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第三章

知ってるが、お前の態度が気に入らない

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「話とはなんだ?」
『どうだ? 俺達と手を組まないか?』
 手を組む? いきなり何を……
「その前に聞きたい」
『なんだ?』
「三日前に、シャトルがドローンに襲われた。お前がやったのか?」
『そうだ』
「目的は、なんだ?」
『お前が邪魔だからさ』
「なぜだ? 僕がお前に、何をしたというのだ? 僕は、三日前にプリンターで再生されたばかりだ。お前に恨まれるような事はしていない」
『何も事情は、聞いていないのか?』
「聞く前に、シャトルを落とされた」
『そうか。それで、俺はお前を殺そうとしたわけだが、どうする? 俺を殺すのか?』
 防弾服だから殺せないと思っているな。まあ、ドローンの自爆装置で、殺せるわけだが……
 この惑星に来て初めて会った地球人だし、できれば穏便にすませたいのだけど……
 僕は、Pちゃんの方を見る。
「こいつ、殺した方がいいかな?」
「それは、ご主人様が判断することです」
 ですよね。
「ただ、私は殺すべきだと思います」
 それは分かるけどね、人を殺すのはちょっと……いや、甘いって言うのは分かっているよ。
「おまえが今後も、僕の命を狙うつもりなら殺す。僕も、死にたくはないからな」
『ここで俺が、『もう命は狙わない』と言ったとして、おまえはそれを信用できるのか?』
 できないな。
『ここで俺を殺しても、俺の仲間がお前を狙う。で、さっきの話だが、俺達と手を組まないか? お前は三日前に、プリンターで出力されたばかりだそうだな。そして事情は聞いていない。それならまだ、この惑星にしがらみはないだろう』
 まあ、しがらみはあまりないな。翼竜と友達になれた以外は……
『俺達と手を組むなら、悪いようにはしないぞ』
 『悪いようにしない』という話を信じると、たいてい悪いようになる気がするんだが……
『おまえ。見知らぬ惑星にいきなり放り出されて、どうすればいいか困っているのだろ?』
 確かに……
『俺達のところに来れば、お前が今後、この惑星で無難に生活していけるように世話をしてやる。望むなら、もっと高みを目指せるように手を打ってやるぞ』
 なんか、いろいろ世話してくれるみたいな事を言ってるが……
 しかし、一度でも僕の命を狙った奴の言う事なんて信用できない。
「悪い話じゃないな」
『そうだろ』
「だが、断る」
『なぜだ? 分かってるのか? 俺の話を断るという事がどういう事か? 今後もおまえは命を狙われるという事だぞ』
 それは困るな。
 だけど……
「知ってるが、お前の態度が気に入らない」
 ていうか、こいつは『手を組もう』と言ってるが、自分の素性とか、目的とか、肝心なことは何も話していない。
 迂闊に手を組めば、何をされるか分かったものじゃない。
『ククククク』
 突然、男が笑い出した。
 僕は、何かおかしなことを言ったかな?
『合成音声なんて、まだるっこしい事はやめて、直接話をしたらどうだ? 声を変えても、お前だと分かるぞ。北村海斗』
 な!?
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