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事故物件2
樒の事情3
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私がロックさんから受け取ったものは、スマホだった。
「これは……幽霊が使えるスマホでは?」
「そうなんだ。こいつを閻魔庁へ送って解析してもらったところ、こいつは露ちゃんが悪霊化すると自動的にどこかへ送られる仕組みだったらしい」
「タンハーの手元に戻るのでは?」
「おそらく、そうだろう」
「露ちゃんが、真っ当に成仏した場合は?」
「その時は何も起きない。真っ当に成仏した場合の事を、考えていなかったようだな」
間抜けな奴。
「それでロックさん。私にどうしろと?」
「このスマホを、預かっていてほしい」
「なぜ?」
「樒ちゃんと優樹君は、飯島露と関わった。つまり、このスマホを持っていても、不自然ではない。そして君がこれを持っている事が分かれば、タンハーは取り返しにくるはずだ」
「タンハーをおびき出すという事? なんのために」
「奴らの、現世におけるアジトを探し出すためさ」
「という事は、このスマホには……」
「追跡装置が仕掛けてある」
「なるほど。しかし……アジトを探し出してどうするの?」
「奴らは現世に転生する時に、霊界からやっかいなモノを盗み出していてな。そいつを取り戻す必要があるのさ」
ロックさんの話では、ラーガ、アラティ、タンハーの三人娘が転生するときに、霊界の最下層(地獄のような世界)から多数の悪霊を連れ出したらしい。
三人娘は、その悪霊達を現世のどこかに隠し、時々人に憑依させては事件を起こしているそうだ。
「俺達は、ここ数年奴らの連れ出した悪霊の回収作業に忙しくてね。死神の正業である魂の送迎にも支障が出ているんだ」
「なるほど。でも、この前タンハーを捕まえるチャンスだったのに、なぜそうしなかったの?」
「できないんだよ」
「なんで?」
「これまでも、何度も奴らを現世で見つけたのだが、いつの間にか追跡を撒かれてしまうんだ」
どうやら、死神の追跡すら阻める結界を持っているようだ。
「それで、追跡装置の付いたスマホをタンハーに持たせて、アジトに案内させようというのね」
「そういう事だ。どうだろう? 引き受けてくれるかな? もちろん、報酬は払う」
「え!」
報酬! ああ! なんて心の躍る言葉!
正直言って、死神さんから報酬がいただけるなんて期待すらしていなかったけど……
「と言っても、人間界の現金は無理だ」
ですよね。
でも、ロックさんから前に、あらゆる霊的攻撃を防げる金剛杵をもらった事あるから、その類の物でも……
ん?
ロックさんは分厚い一冊の黒い本を差し出した。
え? これって、まさか! このノートに名前を書かれた人が、ああなっちゃうとかいう死神道具では?
いやいやいや! いくら私でも、それは遠慮したいわ!
「死神の仕事に協力してくれた人間に、供与が許されている物品や権限がこの本に載っている。この中から好きなのを選んでくれ」
あ! ギフトカタログでしたか。
てっきりデ○ノー○かと……
「いいわ。このスマホは私が預かっておきます」
「これは……幽霊が使えるスマホでは?」
「そうなんだ。こいつを閻魔庁へ送って解析してもらったところ、こいつは露ちゃんが悪霊化すると自動的にどこかへ送られる仕組みだったらしい」
「タンハーの手元に戻るのでは?」
「おそらく、そうだろう」
「露ちゃんが、真っ当に成仏した場合は?」
「その時は何も起きない。真っ当に成仏した場合の事を、考えていなかったようだな」
間抜けな奴。
「それでロックさん。私にどうしろと?」
「このスマホを、預かっていてほしい」
「なぜ?」
「樒ちゃんと優樹君は、飯島露と関わった。つまり、このスマホを持っていても、不自然ではない。そして君がこれを持っている事が分かれば、タンハーは取り返しにくるはずだ」
「タンハーをおびき出すという事? なんのために」
「奴らの、現世におけるアジトを探し出すためさ」
「という事は、このスマホには……」
「追跡装置が仕掛けてある」
「なるほど。しかし……アジトを探し出してどうするの?」
「奴らは現世に転生する時に、霊界からやっかいなモノを盗み出していてな。そいつを取り戻す必要があるのさ」
ロックさんの話では、ラーガ、アラティ、タンハーの三人娘が転生するときに、霊界の最下層(地獄のような世界)から多数の悪霊を連れ出したらしい。
三人娘は、その悪霊達を現世のどこかに隠し、時々人に憑依させては事件を起こしているそうだ。
「俺達は、ここ数年奴らの連れ出した悪霊の回収作業に忙しくてね。死神の正業である魂の送迎にも支障が出ているんだ」
「なるほど。でも、この前タンハーを捕まえるチャンスだったのに、なぜそうしなかったの?」
「できないんだよ」
「なんで?」
「これまでも、何度も奴らを現世で見つけたのだが、いつの間にか追跡を撒かれてしまうんだ」
どうやら、死神の追跡すら阻める結界を持っているようだ。
「それで、追跡装置の付いたスマホをタンハーに持たせて、アジトに案内させようというのね」
「そういう事だ。どうだろう? 引き受けてくれるかな? もちろん、報酬は払う」
「え!」
報酬! ああ! なんて心の躍る言葉!
正直言って、死神さんから報酬がいただけるなんて期待すらしていなかったけど……
「と言っても、人間界の現金は無理だ」
ですよね。
でも、ロックさんから前に、あらゆる霊的攻撃を防げる金剛杵をもらった事あるから、その類の物でも……
ん?
ロックさんは分厚い一冊の黒い本を差し出した。
え? これって、まさか! このノートに名前を書かれた人が、ああなっちゃうとかいう死神道具では?
いやいやいや! いくら私でも、それは遠慮したいわ!
「死神の仕事に協力してくれた人間に、供与が許されている物品や権限がこの本に載っている。この中から好きなのを選んでくれ」
あ! ギフトカタログでしたか。
てっきりデ○ノー○かと……
「いいわ。このスマホは私が預かっておきます」
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