怪盗ミルフィーユ

津嶋朋靖(つしまともやす)

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なんで、あんたがここにいる?

*ネフェリット*〈ショコラ〉

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『では、〈ネフェリット〉の出港を許可します。こちらの提示した軌道に沿ってシャングリラを離れて下さい。良き航宙を』
  若い管制官のお兄さんに、ミルはウインクしながら答えた。
 「はい、はあ~い・〈ネフェリット〉了解。ほな、おおきに」
 『あ! 少々、お待ち下さい』
  通信を切ろうとしたミルの手が止まる。
 「なんや、にーちゃん。うちに惚れたか?」
 『い……いえ……そ……そうじゃなくて』
  もう、からかっちゃ、かわいそうでしょ。
  お兄さん真っ赤になってるじゃない。
 『航空宇宙保安庁からの通達です。近頃、ゲート付近で、海賊による被害が多発しています。十分にお気をつけ下さい』
 「海賊? そら物騒やわ」
 『現在、ゲート付近では〈シャングリラ〉〈エル・ドラド〉〈アガルタ〉三か国の巡視船が、交替で警戒しております。ゲート通過時は極力、巡視船と行動を共にして下さい』
  軌道管制センターとの交信を終え、〈ネフェリット〉は〈シャングリラ〉の衛星軌道を離れた。
  あたしとタルトが慌ただしく〈ネフェリット〉に戻ってから三十分と経っていない。まさに緊急発進になったわけだ。
 「しかし、うかつやったな。名刺にそないな仕掛けがあったなんて」
  念の為、あたし達が帰った後、弁護士達が置いてった名刺はすべて焼却処分した。
 「しかし、そのねえちゃん何者やったんや。二人とも、なんか手掛かりになること聞いてへんか?」
  あたし達は首を横に振った。少なくとも、警察ではないと言う事と〈天使の像〉を欲しがっていることだけは分かったけど、他には何も分かっていない。でも、〈天使の像〉が〈パイザ〉なら、あの女もやはり外宇宙へ行きたいのだろうか? 何のために……? やはり、あたし達と同じように外宇宙に、家族がいるのかしら?
 「でも」タルトはぽつりと言った。「あの女、どっかで見たような気がするんだよなあ」
 「どこで?」
 「ううん……思い出せない」
 「まあ、その事は今、考えてもしゃあないな。お宝を欲しがる奴はなんぼでもおるし、そのねえちゃんも、その中の一人ちゅうこっちゃ。今は、それより考えなならん事がある」
 「そうね」
  あたしは頷く。
 「まずは、これや」
  ミルが指差したディスプレーには、短い文章が載っていた。
 『瑤斗へ
 たった今、お父さんが亡くなりました。すぐに帰って来て下さい。
          母より      』
 「さっき、届いたメールや。これには『たった今』と書いてあるけど、知っての通り第一太陽系と第二太陽系の距離は五・八光日。電波が届くのに五・八日かかる。しかも、ネメシス系を覆っている球殻は、超長波からガンマー線に至まで全周波数の電磁波を吸収してまう。したがって、これは星系外の中継所を通って来たから、六日は経っているはずや。つまり、タルトのお父はんは、六日前にお亡くなりになった」
 「じゃ……じゃあ、あたし達が会ったタルトのお父さんは……誰なのよ!? まさか……幽霊なんて、言わないでよ」
  あたしは床にへたりこんだ。
 「まあ、まってよ。うちの親父なら、死んだふりして、こっちにやって来る事ぐらいやりかねないよ。いい年して、時々ガキみたいな事やるからなあ。あの人」
 「うちも、その事は考えたし、その方がうちとしても嬉しい。それに、昨日の教授はどう見ても生きていたし、ショコラとタルトが駐車場で見た幽霊がトリックの可能性はいくらでもある。しかし、うちはさっきコックピットの中で、先生の声を聞いたんや。しかも、すぐ側にいたモンブランには聞こえんかった」
 「ト……トリックよ。そんなの……」
 「念のために、あれからコックピット内を捜したけど、そないな仕掛けは、どこにもあらへんかった」
  シーン!
  リビングを重苦しい沈黙が覆った。
  ああ! 誰か何とか言ってよ。この、沈黙耐えられない!!
