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呪殺師は可愛い男の子が好き
ネズ子
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起きあがろうとした時、不意に闇子が僕の両腕を押さえつけてきた。
「なにを? うわわ!」
闇子は、僕の身体の上に跨がるように乗っかってきた。
前に、樒にもこれをやられたけど、この女は樒の倍は重い! 苦しい!
「ねず子。私が押さえているから、この坊やの手を縛っておくれ」
ねず子? 誰だ?
「はいはい。少々お待ちを」
この声! ねずみ式神!
「いや、一瞬びっくりしましたよ。闇子さんが、優樹君を逆レイプするのかと思いました」
「そんなことしないよ。さっさと縛りな」
「はいはーい」
小さなネズミに、そんなことできるのか?
と思っていたら、ネズミが急に大きくなり、ビジネススーツを纏った二十歳ぐらいの女性の姿になった。
「ちゅー!」
しかし、一見OLのように見えるけど、よく見ると頭にはネズミ耳があり、スカートからはネズミ尻尾が出ている。
「さあ、優樹君。ちょっと我慢していて欲しいでちゅー。痛くないように縛って上げるでちゅー」
「ちょっと待て! あんたネズミの時は普通に喋っていたのに、人間の姿になった途端、なんで語尾に『ちゅー』をつけるんだ!?」
「男の子は、細かいことを気にしちゃだめでちゅー」
そう言って、ねず子は僕の手を縛っていく。
「いや、女の子の私も、それずっと疑問に思っていたのだけど」
「女の子だなんて、厚かましいでちゅー! 闇子さんは、どう見てもおばさんでちゅー!」
「せめてお姉さんと言え! この化けネズミ!」
「ちゅー!」
闇子に叩かれそうになり、ねず子はひらりと避ける。
その時には、僕の手は縛り上げられていた。
しかし、闇子は僕の上からどこうとしない。
「あのう、そろそろ上からどいてもらえませんか。重いのですけど……」
だが、闇子はどくどころか僕に覆い被さってきた。
顔が近づいてくる。
「坊や。今、重いって言ったね」
え?
「あ~あ。地雷踏んだな。知らねえぞ」」
え? ヒルコが地雷って言ったけど、どういう意味?
やば! 『重い』は、闇子にとって地雷だったんだ。
「重いと言っただろ」
「重くないです! 軽いです!」
「百三十キロの私が、軽いわけないだろう!」
ひいい! そんなにあったんだ。
「さば読むなよ。もう後、十キロあるだろ!」
後からヒルコが茶々を入れる。
「五月蠅い! 黙ってろ!」
てか、本当は百四十! ヤダ! つぶれる!
「ヒルコさん、奥さんを宥めてよ」
「わりい。俺と闇子が夫婦というのはフィクションであって、実在の人物団体等は一切関係ないんだ」
そんなあ……
「坊や。可愛い顔しているね。さぞかし周りから、ちやほやされているんだろ」
「ちやほやなんか、されてません!」
「私なんか、生まれてから『可愛い』なんて言われたことないよ」
「そんなこと、僕に言われても」
「私のことも『デブで不細工』と思っているのだろう」
「思っていません!」
キモいとは思っていたけど……
「いいや思っていた。あんたにも、私の気持ちを分からせてやるよ」
「な……なにを……」
「その可愛い顔を、私の怪力でグチャグチャに整形してやるよ」
ひいいいい!
「おい。闇子」
「止めても無駄だよ。ヒルコ」
「そうじゃない。着いたぞ」
「え?」
ヒルコの背後の壁が、いつの間にか捲れ上がっていた。その向こうに薄暗い空間。
そこに現れたのは、一人の人物のシルエット。
その人物は横に虎を従えていた。
いや、これは昨夜、ミクちゃんが戦った虎式神。
ということは、この人がヒョー?
「なにを? うわわ!」
闇子は、僕の身体の上に跨がるように乗っかってきた。
前に、樒にもこれをやられたけど、この女は樒の倍は重い! 苦しい!
「ねず子。私が押さえているから、この坊やの手を縛っておくれ」
ねず子? 誰だ?
「はいはい。少々お待ちを」
この声! ねずみ式神!
「いや、一瞬びっくりしましたよ。闇子さんが、優樹君を逆レイプするのかと思いました」
「そんなことしないよ。さっさと縛りな」
「はいはーい」
小さなネズミに、そんなことできるのか?
と思っていたら、ネズミが急に大きくなり、ビジネススーツを纏った二十歳ぐらいの女性の姿になった。
「ちゅー!」
しかし、一見OLのように見えるけど、よく見ると頭にはネズミ耳があり、スカートからはネズミ尻尾が出ている。
「さあ、優樹君。ちょっと我慢していて欲しいでちゅー。痛くないように縛って上げるでちゅー」
「ちょっと待て! あんたネズミの時は普通に喋っていたのに、人間の姿になった途端、なんで語尾に『ちゅー』をつけるんだ!?」
「男の子は、細かいことを気にしちゃだめでちゅー」
そう言って、ねず子は僕の手を縛っていく。
「いや、女の子の私も、それずっと疑問に思っていたのだけど」
「女の子だなんて、厚かましいでちゅー! 闇子さんは、どう見てもおばさんでちゅー!」
「せめてお姉さんと言え! この化けネズミ!」
「ちゅー!」
闇子に叩かれそうになり、ねず子はひらりと避ける。
その時には、僕の手は縛り上げられていた。
しかし、闇子は僕の上からどこうとしない。
「あのう、そろそろ上からどいてもらえませんか。重いのですけど……」
だが、闇子はどくどころか僕に覆い被さってきた。
顔が近づいてくる。
「坊や。今、重いって言ったね」
え?
「あ~あ。地雷踏んだな。知らねえぞ」」
え? ヒルコが地雷って言ったけど、どういう意味?
やば! 『重い』は、闇子にとって地雷だったんだ。
「重いと言っただろ」
「重くないです! 軽いです!」
「百三十キロの私が、軽いわけないだろう!」
ひいい! そんなにあったんだ。
「さば読むなよ。もう後、十キロあるだろ!」
後からヒルコが茶々を入れる。
「五月蠅い! 黙ってろ!」
てか、本当は百四十! ヤダ! つぶれる!
「ヒルコさん、奥さんを宥めてよ」
「わりい。俺と闇子が夫婦というのはフィクションであって、実在の人物団体等は一切関係ないんだ」
そんなあ……
「坊や。可愛い顔しているね。さぞかし周りから、ちやほやされているんだろ」
「ちやほやなんか、されてません!」
「私なんか、生まれてから『可愛い』なんて言われたことないよ」
「そんなこと、僕に言われても」
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「思っていません!」
キモいとは思っていたけど……
「いいや思っていた。あんたにも、私の気持ちを分からせてやるよ」
「な……なにを……」
「その可愛い顔を、私の怪力でグチャグチャに整形してやるよ」
ひいいいい!
「おい。闇子」
「止めても無駄だよ。ヒルコ」
「そうじゃない。着いたぞ」
「え?」
ヒルコの背後の壁が、いつの間にか捲れ上がっていた。その向こうに薄暗い空間。
そこに現れたのは、一人の人物のシルエット。
その人物は横に虎を従えていた。
いや、これは昨夜、ミクちゃんが戦った虎式神。
ということは、この人がヒョー?
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