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なんで、あんたがここにいる?
超光速船の死角
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*
一分後、ショコラは肩をいからせて、タルトの部屋を後にした。
部屋に残されたタルトは、顔一杯に落書きされていることにも気付かず、スヤスヤと寝息を立てている。
枕元のサボテンが苦笑するかのように、LEDを明滅せていた。
*
「反応がありました。しかし、力場障壁に阻まれて本体には達していません」
オペレーターの報告に、鬼頭は満足そうに頷いた。
「そうか。それで奴の前方に周り込めそうか?」
「ええ。このデータが本当なら今のところ奴等は、十G加速で航行中です。これ以上加速されたら、とても追いつけませんが、これならなんとか……」
「奴は、いつごろ光速を超える?」
「このままなら八時間後に……」
「そうか。それで、あれはまだ続いているか? 普通は十分で治まるはずだが」
「すでに、三十分以上続いています。もしかすると、時間圧縮フィールドの中に置いたことによって、このような影響が出たのでは」
「ふむ。原因は分からんが、この状況を逃す手はないな」
一分後、ショコラは肩をいからせて、タルトの部屋を後にした。
部屋に残されたタルトは、顔一杯に落書きされていることにも気付かず、スヤスヤと寝息を立てている。
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*
「反応がありました。しかし、力場障壁に阻まれて本体には達していません」
オペレーターの報告に、鬼頭は満足そうに頷いた。
「そうか。それで奴の前方に周り込めそうか?」
「ええ。このデータが本当なら今のところ奴等は、十G加速で航行中です。これ以上加速されたら、とても追いつけませんが、これならなんとか……」
「奴は、いつごろ光速を超える?」
「このままなら八時間後に……」
「そうか。それで、あれはまだ続いているか? 普通は十分で治まるはずだが」
「すでに、三十分以上続いています。もしかすると、時間圧縮フィールドの中に置いたことによって、このような影響が出たのでは」
「ふむ。原因は分からんが、この状況を逃す手はないな」
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