 あたしの願いも空しく、ミルもタルトも一言も口を利かない。
  モンブランは、まだコックピットから出てこないし……
「ニャー」
  代わりにペルシャ猫のパイが鳴いたけど、こういう時、猫の鳴き声は返って不気味ね。
 「でもさ」不意にタルトが口を開いた。「幽霊って物を持てるの?」
 「分からん。しかし、幽霊がいるとして、騒霊現象ポルターガイストなんてのが本当にあるとしたら、物を動かすぐらい分けないやろうな」
 「怪談話なんかで、幽霊が持ってきた品物が翌朝になったら、古びていたなんて事があるけど……あのカードは?」
 「そうやな」
  ミルは不意に胸のジッパーを降ろした。左右に割れたつなぎ服の襟の間に手を入れる。前を見るとタルトが目のやり場に困ってあさっての方向を向いていた。
 「あった!」ミルの手にカードが握られていた。「どう見ても新品やで。どこも古びてへん」
 「それで、中身は?」
  あたしは身を乗り出して尋ねる。
 「それは、さっき見た」
 「なんだったの?」
 「先生の研究記録や。それと簡単なメッセージ。おおまかに言うとな。先生はある研究をしとった。その研究に欠かせんオーパーツをうちに捜して欲しいちゅうこっちゃ」
 「まさかと思うけど」あたしはここで少し勿体を付けた。「そのオーパーツを、ミルに盗みだして欲しい、なんていう内容じゃないでしょうね?」
 「ブッ!」
  ミルは飲みかけの紅茶を吹き出した。
 「ど……どこから、そういう発想が出るんや?」
 「べつにぃ~。だだ、教授があの場所に現れたって事は、ミルが何をやってるか知ってるって事でしょ。だったら、そういう事を頼みに来たとしても、不思議じゃないと思って」
  あたしはジト目でミルを見つめた。
 「ちゃう! そういう話やない」
 「ほんとにぃ?」
 「ほんまや! ええか、二人とも『オフィーリアの船』を知っとるか?」
 「オフィーリアの船!? それって確か……」
  なんだったっけ? 聞き覚えがあるんたけど。
 「昔、天王星の衛星〈オフィーリア〉で見つかった船の事ですか?」
  そういえば子供の頃、『世界オーパーツ図鑑』で見たっけ。
  天王星の衛星〈オフィーリア〉で発見された古代の宇宙船。
  でも、その船は多くの謎を残したまま、発見半年後に姿を消した。
  突然、連絡を断った〈オフィーリア〉に救援隊が駆け付けた時には、発掘隊のメンバーは一人残らず惨殺され、古代の宇宙船は影も形もなかったという。
  あたし達、オーパーツハンターにとって古代の宇宙船なんて珍しいものではない。太陽系各地……いや、太陽の兄弟星〈ネメシス〉〈ツクヨミ〉〈ルシファー〉〈テスカポリトカ〉なども入れた五連星世界各地での惑星、衛星で見つかっている。
  だが、そこで出土する物は、すべて異星人アヌンナキ、あるいは彼等によって文明化された地球人の建造したものばかりであった。
  それ以外の者が建造した船は見つからなかった。
 唯一つの例外を除いて……
「その唯一つの例外というのが、二十一世紀末頃に発見されたオフィーリアの船や。その様式や構造、すべてに置いて、これまでアヌンナキが使こうとったものとは、まるっきり異質の物やった」
 「どんなところが違うの?」
 「まずは、推進機関や。アヌンナキの使っとった船……ヴィマーナは反動推進と慣性推進の併用式に対し、オフィーリアの船は完全慣性推進。エネルギーは、アヌンナキが対消滅機関を使っとったのに対し、オフィーリアの船は縮退炉を使っとった」
 「縮退炉って、マイクロ・ブラックホールに物を放りうこんで、エネルギーを取り出すっていうあれですか?」
 「そやそや。ほかにも、細かいところでもいろいろ違いがあるけど、何より違うのは、超光速航法。アヌンナキは光の速度を越えるのに、時間圧縮航法を使っとった。〈ネフェリット〉にもそれを参考にした機関が装備されとる。まあ、これは構造そのものが単純やさかい簡単に真似できたんやけど、知っての通り、こいつは貴重な数種類のEMを必要とするんや」
  それは、知っている。だってあたし達はそのEM製オーパーツを集めるために、怪盗ミルフィーユを二年間やっていたんだから。
  時間圧縮航法というのは簡単に言うと、船内・というか船の周りに周囲よりも時間の流れが速くなる領域・時間圧縮フィールドを発生させることによって、光の速度を越えようという、なんだか怪しげな技術だ。
  例えば、あたし達の船〈ネフェリット〉に装備された装置では、フィールド内の時間の流れを百倍にする事ができる。
  つまり、外の世界では一秒しか経っていないのに、〈ネフェリット〉では一分四十秒が経過している計算になるわけ。
  竜宮城の逆だ。
  すると、こんな事になる。
  本来、光のスピードは秒速三十万キロ。
  フィールド内でも、このスピードは当然変わらない。
  変わらないから、フィールド内では一分四十秒の間に三千万キロ進めるんだけど、フィールド外から観測すると、それが一秒間に起きてるわけだから、光は秒速三千万キロのスピードに見えるわけだ。
  つまり、見掛けの光速が速くなっちゃうの。
  だから、フィールドに包まれた〈ネフェリット〉が、秒速三千キロを超えると、フィールド外から見て〈ネフェリット〉は光速を超えてしまうわけだ。
