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第八章
華麗に復活
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「誰だ!?」
エラが、周囲をキョロキョロと見回す。
「馬鹿者! どこを見ている! あたしはここだ!」
声は上からだった。
あれは?
僕はそれを知っていた。しかし、もうこの世にいないものと思っていた。
金色に輝く龍に乗った、おかっぱ頭の少女……ミク……生きていたのか?
生きていてくれたのか?
「何者だ!?」
エラの問いかけに、ミクは竜の上ですっくと立ち上がった。
「天が呼ぶ 地が呼ぶ 人が呼ぶ 悪を倒せとあたしを呼ぶ! 美少女陰陽師綾小路未来、華麗に復活!」
この中二病なセリフ……間違えなくミク……生きていたんだ……生きていてくれたんだ……
一方、エラはしばし呆気にとられてから僕の方を向いた。
「知り合いか?」
僕は無言で頷く。
エラはミクの方を向き直った。
「お前も、こいつを取り返しに来たくちか?」
「そうよ。お兄ちゃんは、返してもらうわ」
「ふん! それにしても……美少女だと?」
「なによ! あたしが美少女だという事に文句でもあるの!?」
「あ~あ~お前が美少女という事は認めてやるよ。だが、どうせ、来るなら美少年がくればいいのに……女を痛ぶっても、つまらん」
突然、ミクは怒りの形相を浮かべた。
「この変態ショタコンオバン! よくもお兄ちゃんを苛めたわね! しかもセクハラまでして……絶対に、許さないんだから!」
「許さなければ、どうするというのだ? 陰陽師だと言ったな? するとお前が乗っている竜は式神か?」
「ふうん。陰陽師とか式神とか知っているという事は、あんたコピー人間ね?」
「その通りだ。地球にいた頃は陰陽師のゲームもよくやった。だから、知っているぞ」
エラは上空に両の掌を向ける。
「式神は人型の紙を憑代にしているそうだな。ならば、これで焼き尽くしてくれる」
プラズマボールを撃ち出した。
だが、ミクはまったく動じる様子はない。
「そんなの、あたしだってできるわよ! やれ! オボロ!」
オボロの頭にあるシカのような角が輝き、輝く玉を撃ちだした。
「なに!? こいつもプラズマボールを?」
二つのプラズマボールが空中で衝突して爆発する。
「そんな……バカな……私は最強だ……最強のはずだ……私は……」
エラは、すっかり狼狽していた。
狼狽するエラをよそにオボロは低空飛行に入り、ミクは地面に降り立つ。
オボロはそのまま飛び去っていった。
「なんのつもりだ?」
地面に降りたミクに、エラは問いかけた。
「ハンディを着けてあげるわよ。おばさん弱そうだから」
ミクは懐から取り出した白い人型を、右手の中指と人差し指で挟み、顔の前でビシッと構えた。
「ハンディだと? 舐めるな! 私を誰だと思っている!」
「変態おばさんだと思っている」
「黙れ! 帝国の大魔法使いエラ・アレンスキーとは私のことだ!」
成瀬真須美が首を捻った。
「そんな風に、呼ばれていたかしら?」
エラはミクに輝く掌を向けた。
同時にミクは人型を地面に叩きつける。
「これでも食らえ!」
「出でよ! 式神!」
人型はたちまちのうちに巨大の鬼・アクロとなって、エラのプラズマボールを受け止めた。
「な……なんだ! こいつは……」
エラはアクロの姿を見て腰を抜かす。
「地上戦闘用式神アクロよ」
「なんの、ただデカいだけだろ」
エラはプラズマボールを放った。
アクロの胸に命中して大きな穴が開く。
だが、穴はたちまち塞がってしまった。
「たいした再生能力だな。だが、式神も分身も憑代さえ破壊してしまえば消える」
そう言って、エラは最後の薬を口に入れた。
「ふうん。確かに式神は憑代が弱点だけど、アクロの巨体から、小さな憑代を見つけられるかしらね」
からかう様に言うミク。
「そんなのはな……」
エラは輝く掌をアクロに向けた。
「体全体に、ぶつけてやれば分かることだ!」
エラはプラズマボールを連続で放った。
アクロの巨体に万遍なくぶつける。
だが、アクロの姿は消えない。
「バ……バカな? 奴の憑代はどこに?」
