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第十六章
少年兵の反乱
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銃撃が一時止み、少年兵が戦っていた相手から呼びかけがあった。
『バカな真似はやめろ! レム様に逆らって無事で済むとでも思っているのか!』
姿は確認できないが、声からすると若い男性のようだ。
その呼びかけに対して少年の一人が、まだ声変わりもしていない声で言い返す。
『僕たちは、もう騙されないぞ。レムは神なんかじゃない。悪魔だ!』
この子たち、レム神の正体を知っているのか?
『なんて罰当たりな事を言う。神罰が下るぞ』
『罰なんか当たるものか! 僕たちはもう、レムの言いなりになんかならない』
別の少年が言葉を続ける。
『僕たちは知っているぞ。おまえたちには、自分の意志なんかなくて、レムに操られている事だって』
『違う! 操られてなんかいない。自分の意志でレム様を崇めているのだ』
『嘘付け! レムの操り人形のくせに』
『いい加減にしろ! 我々が、同士討ちをしている場合ではないという事ぐらい分からんのか。もうすぐ、カイト・キタムラがやってくるんだ』
『かまうものか! 僕たちはカイト・キタムラに投降する!』
え? 投降するの? それは助かる。少年兵殺すのも、後味悪いし……
『何を言っている。奴がどんなに残忍な男か知っているだろう』
僕って残忍なのか? まあ、最近は帝国兵や盗賊を殺しまくっているし、そう思われても仕方ないかな。
『カイト・キタムラ……いや、リトル東京なんかに亡命した帝国人が、どうなったのか知っているだろう。みんな奴隷にされるか虐殺されているんだ』
いや、それをやっているのはおまえら帝国人じゃないか。
降伏したナーモ族を虐殺し、生き残りは奴隷にするのが帝国のやり方だろう。
『僕たちは、もう帝国のフェイクニュースなんかに騙されない! アレンスキー大尉が、すべてを話してくれたぞ。帝国人は、本当は地球という惑星からやってきた異星人であって、この惑星を侵略しているのは帝国の方だって』
エラがこの子たちに教えたのか? 確かにエラはコピー人間だから帝国の真相を知っているのだけど、それをこの子たちに教えたという事は……帝国を裏切る気か?
『騙されるな! アレンスキー大尉の言っている事はデタラメ……』
そこで突然、相手のセリフが止まる。
どうしたのだ?
「芽依ちゃん。ドローンを相手陣地の方へ」
「はい」
程なくして、ドローンは相手陣地へ到着。
そこにも土嚢が積み上げてある。
土嚢の向こうでは、三人の青年兵士が倒れていた。
その倒れている兵士たちの向こうの通路の奥から、カツーン! カツーン! と足音を響かせ、誰かが歩いて近づいてくる。
近づいてくるにつれ、その姿がはっきりと見えてきた。
中年女性のようだが……
あいつは……!
エラ・アレンスキー!
『バカな真似はやめろ! レム様に逆らって無事で済むとでも思っているのか!』
姿は確認できないが、声からすると若い男性のようだ。
その呼びかけに対して少年の一人が、まだ声変わりもしていない声で言い返す。
『僕たちは、もう騙されないぞ。レムは神なんかじゃない。悪魔だ!』
この子たち、レム神の正体を知っているのか?
『なんて罰当たりな事を言う。神罰が下るぞ』
『罰なんか当たるものか! 僕たちはもう、レムの言いなりになんかならない』
別の少年が言葉を続ける。
『僕たちは知っているぞ。おまえたちには、自分の意志なんかなくて、レムに操られている事だって』
『違う! 操られてなんかいない。自分の意志でレム様を崇めているのだ』
『嘘付け! レムの操り人形のくせに』
『いい加減にしろ! 我々が、同士討ちをしている場合ではないという事ぐらい分からんのか。もうすぐ、カイト・キタムラがやってくるんだ』
『かまうものか! 僕たちはカイト・キタムラに投降する!』
え? 投降するの? それは助かる。少年兵殺すのも、後味悪いし……
『何を言っている。奴がどんなに残忍な男か知っているだろう』
僕って残忍なのか? まあ、最近は帝国兵や盗賊を殺しまくっているし、そう思われても仕方ないかな。
『カイト・キタムラ……いや、リトル東京なんかに亡命した帝国人が、どうなったのか知っているだろう。みんな奴隷にされるか虐殺されているんだ』
いや、それをやっているのはおまえら帝国人じゃないか。
降伏したナーモ族を虐殺し、生き残りは奴隷にするのが帝国のやり方だろう。
『僕たちは、もう帝国のフェイクニュースなんかに騙されない! アレンスキー大尉が、すべてを話してくれたぞ。帝国人は、本当は地球という惑星からやってきた異星人であって、この惑星を侵略しているのは帝国の方だって』
エラがこの子たちに教えたのか? 確かにエラはコピー人間だから帝国の真相を知っているのだけど、それをこの子たちに教えたという事は……帝国を裏切る気か?
『騙されるな! アレンスキー大尉の言っている事はデタラメ……』
そこで突然、相手のセリフが止まる。
どうしたのだ?
「芽依ちゃん。ドローンを相手陣地の方へ」
「はい」
程なくして、ドローンは相手陣地へ到着。
そこにも土嚢が積み上げてある。
土嚢の向こうでは、三人の青年兵士が倒れていた。
その倒れている兵士たちの向こうの通路の奥から、カツーン! カツーン! と足音を響かせ、誰かが歩いて近づいてくる。
近づいてくるにつれ、その姿がはっきりと見えてきた。
中年女性のようだが……
あいつは……!
エラ・アレンスキー!
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