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事故物件2
ファミレス1
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なんでこんな事に……
と、僕が内心呟いたのは、学校近くのファミレスでの事……
学校帰り、樒と一緒に魔入さんからここに呼び出された僕は、テレビの仕事をまた引き受けてしまった。
いや、最初は断るつもりでいたのだが……
「ええ! 断るの? 困ったわ。君が出演してくれないと、私はディレクターに怒られちゃうの」
「そうですか」
んなの、知ったこっちゃない。
「君のおかげで、視聴率も上がったのに……」
「そうですか」
だから、知ったこっちゃない。
「出演してくれたら、ギャラもはずむわよ」
それを聞いた途端、僕の横でコーラを飲んでいた樒がテーブルの上に身を乗り出す。
「本当(マジ)すか!?」
「こらこら!」
「だって優樹。これは不正請求じゃないわよ」
「いや樒。僕たちが受け取っていい報酬は、あくまでも霊能者協会で決められた金額で……それに僕は、この仕事を引き受ける気はありません」
そう言った途端、魔入さんはテーブルに身を乗り出して僕の右手を掴んできた。
「ねえ。そんな事言わないで」
「ちょっ! 手を離して下さい」
パシ!
突然、誰かが魔入さんの手を扇子で叩いた。
叩いた人は……
「誰ですか? あなた」
魔入さんは、扇子を手にしている背の高い目つきの鋭い二十代後半ぐらいの女性を睨みつける。
「あなたこそ誰ですか? うちの生徒の手を握りしめたりして」
「え? 生徒?」
魔入さんは、僕たちの方を振り向く。
「先生なの?」
僕と樒は、それに対して無言で頷いた。
しかし、なぜ氷室先生がこんなところに?
「氷室先生。私と優樹の後をつけてきたのですか?」
樒の質問に氷室先生は首を横にふる。
「そんなわけないでしょう。たまたま食事に入っただけです」
そうだよ。偶然だよ。先生がそんなストーカーみたいな事するわけないじゃん。
「そうしたら、社君の手を握りしめている女がいるではないですか」
そう言って先生は、魔入さんを睨みつける。
「あなた分かっているのですか? 未成年者に手を出したら……」
「ち……違います! 私はけっしていかがわしい事をしていた分けではなくて……私、こういう者です」
魔入さんが差し出した名刺を先生は受け取った。
「オカルト芸人、六道魔入? ああ! 先日お電話でお話した方ですね」
「え? ああ! あの時、電話でお話した先生でしたか。あの後、電話を代わったプロデューサーが震え上がって……」
「人聞きの悪い事を……生徒に誤解されるでしょ」
先生は僕の方を振り向く。
「社君。私は法的な話をしただけですからね。別に脅迫するような事を言ったわけじゃないですから」
もちろん分かっています。
「脅迫するような事を言ったんだ」
樒! 失礼な事を呟くな! 優しい先生が、そんな事をするはずないだろう。
「それで、三人で集まって何を話していたのですか? ひょっとして、次の番組の打ち合わせ?」
「ええ。実はそうなのです」
「まあ! それは楽しみですね」
え? 楽しみって……
「あの……先生。もしかして、先週の放送見たのですか?」
「ええ。見たわよ。あの美少女霊能者って、社君でしょ」
「ち……ち……違います! あれは、全然知らない人で……ホクロだって消えて……」
「ホクロ? ああ! メイクで消したのね。でも、君だって一発で分かったわよ」
もうやだ! 恥ずかしい! 死にたい!
「先生よく分かりましたね。幼なじみの私が見ても、なかなか優樹だと分からなかったのに」
樒のセリフ訂正。幼なじみ× 腐れ縁○
「そりゃあ教師ですから」
「授業中に、隠し撮りした優樹の顔を、毎日眺めていたのですね」
「人聞きの悪い! 私はそんな変態な事……」
そうだ! 氷室先生がそんな事をするはずがない!