  と言っても、〈ネフェリット〉から見れば、自分達が光速を超えたのではなく、外の世界の光速が遅くなったようにしか見えない。
  だから、この航法で恒星間旅行をやると、ウラシマ効果と逆の現象が起きちゃうのよ。例えば、地球を出発した宇宙船が時間圧縮航法を使って二百日後に帰ってきたら、船内では五十五年が経過していて、出発時に二十歳の青年だった航宙士が、七十五歳のお爺さんになっていたりするのよね。
  案外、玉手箱の正体って、この現象だったりして……
 でも、この問題を解決する方法がある。
  相対性理論でいう時間の遅れだ。
  宇宙船の速度が光速に近付けば、船内の時間経過が遅くなるという現象……俗に言うウラシマ効果は小学五年生の授業で習うからみんな知っていると思う。
  このウラシマ効果で、フィールドの時間加速を相殺しちゃえばいいのよ。確か、光速の九九・九九五パーセントまで達すれば、〈ネフェリット〉の中と外の時間経過はほとんど同じになるらしい。
  だけど、今の〈ネフェリット〉の性能では、光速の二十五パーセントが限界みたい。本格的に外宇宙に行くには、〈ネフェリット〉の改造が必要なのよね。
  ああ、それにしてもややっこしい。
  お願いだから、フィールドの原理なんて聞かないで。
  あたしにも、さっぱり分からないんだから。
  光の速度に近付いた宇宙船の中では時間の流れが遅くなるという現象は、相対性理論で説明付くけど、逆に時間が速くなるなんて事はまるっきり説明が付かないから、現在では物理学者達を大いに悩ませているのよ。
  そもそも、こんな現象が見つかったのもほとんど偶然なのよね。 二十一世紀の中頃に、土星の衛星〈タイタン〉で発掘された古代の船から外して来たEMでできてる部品を、元の状態に繋ぎ合わせ復元てみたら、こういうフィールドが発生すると言う事が分かったわけ。とにかく説明は付かないけど、一応危険はないみたいなので、取り敢えず光の速度を越えるのに利用しとこう、という事になったらしい。
 「それに対して、オフィーリアの船はワープを使っとった」
 「ワープって、昔のSFによく出てくる空間をねじ曲げてA点とB点をつなげると言うあれですか?」
 「そや。昔のSFアニメでは危険や危険や言いながらポンポン使っとるけど、実際これはメッチャ危険な技術でな、歴史上これの実験が行われたのは三例あるけど、どれも悲惨な結末に終わったという剣呑なシロモノや」
 「実際にあったの?」
 「あった。最初の一例は、元々はワープやのうて、軍艦をレーダーに映らなくする実験やった。第二次世界大戦中のアメリカでの事や。駆逐艦に強力な磁場を掛けてみたそうやけど、実験を始めてみると、駆逐艦は白い霧に包まれだした。そして、しばらくして駆逐艦はレーダーから消えた。そして、姿も消えた。揚げ句の果てに実体まで消えていた」
 「その後、どうなったの?」
 「しばらくして、駆逐艦は現れた。しかし、無事ではなかった。中の状態はそれこそお茶の間で言うのも、はばかられるほど惨い光景やった。大勢の乗組員が発狂してお亡くなりになり、生き残った者も、後遺症に悩まされた。その後遺症というのは普通の病気というものとちゃう。しばらく経ってから、その乗組員は人前で突然、姿が消えたり現れたりするんや。そして、消えたまま二度と戻ってこなかった人もいる」
 「その話、僕も聞いたことあります。確か、その時の駆逐艦の名が〈エルドリッジ〉」
 「そや、そんな名前やった。しかし、まあこの実験は別の目的でやった結果、偶然ワープしてしまったわけやけど、二例目は最初っからワープを目的としたものや。北米のニューヨーク州ロングアイランドに秘密の研究施設を造って、ワープ実験をやっとった組織があったんや。おおかた〈エルドリッジ〉事件を見た人が、この現象を使いこなして金儲けしようなんて、スケベ根性出したんやろう。これも最初はうまくいったように見えたんやけど、実験中に周囲に怪奇現象を起こしまくった揚げ句、一九八三年に大惨事を起こして実験は頓挫した」
 「怪奇現象って何があったの」
 「タルポイド現象や」
 「タルポイド!? 何、それ?」
 「簡単に言うと、人間の思考が物質化する現象やな」
 「そんな事ってあるの? それじゃあ『腹減った、パンが欲しい』なんて思うと、目の前にパッとパンが現れるとか」
 「まあ、そういう事らしい」
 「それじゃあ、まるで魔法じゃない」
 「そうやな。まあ、うちも難しい事は分からんが、ロングアイランドの施設では実験中に研究者が心の中で思い描いた物が出現するなんて事が頻繁にあったらしい。そして、最後には毛むくじゃらの化け物が現れたんや」
 「それでどうなったの?」
 「暴れまくる化け物を消すために、施設内の機械という機械をすべて破壊したそうや。おかげで、化け物は消えたけど、それ以来、ワープを研究する人はいなくなった」
 「だ……だけど……なんで、そんな事があるのよ」
 「そやな。……ここはネット検索した方が速いな」
  ミルはテーブルの下からコンソールを出して操作した。
  リビングのディスプレーに『検索中』の文字が表示される。
  やがて、コンピューターは検索を終えた。
  画像と音声で結果が出力される。
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