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事故物件2
とうすればいいんだ?
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魔入さんは、両腕を前に突き出しながら僕の方へ歩み寄ってきた。
彼女の歩く速度は遅いが、高い塀に囲まれた庭の中で僕の逃げ場はない。
「いつから、魔入さんに憑依していた?」
そんな事を聞いたところで、悪霊が素直に答えるとは思えないが……
「さあて、いつからかしらね」
この様子だと、僕が到着する前から憑依していたようだな。
本性を隠していたのは、僕が警官といっしょにきたからだろう。
タンハーがバカな事をやらなければ、警官が来る事も……
待てよ!
タンハーは、なぜここに現れたのだ?
しかも、僕が奴のスマホを持っているこの時に……
もし、電話をかけてきた時点で、魔入さんが憑依されていたとしたなら……
「おまえの目的はなんだ?」
「ふふふふふ。私の目的は決まっているだろう、可愛い坊や。君の美味しい精気をいただきたいのさ」
「嘘だな」
「嘘? なぜ」
「精気なら誰でもいいはず。わざわざ僕を罠にはめる必要はない」
僕は懐からスマホを取り出した。
「おまえの目的はこれだな」
「それは!」
僕が出したのは、樒から預かってきたタンハーのスマホ。
魔入さんが僕に電話をかけてきた時点で憑依されていたのだとしたら、すべての説明が付く。
「おまえ、タンハーに操られているんだな。目的は、このスマホを奪い返す事」
そのために悪霊を魔入さんに憑依させて、僕にスマホを持ってこさせようとしたのか。
「私は別に操られてなどいない。タンハー様の指示には従っているけどね」
コントロールしているわけではないのか。
「ふふふ。さあ、どうするぞよ?」
背後からタンハーの声!?
振り返ると、地面から一メートルほどの高さで、幼女が宙に浮いていた。
もうパトカーから逃げ出してきたのか。
いや、自在に身体を霊体化できるあいつを逮捕するなんてそもそも不可能。
あいつは婦警さんをこの場所から引き離すために、わざと捕まったのだな。
「おまえ、社 優樹とか言ったな」
「僕の名前をどうやって調べた?」
「教えてなどやらぬわ。そんな事より、そのスマホを置いてこの場を立ち去れ。そうすれば、許してやらない事もないぞよ」
スマホは、元々こいつの物だから返すべきかもしれないが……
「イヤだと言ったら、どうする?」
こいつに返すと、また悪いことに使う。返すわけにはいかないな。
「スマホを返さなければ、この悪霊ショウブに、おまえを襲わせるぞ」
あの悪霊、ショウブという名か?
この家で亡くなった女性の名前は、北条菖蒲と資料に書いてあったが……
「ちょっと待て、タンハー。その人「ショウブ」というのか? アヤメさんじゃないのか?」
「え?」
タンハーはリュックからノートを取り出し、こっちに向かって広げた。
ノートには『菖蒲』と書かれている。
「これ『ショウブ』と読むのじゃろ?」
「まあ『ショウブ』と読まないこともないが、人の名前に使う時は普通『アヤメ』と読むぞ」
「そうなのか?」
タンハーは悪霊に問いかけた。
「タンハー様。何度も申しましたが私は『アヤメ』です。『ショウブ』と読むのはおやめ下さい」
「ううむ、そうだったのか。教えてくれてありがとう」
「いやいや、礼を言われるようなことでは。それでは先を急ぐので僕はこの辺で」
「うむ。達者でな」
僕はタンハーに手を振りながら門へと向かった。
なかなか心温まる光景である。
「あの、タンハー様」
悪霊アヤメがタンハーに問いかけるまでは……
「ん? なんじゃ?」
「あいつを帰してよかったのですか?」
「ハッ! こらあ! 待たんかーい!」
ちちい、気が付いたか。
ならば……
僕は退魔銃を魔入さんに向けた。これで魔入さんの身体から悪霊を追い出す。
魔入さんの身体に傷を付けるわけには行かないので、肌の露出しているところへは当てられない。
ジャケットで覆われている腹の辺りを狙った。
三発のBB弾はジャケットに当たって跳ね返る。
だけど……
「ふふふふふ。それでお終いかしら?」
利いてない!? なんで?
「きゃはは! 全然利いてないぞよ」
こうなったら……
僕は後を振り向き、退魔銃をタンハーに向けて構えた。
「ひょえ? わらわを撃つというのか?」
「撃たれたくなければ、あいつを僕に近づけるな!」
「ふん! そんな物はな」
タンハーの身体が発光した。霊体を肉体化したな。
「肉体になってしまえば、そんなもの利かないぞよ」
「そうだな」
僕は退魔銃をホルスターに戻すと、タンハーに飛びかかった。
「ひょえ? なにを? しまった! 肉体に戻ったわらわはただの幼児だった!」
タンハーを背後から右腕で押さえつけ、左手で退魔銃を頭に突きつけた。
「いいか、タンハー。霊体になる素振りを見せたら、すぐに退魔銃を撃つ」
「わかった。霊体にはならないぞよ」
よし!
僕は悪霊に憑依されている魔入さんの方を振り向いた。
「おい! 悪霊! これが見えるか?」
ううん……やっている事は完全に悪役だが……このさい仕方ないな。
「タンハー様を、人質にするというのか?」
「そうだ! 僕に近づくなよ。近づいたら……」
「タンハー様をどうするつもりだ?」
「タンハーを……」……ん? どうすればいいんだ?
