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第十六章
すみれ色のロボットスーツ
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「させるかよ」
イワンの装甲に四つの穴が開き、四門のバルカン砲がせり出してきた。
急降下してくる菊花隊に向かって弾幕を張る。
菊花隊も、ミサイルを放った事がレーダーで確認できた。
今までの攻撃で、イワン本体に菊花のミサイルは通じなかった。
触手だけならミサイルで何とかなりそうだが、あの細い触手に命中させられるのだろうか?
あのミサイルは、芽依ちゃんの機体が出している認識ビーコンを避けるようにプログラムしてある。芽依ちゃんを避けながら、細い触手に当てるのはかなり困難だと思うが……
あれ? ミサイルを放った後、菊花隊は離脱していく。
一機だけを残して……
そうしている間に、ミサイルは地表に到達。
ダメだ。
触手どころか、本体にも命中していない。
ミサイルは、すべて地表に激突して土煙を巻き上げた。
そうしている間にも、離脱しなかった一機の菊花が降下を続けている。
しかし、菊花にしては降下速度が遅いような……
いや! これは、菊花じゃない!
菊花とは別の飛行体だ!
それじゃあ、菊花隊の放ったミサイルは、これをイワンに接近させるための目くらまし?
これがアーニャの作戦なのか?
実際、イワンの周囲は土煙によって視界が遮られている。
視界だけでない。
ミサイルにチャフでも含まれていたのか、イワン周辺ではレーダーも効かなくなっていた。
しかし、視界を遮られレーダーも効かないのでは、こちらからも攻撃できないぞ。
よほど、接近しなければ……
という事は、今降下中の飛行体は接近戦用の兵器という事か?
やがて、飛行体を示す光点は、イワン周辺を覆っている土煙の高度にまで降りてきた。
「イナーシャル・コントロール・マイナス2G」
土煙の中から、ハスキーな女性の声が響く。
「森田さん! 今、お助けします」
「あなたは!?」
芽依ちゃんの知っている人なのか?
「森田さんを離しなさい! このエロ触手!」
いったい、何が起きている?
土煙が晴れた時、先ほどまで芽依ちゃんを拘束していた銀色の触手が、地面の上でトカゲの尻尾のようにピクピクとのたうちまわっていた。
触手から解放された桜色のロボットスーツの横には、すみれ色のロボットスーツが立っている。
その手には、日本刀が握られていた。
いや、日本刀のように見えるが、ヴィイイイン! という機械音が聞こえてくるところから考えて、振動剣とかいう武器では?
とにかく、この武器でイワンの触手を断ち切ったようだ。しかし、何者?
「すみれ色の機体!? 橋本さん! 橋本さんですね?」
すみれ色のロボットスーツは、バイザーを開いて顔を見せた。
その顔は……
「森田さん。お久しぶりです」
橋本晶! 来てくれたのか……
イワンの装甲に四つの穴が開き、四門のバルカン砲がせり出してきた。
急降下してくる菊花隊に向かって弾幕を張る。
菊花隊も、ミサイルを放った事がレーダーで確認できた。
今までの攻撃で、イワン本体に菊花のミサイルは通じなかった。
触手だけならミサイルで何とかなりそうだが、あの細い触手に命中させられるのだろうか?
あのミサイルは、芽依ちゃんの機体が出している認識ビーコンを避けるようにプログラムしてある。芽依ちゃんを避けながら、細い触手に当てるのはかなり困難だと思うが……
あれ? ミサイルを放った後、菊花隊は離脱していく。
一機だけを残して……
そうしている間に、ミサイルは地表に到達。
ダメだ。
触手どころか、本体にも命中していない。
ミサイルは、すべて地表に激突して土煙を巻き上げた。
そうしている間にも、離脱しなかった一機の菊花が降下を続けている。
しかし、菊花にしては降下速度が遅いような……
いや! これは、菊花じゃない!
菊花とは別の飛行体だ!
それじゃあ、菊花隊の放ったミサイルは、これをイワンに接近させるための目くらまし?
これがアーニャの作戦なのか?
実際、イワンの周囲は土煙によって視界が遮られている。
視界だけでない。
ミサイルにチャフでも含まれていたのか、イワン周辺ではレーダーも効かなくなっていた。
しかし、視界を遮られレーダーも効かないのでは、こちらからも攻撃できないぞ。
よほど、接近しなければ……
という事は、今降下中の飛行体は接近戦用の兵器という事か?
やがて、飛行体を示す光点は、イワン周辺を覆っている土煙の高度にまで降りてきた。
「イナーシャル・コントロール・マイナス2G」
土煙の中から、ハスキーな女性の声が響く。
「森田さん! 今、お助けします」
「あなたは!?」
芽依ちゃんの知っている人なのか?
「森田さんを離しなさい! このエロ触手!」
いったい、何が起きている?
土煙が晴れた時、先ほどまで芽依ちゃんを拘束していた銀色の触手が、地面の上でトカゲの尻尾のようにピクピクとのたうちまわっていた。
触手から解放された桜色のロボットスーツの横には、すみれ色のロボットスーツが立っている。
その手には、日本刀が握られていた。
いや、日本刀のように見えるが、ヴィイイイン! という機械音が聞こえてくるところから考えて、振動剣とかいう武器では?
とにかく、この武器でイワンの触手を断ち切ったようだ。しかし、何者?
「すみれ色の機体!? 橋本さん! 橋本さんですね?」
すみれ色のロボットスーツは、バイザーを開いて顔を見せた。
その顔は……
「森田さん。お久しぶりです」
橋本晶! 来てくれたのか……
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