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第十三章
損害状況1
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程なくして、損害状況がまとまった。
「それではご主人様。損害状況を報告します。《水龍》ソナー二機損傷。他に損傷なし。《海龍》ソナー一機損傷。他に損傷なし。両艦とも損傷部分は、自動修復機構によって三十分以内に修復が完了いたします」
船体に、大きな損傷は無かったようだな。
「続いて備品の損傷ですが、《水龍》でお皿が十五枚割れました」
だから陶磁器は持ってくるなと……
「それとレイホーさんが調理中だった鍋が倒れて、スープが台無しです」
それは大損害だな。ていうか……
「レイホーは無事か? 火傷していないか?」
「レイホーさんは調理場を離れていたので無事でした」
良かった。
「続いて《海龍》の備品ですが、食器類の損傷はありません」
こっちにはプラスチック食器しかないからな。
「軽微な損傷がありますが……」
軽微な損傷?
「何が壊れたのだい?」
「大して重要な物ではありません。気にかける事はないです」
いや、気になるだろう。
「だから、何が壊れたの?」
「紹興酒の瓶が三本」
「ぬわにいいいい!」
ドロノフの補給部隊が運んで来てくれた貴重な酒を……
おのれ矢納課長許すまじ……食べ物の……いやいや、酒の恨みは恐ろしいという事を思い知らせてやる。
「損傷軽微ですね」
いや、大損害だ。
「それと人員の方ですが」
いかん、いかん。酒どころではなかった。
「負傷者が出たのか?」
「《水龍》で、ナージャさんが難聴を訴えています。防音イヤーマフとヘッドホンを、間違えた事が原因のようです」
あちゃあ……まあ、そのぐらいなら直ぐに治るだろうと思うが……
「今、カミラさんが薬を調合してくれています。《水龍》では、他に負傷者はいません」
「良かった。《海龍》は?」
「ミクさんが、船酔いで寝込んでしまいました。今、ミーチャさんが付き添っています」
発令所内を見回した。確かにミクの姿がない。そう言えば、トイレに行ったきり戻ってないな。あのまま寝込んでしまったのか。後で、様子を見に行こう。
「医務室でミクさんは『もう、潜水艦はやだよ』と魘されております。ミクさんが後退した事により 《海龍》の戦力は十一パーセント低下」
ガンタ○クかよ!
「それではご主人様。損害状況を報告します。《水龍》ソナー二機損傷。他に損傷なし。《海龍》ソナー一機損傷。他に損傷なし。両艦とも損傷部分は、自動修復機構によって三十分以内に修復が完了いたします」
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だから陶磁器は持ってくるなと……
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いや、大損害だ。
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あちゃあ……まあ、そのぐらいなら直ぐに治るだろうと思うが……
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「良かった。《海龍》は?」
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「医務室でミクさんは『もう、潜水艦はやだよ』と魘されております。ミクさんが後退した事により 《海龍》の戦力は十一パーセント低下」
ガンタ○クかよ!
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