693 / 842
第十六章
ジジイに借りを作ってしまうとは……
しおりを挟む
橋本晶を連れて傾斜路内に駆け込んだ僕たちは、催涙剤が入って来ないように大急ぎで扉を閉じた。
扉を閉じて振り向いた僕たちは、そこで展開されている光景を見てしばし唖然となる。
何をやっているのだ? こいつら……
「きゃー! いやー!」「このエロジジイ!」
「ええチチしとるのお。ねえちゃん」
そこで起きていたのは、二人の若い女とジジイとの戦い……いや、これを『戦い』と言っていいのだろうか?
とにかく……
「ジジイ! 何をやっている!」
ジジイが一瞬だけ、僕の方を振り向く。
「おお! 若造、やっと来たか。わしに感謝するがよいぞ」
そう言っているジジイに、女の一人がナイフで切りつけようとするが、ひらりと避けられる。
「いやああ! 変態!」
いつの間にかジジイは女の腰にしがみついていた。
女は持っていたナイフを落とす。
いったいこれは、どういう状況なんだ?
「北村さん。あれを」
芽依ちゃんの指さす先に、ロケット砲が転がっていた。
「RPG7です。恐らく彼女たちは、伏兵なのでしょう。私たちが第二層を制圧して安心しているところを見計らい、ここから狙い撃ちしようとしていたと思われます」
「なるほど。それは分かったが、なぜ彼女たちはあんな格好をしているのだろう?」
どんな格好かと言うと、ミールの分身体が戦闘モードになった時に着けている、胸と腰だけをかろうじて覆っている本当に防御効果があるのか疑わしい鎧。
つまりビキニアーマーだ。
なんでこんな裸同然の格好をしているのだ?
「おそらく、北村さんを悩殺しようとしていたのでしょう」
「悩殺?」
見くびられたものだな。ミールの分身体に見慣れてしまった僕が、この程度で悩殺されるわけないだろう。
たぶん悩殺されないと思う。
悩殺されないんじゃないかな?
まあ、ちっと覚悟しておこう。
「さっき私たちは、扉の前で油断していました。あそこを狙われたらアウトでしたが、その前にルスラン・クラスノフ博士が彼女たちを見つけて、このような状態になったのかと思われますね」
くそ! ジジイに借りを作ってしまうとは……
扉を閉じて振り向いた僕たちは、そこで展開されている光景を見てしばし唖然となる。
何をやっているのだ? こいつら……
「きゃー! いやー!」「このエロジジイ!」
「ええチチしとるのお。ねえちゃん」
そこで起きていたのは、二人の若い女とジジイとの戦い……いや、これを『戦い』と言っていいのだろうか?
とにかく……
「ジジイ! 何をやっている!」
ジジイが一瞬だけ、僕の方を振り向く。
「おお! 若造、やっと来たか。わしに感謝するがよいぞ」
そう言っているジジイに、女の一人がナイフで切りつけようとするが、ひらりと避けられる。
「いやああ! 変態!」
いつの間にかジジイは女の腰にしがみついていた。
女は持っていたナイフを落とす。
いったいこれは、どういう状況なんだ?
「北村さん。あれを」
芽依ちゃんの指さす先に、ロケット砲が転がっていた。
「RPG7です。恐らく彼女たちは、伏兵なのでしょう。私たちが第二層を制圧して安心しているところを見計らい、ここから狙い撃ちしようとしていたと思われます」
「なるほど。それは分かったが、なぜ彼女たちはあんな格好をしているのだろう?」
どんな格好かと言うと、ミールの分身体が戦闘モードになった時に着けている、胸と腰だけをかろうじて覆っている本当に防御効果があるのか疑わしい鎧。
つまりビキニアーマーだ。
なんでこんな裸同然の格好をしているのだ?
「おそらく、北村さんを悩殺しようとしていたのでしょう」
「悩殺?」
見くびられたものだな。ミールの分身体に見慣れてしまった僕が、この程度で悩殺されるわけないだろう。
たぶん悩殺されないと思う。
悩殺されないんじゃないかな?
まあ、ちっと覚悟しておこう。
「さっき私たちは、扉の前で油断していました。あそこを狙われたらアウトでしたが、その前にルスラン・クラスノフ博士が彼女たちを見つけて、このような状態になったのかと思われますね」
くそ! ジジイに借りを作ってしまうとは……
0
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる