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第二章

ここは、マジに地球じゃなかった 8

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「なあ、Pちゃん。この惑星には僕の他にも地球人はいるのかい?」
「そりゃあいますよ。もちろん、御主人様と同じコピー人間ですが」
「地球人と、ベジドラゴンの関係はどうなっているんだい?」
「質問の意味が分かりません」
「つまりだな……地球人の畑を、荒らすとかはしないの?」
「そういう事はありません。ベジドラゴンは、この惑星固有の植物だけを食べています。ただ、地球人が、果物を与えたという記録があります」
「それなら、地球の果物の味を覚えてしまったんだろ。果樹園とか、荒らしたりしないの?」
「ベジドラゴンは大変知能が高く、人語を解する個体もいます。よって、人間との無用な争いを避けるため、そのような行動はしません」 
「そっか。じゃあ、地球人の居住地付近に、ベジドラゴンが棲みついたりすることはあるかい?」
「あります。地球人だけでなく、この惑星の原住民の里の近くにも棲みつきます」
 やっぱり、そういう事か。
 雀とか、タヌキは人里に近いところに棲みつく。
 その方が食べ物も手に入りやすいし、天敵は人間が追っ払ってくれて安全だ。
 このベジドラゴン達は、ここに僕がいるから降りてきたんだ。
 人間がいれば、天敵を追い払ってもらえ……天敵?
「こいつらに、天敵とかいるの?」
 考えれば草食動物なんだから、それを食う肉食動物がいたっておかしくない。
「はい、肉食のレッドドラゴンは、ベジドラゴンを主食としています」
 主食にされていたのか。なんか、可哀そう。
 ひょっとして、エビのような味でもするのだろうか?
「それと気を付けてください。レッドドラゴンは、人間を襲う事もあります」
 襲うのか? 僕なんか食っても、美味くないぞ。
「そのレッドドラゴンとやらに、ピストルやショットガンは通じるの?」
「まったく効果がないという事はありませんが、あまりお勧めできません。身体中が硬い鱗に覆われていて、ショットガン程度では、傷を負わせる事はできても、致命傷は無理です。確実に倒すとなったら、バズーカ砲ぐらいの火器が必要ですね」
「そうか」
 いや、いなくてよかった。
「ピー!!」
 かん高い鳴き声が聞こえた。
「なんだ?」
 チビ翼竜が、猛然とこっちへ駆けてくる。
 他の翼竜達も、翼をバタバタさせながら走り回っていた。
 何を、慌てているんだ?
 ん?
 何かが、日の光を遮った。
 上を見上げる。
「なあPちゃん。そのレッドドラゴンて、どんな姿をしているんだ?」
 Pちゃんは、上空を指さした。
「ちょうど、あんな姿をしています」
 やっぱしぃ!
「キシャー!!」
 上空を飛んでいた赤銅色をした巨大な翼竜が、奇声をあげて急降下して来た。
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