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第十一章
宇宙機母船(天竜過去編)
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直径二メートルの金属球。それにエンジンノズルや砲身が着いている。そんな物体がエアロックの中にあった。これが戦闘用宇宙機だそうだが、僕のイメージしていた物とはかなり違う。まあ、宇宙で使うのだから、翼のような空力学的構造物なんて必要ないのは分かるけど……球体って、昔のロボットアニメに出てくる雑魚メカじゃないか。
「これが、これから君達に操作してもらう機体です」
エアロックに集められた、僕を含めた十九人の少年少女の前で、楊さんが戦闘用宇宙機について説明していた。その隣にアーニャが立っている。
「操作法については、すでにブレインレターで君達の脳に送り込んであるので、簡単なスペックだけを説明します。この機体のメインエンジンはプラズマコア対消滅エンジン。最大加速二十G。武装は三十ミリ無反動電磁砲と五十メガワット自由電子レーザー砲。電磁砲を使う時は、後ろに気を付けて下さい。反動を打ち消すための弾を発射するから」
そこでアーニャが、コントローラーを楊さんに手渡す。
「この機体は、遠隔操作なので破壊されても操作している君達が死ぬことはありません。それでも、可能な限り機体は大切にして下さい。このボディはホイップルバンパーで守られているので、多少のデブリなら問題ないけど、電磁砲を撃ってこられたら防ぎ切れません。電磁砲を撃たれたら、可能な限り砲弾との相対速度を小さくして……」
楊さんが機体にコントローラーを向けた。
ボン!
機体片面が、大きな風船のような物に包まれた。
「このエアバックで防いで下さい」
エアバックだったんだ。
僕は手を上げて質問した。
「それはエアバックなのですか? バリュートではないのですか?」
「バリュートは大気圏突入や、エアブレーキなどに使う物です。このエアバックには、それだけの耐久性はありません」
僕の隣にいた高校生ぐらいの女の子が手を上げた。
「アンチ デブリ シールドは無いのですか?」
「ありません。あれを付けると、重くなりすぎます」
それから、いくつか質問に答えた後、楊さんは母船の説明を始めた。
「宇宙機母船の現物は、現在プリンターで出力中です。したがって、君達には映像だけ見てもらいます」
大型スクリーンに映ったのはシリンダー状の船体。その船体表面に、先ほど説明のあった戦闘用宇宙機十五機が張り付いている。
「この母船を四隻プリントしています。君達は一隻に五人ずつ乗り込んで《天竜》から、十万キロ離れた宙域で宇宙機を操作してもらいます」
やたらと太った少年が手を挙げた。
「一隻につき五人でいいのですか? 見たところ一隻につき、十五機の機体がありますが……」
「十五機のうち、十機は予備機です。操作中の機体を破壊されたオペレーターは、すぐに予備の機体を出撃させて下さい」
僕は手を挙げた。
「一隻につき五人と言われましたが、僕たちは十九人しかいません。一隻だけ、四人になりますが……」
僕の質問には、アーニャが答えた。
「私が二十人目のオペレーターです」
「え?」
「よろしくね。白龍君」
「ども……」
「これが、これから君達に操作してもらう機体です」
エアロックに集められた、僕を含めた十九人の少年少女の前で、楊さんが戦闘用宇宙機について説明していた。その隣にアーニャが立っている。
「操作法については、すでにブレインレターで君達の脳に送り込んであるので、簡単なスペックだけを説明します。この機体のメインエンジンはプラズマコア対消滅エンジン。最大加速二十G。武装は三十ミリ無反動電磁砲と五十メガワット自由電子レーザー砲。電磁砲を使う時は、後ろに気を付けて下さい。反動を打ち消すための弾を発射するから」
そこでアーニャが、コントローラーを楊さんに手渡す。
「この機体は、遠隔操作なので破壊されても操作している君達が死ぬことはありません。それでも、可能な限り機体は大切にして下さい。このボディはホイップルバンパーで守られているので、多少のデブリなら問題ないけど、電磁砲を撃ってこられたら防ぎ切れません。電磁砲を撃たれたら、可能な限り砲弾との相対速度を小さくして……」
楊さんが機体にコントローラーを向けた。
ボン!
機体片面が、大きな風船のような物に包まれた。
「このエアバックで防いで下さい」
エアバックだったんだ。
僕は手を上げて質問した。
「それはエアバックなのですか? バリュートではないのですか?」
「バリュートは大気圏突入や、エアブレーキなどに使う物です。このエアバックには、それだけの耐久性はありません」
僕の隣にいた高校生ぐらいの女の子が手を上げた。
「アンチ デブリ シールドは無いのですか?」
「ありません。あれを付けると、重くなりすぎます」
それから、いくつか質問に答えた後、楊さんは母船の説明を始めた。
「宇宙機母船の現物は、現在プリンターで出力中です。したがって、君達には映像だけ見てもらいます」
大型スクリーンに映ったのはシリンダー状の船体。その船体表面に、先ほど説明のあった戦闘用宇宙機十五機が張り付いている。
「この母船を四隻プリントしています。君達は一隻に五人ずつ乗り込んで《天竜》から、十万キロ離れた宙域で宇宙機を操作してもらいます」
やたらと太った少年が手を挙げた。
「一隻につき五人でいいのですか? 見たところ一隻につき、十五機の機体がありますが……」
「十五機のうち、十機は予備機です。操作中の機体を破壊されたオペレーターは、すぐに予備の機体を出撃させて下さい」
僕は手を挙げた。
「一隻につき五人と言われましたが、僕たちは十九人しかいません。一隻だけ、四人になりますが……」
僕の質問には、アーニャが答えた。
「私が二十人目のオペレーターです」
「え?」
「よろしくね。白龍君」
「ども……」
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