「バカねえ。あたしの憑代は、紙じゃないわよ」
「なに?」
「あたしの憑代は、日本の科学技術の粋を集めて開発された新素材、単結晶炭素ナノチューブ。軌道エレベーターにも使われている素材よ。プラズマボールぐらいでは、やられないわ」
「く……くそ」
エラは逃げ出した。
「アクロ! 逃がすな! 追え!」
エラは逃げなからアクロの足元を狙ってプラズマボールを撃った。
アクロはバランスを崩して倒れる。
その隙に、エラは馬に向かってダッシュするが……
馬まであと少しというところで……
「うわ!」
エラの足元に矢が刺さった。
見ると、馬の向こうから十二人の分身達が駆けてくる。
「げ! カ・モ・ミール」
「逃がしません。エラ・アレンスキー! あたしだって、一回しかしたことないのに、カイトさんの唇を奪うなんて」
エラは反対方向に逃げ出すが、轟音と共に空から飛んできた小型ミサイル四発がエラの行く手に着弾。炎の壁を形成して逃げ道を塞ぐ。
「エラ・アレンスキー。あなたがご主人様に働いた狼藉の数々、断じて許しません」
ミサイルを発射した菊花からPちゃんの声が響いた。
「もう勝負ついたわね」
成瀬真須美は僕を縛っているロープを解こうとしたが……
「固い。あの変態、どんな縛り方したのよ? ゴメン北村君、私ではこれ解けそうにないから、後で彼女達に切ってもらって」
「成瀬さん。あの時、ミクにぶつかったドローンは、あんたが操縦していたのじゃないの?」
「え? あの時って?」
「僕らが、ここへ来る途中、矢納さんのドローンと戦ったときだけど」
「え? その時は私ドローンは飛ばしてないわよ」
じゃあミクにぶつかった飛行体は?
「いけない! 矢納と矢部が戻って来たわ。一緒にいるところを見られると不味いから、私は行くわね」
「え?」
「矢納の奴、三十機のドローンを連れてきたわ。たぶん、あの娘を狙っていると思う。守ってあげて」
え? あの娘って? それに守ろうにも僕にはもうロボットスーツが……
質問しようにも、成瀬真須美はバギーに向かって駆け去っていくところだった。
「北村さあん!」
この声は?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
単結晶炭素ナノチューブが開発されたのは『秘密兵器猫壱号』の時代です
エラが、周囲をキョロキョロと見回す。
「馬鹿者! どこを見ている! あたしはここだ!」
声は上からだった。
あれは?
僕はそれを知っていた。しかし、もうこの世にいないものと思っていた。
金色に輝く龍に乗った、おかっぱ頭の少女……ミク……生きていたのか?
生きていてくれたのか?
「何者だ!?」
エラの問いかけに、ミクは竜の上ですっくと立ち上がった。
「天が呼ぶ 地が呼ぶ 人が呼ぶ 悪を倒せとあたしを呼ぶ! 美少女陰陽師綾小路未来、華麗に復活!」
この中二病なセリフ……間違えなくミク……生きていたんだ……生きていてくれたんだ……
一方、エラはしばし呆気にとられてから僕の方を向いた。
「知り合いか?」
僕は無言で頷く。
エラはミクの方を向き直った。
「お前も、こいつを取り返しに来たくちか?」
「そうよ。お兄ちゃんは、返してもらうわ」
「ふん! それにしても……美少女だと?」
「なによ! あたしが美少女だという事に文句でもあるの!?」
「あ~あ~お前が美少女という事は認めてやるよ。だが、どうせ、来るなら美少年がくればいいのに……女を痛ぶっても、つまらん」
突然、ミクは怒りの形相を浮かべた。
「この変態ショタコンオバン! よくもお兄ちゃんを苛めたわね! しかもセクハラまでして……絶対に、許さないんだから!」
「許さなければ、どうするというのだ? 陰陽師だと言ったな? するとお前が乗っている竜は式神か?」
「ふうん。陰陽師とか式神とか知っているという事は、あんたコピー人間ね?」
「その通りだ。地球にいた頃は陰陽師のゲームもよくやった。だから、知っているぞ」
エラは上空に両の掌を向ける。
「式神は人型の紙を憑代にしているそうだな。ならば、これで焼き尽くしてくれる」
プラズマボールを撃ち出した。
だが、ミクはまったく動じる様子はない。
「そんなの、あたしだってできるわよ! やれ! オボロ!」
