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番外編2「Pちゃんの恋心」
メイドさんがやってくれる、あれ。
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太陽系から十二光年離れたタウ・セチ恒星系。
そこに地球に似た天体がある。いわゆる太陽系外地球類似惑星……略して系外惑星だ。
その惑星には、現地人ナーモ族の言葉で『大地』を意味する『ナンモ』という名前が付けられていた。
その惑星ナンモ最大の大陸ニャトラス南部に、巨大な塩の平原がある。
塩湖が干上がってできた純白の大地だ。
その一角に地球の宇宙船が不時着していた。
その不時着した宇宙船の近くで、ロボットスーツを装着した者が夕日の明かりを頼りに作業をしている。
「Pちゃん。日が沈むまでどのくらいだ?」
ロボットスーツを装着した若い男、海斗の質問にメイド服を纏った少女が答える。
「三十分ほどです」
この少女、一見人間のように見えるが、実は人造人間P0371。
海斗は、彼女をPちゃんと呼んでいた。
「日没までには、間に合いそうだな」
彼は何をしているのかというと、シャトルの残骸とパラシュートの布を使ってテントを作っていたのだ。
ただし、自分が使うためではない。
彼と一緒にレットドラゴンと戦い、傷を負ったベジドラゴンが療養するための場所としてテントを作っていたのだ。
「ふう。疲れた」
テントを作り終えた海斗はロボットスーツを脱着すると、Pちゃんが用意してくれたパイプ椅子の上に崩れるように座り込んだ。
そうとう疲れているようだ。
惑星に降りる早々、レットドラゴンと戦い、さらに負傷したベジドラゴンを助けるために動き回ったのだからヘトヘトである。
辺りはすっかり日が暮れていたが、夜空にはこの惑星を巡る三つの月が輝いているため、それほど暗くはない。
「ご主人様。お食事の準備ができました」
「おお!」
海斗の前にある簡易テーブルの上に、Pちゃんがドームカバーを被せた食事を置く。
「Pちゃん。あれは、やってくれるのだろ?」
「あれとは、何のことでしょう?」
「ほらほら……秋葉原のメイドさんがやってくれる、あれ」
「ま! そんな……」
Pちゃんは頬を赤らめた。アンドロイドではあるが、感情を持っているのだ。
「ご主人様のエッチ」
「ちょっと待てい! 何を想像した!?」
「そりゃあもう、あーる18なサービスを……」
「秋葉原のメイドさんは、そんなサービスなどしない!」
「では、何を私に期待しているのですか?」
「ほら。オムライスにケチャップで絵を描くサービス」
「それは無理です」
「ああ、ケチャップが無いのか」
「いいえ、あります」
「じゃあ、絵が下手なのか?」
「いいえ。私のデータ内にある絵なら、いくらでも描けますよ」
「じゃあ、なぜできない?」
「オムライスが無いからです」
「え?」
メイド少女が持ってきたドームカバーを被せた料理と言ったらオムライスという先入観のために、彼はオムライスと思いこんでいたが、そもそもドームカバーを取らないとその下にどんな料理があるか分かるはずがない。
「では、この下にあるのは……パスタ? それともステーキ?」
「いいえ」
そう言ってPちゃんはドームカバーを取り去る。
そこにあったのは、カロリーメートを思わせる包装に包まれた非常食だった。
海斗はヘナヘナと脱力する。
「非常食に、ドームカバー被せるなあ!」
そこに地球に似た天体がある。いわゆる太陽系外地球類似惑星……略して系外惑星だ。
その惑星には、現地人ナーモ族の言葉で『大地』を意味する『ナンモ』という名前が付けられていた。
その惑星ナンモ最大の大陸ニャトラス南部に、巨大な塩の平原がある。
塩湖が干上がってできた純白の大地だ。
その一角に地球の宇宙船が不時着していた。
その不時着した宇宙船の近くで、ロボットスーツを装着した者が夕日の明かりを頼りに作業をしている。
「Pちゃん。日が沈むまでどのくらいだ?」
ロボットスーツを装着した若い男、海斗の質問にメイド服を纏った少女が答える。
「三十分ほどです」
この少女、一見人間のように見えるが、実は人造人間P0371。
海斗は、彼女をPちゃんと呼んでいた。
「日没までには、間に合いそうだな」
彼は何をしているのかというと、シャトルの残骸とパラシュートの布を使ってテントを作っていたのだ。
ただし、自分が使うためではない。
彼と一緒にレットドラゴンと戦い、傷を負ったベジドラゴンが療養するための場所としてテントを作っていたのだ。
「ふう。疲れた」
テントを作り終えた海斗はロボットスーツを脱着すると、Pちゃんが用意してくれたパイプ椅子の上に崩れるように座り込んだ。
そうとう疲れているようだ。
惑星に降りる早々、レットドラゴンと戦い、さらに負傷したベジドラゴンを助けるために動き回ったのだからヘトヘトである。
辺りはすっかり日が暮れていたが、夜空にはこの惑星を巡る三つの月が輝いているため、それほど暗くはない。
「ご主人様。お食事の準備ができました」
「おお!」
海斗の前にある簡易テーブルの上に、Pちゃんがドームカバーを被せた食事を置く。
「Pちゃん。あれは、やってくれるのだろ?」
「あれとは、何のことでしょう?」
「ほらほら……秋葉原のメイドさんがやってくれる、あれ」
「ま! そんな……」
Pちゃんは頬を赤らめた。アンドロイドではあるが、感情を持っているのだ。
「ご主人様のエッチ」
「ちょっと待てい! 何を想像した!?」
「そりゃあもう、あーる18なサービスを……」
「秋葉原のメイドさんは、そんなサービスなどしない!」
「では、何を私に期待しているのですか?」
「ほら。オムライスにケチャップで絵を描くサービス」
「それは無理です」
「ああ、ケチャップが無いのか」
「いいえ、あります」
「じゃあ、絵が下手なのか?」
「いいえ。私のデータ内にある絵なら、いくらでも描けますよ」
「じゃあ、なぜできない?」
「オムライスが無いからです」
「え?」
メイド少女が持ってきたドームカバーを被せた料理と言ったらオムライスという先入観のために、彼はオムライスと思いこんでいたが、そもそもドームカバーを取らないとその下にどんな料理があるか分かるはずがない。
「では、この下にあるのは……パスタ? それともステーキ?」
「いいえ」
そう言ってPちゃんはドームカバーを取り去る。
そこにあったのは、カロリーメートを思わせる包装に包まれた非常食だった。
海斗はヘナヘナと脱力する。
「非常食に、ドームカバー被せるなあ!」
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