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第六章
消えていく分身たち
しおりを挟む チャットが切れた途端、シュンの気持ちも切り替わった。
いつもはチップやアヤネに進行を任せ、自分は陰ながらそれを支えることを選択している。先頭に立って人を引っ張るよりも、そういう役割が好きだからだ。
なので、回避盾をメインに役割を請け負っているが、中衛職の支援プレイヤーという意識の方が合っているのかもしれない。
しかし、今はひとりぼっちである。
支援するべき相手がいない以上、ひとりで解決していかなければならない。
「チャットがつながってたら、『誰が一番早く出られるか競争な!』って、絶対チップが言い出してるよな。今回だったら、ユキチちゃんの方が先かな?」
近くにいないパーティメンバー達の顔を思い出し、クスリと笑みを浮かべる。
シュンが最初に行ったことは、ザッと部屋全体を見回すこと。そして、すぐに行動に移る。
「ま、最初は、これ見よがしに置いてあるコレからだろうね」
自分が立っていた正面には部屋の出口が、そして、背後には机が置かれていた。
机の上には小さな宝箱が置かれ、ダイヤル式のカギがかけられており、宝箱の近くには大きめの封筒も置かれている。
シュンは封筒を手に取ると、中を確認する。
「えーと? クロスワードパズルと指令書が3枚、宝箱の開け方1枚か。良かった。さすがにこっちの世界の文字だったら、ハルマ君がいないと無理だったかも。これならボクでもいける」
取り出した書類を確認すると、やるべきことが記されていた。
ヒントを手がかりに部屋の中に散らばる数字を見つけ出し、ダイヤル式のカギを開けること。そして、宝箱の中にある、この部屋から出るためのカギを入手することまでが第1関門であるらしい。
クロスワードパズルに目を通す。どうやら、一般知識3割、Greenhorn-onlineの知識7割といった感じだ。
続いて、3枚の指令書にも目を通す。こちらは、知識よりも直感型の謎解き問題のようである。
「うーん。こういう直感型は、チップとかアヤネの方が得意なんだよなあ」
それでも、彼は学年トップクラスの成績の持ち主であり、発想力も柔軟性を持っている。テキパキと謎を解き進め、25分ほどで3つの数字を見つけることに成功していた。
「ふー。こんなところに隠してあったのか……。これで、赤、青、黄色のボールに書かれた数字が見つかった」
最初の封筒に入っていた1枚と一緒に、3つのボールを机の上に置く。
「順番は指定されてない、か。ま、3つだけだから、組み合わせは総当たりでもすぐに見つかるだろうけど……」
シュンはダイヤル式のカギを回し、青、黄、赤の順に数字をそろえると、両手で左右に引っ張ってみる。
「ん、やっぱり! この色合いからして、信号の3色だと思ったんだよね」
するりと手応えなく外れたカギは、役目を終えたのか宙に溶けて消えてしまった。そのことにさほど驚くこともなく、シュンは宝箱の中からカギを取り出すことに成功していた。
取り出したカギを持って、即座に部屋の扉に向かう。
カギ穴に差し込みカチリと回すと、第1関門突破となった。
いつもはチップやアヤネに進行を任せ、自分は陰ながらそれを支えることを選択している。先頭に立って人を引っ張るよりも、そういう役割が好きだからだ。
なので、回避盾をメインに役割を請け負っているが、中衛職の支援プレイヤーという意識の方が合っているのかもしれない。
しかし、今はひとりぼっちである。
支援するべき相手がいない以上、ひとりで解決していかなければならない。
「チャットがつながってたら、『誰が一番早く出られるか競争な!』って、絶対チップが言い出してるよな。今回だったら、ユキチちゃんの方が先かな?」
近くにいないパーティメンバー達の顔を思い出し、クスリと笑みを浮かべる。
シュンが最初に行ったことは、ザッと部屋全体を見回すこと。そして、すぐに行動に移る。
「ま、最初は、これ見よがしに置いてあるコレからだろうね」
自分が立っていた正面には部屋の出口が、そして、背後には机が置かれていた。
机の上には小さな宝箱が置かれ、ダイヤル式のカギがかけられており、宝箱の近くには大きめの封筒も置かれている。
シュンは封筒を手に取ると、中を確認する。
「えーと? クロスワードパズルと指令書が3枚、宝箱の開け方1枚か。良かった。さすがにこっちの世界の文字だったら、ハルマ君がいないと無理だったかも。これならボクでもいける」
取り出した書類を確認すると、やるべきことが記されていた。
ヒントを手がかりに部屋の中に散らばる数字を見つけ出し、ダイヤル式のカギを開けること。そして、宝箱の中にある、この部屋から出るためのカギを入手することまでが第1関門であるらしい。
クロスワードパズルに目を通す。どうやら、一般知識3割、Greenhorn-onlineの知識7割といった感じだ。
続いて、3枚の指令書にも目を通す。こちらは、知識よりも直感型の謎解き問題のようである。
「うーん。こういう直感型は、チップとかアヤネの方が得意なんだよなあ」
それでも、彼は学年トップクラスの成績の持ち主であり、発想力も柔軟性を持っている。テキパキと謎を解き進め、25分ほどで3つの数字を見つけることに成功していた。
「ふー。こんなところに隠してあったのか……。これで、赤、青、黄色のボールに書かれた数字が見つかった」
最初の封筒に入っていた1枚と一緒に、3つのボールを机の上に置く。
「順番は指定されてない、か。ま、3つだけだから、組み合わせは総当たりでもすぐに見つかるだろうけど……」
シュンはダイヤル式のカギを回し、青、黄、赤の順に数字をそろえると、両手で左右に引っ張ってみる。
「ん、やっぱり! この色合いからして、信号の3色だと思ったんだよね」
するりと手応えなく外れたカギは、役目を終えたのか宙に溶けて消えてしまった。そのことにさほど驚くこともなく、シュンは宝箱の中からカギを取り出すことに成功していた。
取り出したカギを持って、即座に部屋の扉に向かう。
カギ穴に差し込みカチリと回すと、第1関門突破となった。
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