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第二章

ここはマジに地球じゃなかった 5

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「おい、Pちゃん。二百年も経ってるなら、もっと凄い武器があるはずだろ」
「未来の武器を出しても、使えなければ意味ないじゃないですか。これは、実際にご主人様が使ったことのある物を、プリンターで作ったのです」
「じゃあ、僕だけじゃなく、この武器も車もすべてプリンターで作ったのか?」
「はい。今の時代はプリンターで作るのが当たり前ですから」
 なるほど。僕に使える物ばかり出てきたのは、ご都合主義でもなんでもなかったわけか。
 マルチスキャナーが発明されたのは僕の……というより、僕のオリジナルである北村海斗が生きていた時代。それ以降に開発された工業製品は、すべてスキャナーで読み込んだ三次元データが保存されていた。だから、そのデータの中から僕の使える物をチョイスしてプリントアウトしていたわけだ。
 しかし、なんか騙されているような気がする。
「もっと、強力な武器はないの?」
「ありますよ」
 Pちゃんが、次にシャトルの中から出してきたのは、奇妙なリクライニングシートだった。
「マッサージ機なんかで、どうするんだ?」
「マッサージ機ではありません。この中に武器がはいっています」
「椅子の中に?」
「これに座って『装着』と言ってください」
 言われた通り座ってみた。
「装着」
 なんだ!?
 椅子のあちこちで蓋が開いた。
 何かが、僕の腕や足に巻き付いてくる。
 こ……これは……
 この装備を僕は知っていた。
 できれば、知らないでいたかった。
「これは200年前に、陸上自衛隊で正式採用された装備です。開発中のプロトタイプは、K工科大学在学中の北村海斗さんが、テストパイロットをやったと記録にあります」
「ああ……確かやった」
 今でも、『使え』と言われたら使いこなす自信はある。
 ロボットスーツ。
 僕が大学在学中に、単位と引き換えに人体実験に近いテストパイロットをやらされた機械だ。
 人間の手足の動きに合わせて動く人工筋肉によって、本来の力の数十倍の力を発揮したり、高速で走ったり、数十メートルの高さまでジャンプしたりできるわけだが、こいつが無理な動きをしたせいで、なんど関節が外れそうになったことか。
 実際に脱臼したこともあった。
 途中でバッテリーが無くなり、身動き一つできなくなる事もざらにあった。
 それより酷いのは、バッテリーが爆発して大火傷したこと。 
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