オボロの頭にあるシカのような角が輝き、輝く玉を撃ちだした。
「なに!? こいつもプラズマボールを?」
二つのプラズマボールが空中で衝突して爆発する。
「そんな……バカな……私は最強だ……最強のはずだ……私は……」
エラは、すっかり狼狽していた。
狼狽するエラをよそにオボロは低空飛行に入り、ミクは地面に降り立つ。
オボロはそのまま飛び去っていった。
「なんのつもりだ?」
地面に降りたミクに、エラは問いかけた。
「ハンディを着けてあげるわよ。おばさん弱そうだから」
ミクは懐から取り出した白い人型を、右手の中指と人差し指で挟み、顔の前でビシッと構えた。
「ハンディだと? 舐めるな! 私を誰だと思っている!」
「変態おばさんだと思っている」
「黙れ! 帝国の大魔法使いエラ・アレンスキーとは私のことだ!」
成瀬真須美が首を捻った。
「そんな風に、呼ばれていたかしら?」
エラはミクに輝く掌を向けた。
同時にミクは人型を地面に叩きつける。
「これでも食らえ!」
「出でよ! 式神!」
人型はたちまちのうちに巨大の鬼・アクロとなって、エラのプラズマボールを受け止めた。
「な……なんだ! こいつは……」
エラはアクロの姿を見て腰を抜かす。
「地上戦闘用式神アクロよ」
「なんの、ただデカいだけだろ」
エラはプラズマボールを放った。
アクロの胸に命中して大きな穴が開く。
だが、穴はたちまち塞がってしまった。
「たいした再生能力だな。だが、式神も分身も憑代さえ破壊してしまえば消える」
そう言って、エラは最後の薬を口に入れた。
「ふうん。確かに式神は憑代が弱点だけど、アクロの巨体から、小さな憑代を見つけられるかしらね」
からかう様に言うミク。
「そんなのはな……」
エラは輝く掌をアクロに向けた。
「体全体に、ぶつけてやれば分かることだ!」
エラはプラズマボールを連続で放った。
アクロの巨体に万遍なくぶつける。
だが、アクロの姿は消えない。
「バ……バカな? 奴の憑代はどこに?」
「バカねえ。あたしの憑代は、紙じゃないわよ」
「なに?」
「あたしの憑代は、日本の科学技術の粋を集めて開発された新素材、単結晶炭素ナノチューブ。軌道エレベーターにも使われている素材よ。プラズマボールぐらいでは、やられないわ」
「く……くそ」
エラは逃げ出した。
「アクロ! 逃がすな! 追え!」
エラは逃げなからアクロの足元を狙ってプラズマボールを撃った。
アクロはバランスを崩して倒れる。
その隙に、エラは馬に向かってダッシュするが……
馬まであと少しというところで……
「うわ!」
エラの足元に矢が刺さった。
見ると、馬の向こうから十二人の分身達が駆けてくる。
「げ! カ・モ・ミール」
「逃がしません。エラ・アレンスキー! あたしだって、一回しかしたことないのに、カイトさんの唇を奪うなんて」
エラは反対方向に逃げ出すが、轟音と共に空から飛んできた小型ミサイル四発がエラの行く手に着弾。炎の壁を形成して逃げ道を塞ぐ。
「エラ・アレンスキー。あなたがご主人様に働いた狼藉の数々、断じて許しません」
ミサイルを発射した菊花からPちゃんの声が響いた。
「もう勝負ついたわね」
成瀬真須美は僕を縛っているロープを解こうとしたが……
「固い。あの変態、どんな縛り方したのよ? ゴメン北村君、私ではこれ解けそうにないから、後で彼女達に切ってもらって」
「成瀬さん。あの時、ミクにぶつかったドローンは、あんたが操縦していたのじゃないの?」
「え? あの時って?」
「僕らが、ここへ来る途中、矢納さんのドローンと戦ったときだけど」
「え? その時は私ドローンは飛ばしてないわよ」
じゃあミクにぶつかった飛行体は?
「いけない! 矢納と矢部が戻って来たわ。一緒にいるところを見られると不味いから、私は行くわね」
「え?」
「矢納の奴、三十機のドローンを連れてきたわ。たぶん、あの娘を狙っていると思う。守ってあげて」
え? あの娘って? それに守ろうにも僕にはもうロボットスーツが……
質問しようにも、成瀬真須美はバギーに向かって駆け去っていくところだった。
「北村さあん!」
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