こういう場合『人質を殺す』とか言うのだけど……できるわけないし……
どうすればいいんだ?
彼女の歩く速度は遅いが、高い塀に囲まれた庭の中で僕の逃げ場はない。
「いつから、魔入さんに憑依していた?」
そんな事を聞いたところで、悪霊が素直に答えるとは思えないが……
「さあて、いつからかしらね」
この様子だと、僕が到着する前から憑依していたようだな。
本性を隠していたのは、僕が警官といっしょにきたからだろう。
タンハーがバカな事をやらなければ、警官が来る事も……
待てよ!
タンハーは、なぜここに現れたのだ?
しかも、僕が奴のスマホを持っているこの時に……
もし、電話をかけてきた時点で、魔入さんが憑依されていたとしたなら……
「おまえの目的はなんだ?」
「ふふふふふ。私の目的は決まっているだろう、可愛い坊や。君の美味しい精気をいただきたいのさ」
「嘘だな」
「嘘? なぜ」
「精気なら誰でもいいはず。わざわざ僕を罠にはめる必要はない」
僕は懐からスマホを取り出した。
「おまえの目的はこれだな」
「それは!」
僕が出したのは、樒から預かってきたタンハーのスマホ。
魔入さんが僕に電話をかけてきた時点で憑依されていたのだとしたら、すべての説明が付く。
「おまえ、タンハーに操られているんだな。目的は、このスマホを奪い返す事」
そのために悪霊を魔入さんに憑依させて、僕にスマホを持ってこさせようとしたのか。
「私は別に操られてなどいない。タンハー様の指示には従っているけどね」
コントロールしているわけではないのか。
「ふふふ。さあ、どうするぞよ?」
背後からタンハーの声!?
振り返ると、地面から一メートルほどの高さで、幼女が宙に浮いていた。
もうパトカーから逃げ出してきたのか。
いや、自在に身体を霊体化できるあいつを逮捕するなんてそもそも不可能。
あいつは婦警さんをこの場所から引き離すために、わざと捕まったのだな。
「おまえ、社 優樹とか言ったな」
「僕の名前をどうやって調べた?」
「教えてなどやらぬわ。そんな事より、そのスマホを置いてこの場を立ち去れ。そうすれば、許してやらない事もないぞよ」
スマホは、元々こいつの物だから返すべきかもしれないが……
「イヤだと言ったら、どうする?」
こいつに返すと、また悪いことに使う。返すわけにはいかないな。
「スマホを返さなければ、この悪霊ショウブに、おまえを襲わせるぞ」
あの悪霊、ショウブという名か?
この家で亡くなった女性の名前は、北条菖蒲と資料に書いてあったが……
「ちょっと待て、タンハー。その人「ショウブ」というのか? アヤメさんじゃないのか?」
「え?」
タンハーはリュックからノートを取り出し、こっちに向かって広げた。
ノートには『菖蒲』と書かれている。
「これ『ショウブ』と読むのじゃろ?」
「まあ『ショウブ』と読まないこともないが、人の名前に使う時は普通『アヤメ』と読むぞ」
「そうなのか?」
タンハーは悪霊に問いかけた。
「タンハー様。何度も申しましたが私は『アヤメ』です。『ショウブ』と読むのはおやめ下さい」
「ううむ、そうだったのか。教えてくれてありがとう」
「いやいや、礼を言われるようなことでは。それでは先を急ぐので僕はこの辺で」
「うむ。達者でな」
僕はタンハーに手を振りながら門へと向かった。
なかなか心温まる光景である。
「あの、タンハー様」
悪霊アヤメがタンハーに問いかけるまでは……
「ん? なんじゃ?」
「あいつを帰してよかったのですか?」
「ハッ! こらあ! 待たんかーい!」
ちちい、気が付いたか。
ならば……
僕は退魔銃を魔入さんに向けた。これで魔入さんの身体から悪霊を追い出す。
魔入さんの身体に傷を付けるわけには行かないので、肌の露出しているところへは当てられない。
ジャケットで覆われている腹の辺りを狙った。
三発のBB弾はジャケットに当たって跳ね返る。
だけど……
「ふふふふふ。それでお終いかしら?」
利いてない!? なんで?
「きゃはは! 全然利いてないぞよ」
こうなったら……
僕は後を振り向き、退魔銃をタンハーに向けて構えた。
「ひょえ? わらわを撃つというのか?」
「撃たれたくなければ、あいつを僕に近づけるな!」
「ふん! そんな物はな」
タンハーの身体が発光した。霊体を肉体化したな。
「肉体になってしまえば、そんなもの利かないぞよ」
「そうだな」
僕は退魔銃をホルスターに戻すと、タンハーに飛びかかった。
「ひょえ? なにを? しまった! 肉体に戻ったわらわはただの幼児だった!」
タンハーを背後から右腕で押さえつけ、左手で退魔銃を頭に突きつけた。
「いいか、タンハー。霊体になる素振りを見せたら、すぐに退魔銃を撃つ」
「わかった。霊体にはならないぞよ」
よし!
僕は悪霊に憑依されている魔入さんの方を振り向いた。
「おい! 悪霊! これが見えるか?」
ううん……やっている事は完全に悪役だが……このさい仕方ないな。
「タンハー様を、人質にするというのか?」
「そうだ! 僕に近づくなよ。近づいたら……」
「タンハー様をどうするつもりだ?」
「タンハーを……」……ん? どうすればいいんだ?
こういう場合『人質を殺す』とか言うのだけど……できるわけないし……
どうすればいいんだ?
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