルが投下されるのを待っていた。
「ねえタルト」
あたしは、パイプ椅子に腰掛けていたタルトの背後から声を掛けた。
「冷えるよ。中に入ってな」
そっけなく言い返されたにも関わらず、あたしはタルトの両肩に手を掛けた。
「あたしに、何か言うことない?」
「え? なにかあったっけ?」
「例えば、あたしのファーストキスの事」
言ったとたん、タルトは大いにうろたえた。
「い……いや、あれは……そんなつもりじゃ! ……その……あれはショコラを助けようと思ってやったことで……けっして、いやらしいつもりで……」
そこまで言ってタルトは気が付いた。
「なんで、知ってるんだ?」
「だって、一度溺れたあたしが生きてるって事は、当然誰かが人工呼吸したって事でしょ。時間的にみてタルトしかありえないもん」
本当は幽体離脱して全部見ていたんだけど、それは言わないでおく。
「すまん。あれしか方法なかったんだ」
「なんで、謝るの? タルトはあたしを助けようとしたんでしょ?」
「怒ってないの? 大事なファーストキスなのに」
「うん」タルトだからいい……とは言えなかった。「タルトの方こそ、こんな事をミルに知られたくないんじゃないの?」
タルトは、怒濤の如く汗をかきまくった。
「な……なんの……ことかな?」
「タルト……まさかと思うけど、バレてない思ってたの? ミルを好きな事」
「ひょっとして………バレバレだった?」
「かなり……あたしもモンブランも知ってた。気が付いてないのはミルぐらいだよ」
実際、タルトってミルの事が絡むと、冷静じゃなくなる事があるからね。
「しっかしさあ、前から聞きたかったんだけど、ミルなんかのどこに惚れたの? そりゃあ、人並み以上の美人だというのは認めるけど、タルトより十も年上だよ。タルトなら、もっと若くて綺麗な娘と付き合った方が、お似合いだと思うけど」
「言って置くけど、僕はミルさんが美人だから惚れたんじゃなくて、僕が惚れたミルさんが、たまたま美人だったってだけだよ」
「だから、なんで惚れたわけ? 始めて会った女に」
「ああ! ショコラには話してなかったっけ。ミルさんが、僕の親父の教え子だって事は知ってるよね」
「うん」
「ミルさんが学生の頃、よく僕の家へ来たんだよ。なんか、親父の研究を手伝いに来てたらしいけど、手の開いてる時に、僕と遊んでくれたり、勉強教えてもらったり、喧嘩の仕方を教えてもらったりしていたんだ」
「ひょっとして、初恋だった?」
「そうかもしれない。とにかくあの頃はミルさんが来るのが楽しみだったんだ。ところが、ある日を境にミルさんは来なくなった」
「つまり、大学を卒業した日ね。ミルは飛び級だったから、卒業した時は二十歳だったわね。タルトはその頃十才じゃない。その頃から、ずっと思い続けてたわけ?」
「というか、その頃は憧れみたいなものだったんだよなあ。それが、一年前にたまたま再会して改めて惚れ直したってところかな。実を言うと、大学を休学しているのも『講義が面白くない』というのは建て前で、本当はミルさんの近くにいたかったからなんだ」
「もったいないなあ。せっかく、大学に入ったのに」
「なあに、来年には通学制から通信制に切り替えて復学するさ」
「でもさ、そうまでして近付いたのに、なんで告白しないの?」
「なんでかなあ。臆病というのもあるけど、なんか今のまま状態を、壊したくないって思いもあるからかな。実の言うと今の生活がけっこう気に入ってるんだよ。告白したら、それが壊れてしまうような気がしてさ」
「それって、ふられるのが怖いって事?」
「それもあるけど、逆にラブラブになったとしても、今まで通りには、いかないような気がするんだよ」
「そんなものかな? あ! 流れ星」
あたしが指差した先に、長く尾を引く流れ星があった。
「いかん! 願い事を、ミルさんとラブラブ。ミルさんとラブラブ。ミルさんとラブラブ」
とかなんとか言って、結局望みはそれかあい! と、内心叫びつつ、あたしもタルトとラブラブを三回唱えてたりして……
それにしても、しつこい流れ星ね。
これなら、消える前もう一つぐらい願い事が……これって、流れ星じゃなくて……
「タルト! 今何時!?」
「六時半。……しまった! あれは大気圏突入カプセルだ」
タルトはブリッジに上がり舵を握った。
「ショコラ! 落下予想地点は?」
「待って!」
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