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第十六章
戦闘の名を借りたセクハラ
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「ジジイ、感謝する。感謝はするから、セクハラはやめてやれ。それはジュネーブ条約違反だ」
「何を言う。ジュネーブ条約が禁止しているのは捕虜虐待じゃ。こいつらが捕虜に見えるか?」
え? 見ていると、女たちは一度落としたナイフやサーベルを拾ってはジジイに切りかかっている。
そしてジジイにセクハラされて、また武器を落とす。
落とした武器を拾ってまた攻撃……
この繰り返し……
「見ての通り、ワシとこいつらは戦闘中じゃ。従って捕虜ではない。捕虜ではないからジュネーブ条約は適用されない。そして戦闘中であるから、ワシがどんなエロいことをしても許されるのじゃ」
いや、何かが違うぞ。
これは戦闘なんかではない。
戦闘の名を借りたセクハラだ。
一人の女が、床に転がっているロケット砲に駆け寄る。
しかし、一瞬早く芽依ちゃんが先回りしてロケット砲を踏みつけ、女にショットガンを突きつけた。
「降伏しなさい」
「く! 誰が降伏など……」
芽依ちゃんは、彼女の仲間を襲っているジジイを指さす。
「降伏して捕虜になるなら、あの人から守ってあげます」
「え? そうなの? 降伏する! します! だから、あのジジイなんとかして!」
数分後……
二人の女性兵士に手錠をかけた後、ジジイに釘を刺しておいた。
「いいか、ジジイ。よく聞け。これで彼女たちは捕虜だ。捕虜である以上ジュネーブ条約で保護される。セクハラを働いたら、その場で処罰するからそう思え!」
「ふん! 何がジュネーブ条約じゃ! ここは地球ではないぞ。ジュネーブなんて都市はどこにもないわ」
「地球人であるなら、宇宙に出て来てもジュネーブ条約は守れ!」
確かにジジイの言う通り、ここは二百年後の太陽系外地球類似惑星だが、リトル東京では帝国に対してジュネーブ条約を守る事を一方的に宣告している。
帝国は『自分たちは地球人ではない』と言い張っているので、そんな事は無視しているが……
橋本晶の方を見ると、すでに催涙剤の影響は治まっているようだ。
「橋本君。目の方は大丈夫かい?」
「はい。お見苦しいところをお見せしました」
ちらっと、捕虜になった女性兵士たちの方に目をやる。
「さっきは油断しました。下手すると私たち、彼女たちにズドンとやられるところだったのですね。ルスラン・クラスノフ博士には感謝しないと」
「おお! わしに感謝するとは殊勝な心掛けじゃ。では礼としてパフパフさせてくれ」
パフパフするとはどういう事をするのか分からないが、ジジイは目にも止まらぬ早さで彼女に向かっていく。
だが、橋本晶の居合い抜きはもっと早かった。
僕には何が起きたのか把握すらできなかったが、ジジイは突然、彼女の一メートル手前の床に大の字になって倒れる。
ジジイが倒れたまま動かないのを確認すると、橋本晶はいつの間にか抜いていた日本刀を鞘に収めていた。
「安心せい。峰打ちよ」
いや、今回は峰打ちじゃなくて、切っちゃっても良かったのだぞ。
「何を言う。ジュネーブ条約が禁止しているのは捕虜虐待じゃ。こいつらが捕虜に見えるか?」
え? 見ていると、女たちは一度落としたナイフやサーベルを拾ってはジジイに切りかかっている。
そしてジジイにセクハラされて、また武器を落とす。
落とした武器を拾ってまた攻撃……
この繰り返し……
「見ての通り、ワシとこいつらは戦闘中じゃ。従って捕虜ではない。捕虜ではないからジュネーブ条約は適用されない。そして戦闘中であるから、ワシがどんなエロいことをしても許されるのじゃ」
いや、何かが違うぞ。
これは戦闘なんかではない。
戦闘の名を借りたセクハラだ。
一人の女が、床に転がっているロケット砲に駆け寄る。
しかし、一瞬早く芽依ちゃんが先回りしてロケット砲を踏みつけ、女にショットガンを突きつけた。
「降伏しなさい」
「く! 誰が降伏など……」
芽依ちゃんは、彼女の仲間を襲っているジジイを指さす。
「降伏して捕虜になるなら、あの人から守ってあげます」
「え? そうなの? 降伏する! します! だから、あのジジイなんとかして!」
数分後……
二人の女性兵士に手錠をかけた後、ジジイに釘を刺しておいた。
「いいか、ジジイ。よく聞け。これで彼女たちは捕虜だ。捕虜である以上ジュネーブ条約で保護される。セクハラを働いたら、その場で処罰するからそう思え!」
「ふん! 何がジュネーブ条約じゃ! ここは地球ではないぞ。ジュネーブなんて都市はどこにもないわ」
「地球人であるなら、宇宙に出て来てもジュネーブ条約は守れ!」
確かにジジイの言う通り、ここは二百年後の太陽系外地球類似惑星だが、リトル東京では帝国に対してジュネーブ条約を守る事を一方的に宣告している。
帝国は『自分たちは地球人ではない』と言い張っているので、そんな事は無視しているが……
橋本晶の方を見ると、すでに催涙剤の影響は治まっているようだ。
「橋本君。目の方は大丈夫かい?」
「はい。お見苦しいところをお見せしました」
ちらっと、捕虜になった女性兵士たちの方に目をやる。
「さっきは油断しました。下手すると私たち、彼女たちにズドンとやられるところだったのですね。ルスラン・クラスノフ博士には感謝しないと」
「おお! わしに感謝するとは殊勝な心掛けじゃ。では礼としてパフパフさせてくれ」
パフパフするとはどういう事をするのか分からないが、ジジイは目にも止まらぬ早さで彼女に向かっていく。
だが、橋本晶の居合い抜きはもっと早かった。
僕には何が起きたのか把握すらできなかったが、ジジイは突然、彼女の一メートル手前の床に大の字になって倒れる。
ジジイが倒れたまま動かないのを確認すると、橋本晶はいつの間にか抜いていた日本刀を鞘に収めていた。
「安心せい。峰打ちよ」
いや、今回は峰打ちじゃなくて、切っちゃっても良かったのだぞ。
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