と、僕が内心呟いたのは、学校近くのファミレスでの事……
学校帰り、樒と一緒に魔入さんからここに呼び出された僕は、テレビの仕事をまた引き受けてしまった。
いや、最初は断るつもりでいたのだが……
「ええ! 断るの? 困ったわ。君が出演してくれないと、私はディレクターに怒られちゃうの」
「そうですか」
んなの、知ったこっちゃない。
「君のおかげで、視聴率も上がったのに……」
「そうですか」
だから、知ったこっちゃない。
「出演してくれたら、ギャラもはずむわよ」
それを聞いた途端、僕の横でコーラを飲んでいた樒がテーブルの上に身を乗り出す。
「本当(マジ)すか!?」
「こらこら!」
「だって優樹。これは不正請求じゃないわよ」
「いや樒。僕たちが受け取っていい報酬は、あくまでも霊能者協会で決められた金額で……それに僕は、この仕事を引き受ける気はありません」
そう言った途端、魔入さんはテーブルに身を乗り出して僕の右手を掴んできた。
「ねえ。そんな事言わないで」
「ちょっ! 手を離して下さい」
パシ!
突然、誰かが魔入さんの手を扇子で叩いた。
叩いた人は……
「誰ですか? あなた」
魔入さんは、扇子を手にしている背の高い目つきの鋭い二十代後半ぐらいの女性を睨みつける。
「あなたこそ誰ですか? うちの生徒の手を握りしめたりして」
「え? 生徒?」
魔入さんは、僕たちの方を振り向く。
「先生なの?」
僕と樒は、それに対して無言で頷いた。
しかし、なぜ氷室先生がこんなところに?
「氷室先生。私と優樹の後をつけてきたのですか?」
樒の質問に氷室先生は首を横にふる。
「そんなわけないでしょう。たまたま食事に入っただけです」
そうだよ。偶然だよ。先生がそんなストーカーみたいな事するわけないじゃん。
「そうしたら、社君の手を握りしめている女がいるではないですか」
そう言って先生は、魔入さんを睨みつける。
「あなた分かっているのですか? 未成年者に手を出したら……」
「ち……違います! 私はけっしていかがわしい事をしていた分けではなくて……私、こういう者です」
魔入さんが差し出した名刺を先生は受け取った。
「オカルト芸人、六道魔入? ああ! 先日お電話でお話した方ですね」
「え? ああ! あの時、電話でお話した先生でしたか。あの後、電話を代わったプロデューサーが震え上がって……」
「人聞きの悪い事を……生徒に誤解されるでしょ」
先生は僕の方を振り向く。
「社君。私は法的な話をしただけですからね。別に脅迫するような事を言ったわけじゃないですから」
もちろん分かっています。
「脅迫するような事を言ったんだ」
樒! 失礼な事を呟くな! 優しい先生が、そんな事をするはずないだろう。
「それで、三人で集まって何を話していたのですか? ひょっとして、次の番組の打ち合わせ?」
「ええ。実はそうなのです」
「まあ! それは楽しみですね」
え? 楽しみって……
「あの……先生。もしかして、先週の放送見たのですか?」
「ええ。見たわよ。あの美少女霊能者って、社君でしょ」
「ち……ち……違います! あれは、全然知らない人で……ホクロだって消えて……」
「ホクロ? ああ! メイクで消したのね。でも、君だって一発で分かったわよ」
もうやだ! 恥ずかしい! 死にたい!
「先生よく分かりましたね。幼なじみの私が見ても、なかなか優樹だと分からなかったのに」
樒のセリフ訂正。幼なじみ× 腐れ縁○
「そりゃあ教師ですから」
「授業中に、隠し撮りした優樹の顔を、毎日眺めていたのですね」
「人聞きの悪い! 私はそんな変態な事……」
そうだ! 氷室先生がそんな事をするはずがない!
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