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第十一章
レーザー地雷(天竜過去編)
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敵が防御を固めていた事は分かった。
問題は、王はどんな武器でやられたのか?
周囲から、多数のレーザーを受けたようだが……
「どうやら、これの様ね」
王から送られて来たデータを分析していたアーニャが、兵器カタログから探し出した一つのデータを僕らに見せた。
「月面用レーザー地雷。月のレゴリスの下に埋め込んで使用するレーザー兵器よ。敵が近づくと、レゴリスに隠れていた砲身が出てきて低出力レーザーで攻撃するの。縦穴の周囲に、これが多数埋め込まれているようね」
「全員で突撃していたら、全滅していたわね。デブのおかげで助かったけど、ここをどうやって突破するの? アーニャ」
趙 麗華の質問に対して、アーニャは首を横にふって答える。
「無理。こんなの、突破できない」
「無理って何よ! デブがせっかく自分を犠牲にしたのよ。このままじゃ、あいつが浮かばれないわ!」
だから死んでないって……
「諦めるなんて言っていないわ。今、対策を考えているのだから……あなた達も、何かいいアイデアがあったら言ってみてよ」
「しょうがないわね。それなら私がいいアイデア出してあげる。相手は数が多いけど、武装は所詮低出力レーザー。レーザー攪乱膜で防げるわ」
「どうやって、攪乱膜を張るの?」
「どうやってって……装備の中にレーザー攪乱膜があったと思ったけど……」
「ここで攪乱膜は使えないわ」
「なんで?」
「攪乱膜は大量の金属箔を空中に滞空させる事ができる条件がないと使えないの。濃密な大気があるか、無重力状態じゃないと無理なのよ」
「ええっと……」
「つまり、ある程度強い重力があって大気圏のない天体の上では、レーザー攪乱膜は張れないわ。まったくできないわけではないけど、攪乱膜を形成する金属箔は重力に引き寄せられて数秒で月面に落ちてしまう。際限なく金属箔か微粒子を空中に噴出させる方法があればいいけど、私達の装備では無理ね」
「もう! それなら、先に言ってよ! 恥かいちゃったじゃない!」
「別に恥をかかせるつもりはなかったわよ。あなたが、私の思いつかない方法を考えたのか思っただけ」
「嘘よ! 私に恥をかかせようとしたのでしょ。いいわよ! どうせ私は馬鹿ですようだ!」
ああ、いじけた。面倒くさい子だな。
趙 麗華のアバターは、そのまま柳 魅音のアバターに縋りつく。
「ふえーん! 魅音! アーニャが苛める」
「よしよし。誰も麗華を、馬鹿なんて思っていないよ」
僕は少し思っていたけど……そんなのと友達でいられる、柳 魅音が女神様に見えてきた。
不意に女神様が……いやいや、柳 魅音がアーニャの方を振り向く。
「ねえ、アーニャさん」
「な……何? 私は別に……」
「攪乱膜というのは、悪くないと思うのです」
「そりゃあ、別に悪いとは、言っていないけど……」
「際限なく微粒子を噴出させればいいのですね?」
「そうだけど、方法があるの?」
「はい」
「どうやって? 私達の装備では……」
「装備はいりません。大自然の力を借りるのです」
「大自然?」
問題は、王はどんな武器でやられたのか?
周囲から、多数のレーザーを受けたようだが……
「どうやら、これの様ね」
王から送られて来たデータを分析していたアーニャが、兵器カタログから探し出した一つのデータを僕らに見せた。
「月面用レーザー地雷。月のレゴリスの下に埋め込んで使用するレーザー兵器よ。敵が近づくと、レゴリスに隠れていた砲身が出てきて低出力レーザーで攻撃するの。縦穴の周囲に、これが多数埋め込まれているようね」
「全員で突撃していたら、全滅していたわね。デブのおかげで助かったけど、ここをどうやって突破するの? アーニャ」
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「無理。こんなの、突破できない」
「無理って何よ! デブがせっかく自分を犠牲にしたのよ。このままじゃ、あいつが浮かばれないわ!」
だから死んでないって……
「諦めるなんて言っていないわ。今、対策を考えているのだから……あなた達も、何かいいアイデアがあったら言ってみてよ」
「しょうがないわね。それなら私がいいアイデア出してあげる。相手は数が多いけど、武装は所詮低出力レーザー。レーザー攪乱膜で防げるわ」
「どうやって、攪乱膜を張るの?」
「どうやってって……装備の中にレーザー攪乱膜があったと思ったけど……」
「ここで攪乱膜は使えないわ」
「なんで?」
「攪乱膜は大量の金属箔を空中に滞空させる事ができる条件がないと使えないの。濃密な大気があるか、無重力状態じゃないと無理なのよ」
「ええっと……」
「つまり、ある程度強い重力があって大気圏のない天体の上では、レーザー攪乱膜は張れないわ。まったくできないわけではないけど、攪乱膜を形成する金属箔は重力に引き寄せられて数秒で月面に落ちてしまう。際限なく金属箔か微粒子を空中に噴出させる方法があればいいけど、私達の装備では無理ね」
「もう! それなら、先に言ってよ! 恥かいちゃったじゃない!」
「別に恥をかかせるつもりはなかったわよ。あなたが、私の思いつかない方法を考えたのか思っただけ」
「嘘よ! 私に恥をかかせようとしたのでしょ。いいわよ! どうせ私は馬鹿ですようだ!」
ああ、いじけた。面倒くさい子だな。
趙 麗華のアバターは、そのまま柳 魅音のアバターに縋りつく。
「ふえーん! 魅音! アーニャが苛める」
「よしよし。誰も麗華を、馬鹿なんて思っていないよ」
僕は少し思っていたけど……そんなのと友達でいられる、柳 魅音が女神様に見えてきた。
不意に女神様が……いやいや、柳 魅音がアーニャの方を振り向く。
「ねえ、アーニャさん」
「な……何? 私は別に……」
「攪乱膜というのは、悪くないと思うのです」
「そりゃあ、別に悪いとは、言っていないけど……」
「際限なく微粒子を噴出させればいいのですね?」
「そうだけど、方法があるの?」
「はい」
「どうやって? 私達の装備では……」
「装備はいりません。大自然の力を借りるのです」
「大自然?」
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